川合典子 ブログ

英語教育、英語学習、発音習得、帰国子女の言語習得について書いています。

変更

今週掲載する予定でした「和文英訳 (最終回)」は、11月30日に掲載いたします。



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高校入試で子供たちが親の収入によって差別されない為に以下のお知らせを書かせていただきます。

高校入試のスピーキングテストについて(大学入試のスピーキングテストについても同様です)

高校入試のスピーキングテストは本来文部科学省が学校教育で正しい発音を生徒に教えてから行うべきものです。  しかし、文部科学省が教科書にCDもつけず、正しい発音の仕方も学校で教えないまま、高校入試でスピーキングテストを実施する動きが都立高校などで始まっています。 (大学入試でもスピーキングテストが行われようとしています)  これは、スピーキングスキルの習得を塾や予備校、会話学校に丸投げするものです。  学校で教えていないスキルを入試でテストすることはあり得ません。

これでは経済的に余裕のない、塾や会話学校にいけない家庭の子供は誰にも正しい発音を教えてもらえず、練習するCD(音声モデル)も与えられないまま、高校入試でスピーキングテストをされることになり、明らかに親の収入による進路の差別が始まります。(詳しくは2018年3月8日のブログ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」をお読みください。)

皆さんの身近に教育関係者がいらっしゃいましたら、ぜひ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」であることをお伝えください。  (大学入試のスピーキングテストについても同じことです)  
15歳で親の収入のために進路を差別されるのでは子供たちがあまりにもかわいそうです。




英語教育については、下のブログも併せてご参照ください。  日付をクリックすると移動できます。
2017年10月12日
文部科学省 新中学校学習指導要領 英語 「4技能」は全く効果がない(子供たちが通じる発音でスラスラ話せるようになる学習指導要領の見本付き)

和文英訳(2)初級者中級者は、単語の日本語訳を手掛かりに自分の言いたいことを英文にする。「英語で考える指導法」の提唱者(松本亨氏・英語学校FORWARD石渡誠氏)は自分の生徒が日本語訳を使っている事を知らないだけ。先生がいけないと言うから生徒も本当の事が言えないだけ。「日本語訳を使ってはいけない」という松本亨氏、石渡誠氏の指導法は、初級者中級者の英語力向上の障害になる。

昨日のブログでは、「私の子供たちが英語を自由に使えるようになるまでは、日本語訳を知っている単語を並べて英文にして話していた」というお話をしました。  彼らが授業で使うような難しい内容まで含めて英語のまましゃべれるようになったのは、アメリカに滞在して3年目でしたので、それまでは日本語訳の分かった単語を英文にしてしゃべっていました。

松本亨氏の学校では「学校内日本語禁止」だったそうですけれど、生徒は、入学した時から、英語で自分の言いたいことが頭に浮かぶ状態になっていたのでしょうか?  つまり、自分の言いたいことを日本語から英語に訳して話すのではなく、言いたいことは英語のまま頭に浮かんで、英語を話していたのでしょうか?

多分そうではないでしょう。  もし、思ったことが自動的に英語でしゃべれる状態だったら、英語学校になど来ないでしょう。  むしろ、思ったことを和文英訳しないで、直接英語でしゃべれるようになりたいから、「英語で考える指導法」を掲げる松本亨氏の学校に入学したのでしょう。

体験を読むと、高校を卒業して、入学したと書いてありますので、高校を卒業した段階で、思うことが全部英語で頭に浮かぶ状態にはならないと思います。 


英語学習をしている人が、何か思った瞬間にそれを表現する英語が自動的に頭に流れなかったら、どうやって、自分の思ったことを英語でしゃべるか、というと、日本語を英語に訳してしゃべります。  

松本亨氏の学校には、入学当初は、日本語を英語に訳してしゃべっている生徒さんはたくさんいたと思います。  私は日本語を英語に訳してしゃべる時期があるのは、英語習得のプロセスにおいて、当然だと思っていますので、和文英訳してしゃべっている生徒さんが悪いとは、思いません。  

最初から日本語を介在させないで英語を喋れる人はいません。  ですから和文英訳をしてしゃべるのは当然でしょう。

そして、ここでもう一つ、指摘したいのは、

日本語を英語に訳してしゃべるには、日本語からその意味を表す英単語が思い出せなければならないということです。  つまり、英単語とその日本語訳を結び付けて頭に入れておかないと、日本語から使うべき英単語は思い出せないということです。

松本亨氏は、英語を日本語に訳してはいけない、といったそうですけれど、和文英訳して話していた生徒さんは、みんな自分の使う英単語の日本語訳は知っていたということです。  そうでないと和文英訳はできません。  もちろん日本語を直訳しても適切な英文にはなりませんが、言いたいことを表す英語がそのまま頭に浮かんでこない生徒さんは、日本語訳を手掛かりに英単語を探して、和文英訳のヒントにするしかないでしょう。

先生が、日本語訳を使ってはいけないというから、そのことを口にする生徒さんはいなかったと思いますが、英単語の日本語訳が分からなければ初級、中級の生徒さんは和文英訳はできません。

私は、それが悪いと言っているわけではありません。  私の息子も娘もそうでしたから、それが普通の英語習得の過程だと思っています。  むしろ「母国語で英単語を正確に理解することが、しっかりした英語の基礎を作ること」を私は子供たちの英語習得の過程を見て確信しました。  生徒さんが日本語訳と一緒に英単語を覚えていたのは、正しいやり方です。

問題はそのプロセスをきちんと見ないで、「日本語訳を使ってはいけない」、「日本語訳を使うと英語力の妨げになる」と主張する指導者のほうです。  私の子供たちは、アメリカにいても全文和訳でバイリンガルになりました。  最初のころは英文和訳、と和文英訳の連続でした。  日本語を使うことが高い英語力を持つことの妨げにならない証拠です。  むしろ日本語訳を使わないとしっかりした英語力は付きません。 

日本語を介在させないで、言いたいことが英語で頭に浮かんでくるのは英語学習の最終段階です。  上級者がやっていることです。  子供たちで言えばアメリカ生活3年目で出来るようになったことです。  初級者、中級者にはできません。  

ですから、英語脳を作る方法は、初級者、中級者に日本語訳を使わせない事ではありません。

そうではなく、語彙も表現の仕方(文)も生徒が理解できる日本語でどんどん理解させて、大量に意味の分かった英語をインプットさせることです。  それが英語脳構築の方法です。  英語脳を作るには「インプットの量」が最も重要な要素なのです。  なぜなら、英語で考えている人と日本人とでは英語のインプットの量が全然違うからです。  

どのいくらい違うかというと、アメリカの大学生は文化も歴史も教育もすべて英語でインプットされ、日本の大学生は文化も歴史も教育もすべて日本語でインプットされています。  下は「大学教育を英語で行うこと」というシリーズの一番最初のブログに書いた表です。  英語のインプットの量が日米でこんなに違うことが分かります。


=====アメリカの大学生===日本の大学生=====
文化      English       日本語
歴史      English       日本語
家庭生活    English       日本語
社会生活    English       日本語
幼稚園     English       日本語
小学校教育   English       日本語
中学校教育   English       日本語
高校教育    English       日本語
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こういう状態で、英語脳を作るのに最も重要なのは「インプットの量」なのです。  意味の分かるようになった英語の大量のインプットです。


石渡誠氏は松本亨氏の英語学校で学ばれたと、安河内哲也さんが東洋経済オンラインで、行ったインタビューの記事で知りました。 http://toyokeizai.net/articles/-/13978 高校を卒業して入学されたそうですから、石渡誠氏は入学当初は言いたいことが自然に英語で頭に流れる状態ではなかったと思います。

けれども学校内日本語禁止ですから、思ったことはすべて英語で話していらしたことと思います。  しかし、まだ和文英訳の状態で話していたと思いますので、自分が話している英単語の日本語訳はすべてご存じだったと思います。  これは、英単語の意味を日本語に訳してはいけない、という松本亨氏の方針とは違いますね。

石渡誠氏の学校には多くの生徒さんが学んでいらっしゃると思いますが、入学当初から言いたいことが英語のまま頭に浮かぶ生徒さんは、少ないと思います。  むしろ、日本語を介在させないで英語を話せるようになりたいから入学してくるのでしょう。

学校内は日本語禁止だそうですから、そういう生徒さんは和文英訳をして英語をしゃべっている事と思います。  和文英訳をするためには、英単語の日本語訳を知っていなければできません。  ですから、和文英訳でしゃべっている生徒さんは、自分がしゃべる英単語の日本語訳は全部知っているということです。  これは日本語訳を使ってはいけないという、石渡誠氏の方針とは違うと思います。

結局、「英語で考える指導法」の提唱者松本亨氏も、石渡誠氏も生徒が頭の中でやっていることを知らないだけです。  「英語で考える指導法」の提唱者だけが、 生徒が日本語訳を使って英文を作っているのを知らないのです。

自分の生徒がどうやって英語でしゃべっているかも知らないで、「英語で考える指導法」「日本語訳を使ってはいけない」と松本亨氏も、石渡誠氏も提唱しているわけです。 (生徒さんは、先生がいけないとおっしゃるから、日本語訳を使っていることは先生に言えないのでしょうね。)


初級者、中級者、「まだ言いたいことが直接英語で頭に浮かんでこない人」つまり、和文英訳でしゃべっている人は英単語の日本語訳を知らなければ英語は話せません。  英語しか使っていないアメリカ人には和文英訳はできませんから、和文英訳でしゃべっている人は、その英語と日本語の接点を持っているということです。  もちろん逐語訳でしゃべるわけではありませんが、英文が直接頭に浮かばない以上、知っている日本語訳を手掛かりに英文を作るしかないでしょう。

そのためには、英語と日本語の接点を持っていなければなりません。その接点が日本語訳なのです。  だから、日本語訳を使ってはいけないという「英語で考える指導法」では、初級者中級者は、自分の言いたいことを英語で喋れないのです。

文部科学省が学習指導要領を書いている中学生、高校生は、初級者中級者です。  この子たちに英語を日本語に訳してはいけない、というと日本語訳が身に付きませんから、自分の言いたいことを英語で表現できなくなります。  つまり、日本語訳を使わせないと、子供たちは自分の言いたいことを英文にするすべがないのです。  子供たちに英語をしゃべらせようとして、英語で授業をさせているのでしょうが、日本語訳を知らなければ子供たちは、言いたいことを英語に訳してしゃべれません。

Laugh という言葉を教科書で習ったとき、先生が、「Laughって笑うっている意味なんだよ。  Smile はにっこり笑うっていう感じ。  Laughは声を出して笑う感じだよ。」と教えてくだされば、生徒はそれを覚えていますから、友達が笑うのを見て、「ああいうのをLaughっていうんだな」と、自分が思ったことを日本語から英語に訳して言えるわけです。

授業が全部英語だったら、生徒たちは、先生から日本語訳を聞く機会が少なくなりますから、日本語と結びついている英単語が少なくなってきて、和文英訳で話すこともだんだんできなくなります。初級者、中級者は、「日本語訳を知っている単語」が多ければ多いほどいろいろなことが英語で話せます。 このことは英語学習者ならだれでも体験として知っています。


だから、学校で、英語で授業なんかやっていたら、だめなのです。  初級者中級者はまだ、日本語を英語に訳してしゃべっている段階ですから、日本語訳と結び付けて覚えさせないと、英語をしゃべることが出来ません。  

文部科学省は、中学も高校も「英語で授業」などおやめになることです。 

「英語で考える指導法」は、初級者、中級者に、「英語と日本語をつなぐ接点 − 日本語訳」を使わせない指導法です。  その結果、子供たちは言いたいことを英文にする手段を失います。  
子供たちの能力を失わせる「英語で授業」はもうやめてください。



英語と日本語の接点についてはこちらの2015年4月19日のブログ「わが子の英語力を上げたかったら、文部科学省がどのような方針を打ち出そうと、中学、高校の英語は日本語で学習させる(最終回)日本語訳がなければ英語は生徒の意識に入らない」をご覧ください。  やがて、その接点の切り離しが始まると英語だけでしゃべれるようになることがお分かりになります。

「英語で考える指導法」をしても、学習者は、日本語と英語をつなぐものがないので、何もわかりません。  日本人にとって、なんの意味もない、なんの関係もない指導法です。  もうそろそろこの方法は日本の英語教育界から「お蔵入り」にしたほうがいいと思います。  

50年にも渡った誤った指導法 − 「英語で考える指導法」、私はそれを終わらせるために自分はここにいると思っています。  子供たちが誤った英語指導を受けないためにそれを終わらせることが必要だと思っているからです。

来週に続く




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高校入試で子供たちが親の収入によって差別されない為に以下のお知らせを書かせていただきます。

高校入試のスピーキングテストについて(大学入試のスピーキングテストについても同様です)

高校入試のスピーキングテストは本来文部科学省が学校教育で正しい発音を生徒に教えてから行うべきものです。  しかし、文部科学省が教科書にCDもつけず、正しい発音の仕方も学校で教えないまま、高校入試でスピーキングテストを実施する動きが都立高校などで始まっています。 (大学入試でもスピーキングテストが行われようとしています)  これは、スピーキングスキルの習得を塾や予備校、会話学校に丸投げするものです。  学校で教えていないスキルを入試でテストすることはあり得ません。

これでは経済的に余裕のない、塾や会話学校にいけない家庭の子供は誰にも正しい発音を教えてもらえず、練習するCD(音声モデル)も与えられないまま、高校入試でスピーキングテストをされることになり、明らかに親の収入による進路の差別が始まります。(詳しくは2018年3月8日のブログ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」をお読みください。)

皆さんの身近に教育関係者がいらっしゃいましたら、ぜひ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」であることをお伝えください。  (大学入試のスピーキングテストについても同じことです)  
15歳で親の収入のために進路を差別されるのでは子供たちがあまりにもかわいそうです。

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英語教育については、下のブログも併せてご参照ください。  日付をクリックすると移動できます。
2017年10月12日
文部科学省 新中学校学習指導要領 英語 「4技能」は全く効果がない(子供たちが通じる発音でスラスラ話せるようになる学習指導要領の見本付き)


ここから先は、いつも書いていることです。

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7月30日以降、私は、いつもブログに書いている3つのことの2番目、「英語で考える」を提唱した松本亨氏の主張について」という項目の最初のほうに文章を付け加えました。 

それをお読みになると私がこの4年間、全く名前を出すことのなかった石渡誠氏の名前をなぜ書くようになったのか、その理由がお分かりになります。

英語で考える指導法の提唱者、石渡誠氏は、その方法が有効であるならば、日本語訳を使わず、アラビア語アラビア語で学んで、アラビア語が堪能になるかどうかご自身でやってみて、その結果を公開してください。  「英語を英語で教えるということが、中高でも広まってきて、良いことです」(2017年7月30日のブログ)などとおっしゃるのは、それを自分で証明してからにしてください。
  
自分で、その証明ができないなら、「英語で考える指導法」は、本当は実在しない「英語で考える詐欺指導法」であり、「英語を英語で理解する指導法」は、本当は実在しない「英語を英語で理解する詐欺指導法」ということです。この詐欺指導法を提唱する石渡誠氏は、自分が日本中の高校生、中学生(「英語で授業」は決定されましたが、まだ実施はされていません)にどれほどひどいことをしてきたか、真剣に自覚されたほうがいいと思います。 

教師としての良心があるなら、自分の商売を拡大する前に、今もなお石渡氏の「英語で考える詐欺指導法」の犠牲になっている日本中の高校生、中学生にすることがあるでしょう。

石渡氏の2015年5月7日のブログを読むと、文部科学省にこの「英語で考える詐欺指導法」を持ち込んだのが石渡氏であることが分かります。  私たち国民は、この「英語で考える詐欺指導法」がどうやって文部科学省に持ち込まれたのか、知る権利(国民の知る権利)がありますので、このことを書き添えました。

私は、その数か月後、頭の打撲が治ったころ、インターネットで検索して、石渡氏のブログに書かれていたこの会合についていくつかのブログを読みました。  そこには、「この会合には英語界の重鎮中の重鎮の方々が集まっている」とか「英語教育界の大御所の方ばかり」とか書かれてありました。(「2015年5月5日 ついに変わる! 英語教育改革の全貌」で検索すると現在でもいくつか出てきます。)

石渡氏の5月7日のブログを読んだ私は、「どんなに立派な肩書をお持ちの英語教育の専門家の主張であっても、私の経験に照らし合わせてその主張が間違っていたら、私は一歩も引いてはならない」と決意しました。  そうしないと、日本中の子供たちが、「英語で考える詐欺指導法」の犠牲になってしまう」と思いました。

それで、2015年6月1日のブログを書きました。  どれほど、中学の英語の授業を英語ですることを阻止したかったかといえば、頭を打って、容体が急変した時は、知人にこのブログのアップを頼むほど、私は、それを阻止したいと思いました。(その時のことはこちらのブログに書いてあります)

石渡誠氏は、日本中の子供たちに誤った指導法をさせて、教師として、良心が痛むことはないのでしょうか。  今日も一生懸命、学校で勉強しているたくさんの子供たちのことを考えたことはないのでしょうか。

* * *

私は随分長い間、自分の本のランキングを妨害されていますが、おそらく、やっている人は、私が英語教育の分野からいなくなるまで、妨害を続けるのでしょう。

ただ、私は、英語教育の分野からいなくなるわけではないようです。

こちらのブログに書いた外国人の方が、1999年11月にこのことの後、どういう結末になるのか、私に教えてくれました。  (初めて聞いたときは、これは本当に自分のことなのだろうかと思いました)  それによると、私は、「英語教育の分野からいなくなる」わけではないようです。

その外国人の方の言った通りになるのかどうか知りませんが、少なくとも、私は妨害されて、英語教育の分野からいなくなる、とは言われませんでした。

どういう結末になるかは、これからわかると思いますが、18年前、その結末を聞かされていたので、私は、「英語耳」の松澤喜好氏に盗作されようと、妨害されようと、日本人が誰も聞けない音について本を書いていようと、今日まで、頑張って来ることが出来ました。  どんな立派な肩書を持つ英語教育の専門家の言うことも自分の経験から見て、間違っていたら、一歩も引かない、という決意ができたのも、18年前、このことの結末がどうなるのか聞かされていたからでした。

文部科学省の方針に正面から反対したのも、50年間信じられていた松本亨さんの主張を否定したのも、この後、どういう結末が訪れるのか、あの時、その人から聞いていたからでした。  

なぜ、その人が、私にそんな先のことを教えてくれたのか、その時は分かりませんでしたけれど、今は、わかる気がします。

たぶん、その方は、2008年以降、私がどれほど苦しい思いをするかご存じだったのだと思います。 2008年以降、私が「英語耳」の松澤喜好氏と、KADOKAWA/アスキーメディアワークスのためにどれほど泣くことになるか、ご存じだったのだと思います。(詳細はこちらです。)  その時にくじけないように、その苦しさの先にある結末を教えてくれたのだと今は、思っています。

実際、この結末を聞いていなかったら、私は、2008年から今日まで、到底一人でやって来ることはできなかったと思います。  

もう私の本のランキングを下げるなどという行為はおやめください。

KADOKAWA/アスキーメディアワークス社長塚田正晃氏は「著作権法に抵触するのは犯罪行為だ」と言っています。(こちら) 松澤さんは、「松澤は盗作!というのはすごーい!」とHPに書いていましたが、塚田さんの主張によれば、盗作は犯罪行為です。  

他人のランキングを妨害するのも、営業妨害ですから、犯罪行為です。    

もう妨害はやめてください。

KADOKAWA/アスキーメディアワークス(塚田正晃社長)は、隠ぺい工作までして、著者が自分のホームページで盗作を豪語するような悪質な出版はやめてください。(詳細はこちらです。) 

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私の2冊目の本「続・英語発音、日本人でもここまでできます。」(緑色の本)を購入された方で、CDトラック6,13,18,19にある生徒さんと私の子音の長さの比較がよくわからない方は下のブログを参考にしてください。

2016年7月3日のブログ  子音を長く言う「川合メソッド2」「L」の練習 4週間後 (長いSの例)
2016年9月1日のブログ  RとFの練習 1か月後 マライア・キャリー (長いLの例)
2015年2月1日のブログ  「続・英語発音、日本人でもここまでできます。」付属CDトラック6 例文 Where's my bag? 川合典子には生徒のWの発音はどう聞こえたか。

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ここから先は、毎回掲載している3つのことです。「なぜ毎回3つのことを掲載するのか」その理由については、こちらのブログをご覧ください。 

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英語教育について

文部科学省の英語教育の方針は、効果がありません。

今年3月に発表された中学校の学習指導要領(英語)は全く効果がありません。  理由は、2017年10月12日のブログをご覧ください。


以下、効果のないものを列挙します。
1)現在、高校生が行っている「英語で授業」は効果がありません。  (理由はこちら
2)「CAN-DOリスト形式」は効果がありません。 (理由はこちら
3)「4技能」は効果がありません。  (理由はこちらこちら
4)現在、小学校の英語教育で子供たちが話しているのは、英語の発音ではありません。 (理由はこちら
5)大学教育を英語で行うと日本の学問は壊滅的な打撃を受けます。 (理由はこちら
以上の理由により、文部科学省の方針は効果がありません。

「発音」、「語順」、「英語で考える」、それぞれを習得する方法は2015年10月19日のブログ「川合式英語学習法」をご覧ください。

これは全部私自身がやってきたことです。  こうすれば、生徒たちは必ず通じる英語で話すようになります。
英語で考える指導法を提唱する人たちのように、「自分は日本語訳を使ったけれど、生徒たちは使うな」というような、誰も実際にはやっていないような指導方法ではありません。  私は全部自分でやっています。


「英語で考える」を提唱した松本亨氏の主張について

松本亨氏の「英語で考えるためには日本語訳を使ってはいけない」という主張は2006年、私の子供たちが全文和訳でバイリンガルになった事実によって否定されました。 

「英語で考える指導法」は詐欺である可能性が高いです。

松本亨さんの書いた「英語で考える本」「英語で考えるには そのヒケツと練習」という本に書いてある練習をしても英語で考えるようにはなりません。(2月4日のブログ「英語の思考活動」、3月1日のブログ「先生の宿題のプリント「英語で考える」ってどういうこと?」を参照してください)

英語で考える指導法を掲げる英語学校FORWARDの指導者、石渡誠さんは、松本亨さんの「英語で考える本」「英語で考えるには −そのヒケツと練習−」という本で勉強すれば英語で考えるようになると2017年1月19日のブログで言っていますが、この2つの本で勉強しても、英語で考えるようにはなりません。  「この方法を26年教えてきた」と書いていますが、26年間も効果のない方法を教えてきたというのは驚きですね。  

私は、この件について、松本亨さん(著作を含めて)以外の固有名詞を入れることをずっと避けてきました。  けれども、石渡誠さんの2017年7月30日ブログの冒頭の

日本の英語教育界もようやく変革の時が!英語を英語で教えるということが、中高でも広まってきています。良いことですが、

という部分を読んで、明記することにしました。  日本中の高校生を犠牲にしておいて、まだこういうことを言っていることに怒りを覚えました。  文部科学省でさえ、もう、中学校の英語の授業を英語で行うとは、言わなくなったのに、と思いました。  

石渡誠さんは、26年間も授業料を取って、「効果のない方法」を「効果がある」と偽って教えてきて、謝罪も損害賠償もしないのですか?  そうやって、「何を言っても何の責任も取らなくていい」と思っているから、いまだに「英語を英語で教えるのが良い」などとおっしゃるのでしょう。  

でしたら、ご自身がアラビア語アラビア語で学んで、アラビア語が堪能になるかどうか示してください。  それが出来ないのであれば、「英語を英語で理解する指導法」が間違っていたと認めてください。  そういうけじめをつけないからいつまでも「英語を英語で理解する」などという指導法を主張し続けるのでしょう。

日本中の高校生が迷惑していますので、自分もできない指導法を提唱するのはやめてください。

自分の商売のために子供たちを犠牲にするのは、もうやめてください。

Je suis Charlie. と母国語で言うフランス人が I am Charlie.という言語を学ぶとき、母国語の意味を参考にしていないはずはないでしょう。  日本人は誤った指導法を50年も信じて、大きく後れを取りました。


私は、英語で考える指導法の提唱者が、「Freedomを日本語に訳すとニュアンスが分からなくなるから英語のまま言わせる」とブログに書いているのを読みました。  でもそれでは何も教えていないのと同じです。

生徒から、アメリカ人にとって自由というのはそんなに大事なものなのですか?と質問されたら、アメリカ史がご専門の先生なら、「建国の歴史を勉強してみるとその理由が分かってきますよ」とお答えになるでしょうし、時事英語がご専門の先生なら、ニュースの中から、アメリカが個人の自由を制限する国に対して、非常に厳しい外交政策をとり、しかも大多数の国民がそれを支持しているというニュースを選んで、生徒と一緒に勉強していくでしょう。

Freedomを日本語に訳さずFreedom. Freedom と生徒に言わせる、などというのは何も教えていないのと同じことです。

それは、次のような例を想像してみるとよくわかります。

もし、アメリカで、日本語を学んでいる生徒が「日本の武士道とはなんですか?」と教師に質問した時、「日本人にとって武士道が、どういうものなのか知りたかったら、武士道を英語に訳さず、日本語のままブシドウ、ブシドウといいなさい」 などと指導する教師は一人もいないでしょう。   

仮に先生が「これが、日本語を日本語で理解する指導法だ」「日本語で考える指導法だ」などと言っても、生徒はばかばかしくてする気にもならないでしょう。  保護者からは「まじめに教えろ」と言われるでしょう。 

これが英語で考える指導法の正体です。

教える方は何も教えていない。
学ぶ方は何も学んでいない。
これが英語で考える指導法の正体です。

だから私はこの方法は詐欺だと言ったのです。(こちらのブログ

以前、この「英語のままFreedomと言わせる」と言っていた学校のブログで、車を売って受講料を払って学んでいるという生徒の例が紹介されていました。  それほどの高額の授業料をとって、「だますつもりはなかった」「知らなかった」では済まないです。  
詐欺は犯罪です。

詐欺は、刑法で刑罰が定められている犯罪です。

また、そのブログで、英語で考える指導法をする人々が、生徒の英和辞典を取り上げたり、生徒に英和辞典を窓から捨てさせたりする、ということも読みました。  中には最後まで生徒に英和辞典を返さなかったこともあったそうです。

「帰国子女に見る世界に通用する英語力の作り方」を読んでいただくとわかりますが、英語のわからない生徒にとって、英和辞典は命綱です。  英和辞典があるから、英語の意味が分かるようになります。  これを取り上げるなど、間違った指導法を盲信する指導者の誤りです。  英和辞典を取り上げれば生徒の英語力が上がるなどということは絶対にありません。

この詐欺商法を、中学や高校に持ち込んだのが文部科学省の「中学、高校の英語の授業を英語で行う方針」です。
だから、私は、「学校で詐欺を行わないでください」と申し上げたのです。
税金を詐欺に使わないでください、と申し上げたのです。
高校英語教育はいまだに詐欺ですね。
学校で詐欺教育をするために、車一台売るどころではない、莫大な税金が使われています。

早くやめてください。
高校時代は、高校時代にやらなければならない訓練があるのです。
複雑な英語を読み始めるときにどうしてもやらなければならない訓練があるのです。
この時を逸すると、取り返しがつかないのです。  高校生がかわいそうですから、「学校で詐欺」はやめてください。

発音練習について

学生時代、私はアメリカのセルフヘルプの本を読むのが好きでした。  当時、そういう本は翻訳しか入手できませんでした。  その中にこんな話が書いてありました。

チャーリーさんが自動車の調子が悪くなり、修理工場に持ち込みました。  修理が終わって取りに行ったとき、調子が悪かった原因を尋ねると「OOのネジが一つ壊れて、不具合が生じていたので、新しいネジに変えました」と説明を受けました。

請求書を見てみると、とても高い金額でしたので、チャーリーさんは、「ネジ一つ取り換えただけなのに、これでは金額が高すぎます」と文句を言いました。  そうしたら、修理をした人が、「最初は、何が原因となって不具合が生じているのかわかりませんでした。  それで、私は自動車の内部を全部調べました。  そしてOOのネジが壊れていることを発見したのです。  自動車内部をすべて調べるのに何時間もかかりました。  請求書はその労働の代金を含んでいるのです」と言いました。  チャーリーさんもその説明で納得しました。

この話は、どこを直せばよいかわかっているものを直すのは、簡単ですが、どこが悪いかわからないものを直すのは大変だ、ということを例えた話でした。

私は中学時代に英語のきれいな発音に魅了されて発音練習を始めました。  中学生でしたから一生懸命練習すればお手本のアメリカ人と同じ発音になると信じていました。  一年半くらいはちっともうまくなりませんでしたが、その日の練習が終わると、自分が今日練習した分だけお手本の発音に近づけたと思えて、とても、心が満たされていたのを覚えています。  一年半くらいは目に見えてうまくなってはいませんでしたが、毎日練習が終わって、テープレコーダーの手あかを白いハンカチできれいにふき取ってしまうときは、とても気持ちが充実していたのを今でも覚えています。

だから発音練習は大変だ、とかつらいとか思ったことはありませんでした。(決してうまくはなかったのに、です)

最初の本「英語発音、日本人でもここまでできます。」(赤い本)の原稿を書いていた時、私は編集してくれた人に次のような心配をお話ししたことがありました。

「読者の皆さんに、私は何の苦労もなく、発音を習得した、と思われると困るのですが、、、」
そうしたら、編集をしてくださった方からこういわれました。

「川合先生の本を読んで、川合先生が何の苦労もなく発音を習得した、と思う人はいません。  そんなことを心配するより、むしろ、こんなサイボーグみたいな練習をしなければ発音はうまくならないのか、と思われることをご心配なさった方がよろしいんじゃありません?」

編集をしてくださった方は、スタンフォードでの留学経験もありますので、英語がとても上手な方でした。  こういうユーモアのセンスもお持ちでした。

私は苦笑しながら「はい。。。。」と言って、すぐひき下がりました。

確かに文全体をお手本と比べて違いを探すにはサイボーグみたいな能力がないとだめだ、と思ってしまう方もいらっしゃるかもしれません。  (先日夫がチャンネルを回していたら、ターミネーター3でシュワルツネガーさんが人の着ている洋服を見て、一瞬で、それが自分に合うかどうかをピピピピ。。。と判断する場面がありました。  サイボーグと言うとそういうイメージが浮かんできますね。)  

けれども、発音を直すときは、最初は、気づいたところから直していけばいいので、本当はそういうことはないのですが、人によってはそんなことはとてもできないと思ってしまう人もいるかもしれません。

しかし、その2年後、私は、「続・英語発音、日本人でもここまでできます。」(緑の本)を出版しました。  そしてその本に、どこを比べて何を直したらよいか書きました。  漠然と、文全体を比べたら違いは分からないかもしれませんが、「この音のこの違い(例えば、長さ)を聞いて下さい」とピンポイントで言われれば、誰でもそれは聞けます。

先ほどの自動車修理工場の例でいえば、どこに原因があるのか車の内部全体を調べるのはとても時間がかかって大変ですが、「ここのネジを変えてください」と言われれば誰でも出来るのと同じことです。  具体的に言われたことはやりやすいです。

「続・英語発音、日本人でもここまでできます」にはどこを聞いて何を直せばよいのか、書いてあります。  そのポイントは日本語のくせから来るものがほとんどです。  それは日本人に共通する発音の問題点ですから、そこを聞いて直していただけば通じやすい発音になっていきます。

「ここのネジを取り替えてください」というのと同じように、努力すればだれでもできることです。  サイボーグのような能力はいりません。

読者の方から、「続・英語発音、日本人でもここまでできます。」は、「英語発音、日本人でもここまでできます。」付属のDVDで発音練習するときの参考書のように使っています」というメールをいただいたことがありますが、この2冊は一緒に活用してください。  

「なぜそういう練習をするのか」その原理もわかりますし、理解が深まると、相乗効果となって皆さんの発音がとても上達します。  発音は、口の練習だけではうまくなりません。  上手な人の発音って何か違いますでしょう?  体になじんでその音がでてきていますでしょう?  耳はもちろん、たくさんの感覚を使って習得すると上手になります。  (これについては2018年3月8日のブログの冒頭の部分も参考になさってください。)

表面的な練習だけやっていると表に現れないことが、その原理や仕組みを深く掘り下げて理解していると、口の動きに現れてきます。 

お手本の発音を聞いたとき、「どうやって発音しているのか手に取るようにわかる」この状態になるわけです。  この深く掘り下げる役目ををするのが、「続・英語発音、日本人でもここまでできます。」に書いてあることです。  

「上手な人の発音が何か違う」と感じるのは、口の動きの後ろにある、さまざまな感覚の関連性を意識して、練習しているからです。  「自分の体をどうするとあの音が出てくるか、体が知っている」この状態になっているからです。  表に現れたものだけ練習する場合、長く練習しても、あまり変化はありませんが、深く掘り下げて、練習していると、だんだん、音を捕まえる能力も向上しますので、長い間には、口の動きだけ練習してきた人とは随分違う発音が出来上がります。  発音練習の基本姿勢のブログに出てくる生徒さんみたいにですね。  「英語発音」と「続・英語発音」の本は一緒に活用してください。



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ブタさんが持っている旗については、こちらの「きのこの山とたけのこの里」というブログの後半を読むと、私がどうやって、子音の長さが聞けるようになったのか、書いてあります。

和文英訳(1) 天気予報と方位磁石

英語学習を始めてそれほど年月が経っていない段階にいる学習者は、言いたいことが直接英語で頭に浮かんでくることはありません。  その段階で自分の思ったことを英語で言う場合は、日本語を英語に訳してしゃべります。  私の子供たちも、アメリカに行った最初のころは日本語を英語に訳してしゃべっていました。  娘は、どうしても言えない時は、電子辞書の和英に言いたい日本語の単語を入れて、それを変換して、友達に見せて理解してもらったこともありました。

ある日、ESLのクラス(英語が母国語でない子供のクラス)で、天気予報について自分の思ったことを書いてくる宿題が出ました。  娘は自分で書いて、私のところに持ってきました。  日曜日で私は台所仕事で忙しかったので、「お父さんに見てもらって」といいました。

しばらくすると、また娘がやってきて、「お父さん、直せないって」といいました。  私は、「どうして?」と思いました。  夫は私より、ずっと難しい言葉を使って、弁護士さんや大学の先生とも話しているのですから、由紀子の書いた英文が直せないはずはないだろう、と思いました。

後片付けが終わって、テーブルに座って娘の文章を見た時、その理由が分かりました。  A4の紙の最初から最後までピリオドが一つもない「文」が書いてありました。  どれも英語の文の形にはなっていませんでした。  天気予報について自分が思ったらしきことが、名詞、動詞、形容詞を「順不同」に並べて書いてありました。  英単語は電子辞書に日本語を入れて調べたのでしょう。  私も、娘の文章を正しい英文に直すことはできませんでした。

けれども宿題ですから提出しなくてはなりません。  私はどうしたものか考えながら、娘の書いた「文」を何度も読んでみました。  

そうしたら、読んでいるうちに「娘は多分こういうことを言いたいのではないか」ということがだんだんわかってきました。  それで娘を呼んで「由紀子は、〜〜って言いたいの?」と聞くと「うん、そうだよ」というので、「そういいたいのなら、英語では、こういう文にするのよ」と言ってなるべく娘の書いた英単語を生かしながら英文にしました。  次のパートも「由紀子は〜〜って言いたいの?」と聞くと、「うん、そうだよ」というので、同じように英訳しました。  これを繰り返して、宿題は出来上がりました。

まだ英語が出来ないうちは日本語を英語に直して表すしかありません。  これは、息子も同じでした。


アメリカについて、最初の2,3か月は日常生活で使ういろいろなものを買いそろえなければなりませんでした。

まだ、車にナビもないころで、知らない土地で地図を見ながら運転していると道に迷って方角がわからなくなってしまうこともあります。  夫は、車のフロントガラスの隅に小さな球のような方位磁石を置いていました。  2か月遅れて渡米した私にも、車に方位磁石を置いておいたほうがいい、というので、私は買い物リストに書いておきました。

土曜日、買い物をしていた時に「方位磁石って、英語でなんて言うんだったっけ?」と、 私は一瞬、度忘れしてしまいました。  それで、息子に、「方位磁石ってなんていうか知ってる?」と聞いたら、息子が、「お母さん、わかんなかったら、丸くて、真ん中に細い棒がこうやってついていて、その先がいつも北を向いているもんが欲しいって言えばいいんだよ」と右手の人差し指を左手で作った円の上に置いて言いました。

結局、店員さんにあったとたんに、私は方位磁石の英語を思い出したので、息子の説明は使いませんでしたけれど、それを聞いたとき、「この子は今、自分が分かる数少ない英語の語彙で、一生懸命自分の言いたいことを英語に訳してしゃべっているんだなあ」と思いました。

私も大学を卒業した時は、「言いたいことが自動的に英語で頭に浮かんでくる」状態にはなっていませんでしたから、日本語を英語に訳してしゃべっていました。  会話は普通にしますから、見ている人は訳してしゃべっているとは思わないかもしれませんが、やはり頭のどこかで和文英訳をしている部分がありました。

私が、「英語で言おう」とも思わないのに、思ったことが頭に英語のまま浮かんでくるようになったのは、アメリカに行って大量の英文読書をした後でした。  この時は夫に「まるで家庭内別居のようだ」と言われるくらい、夕食後も家族とほとんど会話もしないで英語の本を読んでいました。  その時の様子は、2011年8月23日の「英語の勉強をあきらめた日」というブログに書いてあります。


最初から英語のまま言いたいことが頭に浮かぶ人はいないのですが、自分ができるようになると、「自分は最初から英語のまま理解できた」と思い込む人が多いようです。

私も息子に「僕は最初から全部自分で出来たんだよね」と言われて唖然としたことがあります。  「そ〜お?  お母さん、最初のころ随分手伝った気がするんだけど。。。」と言ったら、「そうかなあ?  だったら、それは手伝ってもらわなくても、全部自分で出来たんだよ」というので、「真夜中まで人に宿題手伝わせておいて、よく言うなあ」と思いましたけど、苦しかったことを忘れるのは、若さの良いところでもあります。  セルフイメージも上がるし、自信もつくしいいことなのだろうと思い、そのことについては何も言いませんでした。  つらかった時のことなんてすぐ忘れたほうが、健康的ですからね。  私は若くないので、全部覚えていますけど、子供はそれでいいのだろう、と思います。

ただそれを、「実際の習得過程を忘れているだけだ」という自覚なく、英語教育に口を出されると、問題を起こすわけです。    

明日に続く




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高校入試で子供たちが親の収入によって差別されない為に以下のお知らせを書かせていただきます。

高校入試のスピーキングテストについて(大学入試のスピーキングテストについても同様です)

高校入試のスピーキングテストは本来文部科学省が学校教育で正しい発音を生徒に教えてから行うべきものです。  しかし、文部科学省が教科書にCDもつけず、正しい発音の仕方も学校で教えないまま、高校入試でスピーキングテストを実施する動きが都立高校などで始まっています。 (大学入試でもスピーキングテストが行われようとしています)  これは、スピーキングスキルの習得を塾や予備校、会話学校に丸投げするものです。  学校で教えていないスキルを入試でテストすることはあり得ません。

これでは経済的に余裕のない、塾や会話学校にいけない家庭の子供は誰にも正しい発音を教えてもらえず、練習するCD(音声モデル)も与えられないまま、高校入試でスピーキングテストをされることになり、明らかに親の収入による進路の差別が始まります。(詳しくは2018年3月8日のブログ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」をお読みください。)

皆さんの身近に教育関係者がいらっしゃいましたら、ぜひ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」であることをお伝えください。  (大学入試のスピーキングテストについても同じことです)  
15歳で親の収入のために進路を差別されるのでは子供たちがあまりにもかわいそうです。

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英語教育については、下のブログも併せてご参照ください。  日付をクリックすると移動できます。
2017年10月12日
文部科学省 新中学校学習指導要領 英語 「4技能」は全く効果がない(子供たちが通じる発音でスラスラ話せるようになる学習指導要領の見本付き)




ここから先は、いつも書いていることです。
「3つのこと」の一番最初、文部科学省のところに、新しい学習指導要領は全く効果がないことを付け加えました。

* * *

7月30日以降、私は、いつもブログに書いている3つのことの2番目、「英語で考える」を提唱した松本亨氏の主張について」という項目の最初のほうに文章を付け加えました。 

それをお読みになると私がこの4年間、全く名前を出すことのなかった石渡誠氏の名前をなぜ書くようになったのか、その理由がお分かりになります。

英語で考える指導法の提唱者、石渡誠氏は、その方法が有効であるならば、日本語訳を使わず、アラビア語アラビア語で学んで、アラビア語が堪能になるかどうかご自身でやってみて、その結果を公開してください。  「英語を英語で教えるということが、中高でも広まってきて、良いことです」(2017年7月30日のブログ)などとおっしゃるのは、それを自分で証明してからにしてください。
  
自分で、その証明ができないなら、「英語で考える指導法」は、本当は実在しない「英語で考える詐欺指導法」であり、「英語を英語で理解する指導法」は、本当は実在しない「英語を英語で理解する詐欺指導法」ということです。この詐欺指導法を提唱する石渡誠氏は、自分が日本中の高校生、中学生(「英語で授業」は決定されましたが、まだ実施はされていません)にどれほどひどいことをしてきたか、真剣に自覚されたほうがいいと思います。 

教師としての良心があるなら、自分の商売を拡大する前に、今もなお石渡氏の「英語で考える詐欺指導法」の犠牲になっている日本中の高校生、中学生にすることがあるでしょう。

石渡氏の2015年5月7日のブログを読むと、文部科学省にこの「英語で考える詐欺指導法」を持ち込んだのが石渡氏であることが分かります。  私たち国民は、この「英語で考える詐欺指導法」がどうやって文部科学省に持ち込まれたのか、知る権利(国民の知る権利)がありますので、このことを書き添えました。

私は、その数か月後、頭の打撲が治ったころ、インターネットで検索して、石渡氏のブログに書かれていたこの会合についていくつかのブログを読みました。  そこには、「この会合には英語界の重鎮中の重鎮の方々が集まっている」とか「英語教育界の大御所の方ばかり」とか書かれてありました。(「2015年5月5日 ついに変わる! 英語教育改革の全貌」で検索すると現在でもいくつか出てきます。)

石渡氏の5月7日のブログを読んだ私は、「どんなに立派な肩書をお持ちの英語教育の専門家の主張であっても、私の経験に照らし合わせてその主張が間違っていたら、私は一歩も引いてはならない」と決意しました。  そうしないと、日本中の子供たちが、「英語で考える詐欺指導法」の犠牲になってしまう」と思いました。

それで、2015年6月1日のブログを書きました。  どれほど、中学の英語の授業を英語ですることを阻止したかったかといえば、頭を打って、容体が急変した時は、知人にこのブログのアップを頼むほど、私は、それを阻止したいと思いました。(その時のことはこちらのブログに書いてあります)

石渡誠氏は、日本中の子供たちに誤った指導法をさせて、教師として、良心が痛むことはないのでしょうか。  今日も一生懸命、学校で勉強しているたくさんの子供たちのことを考えたことはないのでしょうか。

現在(2021年)、石渡氏の2015年5月7日のブログからは私が読んで怒りを感じた部分は削除されています。 石渡氏が「英語で授業」が行われるようになって非常に良いことだといっていた所も削除されています。 英語教育の有識者会議の委員安河内哲也氏が日本中の高校に「英語で授業」を広めるために非常に尽力されている、と安河内哲也氏おひとりの写真を大きく載せて紹介されていたことなど、私が怒りを感じた部分は全部削除されています。石渡氏自身が「英語で授業」が間違いだとわかったからでしょう。 それでも石渡氏は英語で考える指導法を間違いだったと認めることもなく、こっそりブログを書き直すなど、することが非常に悪質です。私はそのブログを読んで、怒りで数日よく眠れず、一週間後に倒れて頭を打ったのですから、5月7日のブログに何が書いてあったか忘れるはずないでしょう。

* * *

私は随分長い間、自分の本のランキングを妨害されていますが、おそらく、やっている人は、私が英語教育の分野からいなくなるまで、妨害を続けるのでしょう。

ただ、私は、英語教育の分野からいなくなるわけではないようです。

こちらのブログに書いた外国人の方が、1999年11月にこのことの後、どういう結末になるのか、私に教えてくれました。  (初めて聞いたときは、これは本当に自分のことなのだろうかと思いました)  それによると、私は、「英語教育の分野からいなくなる」わけではないようです。

その外国人の方の言った通りになるのかどうか知りませんが、少なくとも、私は妨害されて、英語教育の分野からいなくなる、とは言われませんでした。

どういう結末になるかは、これからわかると思いますが、18年前、その結末を聞かされていたので、私は、「英語耳」の松澤喜好氏に盗作されようと、妨害されようと、日本人が誰も聞けない音について本を書いていようと、今日まで、頑張って来ることが出来ました。  どんな立派な肩書を持つ英語教育の専門家の言うことも自分の経験から見て、間違っていたら、一歩も引かない、という決意ができたのも、18年前、このことの結末がどうなるのか聞かされていたからでした。

文部科学省の方針に正面から反対したのも、50年間信じられていた松本亨さんの主張を否定したのも、この後、どういう結末が訪れるのか、あの時、その人から聞いていたからでした。  

なぜ、その人が、私にそんな先のことを教えてくれたのか、その時は分かりませんでしたけれど、今は、わかる気がします。

たぶん、その方は、2008年以降、私がどれほど苦しい思いをするかご存じだったのだと思います。 2008年以降、私が「英語耳」の松澤喜好氏と、KADOKAWA/アスキーメディアワークスのためにどれほど泣くことになるか、ご存じだったのだと思います。(詳細はこちらです。)  その時にくじけないように、その苦しさの先にある結末を教えてくれたのだと今は、思っています。

実際、この結末を聞いていなかったら、私は、2008年から今日まで、到底一人でやって来ることはできなかったと思います。  

もう私の本のランキングを下げるなどという行為はおやめください。

KADOKAWA/アスキーメディアワークス社長塚田正晃氏は「著作権法に抵触するのは犯罪行為だ」と言っています。(こちら) 松澤さんは、「松澤は盗作!というのはすごーい!」とHPに書いていましたが、塚田さんの主張によれば、盗作は犯罪行為です。  

他人のランキングを妨害するのも、営業妨害ですから、犯罪行為です。  

もうやめてください。

KADOKAWA/アスキーメディアワークス(塚田正晃社長)は、隠ぺい工作までして、著者が自分のホームページで盗作を豪語するような悪質な出版はやめてください。(詳細はこちらです。) 

* * *
私の2冊目の本「続・英語発音、日本人でもここまでできます。」(緑色の本)を購入された方で、CDトラック6,13,18,19にある生徒さんと私の子音の長さの比較がよくわからない方は下のブログを参考にしてください。

2016年7月3日のブログ  子音を長く言う「川合メソッド2」「L」の練習 4週間後 (長いSの例)
2016年9月1日のブログ  RとFの練習 1か月後 マライア・キャリー (長いLの例)
2015年2月1日のブログ  「続・英語発音、日本人でもここまでできます。」付属CDトラック6 例文 Where's my bag? 川合典子には生徒のWの発音はどう聞こえたか。

* * *

ここから先は、毎回掲載している3つのことです。「なぜ毎回3つのことを掲載するのか」その理由については、こちらのブログをご覧ください。 

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英語教育について

文部科学省の英語教育の方針は、効果がありません。

今年3月に発表された中学校の学習指導要領(英語)は全く効果がありません。  理由は、2017年10月12日のブログをご覧ください。


以下、効果のないものを列挙します。
1)現在、高校生が行っている「英語で授業」は効果がありません。  (理由はこちら
2)「CAN-DOリスト形式」は効果がありません。 (理由はこちら
3)「4技能」は効果がありません。  (理由はこちらこちら
4)現在、小学校の英語教育で子供たちが話しているのは、英語の発音ではありません。 (理由はこちら
5)大学教育を英語で行うと日本の学問は壊滅的な打撃を受けます。 (理由はこちら
以上の理由により、文部科学省の方針は効果がありません。

「発音」、「語順」、「英語で考える」、それぞれを習得する方法は2015年10月19日のブログ「川合式英語学習法」をご覧ください。

これは全部私自身がやってきたことです。  こうすれば、生徒たちは必ず通じる英語で話すようになります。
英語で考える指導法を提唱する人たちのように、「自分は日本語訳を使ったけれど、生徒たちは使うな」というような、誰も実際にはやっていないような指導方法ではありません。  私は全部自分でやっています。


「英語で考える」を提唱した松本亨氏の主張について

松本亨氏の「英語で考えるためには日本語訳を使ってはいけない」という主張は2006年、私の子供たちが全文和訳でバイリンガルになった事実によって否定されました。 

「英語で考える指導法」は詐欺である可能性が高いです。

松本亨さんの書いた「英語で考える本」「英語で考えるには そのヒケツと練習」という本に書いてある練習をしても英語で考えるようにはなりません。(2月4日のブログ「英語の思考活動」、3月1日のブログ「先生の宿題のプリント「英語で考える」ってどういうこと?」を参照してください)

英語で考える指導法を掲げる英語学校FORWARDの指導者、石渡誠さんは、松本亨さんの「英語で考える本」「英語で考えるには −そのヒケツと練習−」という本で勉強すれば英語で考えるようになると2017年1月19日のブログで言っていますが、この2つの本で勉強しても、英語で考えるようにはなりません。  「この方法を26年教えてきた」と書いていますが、26年間も効果のない方法を教えてきたというのは驚きですね。  

私は、この件について、松本亨さん(著作を含めて)以外の固有名詞を入れることをずっと避けてきました。  けれども、石渡誠さんの2017年7月30日ブログの冒頭の

日本の英語教育界もようやく変革の時が!英語を英語で教えるということが、中高でも広まってきています。良いことですが、

という部分を読んで、明記することにしました。  日本中の高校生を犠牲にしておいて、まだこういうことを言っていることに怒りを覚えました。  文部科学省でさえ、もう、中学校の英語の授業を英語で行うとは、言わなくなったのに、と思いました。  

石渡誠さんは、26年間も授業料を取って、「効果のない方法」を「効果がある」と偽って教えてきて、謝罪も損害賠償もしないのですか?  そうやって、「何を言っても何の責任も取らなくていい」と思っているから、いまだに「英語を英語で教えるのが良い」などとおっしゃるのでしょう。  

でしたら、ご自身がアラビア語アラビア語で学んで、アラビア語が堪能になるかどうか示してください。  それが出来ないのであれば、「英語を英語で理解する指導法」が間違っていたと認めてください。  そういうけじめをつけないからいつまでも「英語を英語で理解する」などという指導法を主張し続けるのでしょう。

日本中の高校生が迷惑していますので、自分もできない指導法を提唱するのはやめてください。

自分の商売のために子供たちを犠牲にするのは、もうやめてください。

Je suis Charlie. と母国語で言うフランス人が I am Charlie.という言語を学ぶとき、母国語の意味を参考にしていないはずはないでしょう。  日本人は誤った指導法を50年も信じて、大きく後れを取りました。


私は、英語で考える指導法の提唱者が、「Freedomを日本語に訳すとニュアンスが分からなくなるから英語のまま言わせる」とブログに書いているのを読みました。  でもそれでは何も教えていないのと同じです。

生徒から、アメリカ人にとって自由というのはそんなに大事なものなのですか?と質問されたら、アメリカ史がご専門の先生なら、「建国の歴史を勉強してみるとその理由が分かってきますよ」とお答えになるでしょうし、時事英語がご専門の先生なら、ニュースの中から、アメリカが個人の自由を制限する国に対して、非常に厳しい外交政策をとり、しかも大多数の国民がそれを支持しているというニュースを選んで、生徒と一緒に勉強していくでしょう。

Freedomを日本語に訳さずFreedom. Freedom と生徒に言わせる、などというのは何も教えていないのと同じことです。

それは、次のような例を想像してみるとよくわかります。

もし、アメリカで、日本語を学んでいる生徒が「日本の武士道とはなんですか?」と教師に質問した時、「日本人にとって武士道が、どういうものなのか知りたかったら、武士道を英語に訳さず、日本語のままブシドウ、ブシドウといいなさい」 などと指導する教師は一人もいないでしょう。   

仮に先生が「これが、日本語を日本語で理解する指導法だ」「日本語で考える指導法だ」などと言っても、生徒はばかばかしくてする気にもならないでしょう。  保護者からは「まじめに教えろ」と言われるでしょう。 

これが英語で考える指導法の正体です。

教える方は何も教えていない。
学ぶ方は何も学んでいない。
これが英語で考える指導法の正体です。

だから私はこの方法は詐欺だと言ったのです。(こちらのブログ

以前、この「英語のままFreedomと言わせる」と言っていた学校のブログで、車を売って受講料を払って学んでいるという生徒の例が紹介されていました。  それほどの高額の授業料をとって、「だますつもりはなかった」「知らなかった」では済まないです。  
詐欺は犯罪です。

詐欺は、刑法で刑罰が定められている犯罪です。

また、そのブログで、英語で考える指導法をする人々が、生徒の英和辞典を取り上げたり、生徒に英和辞典を窓から捨てさせたりする、ということも読みました。  中には最後まで生徒に英和辞典を返さなかったこともあったそうです。

「帰国子女に見る世界に通用する英語力の作り方」を読んでいただくとわかりますが、英語のわからない生徒にとって、英和辞典は命綱です。  英和辞典があるから、英語の意味が分かるようになります。  これを取り上げるなど、間違った指導法を盲信する指導者の誤りです。  英和辞典を取り上げれば生徒の英語力が上がるなどということは絶対にありません。

この詐欺商法を、中学や高校に持ち込んだのが文部科学省の「中学、高校の英語の授業を英語で行う方針」です。
だから、私は、「学校で詐欺を行わないでください」と申し上げたのです。
税金を詐欺に使わないでください、と申し上げたのです。
高校英語教育はいまだに詐欺ですね。
学校で詐欺教育をするために、車一台売るどころではない、莫大な税金が使われています。

早くやめてください。
高校時代は、高校時代にやらなければならない訓練があるのです。
複雑な英語を読み始めるときにどうしてもやらなければならない訓練があるのです。
この時を逸すると、取り返しがつかないのです。  高校生がかわいそうですから、「学校で詐欺」はやめてください。

発音練習について

学生時代、私はアメリカのセルフヘルプの本を読むのが好きでした。  当時、そういう本は翻訳しか入手できませんでした。  その中にこんな話が書いてありました。

チャーリーさんが自動車の調子が悪くなり、修理工場に持ち込みました。  修理が終わって取りに行ったとき、調子が悪かった原因を尋ねると「OOのネジが一つ壊れて、不具合が生じていたので、新しいネジに変えました」と説明を受けました。

請求書を見てみると、とても高い金額でしたので、チャーリーさんは、「ネジ一つ取り換えただけなのに、これでは金額が高すぎます」と文句を言いました。  そうしたら、修理をした人が、「最初は、何が原因となって不具合が生じているのかわかりませんでした。  それで、私は自動車の内部を全部調べました。  そしてOOのネジが壊れていることを発見したのです。  自動車内部をすべて調べるのに何時間もかかりました。  請求書はその労働の代金を含んでいるのです」と言いました。  チャーリーさんもその説明で納得しました。

この話は、どこを直せばよいかわかっているものを直すのは、簡単ですが、どこが悪いかわからないものを直すのは大変だ、ということを例えた話でした。

私は中学時代に英語のきれいな発音に魅了されて発音練習を始めました。  中学生でしたから一生懸命練習すればお手本のアメリカ人と同じ発音になると信じていました。  一年半くらいはちっともうまくなりませんでしたが、その日の練習が終わると、自分が今日練習した分だけお手本の発音に近づけたと思えて、とても、心が満たされていたのを覚えています。  一年半くらいは目に見えてうまくなってはいませんでしたが、毎日練習が終わって、テープレコーダーの手あかを白いハンカチできれいにふき取ってしまうときは、とても気持ちが充実していたのを今でも覚えています。

だから発音練習は大変だ、とかつらいとか思ったことはありませんでした。(決してうまくはなかったのに、です)

最初の本「英語発音、日本人でもここまでできます。」(赤い本)の原稿を書いていた時、私は編集してくれた人に次のような心配をお話ししたことがありました。

「読者の皆さんに、私は何の苦労もなく、発音を習得した、と思われると困るのですが、、、」
そうしたら、編集をしてくださった方からこういわれました。

「川合先生の本を読んで、川合先生が何の苦労もなく発音を習得した、と思う人はいません。  そんなことを心配するより、むしろ、こんなサイボーグみたいな練習をしなければ発音はうまくならないのか、と思われることをご心配なさった方がよろしいんじゃありません?」

編集をしてくださった方は、スタンフォードでの留学経験もありますので、英語がとても上手な方でした。  こういうユーモアのセンスもお持ちでした。

私は苦笑しながら「はい。。。。」と言って、すぐひき下がりました。

確かに文全体をお手本と比べて違いを探すにはサイボーグみたいな能力がないとだめだ、と思ってしまう方もいらっしゃるかもしれません。  (先日夫がチャンネルを回していたら、ターミネーター3でシュワルツネガーさんが人の着ている洋服を見て、一瞬で、それが自分に合うかどうかをピピピピ。。。と判断する場面がありました。  サイボーグと言うとそういうイメージが浮かんできますね。)  

けれども、発音を直すときは、最初は、気づいたところから直していけばいいので、本当はそういうことはないのですが、人によってはそんなことはとてもできないと思ってしまう人もいるかもしれません。

しかし、その2年後、私は、「続・英語発音、日本人でもここまでできます。」(緑の本)を出版しました。  そしてその本に、どこを比べて何を直したらよいか書きました。  漠然と、文全体を比べたら違いは分からないかもしれませんが、「この音のこの違い(例えば、長さ)を聞いて下さい」とピンポイントで言われれば、誰でもそれは聞けます。

先ほどの自動車修理工場の例でいえば、どこに原因があるのか車の内部全体を調べるのはとても時間がかかって大変ですが、「ここのネジを変えてください」と言われれば誰でも出来るのと同じことです。  具体的に言われたことはやりやすいです。

「続・英語発音、日本人でもここまでできます」にはどこを聞いて何を直せばよいのか、書いてあります。  そのポイントは日本語のくせから来るものがほとんどです。  それは日本人に共通する発音の問題点ですから、そこを聞いて直していただけば通じやすい発音になっていきます。

「ここのネジを取り替えてください」というのと同じように、努力すればだれでもできることです。  サイボーグのような能力はいりません。

読者の方から、「続・英語発音、日本人でもここまでできます。」は、「英語発音、日本人でもここまでできます。」付属のDVDで発音練習するときの参考書のように使っています」というメールをいただいたことがありますが、この2冊は一緒に活用してください。  

「なぜそういう練習をするのか」その原理もわかりますし、理解が深まると、相乗効果となって皆さんの発音がとても上達します。  発音は、口の練習だけではうまくなりません。  上手な人の発音って何か違いますでしょう?  体になじんでその音がでてきていますでしょう?  耳はもちろん、たくさんの感覚を使って習得すると上手になります。  (これについては、2018年3月8日のブログの中ほどにある、2018年12月2日に書き加えた青字の部分をお読みください。 Internalize について書いてある部分です。)

表面的な練習だけやっていると表に現れないことが、その原理や仕組みを深く掘り下げて理解していると、口の動きに現れてきます。 

お手本の発音を聞いたとき、「どうやって発音しているのか手に取るようにわかる」この状態になるわけです。  この深く掘り下げる役目ををするのが、「続・英語発音、日本人でもここまでできます。」に書いてあることです。  

「上手な人の発音が何か違う」と感じるのは、口の動きの後ろにある、さまざまな感覚の関連性を意識して、練習しているからです。  「自分の体をどうするとあの音が出てくるか、体が知っている」この状態になっているからです。  表に現れたものだけ練習する場合、長く練習しても、あまり変化はありませんが、深く掘り下げて、練習していると、だんだん、音を捕まえる能力も向上しますので、長い間には、口の動きだけ練習してきた人とは随分違う発音が出来上がります。  発音練習の基本姿勢のブログに出てくる生徒さんみたいにですね。  「英語発音」と「続・英語発音」の本は一緒に活用してください。



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ブタさんが持っている旗については、こちらの「きのこの山とたけのこの里」というブログの後半を読むと、私がどうやって、子音の長さが聞けるようになったのか、書いてあります。

中学時代に、きちんと発音習得を行った英語教育の専門家はいないのでしょうか?

このブログもそうですが、私のブログには為政者から激しく妨害されているものがいくつかあります。いずれも為政者が国民に甚だしい不利益を与えることについて書いてあります。 このブログと併せてお読みください。日付をクリックすると移動できます。
「大学入試でスピーキングテストをすればスピーキング能力が上がる」というのは国民を騙(だま)す自民党の詐欺行為(犯罪)です。テストでスピーキング能力は上がりません。

2020年3月17日 各大学はスピーキング試験(民間試験)をする必要はありません。大学の先生方は受験生を騙す詐欺(犯罪)に加担するよう強制されることはありません。いかなる団体においても犯罪を強要する方針は無効です。(民間試験は50年やっても4技能向上に効果はなかった。)

2020年2月29日 ポートフォリオはベネッセの見込み顧客(高校生)のデータを国家に集めさせる極めて危険で悪質な手段です。 下村博文議員と安倍総理大臣がすべての国民のIDと個人情報をベネッセに与えてよいのですか。

大学入試改革を担った鈴木寛教授が実際には英語教育に全く無知であった(カタカナ発音と英語発音の区別も出来ない)ことについては2020年4月23日のブログに書いてあります。 鈴木寛教授のことを書いたとたん為政者から激しい妨害が始まりました。



* * * ここから今日のブログが始まります。 * * *

昨年ネット上セミナーをした時、私はなるべく早い時期にスタートしたいと思っていました。  なぜなら、第2部の「英語の音質で話す練習」が2月の極寒の時期に入ってしまうと冷たい空気が皆さんの鼻腔や喉を傷めてしまうかもしれないと心配だったからです。

でも、その前の「大学教育を英語で行うこと」のブログが5月までかかってしまったので、ぎりぎり6月のスタートになってしまいました。

今の時期も2月ほどではありませんが、だいぶ寒いですから練習するときは、どうぞ暖かい部屋で、行ってください。  空気が乾いていたら、湯気の立ったお茶などを用意して行ってください。  決して無理をしないでください。  調子が悪いときは、練習をお休みしてください。

それでは今日の本題に入ります。


私は自分の著書「英語発音、日本人でもここまでできます。」の81ページに「話す」「聞く」「読む」「書く」をらせん階段を上るように順番に勉強していくのがよいと書きましたが、これは、基礎の習得が終わった大人の学習者向けに書いたことです。  中学生の英語教育には当てはまりません。  その点を誤解されないよう、お願いいたします。


先回のブログでは、文部科学省の新学習指導要領の問題点を指摘し、本当に効果のある学習指導要領の見本をみていただきました。
文部科学省は「日本人が英語を話せない」という問題を解決するために学習指導要領に「生徒にしゃべらせる」ことばかり書いていますが、日本人の英語の習得には一つの大きな原則があります。  

それは「インプットしていないものはアウトプットできない」ということです。 
発音についていえば、耳の中にその音が蓄積されていないと、同じ音で言うことはできません。 

また、発音習得は、筋肉の運動ですので単なるインプット(発音の仕方を教える、音を聞く)だけではなく、同じ音で発音できるようになるまでを考えますので、約2年を要します。

ヨーロッパの人々のように、発音も語順も英語と近い母国語を話している人たちは、文そのもののインプットがなくても、変換するときの決まりを知って、単語を英語に取り替えていけば母国語で言ったことを英語に変えるのは、ある程度できると思います。  そういう人たちには、話したり、書いたりするアウトプットの練習は有効でしょう。(これについてはこちらのブログを参考にしてください。)  発音も子音を単独で言えますから通じます。

でも日本で初期の学習者にしゃべらせる練習ばかりやらせても有効な英語教育はできません。  文部科学省の方針には、「自分の考えをまとめて英語で話させる」とか「即興で話させる」などの練習がありますが、自分で作った文は音声モデルがありませんから、子供たちは自己流の発音で話すようになります。  これをやっていると正しい発音の習得はできません。  自己流の発音のほうが楽だからです。

初期の学習者に必要なことは自分で英文を作ってしゃべることではありません。
初期の学習者に必要なのは、

英語というのはどういう文で表現するのか。(典型的な文の形)
それをどういう発音でしゃべるのか。

これを徹底して身に着けさせることが、初期の学習者に必要なことなのです。
そして、これが最も「強固な英語の基礎」を作る方法なのです。

文部科学省は中学生にしゃべらせることばかり学習指導要領に書いていますが、正しい発音を習得していないで英語をしゃべらせても、効果は上がりません。

私はどうしてこういう文部科学省の方針の問題点を英語教育の専門家が指摘しないのかずっと疑問に思っていました。  そして最近、やっとその理由が分かりました。

日本には、中学時代に正しい発音の習得を行った英語教育の専門家がいないのではないでしょうか。

私は帰国子女や留学経験があって、ネイティブに近い発音をする英語教育の専門家は何人も知っています。  けれども、日本の普通の子供のように、中学生になって、初めて学校で英語を学び、正しい発音の習得を行いながら英語学習を大学まで行った英語教育の専門家には今まで一人も会ったことがありません。 

2年くらい前、新聞の特集で、立派な肩書をお持ちの英語教育の専門家がインタビューに答える形で自分が勧める英語教育の方法を語っているのを読みました。  けれども、どれを読んでも私には、「そういう教育の仕方では、生徒はどこで正しい発音を習得するの?  これでは、子供たちは自己流の発音で話すしかないじゃない」と思うものばかりでした。  どの人の意見も発音習得のプロセスが全く抜けていたのです。

日本には、中学時代に学校の勉強の一環として正しい発音の習得をしてきた英語教育の専門家はいないのでしょうか?  みんな発音習得を全く考えない教育方法ばかりおっしゃっていました。  けれども、学校教育の中で、子供たちに正しい発音を習得させなくては、子供たちは通じる英語で話せるようにはなりません。

文部科学省の方々も、正しい発音を習得した経験はないでしょう。  文部科学省に英語教育について、アドバイスをした、英語教育の専門家の方々の中にも、中学時代に正しい発音の習得を行った経験のある人はいないでしょう。  もし、そういう経験があったら、こんな方針は出してきませんから。

けれども、自分が正しい発音を習得していないのに、よく文部科学省に学習指導要領についてアドバイス出来ると思います。  発音は英語の最も基本的なスキルです。  基本スキルも習得していないのにアドバイスをするのは、今、自動車業界で問題になっている「無資格者が仕事をしている」ことと同じです。  やめていただきたいと思います。  

自分がやってないことについて「学習指導要領」を書くのは、無理なのでしょうね。  泳げない人は、水泳の指導教本は書けませんから。  そういう意味では、文部科学省には、日本人が通じる英語で話せるようになる学習指導要領を書く能力はありません。  そういう人たちが書いた方針に従わされる子供たちは本当にかわいそうです。

文部科学省は、石渡誠氏「英語で考える詐欺指導法」は、何の検証もせずに全国の高校で「英語で授業」という形ですぐに実施しました。  仲間をまもるために「新学習指導要領」から石渡誠氏の詐欺指導法(英語で授業)を削除することもしませんでした。  私は、「学校で一企業が勧める「詐欺指導法」を効果の検証もせずに行わせるのは国家公務員法違反だからやめてください」と何回も言っているのに、まだ懲りずに、文部科学省は、石渡誠氏の詐欺指導法を新学習指導要領に入れています。

こういうことをやっていると、日本人はグローバル化の流れの中で、沈没します。  子供たちが、ちっとも通じる英語で話せるようにならないからです。それは、すべて、文部科学省の責任です。  文部科学省が子供たちの英語力を本気で上げる気がないからです。

私はいつもブログの最後に、3つのことを書いています。  その一番目、文部科学省のところには次のように書いてあります。

1)現在、高校生が行っている「英語で授業」は効果がありません。  (理由はこちら
2)「CAN-DOリスト形式」は効果がありません。 (理由はこちら
3)「4技能」は効果がありません。  (理由はこちらこちらこちら
4)現在、小学校の英語教育で子供たちが話しているのは、英語の発音ではありません。 (理由はこちら
5)大学教育を英語で行うと日本の学問は壊滅的な打撃を受けます。 (理由はこちら
以上の理由により、文部科学省の方針は効果がありません。

これを見ていただくと分かりますが、文部科学省の方針は小学校から大学まで、まったく効果がない方針ばかりです。  文部科学省に有効な英語教育の方針を立てる能力がない、ということの証明です。  なぜ、有効な英語教育の方針が書けないのか?  やったことがないからです。  正しい発音も習得したことがないからです。 

知らなかったら勉強してくださればいいのですが、そういう気もないのです。  仲間が責任を取らされないようにすることが一番大事で、本当に子供たちが高い英語力を持つようになる学習指導要領を書こうという意欲がないからです。 

こういう文部科学省が学習指導要領を書いている限り、これから何十年たっても、日本は国際化もグローバル化もできません。  通じる英語で話せる子供たちが育たないからです。  文部科学省はそういう子供たちを育てようという気もありません。  やる気のない文部科学省のせいで、日本は、グローバル化の流れの中で沈没します。  



ついでなので申し上げますが、こちらのブログに書いた方法で中学の英語教育を行うと、小学校で、英語教育をしなくても、中学生は、正しい発音で、中学3年間に習った英文をスラスラ言えるようになります。  その発音は世界中どこでも通じます。  コストは、CDを一枚教科書に付けるだけです。  文部科学省はそれさえする気はないのですね。 

(小学校で英語教育などしなくても中学3年間で、生徒は世界中どこでも通じる発音で中学3年間に習った英文をスラスラ言えるようになります。  これは中学卒業のレベルで完璧な英語コミュニケーション能力を生徒たちが身につけるということです。  小学校から7年もかけなくても中学3年間でそれはできます。私自身は実際に中学3年間で英語の基礎と発音の基礎を身につけました。こちらのブログに書かれている中学生も中学3年間で英語の基礎と発音の基礎を身につけました。 ですから、中学3年間で英語の基礎と発音の基礎を身につけることは十分可能です。こちらが中学生で発音習得をした私の発音です ホームページ「通じない日本人の発音」のページより転載しました。) 

音声のお手本がなかったら発音習得はできないのです。  こんなことも文部科学省は知らないのですか。  こういう人たちが英語の学習指導要領を書いていること自体私には信じられないです。  音声見本も与えられないで、子供たちが英語の発音を習得できるわけがないでしょう。 こんなことも知らないで文部科学省は英語の学習指導要領を書いているのですか?  「お金のある家の子供も、そうでない家の子供も宿題をちゃんとすれば、正しい発音で話せるようになる」そういう教育をしてやらなければ子供たちがかわいそうです。    
日本は、「子供たちの英語コミュニケーション能力を本気で上げよう」という意欲のない文部科学省のせいで、グローバル化の流れの中で、沈没します。  やり方によっては日本中の中学生が(つまり、国民はみんな中学時代を経験して大人になるわけですから、将来の日本国民全体が)世界中どこでも通じる発音で話せるようにしてやることもできるのに、本当に残念だと思います。  すべて本気で取り組まない文部科学省の責任です。




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高校入試で子供たちが親の収入によって差別されない為に以下のお知らせを書かせていただきます。

高校入試のスピーキングテストについて(大学入試のスピーキングテストについても同様です)

高校入試のスピーキングテストは本来文部科学省が学校教育で正しい発音を生徒に教えてから行うべきものです。  しかし、文部科学省が教科書にCDもつけず、正しい発音の仕方も学校で教えないまま、高校入試でスピーキングテストを実施する動きが都立高校などで始まっています。 (大学入試でもスピーキングテストが行われようとしています)  これは、スピーキングスキルの習得を塾や予備校、会話学校に丸投げするものです。  学校で教えていないスキルを入試でテストすることはあり得ません。

これでは経済的に余裕のない、塾や会話学校にいけない家庭の子供は誰にも正しい発音を教えてもらえず、練習するCD(音声モデル)も与えられないまま、高校入試でスピーキングテストをされることになり、明らかに親の収入による進路の差別が始まります。(詳しくは2018年3月8日のブログ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」をお読みください。)

皆さんの身近に教育関係者がいらっしゃいましたら、ぜひ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」であることをお伝えください。  (大学入試のスピーキングテストについても同じことです)  
15歳で親の収入のために進路を差別されるのでは子供たちがあまりにもかわいそうです。

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英語教育については、下のブログも併せてご参照ください。  日付をクリックすると移動できます。
2017年10月12日
文部科学省 新中学校学習指導要領 英語 「4技能」は全く効果がない(子供たちが通じる発音でスラスラ話せるようになる学習指導要領の見本付き)





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ここから先はいつも書いていることです。

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7月30日以降、私は、いつもブログに書いている3つのことの2番目、「英語で考える」を提唱した松本亨氏の主張について」という項目の最初のほうに文章を付け加えました。 

それをお読みになると私がこの4年間、全く名前を出すことのなかった石渡誠氏の名前をなぜ書くようになったのか、その理由がお分かりになります。

英語で考える指導法の提唱者、石渡誠氏は、その方法が有効であるならば、日本語訳を使わず、アラビア語アラビア語で学んで、アラビア語が堪能になるかどうかご自身でやってみて、その結果を公開してください。  「英語を英語で教えるということが、中高でも広まってきて、良いことです」(2017年7月30日のブログ)などとおっしゃるのは、それを自分で証明してからにしてください。
  
自分で、その証明ができないなら、「英語で考える指導法」は、本当は実在しない「英語で考える詐欺指導法」であり、「英語を英語で理解する指導法」は、本当は実在しない「英語を英語で理解する詐欺指導法」ということです。この詐欺指導法を提唱する石渡誠氏は、自分が日本中の高校生、中学生(「英語で授業」は決定されましたが、まだ実施はされていません)にどれほどひどいことをしてきたか、真剣に自覚されたほうがいいと思います。 

教師としての良心があるなら、自分の商売を拡大する前に、今もなお石渡氏の「英語で考える詐欺指導法」の犠牲になっている日本中の高校生、中学生にすることがあるでしょう。

石渡氏の2015年5月7日のブログを読むと、文部科学省にこの「英語で考える詐欺指導法」を持ち込んだのが石渡氏であることが分かります。  私たち国民は、この「英語で考える詐欺指導法」がどうやって文部科学省に持ち込まれたのか、知る権利(国民の知る権利)がありますので、このことを書き添えました。

私は、その数か月後、頭の打撲が治ったころ、インターネットで検索して、石渡氏のブログに書かれていたこの会合についていくつかのブログを読みました。  そこには、「この会合には英語界の重鎮中の重鎮の方々が集まっている」とか「英語教育界の大御所の方ばかり」とか書かれてありました。(「2015年5月5日 ついに変わる! 英語教育改革の全貌」で検索すると現在でもいくつか出てきます。)

石渡氏の5月7日のブログを読んだ私は、「どんなに立派な肩書をお持ちの英語教育の専門家の主張であっても、私の経験に照らし合わせてその主張が間違っていたら、私は一歩も引いてはならない」と決意しました。  そうしないと、日本中の子供たちが、「英語で考える詐欺指導法」の犠牲になってしまう」と思いました。

それで、2015年6月1日のブログを書きました。  どれほど、中学の英語の授業を英語ですることを阻止したかったかといえば、頭を打って、容体が急変した時は、知人にこのブログのアップを頼むほど、私は、それを阻止したいと思いました。(その時のことはこちらのブログに書いてあります)

石渡誠氏は、日本中の子供たちに誤った指導法をさせて、教師として、良心が痛むことはないのでしょうか。  今日も一生懸命、学校で勉強しているたくさんの子供たちのことを考えたことはないのでしょうか。

* * *

私は随分長い間、自分の本のランキングを妨害されていますが、おそらく、やっている人は、私が英語教育の分野からいなくなるまで、妨害を続けるのでしょう。

ただ、私は、英語教育の分野からいなくなるわけではないようです。

こちらのブログに書いた外国人の方が、1999年11月にこのことの後、どういう結末になるのか、私に教えてくれました。  少なくとも、私は妨害されて、英語教育の分野からいなくなる、とは言われませんでした。

18年前、その結末を聞かされていたので、私は、「英語耳」の松澤喜好氏に盗作されようと、妨害されようと、日本人が誰も聞けない音について本を書いていようと、今日まで、頑張って来ることが出来ました。  どんな立派な肩書を持つ英語教育の専門家の言うことも自分の経験から見て、間違っていたら、一歩も引かない、という決意ができたのも、文部科学省の方針に正面から反対したのも、50年間信じられていた松本亨さんの主張を否定したのも、この後、どういう結末が訪れるのか、あの時、その人から聞いていたからでした。  

なぜ、その人が、私にそんな先のことを教えてくれたのか、その時は分かりませんでしたけれど、今は、わかる気がします。

たぶん、その方は、2008年以降、私がどれほど苦しい思いをするかご存じだったのだと思います。 2008年以降、私が「英語耳」の松澤喜好氏と、KADOKAWA/アスキーメディアワークスのためにどれほど泣くことになるか、ご存じだったのだと思います。(詳細はこちらです。)  その時にくじけないように、その苦しさの先にある結末を教えてくれたのだと今は、思っています。

もう私の本のランキングを下げるなどという行為はおやめください。

KADOKAWA/アスキーメディアワークス社長塚田正晃氏は「著作権法に抵触するのは犯罪行為だ」と言っています。(こちら) 松澤さんは、「松澤は盗作!というのはすごーい!」とHPに書いていましたが、塚田さんの主張によれば、盗作は犯罪行為です。  

他人のランキングを妨害するのも、営業妨害ですから、犯罪行為です。  

もう妨害はやめてください。


KADOKAWA/アスキーメディアワークス(塚田正晃社長)は、隠ぺい工作までして、著者が自分のホームページで盗作を豪語するような悪質な出版はやめてください。(詳細はこちらです。) 
 

* * *
私の2冊目の本「続・英語発音、日本人でもここまでできます。」(緑色の本)を購入された方で、CDトラック6,13,18,19にある生徒さんと私の子音の長さの比較がよくわからない方は下のブログを参考にしてください。

2016年7月3日のブログ  子音を長く言う「川合メソッド2」「L」の練習 4週間後 (長いSの例)
2016年9月1日のブログ  RとFの練習 1か月後 マライア・キャリー (長いLの例)
2015年2月1日のブログ  「続・英語発音、日本人でもここまでできます。」付属CDトラック6 例文 Where's my bag? 川合典子には生徒のWの発音はどう聞こえたか。

* * *

ここから先は、毎回掲載している3つのことです。「なぜ毎回3つのことを掲載するのか」その理由については、こちらのブログをご覧ください。 

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英語教育について

文部科学省の英語教育の方針は、効果がありません。

1)現在、高校生が行っている「英語で授業」は効果がありません。  (理由はこちら
2)「CAN-DOリスト形式」は効果がありません。 (理由はこちら
3)「4技能」は効果がありません。  (理由はこちらこちら
4)現在、小学校の英語教育で子供たちが話しているのは、英語の発音ではありません。 (理由はこちら
5)大学教育を英語で行うと日本の学問は壊滅的な打撃を受けます。 (理由はこちら
以上の理由により、文部科学省の方針は効果がありません。

「発音」、「語順」、「英語で考える」、それぞれを習得する方法は2015年10月19日のブログ「川合式英語学習法」をご覧ください。

これは全部私自身がやってきたことです。  こうすれば、生徒たちは必ず通じる英語で話すようになります。
英語で考える指導法を提唱する人たちのように、「自分は日本語訳を使ったけれど、生徒たちは使うな」というような、誰も実際にはやっていないような指導方法ではありません。  私は全部自分でやっています。


「英語で考える」を提唱した松本亨氏の主張について

松本亨氏の「英語で考えるためには日本語訳を使ってはいけない」という主張は2006年、私の子供たちが全文和訳でバイリンガルになった事実によって否定されました。 

「英語で考える指導法」は詐欺である可能性が高いです。

松本亨さんの書いた「英語で考える本」「英語で考えるには そのヒケツと練習」という本に書いてある練習をしても英語で考えるようにはなりません。(2月4日のブログ「英語の思考活動」、3月1日のブログ「先生の宿題のプリント「英語で考える」ってどういうこと?」を参照してください)

英語で考える指導法を掲げる英語学校FORWARDの指導者、石渡誠さんは、松本亨さんの「英語で考える本」「英語で考えるには −そのヒケツと練習−」という本で勉強すれば英語で考えるようになると2017年1月19日のブログで言っていますが、この2つの本で勉強しても、英語で考えるようにはなりません。  「この方法を26年教えてきた」と書いていますが、26年間も効果のない方法を教えてきたというのは驚きですね。  

私は、この件について、松本亨さん(著作を含めて)以外の固有名詞を入れることをずっと避けてきました。  けれども、石渡誠さんの2017年7月30日ブログの冒頭の

日本の英語教育界もようやく変革の時が!英語を英語で教えるということが、中高でも広まってきています。良いことですが、

という部分を読んで、明記することにしました。  日本中の高校生を犠牲にしておいて、まだこういうことを言っていることに怒りを覚えました。  文部科学省でさえ、もう、中学校の英語の授業を英語で行うとは、言わなくなったのに、と思いました。  

石渡誠さんは、26年間も授業料を取って、「効果のない方法」を「効果がある」と偽って教えてきて、謝罪も損害賠償もしないのですか?  そうやって、「何を言っても何の責任も取らなくていい」と思っているから、いまだに「英語を英語で教えるのが良い」などとおっしゃるのでしょう。  

でしたら、ご自身がアラビア語アラビア語で学んで、アラビア語が堪能になるかどうか示してください。  それが出来ないのであれば、「英語を英語で理解する指導法」が間違っていたと認めてください。  そういうけじめをつけないからいつまでも「英語を英語で理解する」などという指導法を主張し続けるのでしょう。

日本中の高校生が迷惑していますので、自分もできない指導法を提唱するのはやめてください。

自分の商売のために子供たちを犠牲にするのは、もうやめてください。

Je suis Charlie. と母国語で言うフランス人が I am Charlie.という言語を学ぶとき、母国語の意味を参考にしていないはずはないでしょう。  日本人は誤った指導法を50年も信じて、大きく後れを取りました。


私は、英語で考える指導法の提唱者が、「Freedomを日本語に訳すとニュアンスが分からなくなるから英語のまま言わせる」とブログに書いているのを読みました。  でもそれでは何も教えていないのと同じです。

生徒から、アメリカ人にとって自由というのはそんなに大事なものなのですか?と質問されたら、アメリカ史がご専門の先生なら、「建国の歴史を勉強してみるとその理由が分かってきますよ」とお答えになるでしょうし、時事英語がご専門の先生なら、ニュースの中から、アメリカが個人の自由を制限する国に対して、非常に厳しい外交政策をとり、しかも大多数の国民がそれを支持しているというニュースを選んで、生徒と一緒に勉強していくでしょう。

Freedomを日本語に訳さずFreedom. Freedom と生徒に言わせる、などというのは何も教えていないのと同じことです。

それは、次のような例を想像してみるとよくわかります。

もし、アメリカで、日本語を学んでいる生徒が「日本の武士道とはなんですか?」と教師に質問した時、「日本人にとって武士道が、どういうものなのか知りたかったら、武士道を英語に訳さず、日本語のままブシドウ、ブシドウといいなさい」 などと指導する教師は一人もいないでしょう。   

仮に先生が「これが、日本語を日本語で理解する指導法だ」「日本語で考える指導法だ」などと言っても、生徒はばかばかしくてする気にもならないでしょう。  保護者からは「まじめに教えろ」と言われるでしょう。 

これが英語で考える指導法の正体です。

教える方は何も教えていない。
学ぶ方は何も学んでいない。
これが英語で考える指導法の正体です。

だから私はこの方法は詐欺だと言ったのです。(こちらのブログ

以前、この「英語のままFreedomと言わせる」と言っていた学校のブログで、車を売って受講料を払って学んでいるという生徒の例が紹介されていました。  それほどの高額の授業料をとって、「だますつもりはなかった」「知らなかった」では済まないです。  
詐欺は犯罪です。

詐欺は、刑法で刑罰が定められている犯罪です。

また、そのブログで、英語で考える指導法をする人々が、生徒の英和辞典を取り上げたり、生徒に英和辞典を窓から捨てさせたりする、ということも読みました。  中には最後まで生徒に英和辞典を返さなかったこともあったそうです。

「帰国子女に見る世界に通用する英語力の作り方」を読んでいただくとわかりますが、英語のわからない生徒にとって、英和辞典は命綱です。  英和辞典があるから、英語の意味が分かるようになります。  これを取り上げるなど、間違った指導法を盲信する指導者の誤りです。  英和辞典を取り上げれば生徒の英語力が上がるなどということは絶対にありません。

この詐欺商法を、中学や高校に持ち込んだのが文部科学省の「中学、高校の英語の授業を英語で行う方針」です。
だから、私は、「学校で詐欺を行わないでください」と申し上げたのです。
税金を詐欺に使わないでください、と申し上げたのです。
高校英語教育はいまだに詐欺ですね。
学校で詐欺教育をするために、車一台売るどころではない、莫大な税金が使われています。

早くやめてください。
高校時代は、高校時代にやらなければならない訓練があるのです。
複雑な英語を読み始めるときにどうしてもやらなければならない訓練があるのです。
この時を逸すると、取り返しがつかないのです。  高校生がかわいそうですから、「学校で詐欺」はやめてください。

発音練習について

学生時代、私はアメリカのセルフヘルプの本を読むのが好きでした。  当時、そういう本は翻訳しか入手できませんでした。  その中にこんな話が書いてありました。

チャーリーさんが自動車の調子が悪くなり、修理工場に持ち込みました。  修理が終わって取りに行ったとき、調子が悪かった原因を尋ねると「OOのネジが一つ壊れて、不具合が生じていたので、新しいネジに変えました」と説明を受けました。

請求書を見てみると、とても高い金額でしたので、チャーリーさんは、「ネジ一つ取り換えただけなのに、これでは金額が高すぎます」と文句を言いました。  そうしたら、修理をした人が、「最初は、何が原因となって不具合が生じているのかわかりませんでした。  それで、私は自動車の内部を全部調べました。  そしてOOのネジが壊れていることを発見したのです。  自動車内部をすべて調べるのに何時間もかかりました。  請求書はその労働の代金を含んでいるのです」と言いました。  チャーリーさんもその説明で納得しました。

この話は、どこを直せばよいかわかっているものを直すのは、簡単ですが、どこが悪いかわからないものを直すのは大変だ、ということを例えた話でした。

私は中学時代に英語のきれいな発音に魅了されて発音練習を始めました。  中学生でしたから一生懸命練習すればお手本のアメリカ人と同じ発音になると信じていました。  一年半くらいはちっともうまくなりませんでしたが、その日の練習が終わると、自分が今日練習した分だけお手本の発音に近づけたと思えて、とても、心が満たされていたのを覚えています。  一年半くらいは目に見えてうまくなってはいませんでしたが、毎日練習が終わって、テープレコーダーの手あかを白いハンカチできれいにふき取ってしまうときは、とても気持ちが充実していたのを今でも覚えています。

だから発音練習は大変だ、とかつらいとか思ったことはありませんでした。(決してうまくはなかったのに、です)

最初の本「英語発音、日本人でもここまでできます。」(赤い本)の原稿を書いていた時、私は編集してくれた人に次のような心配をお話ししたことがありました。

「読者の皆さんに、私は何の苦労もなく、発音を習得した、と思われると困るのですが、、、」
そうしたら、編集をしてくださった方からこういわれました。

「川合先生の本を読んで、川合先生が何の苦労もなく発音を習得した、と思う人はいません。  そんなことを心配するより、むしろ、こんなサイボーグみたいな練習をしなければ発音はうまくならないのか、と思われることをご心配なさった方がよろしいんじゃありません?」

編集をしてくださった方は、スタンフォードでの留学経験もありますので、英語がとても上手な方でした。  こういうユーモアのセンスもお持ちでした。

私は苦笑しながら「はい。。。。」と言って、すぐひき下がりました。

確かに文全体をお手本と比べて違いを探すにはサイボーグみたいな能力がないとだめだ、と思ってしまう方もいらっしゃるかもしれません。  (先日夫がチャンネルを回していたら、ターミネーター3でシュワルツネガーさんが人の着ている洋服を見て、一瞬で、それが自分に合うかどうかをピピピピ。。。と判断する場面がありました。  サイボーグと言うとそういうイメージが浮かんできますね。)  

けれども、発音を直すときは、最初は、気づいたところから直していけばいいので、本当はそういうことはないのですが、人によってはそんなことはとてもできないと思ってしまう人もいるかもしれません。

しかし、その2年後、私は、「続・英語発音、日本人でもここまでできます。」(緑の本)を出版しました。  そしてその本に、どこを比べて何を直したらよいか書きました。  漠然と、文全体を比べたら違いは分からないかもしれませんが、「この音のこの違い(例えば、長さ)を聞いて下さい」とピンポイントで言われれば、誰でもそれは聞けます。

先ほどの自動車修理工場の例でいえば、どこに原因があるのか車の内部全体を調べるのはとても時間がかかって大変ですが、「ここのネジを変えてください」と言われれば誰でも出来るのと同じことです。  具体的に言われたことはやりやすいです。

「続・英語発音、日本人でもここまでできます」にはどこを聞いて何を直せばよいのか、書いてあります。  そのポイントは日本語のくせから来るものがほとんどです。  それは日本人に共通する発音の問題点ですから、そこを聞いて直していただけば通じやすい発音になっていきます。

「ここのネジを取り替えてください」というのと同じように、努力すればだれでもできることです。  サイボーグのような能力はいりません。

読者の方から、「続・英語発音、日本人でもここまでできます。」は、「英語発音、日本人でもここまでできます。」付属のDVDで発音練習するときの参考書のように使っています」というメールをいただいたことがありますが、この2冊は一緒に活用してください。  

「なぜそういう練習をするのか」その原理もわかりますし、理解が深まると、相乗効果となって皆さんの発音がとても上達します。  発音は、口の練習だけではうまくなりません。  上手な人の発音って何か違いますでしょう?  体になじんでその音がでてきていますでしょう?  耳はもちろん、たくさんの感覚を使って習得すると上手になります。  (これについては、2018年3月8日のブログの冒頭の部分も参考になさってください。)

表面的な練習だけやっていると表に現れないことが、その原理や仕組みを深く掘り下げて理解していると、口の動きに現れてきます。 

お手本の発音を聞いたとき、「どうやって発音しているのか手に取るようにわかる」この状態になるわけです。  この深く掘り下げる役目ををするのが、「続・英語発音、日本人でもここまでできます。」に書いてあることです。  

「上手な人の発音が何か違う」と感じるのは、口の動きの後ろにある、さまざまな感覚の関連性を意識して、練習しているからです。  「自分の体をどうするとあの音が出てくるか、体が知っている」この状態になっているからです。  表に現れたものだけ練習する場合、長く練習しても、あまり変化はありませんが、深く掘り下げて、練習していると、だんだん、音を捕まえる能力も向上しますので、長い間には、口の動きだけ練習してきた人とは随分違う発音が出来上がります。  発音練習の基本姿勢のブログに出てくる生徒さんみたいにですね。  「英語発音」と「続・英語発音」の本は一緒に活用してください。



* * *


私のDVDで発音練習をするときは、耳に注意を集中して音を聞いて下さい。
最初はテキストを見ながら練習していただいて結構ですが、文字に気を取られていると、実際の音よりも自分がこうだと思っている音のまま発音していることが多くあります。

私はDVDの単語の発音の練習のところで、Life や Leg のLの音をほんの一瞬ですが、日本語化しない「長さのあるL」で発音しています。  そういう音をできるだけよく聞いて、同じように言ってください。

Fight や Fin の Fの音も長さをもって発音しています。  Way や Wet の W の音も長さを保持して発音しています。  それを耳でよく聞いて同じように言ってください。

* * * 


ブタさんが持っている旗については、こちらの「きのこの山とたけのこの里」というブログの後半を読むと、私がどうやって、子音の長さが聞けるようになったのか、書いてあります。

文部科学省 新中学校学習指導要領 英語 「4技能」は全く効果がない。(子供たちが通じる発音でスラスラ話せるようになる学習指導要領の見本付き) 

2022年2月1日 学習指導要領について

私は学習指導要領はあってよいものだと思っています。 ただ、今からここで説明する「4技能」や「英語で授業」のような間違ったことを学習指導要領に書かないでほしいと思います。間違っているとわかったら、速やかに直してほしいと思います。

私が教師だったころ、教師には生徒の教科書の2倍くらいの厚さの教師用の教科書がありました。 それには各レッスンで生徒が何を学ぶことになっているか、レッスンの一つ一つの文で生徒に何を教えなければならないか、が解説してありました。 教師はそれを事前に勉強し、授業で生徒に教えるべきことを全部教えました。  そうすることによって、生徒は一つも漏らすことなく、そのレッスンで学ぶことを学べます。 ベテランの先生に習う生徒も新米の先生に習う生徒も同じように、学ばなければならないことは一つも漏らさず教えてもらえます。 日本中どこの中学校で学んでも、学ぶべきことは全部教えてもらえます。 教師がこれは重要で、これはそれほど重要ではない、と思ったとしても、一応教えるべきことは、どの教師が担当になっても生徒は全部教えてもらえます。

子供たちが学ぶべきことをきちんと全部学べるので、私は学習指導要領があって、教師用の手引書があって、それに基づいて授業をすることは良いことだと思います。  学習指導要領があるから授業で創意工夫が出来ないわけでもありません。 各学年、これだけは学ばなければならない(教師の側からすると「授業でこれだけは教えなければならない」)と決められていることは必要だと思います。

私が言いたいのは、間違ったことを学習指導要領に書かないでほしい、ということです。 「英語で授業」のような不適切な授業の仕方を学習指導要領に書かないでほしい、ということです。  私は学習指導要領そのものに反対しているのではありません。 

* * *




川合メソッド2第2部、英語の音質で話す練習に進まれた方は、気候が寒くなってきましたので、発声器官を傷めないよう、細心の注意を払って練習してください。  喉や鼻腔はとてもデリケートな部分ですので、違和感があったらすぐに練習を中止してください。  風邪気味の時も練習はお休みしてください。

英語の音質で話す練習は、耳の力が重要ですので、風邪で練習できない時は、「この声はどうやって出てきているのか」考えながらよく聞くだけでも、練習になります。

それでは今日の本題に入ります。


2017年3月31日、中学校の次期学習指導要領が公示されました。  英語教育のトップに挙げられているのが、4技能(話すことを二つに分けて「5つの領域」)でした。

私は4技能に分けて、英語の習得を図るのは英語とよく似た言語を母国語とする人たちには有効な方法だと思います。

私は大学時代第二外国語としてフランス語を学びました。  もうほとんど覚えていませんが、動詞を否定するときには ne ~ pas で動詞を挟んで言えばいいということは覚えています。

つまりフランス人は ne ~pas で動詞を挟んで表現した文を英語にするときはnot を使えばいい、という一つの決まりが成り立ちます。  フランス語と英語は主語の次に動詞が来るという語順も似ています。

こういう英語と似ている言語を話す人たちが英語をマスターするときには、「話す」「聞く」「読む」「書く」4技能の各方面から母国語を英語に変換していく練習をすれば、脳のいろいろな部分を使いますから英語表現に慣れる良い練習になると思います。

では、日本人の場合、それが有効か、というと、全く有効ではありません。
これについては2017年1月14日のブログをお読みいただくと理由がお分かりになります。
要点のみ申し上げますと、日本語を英語に変える規則性などないからです。  日本語は英語とは似ても似つかない言語だからです。  

文字も違う。
音も違う。(日本語は子音と母音がくっついて一つの音を作ります)
語順も違う
てにをは(助詞)も使わない。

こういう場合、中学生のような初期の学習者が4技能に分けて練習してもほとんど効果はありません。

こういう場合は、英語の原型をそのまま学習者の頭に入れて行くのが、最も効果的な習得方法です。
英語の原型とは、英語の「典型的な文の形」と「発音」です。  発音には、正しい発音、典型的なリズム、イントネーションが含まれます。

初期の学習者には、この二つをしっかり定着させることが重要です。
この2つは英語の基礎でありながら、私たちには全くなじみのないものだからです。

「文の形」を定着させるには数週間勉強すれば定着するでしょう。

では「発音」はどうか。というと
発音が定着するには2年くらいかかります。  定着するというのはどういうことかというと、「それほど発音を気にしないでしゃべっても正しい発音でしゃべれる状態」にすることです。  発音習得というのは、知識というより筋肉トレーニングという性質が強いですから、定着するまでに時間がかかります。

発音習得のためには、正しい発音、典型的なイントネーション、リズムを文章の形で徹底して子供たちに練習させていく必要があります。  何回も言う必要がありますので、家庭学習(宿題)という形で、継続して練習させることが必要です。

英語学習をスタートしたら「正しい発音以外ではしゃべらない」これを徹底しないと、発音の習得は達成できません。  つまり、発音習得の終わった文しか教室の中では話さないようにします。

最初はあまり使える文がありませんがそれでも文の一部(単語)を入れ替えれば自分なりの表現はできます。  数か月もたてば、使える文は蓄積されていきます。

発音というのはネイティブの先生に授業をしてもらえばネイティブ発音になるというものではありません。  自分で練習しなければ身に付きません。

文部科学省の方針を見ていると、生徒に自分の思ったことや考えたことをまとめて話させるという活動が目立ちますけれど、初期の生徒にこれをやらせていると、正しい発音の定着は出来ません。

なぜかというと、自己流で発音しているほうが楽だからです。  これに慣れてしまうともう正しい発音で、いつも話すなどということは面倒くさくてできなくなります。  「正確な発音ということに関して例外を作らない」というブログを読んでいただくとわかりますが、楽なことでOKが出るなら、正しい発音の習得など、だれもやらなくなります。 (「自分の思ったことや考えたこと」を表現する英文には、「音声見本」はありませんから、発音、イントネーション、リズムはすべて自己流になります。)
それでは発音練習だけやっていたら、他のスキルは習得できないか、というと、そういうことはありません。

中学時代にどうやって発音練習をするかについては2015年4月17日のブログに書きました。  要点のみ書きますと、

1.最初に基本の発音を習得する

2.学習の終わったレッスンの英文を使って練習をする
つまり、語の意味、文の構造、文の意味など、そのレッスンの学習事項がすべて理解できている英文を使う

3.ネイティブの音声をよく聞き、そのレッスンでの新出単語の発音練習をする。  そのあと、文全体を出来る限り同じ発音でスラスラ話せるように練習する
  (この時、数十回は、文を言うことになります。)

4.発音練習が終わったら文全体を書けるように練習する

このようになります。 (この練習方法は私の本「英語発音、日本人でもここまでできます。」に書いてあります練習方法とほぼ同じです。  私が中学時代に実際に行っていた川合メソッドの原型です。 このように練習すると発音はこちらのようになります。 HP「通じない日本人の発音」より引用) 川合メソッドでは耳の力を上げていくことを重視して、発音を習得します。  著書には、発声練習も併せて入れてありますが、中学生、高校生は変声期にあたりますので、発声練習はやらないでください。  この本の36ページにも「変声期の人は発声練習はやらないでください」と明記されています。)

こういう練習をすると、

「話す」については正しい発音で話すことが出来るようになります。

「聞く」については正しい音を耳が認識できますので、聞き取りの能力は向上します。

「読む」については文章を丸ごと何回も言いますので、読めるようになります。

「書く」については文章が暗記できていますし、書く練習もしていますので、書くことが出来るようになります。

中学生が学ぶ英語は「基本の英語」の範囲に限定されています。  習う英文の数もそれほど多くはありません。  こういう基本的なことを身に着ける時期には、4技能などと範囲を広げず、習得しなければならない基本(英語の原型)に絞って、徹底的に練習させて、その定着を図ります。  

そうすると、中学生は、教科書にあるすべての英文を正しい発音でスラスラ言えるようになります。  
聞けるようになります。  
読めるようになります。  
書けるようになります。 

つまり、話すことも、聞くことも、読むことも、書くことも、数十回発音練習する間に全部出来るようになります。  それだけ繰り返して言う練習をするので、英語の基礎(文の形や発音、語彙、文法事項など)すべてが子供たちに定着します。  しかも、発音を中心に練習しますので、「日本人の英語は通じにくい」という最も重要な問題も解決することが出来ます。

生徒のスピーキング能力を評価する場合には、学校の授業が終わって、家庭学習で、音声モデルと同じように発音する練習をしてきた文章を使って、授業で、スピーキングをします。生徒を二人一組にして、英問英答をさせたり、教師が生徒に英語で質問して答えさせたりして評価します。  この時気を付けることは、なるべく生徒が教科書で発音練習した文で答えられるような英問英答にすることです。  中学一年生だったら、生徒が発音練習した文の中の一つの単語を変えれば答えられるような英問英答にします。(例えば 「I like music.」という文が教科書にあったら、music の部分だけほかの単語に変えれば答えられるような英問英答にします。)   せっかく生徒が発音練習してきたのですから、「スラスラしゃべれる」という成功体験をここでさせることが重要です。  

こうして生徒たちは、中学卒業のレベルで完璧な英語コミュニケーション能力を身に着けます。  (私はこうやって中学時代英語を勉強しましたが、もう一人、こうやって練習した中学生の例が2012年8月23日のブログに書いてあります。 高校で帰国子女と間違えられた彼女の中学時代の練習方法が書いてあります。)

英語の基礎を学ぶときは、たくさんのことを生徒にやらせればよいというものではありません。  基本だけを徹底的に身に着けさせるほうが、はるかによく定着します。

これに関連して言えば、各発音のやり方も、中学生がいつでも基本の発音のやり方を思い出せるように、簡潔にひとことで言えるようにして教えておくことが重要です。  そうしないと文章の発音練習の時、すぐに使えませんから。

2017年3月31日に公示された新学習指導要領には

「聞いたり読んだりすることを通して意味を理解できるように指導すべき事項と、話したり書いたりして表現できるように指導すべき事項とがあることに留意すること」と書いてありますが、初期の生徒に4技能に分けて、目標設定して教えるのは非常に効率が悪く無駄が多いです。 基礎の定着も不十分になります。

下の図にあるように発音練習した文で、すべてのことが出来るようすれば、非常に効率が良くなります。 

こちらのブログをご覧いただくとお分かりのように、どんなに優秀な人でも発音が通じないと、何を言っているのかわからないと言われてしまうのです。  それでは、もともと英語ができないことと同じになってしまいます。

文部科学省は発音の問題は小学校の時からネイティブの先生に授業をしてもらいIT機器を使わせれば小学生はネイティブ発音になると思っているかもしれません。  しかし、私が今まで聞いてきた小学生の発音は、単純な文はネイティブに近い発音で言えても、複雑な文、例えば、条件節があったり、関係代名詞があったりする長い文をしゃべると、ネイティブのような発音でしゃべる子はいませんでした。  小学生は、現在の中学一年生で学ぶくらいの文はネイティブに近い発音で言えても、それ以降に習う複雑な文は、ネイティブに近い発音で言うのは無理なようです。  しかし、中学生で、聞いた通り発音するという練習をしている子は、長い文もネイティブのような発音で話していました。  ですから中学2,3年で習う文も中学生に発音練習させることが必要だと思います。  

中学一年生は耳が良いそうです。  中学校に教育実習に行った帰国子女の大学生から、「中学一年生はすっごく耳がいい」と聞きました。  彼らのこの能力を発音習得の分野で上手に活用すれば、日本人の英語が通じないという問題は解決します。

小学校で発音を教えればネイティブ発音になると信じている人が多いですが、そのためには母国語の半分ぐらいの量の英語のインプットがないと子供でもネイティブ発音にはなりません。(これについては「帰国子女に見る世界に通用する英語力の作り方」第2章をご覧ください。)  特に複雑で、長い文は無理のようです。 条件節があったり、関係代名詞があったりする文は、内容の理解が伴うことも必要だからでしょう。

もう一つ私が、小学校の英語教育を考えていないのは、グローバルな世界で活躍する子供たちを育てるには、小学校でするのは英語教育ではないと思っているからです。

こちらのブログに、グローバルな世界で活躍する子供を育てるには小学校では、「大勢の人の前でも物おじしないで、話すことのできる訓練をすることが必要だ」と書きました。

もう一つグローバルな世界で活躍する子供たちを育てる教育で私が皆さんにお話ししようと思っているのは、こちらのブログに書いた教育です。

「答えが一つしかない問題」ではない問題を考えていく能力です。  これは具体的には中学校や高校で始まるのですが、その基礎となる練習は小学校高学年から始める必要があります。  これについては、今は原稿を書くまとまった時間が取れないので、ブログには書けませんが、小学校の高学年からするのは、英語ではなくこちらの訓練だと私は思っています。 (「答えが一つしかない問題」ではない問題を考えていく能力を育てる教育については、2018年1月18日のブロググローバル化に対応した学校教育 中学、高校の場合(2)」に書きました。小学校で必要な訓練についても書いてあります。)

つまり、グローバルな世界で活躍する子供たちが小学校で学ぶのは英語ではなく、「思考の訓練」と「行動(大勢の人の前でも物おじしないで、自分の意見が言える)の訓練」だと私は思っています。

小学生の英語というのは、自動的に大人の英語にはならないのです。  (これについては2011年10月17日のブログをご覧ください。)  成長するに従い年齢相応の英語を習得する努力を本人がしていかなければならないのです。  ですから小学校で帰国した帰国子女は大人になったら、英語はあまり話せない、という人も多いのです。  小学校から英語を始めても、中学校のレベルで、またそこで勉強しなければならないわけです。  それでしたら中学校から始めても同じだと私は思っています。 

それに中学3年間、上に書いたような発音練習を主体にした練習をしていただくと、生徒たちは中学卒業時には、中学時代に習った全部の英文を正しい発音でしゃべれるようになります。  つまり、中学3年間で、15歳レベルの英語で完璧な英語コミュニケーション能力を生徒たちは身につけるということです。  

(上に書きました発音習得の方法は日本人の発音の先生方には、「生徒が自分で発音を聞いて直すなどできるわけがない」と全く理解されませんでしたが、2018年11月、私があるアメリカ人の先生に「自分の耳を使って発音を習得する川合メソッド」について説明したら、その先生は大きくうなづいて、「あなたのメソッドは発音をインターナライズするのですね」と理解してくださいました。  Internalize というのは「内面化する」「採り入れて自己のものとする」という意味です。  そのアメリカ人の先生は、川合メソッドがまさに耳を使って発音を自分の体に取り込み、自分の発音としてしゃべれるようにする方法だと理解してくださったのです。  日本の発音の先生方は生徒に発音は直せないといいましたが、ポイントはそういうことでは無く、「自分で発音を聞き比べて直していくことを繰り返す過程で、発音が生徒の体でインターナライズされていく」ということなのです。  このアメリカ人の先生は、この川合メソッドの神髄を理解してくださいました。  私はとてもうれしいと思いました。  ただ、川合メソッドの神髄を最初に理解してくださったのが、日本人の先生ではなくアメリカ人の先生だった、ということに少し驚きました。 日本人の奥様と結婚して、何十年と英語を教えながら日本人の英語を聞いてきた方だからこそ、お分かりになったのでしょうね。 この方は、私でさえ、子音がよく聞こえなくて何を言っているのかわからない日本人の英語を理解していらしたので、驚くことがありました。日本人の発音の特徴をよくご存じでした。)        

こうすれば中学生は3年間で、15歳のレベルの完璧な英語コミュニケーション能力を身につけます。3年で身につくものを小・中学校で7年もかけることはないと思います。

いずれにしろ、中学校で4技能に分けて学習させるのは、非常に無駄が多いです。  無駄が多いということ以上に、最初の教え方として、不適切です。  初めて習う言語を4つの分野に分けて訓練することなど、範囲が分散して、基礎の定着が不十分になります。  原型となる一つの文で、「話す、聞く、読む、書く」すべてできるようにすることが、初期の学習者にはずっと効果的です。 


文部科学省の方針には、いつも根本的な間違いがあります。  それは、最初から、生徒に英語を「しゃべらせよう」「しゃべらせよう」としか考えていない点です。  しゃべらせるためには何を訓練しなければいけないか、という点が全く抜けているのです。  発音習得の実際を全く知らないのです。

文部科学省の方針の中には「日常生活の中で興味や関心を持ったことを話させる」など、発音の定着を待たないで、自分の言いたいことを話させる活動ばかり出てきます。  

これを実際に中学生にやらせてみてください。  そうすれば、しゃべっている発音がめちゃくちゃだと分かるはずです。

ヨーロッパの人々は子音を単独で発音できますから、発音練習をそれほどしなくても英語は通じる場合が多いです。  しかし、日本人が通じる発音を習得するには、子音を単独で発音する練習をはじめ、リズムやイントネーションなど、最低限練習しなければならない練習があります。  日本語は、子音と母音が常にくっついて発音される言語ですから、それを母国語とする日本人は、子音を単独で発音する練習をしなければ、通じる発音で話せるようにはなりません。 

そう言うことを文部科学省はちっともご存じないようです。  子供に英語をしゃべらせれば、自然にネイティブ発音が身につくという幻想を持っているように見えます。  発音習得というのは日本人にとっては大変なことです。  英語と日本語は全く異質な言語ですから、中学2,3年で習う複雑な文も正しい発音で言えるようにしていくのは地道な練習がいるのです。  毎日毎日の練習がいるのです。

この学習指導要領を作成した文部科学省の方々の中には、正しい手順で発音習得をした経験のある人は一人もいないと思います。  もしいらしたら、正しい発音の定着を待たずに、勝手に生徒にしゃべらせるプランなど、出してくるはずはないと思います。

もし文部科学省に学習指導要領作成についてアドバイスした英語教育の専門家がいらしたなら、その方もまともに発音習得をしたことはない方でしょう。  自分が発音習得をきちんと行っていたら、発音の定着までに2年かかることや、それまでに、勝手に言いたいことを英語でしゃべらせたら、正しい発音が定着しない、ということは、知っているはずだからです。

正しい発音を習得したことのない人に、中学生が通じる英語で話せるようになる学習指導要領は書けません。  それは泳げない人が水泳の練習計画を立てるようなものだからです。

それに私にはもう一つ、文部科学省が、真剣に子供たちの英語力を上げようとして、この学習指導要領を書いたのではない、と分かったことがありました。
この学習指導要領には

生徒が英語に触れる機会を充実するとともに、授業を実際のコミュニケーションの場面とするため、授業は英語で行うことを基本とする。  その際、生徒の理解の程度に応じた英語を用いるようにすること。

という記述がありました。

これは、本当に「英語で授業」をする気で入れた文章ではありませんね。  私が2015年6月1日のブログを書いた後、文部科学省の方々は、どなたも「英語で授業」などとはおっしゃらなくなりました。

ではなぜこの文章を入れたのかといえば、数年前、あれだけ華々しく打ち上げた「英語で授業」が、新しい学習指導要領に記載されていなかったら、多くの人から、

「英語で授業はなぜ入っていないのですか?」と聞かれるでしょう。  その時に、
「英語で授業は、英語学校FORWARDの石渡誠氏英語で考える詐欺指導法に騙されて、決めたものだ。  だから、新しい学習指導要領では削除した。」といえば、「英語で授業」を決めた文部科学省の誰かがその責任を取らなければならなくなりますね。 つまり、文部官僚の誰かが責任を取るのを避けるために、今回も学習指導要領に「授業は英語で行う」と記載したのでしょう。そもそも効果の検証もしないで、なぜ、一英語学校(石渡誠の英語学校)の提唱する指導法を全国の学校で実施すると決定したのですか? (この後2019年、私は英語教育に関する有識者会議の委員になっている大学教授松本茂氏と吉田研作氏が「英語で授業をしない」と高校の先生方を批判する新聞記事を読み、「英語で授業」は石渡氏の主張であると同時に松本茂氏と吉田研作氏が推進したことだと知りました。こちらが松本茂教授が英語で授業をしない高校の先生方を批判する朝日新聞の記事です。   こちらが2019年11月18日の朝日新聞デジタルで吉田研作氏が「半数の高校では英語で授業が行われていない」と批判した記事です)

私は、先週、知り合いからこういう話を聞きました。 ほかの省庁で、経験したことだそうですけど。

「明らかに入れるのは間違っていることを公文書に入れているので、”なぜ削除しないのですか?”と聞いたら、”これを削除すると誰々が、責任を取らなければならなくなるから、削除しません”と官僚が言うのを聞いて、あきれました。」という話でした。

この学習指導要領もこれと全く同じですね。  文科省は中学生の英語コミュニケーション能力を上げることより、自分たちの仲間が責任を取らなくて済むように考えて、書き上げた学習指導要領がこれですね。


高校の先生方が、こういう理由を知ったら、怒るのは当然です。  先生方はあれほど「英語で授業」に反対されていたのですから。  文部科学省の誰かを守るために、生徒の理解を不十分にする「英語で授業」など生徒がやらされていると知ったら、怒るのは当然です。

文部科学省は改めなければいけないことでも、それを「やめる」といえば、自分たちの仲間が責任を取らなければならなくなるから、やめないのですね。  たとえ、日本中の中学生が犠牲になろうと、日本中の高校生が犠牲になろうと、自分たちの仲間を守るのですね。

こういう文部科学省には「真剣に生徒が英語コミュニケーション能力を身に着けられる学習指導要領を書く」という意志も能力もありません。

「どうしたら、自分たちの仲間が責任を取らなくて済むか」それを最優先して、作った学習指導要領がこれですね。


  

この下の部分は後から加筆しました。
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(上にリンクを付けた石渡誠氏の2015年5月7日の「日本の将来を担って」というブログには最初は「安河内哲也先生(文部科学省の英語教育に関する有識者会議の委員)は英語で授業を広めるために尽力されている」という趣旨の文章がありましたが、今日(2021年6月3日)みましたら、削除されていました。 なぜ私がそれを覚えているか、というと私は石渡氏のこのブログを読んだ後、子供たちに間違った指導法をさせることを広めようとする教師がいることに非常に怒りを感じたことを覚えているからです。 怒りであまりよく眠れない日々が続いた後、石渡氏のこのブログを読んだおよそ一週間後私は夜中に洗面所で倒れて頭を打ちました。(しばらく気を失っていました) それについてはこちらのブログにも書いてあります。 ですから、このブログに安河内氏お一人の写真入りで「安河内先生は英語で授業を広めるために尽力している」という趣旨の文章があったことをよく覚えています。でも、今日見たら、その部分は削除されていました。石渡氏は時々私がリンクを付けたブログのURLを変えて、そのブログが出てこないようにしたり、今回のように文章を削除したりします。石渡誠氏は「英語で考える指導法」という松本亨氏の勘違いから生まれた方法を何十年も提唱して英語学校を経営して授業料を取っています。 車を売って授業料を払う生徒もいるそうです。(石渡氏ご自身がブログに書いていました) もう、「英語で考える指導法」は間違っていると石渡氏もわかっているのに(だからブログに書いてあった安河内氏の部分を削除したのでしょう)撤回も謝罪もせず、知らんぷりして教えています。そして私が指摘したことについてはひそかに自分のブログのリンクを切ったり、不都合なブログの部分を削除したりしています。 「英語で考える指導法」は間違っているとこれほど明らかにされたのに、(わずか10行で間違いだと証明しました)いまだに間違いを認めず知らんぷりして教えているのは非常に悪質だと思います。教師なら「間違い」と明らかになった時点で生徒に訂正するのが当然です。「間違いを生徒に押し通す」という点において、石渡誠は最も悪質な教師だと思います。   自分の学校の生徒だけでなく、こういうネット上の動画で見る学習者もいますし、本で読む学習者もいますから間違いだとわかった時点で、公に(つまり誰でもわかる形で)訂正するべきだと思います。)
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私は、読者の皆さんに申し上げたいです。

正しい英語教育をすれば、皆さんのお子さんは、中学卒業時に、中学生で習うすべての英文を正しい発音でしゃべることが出来るようになります。  小・中学校で7年もかけなくても、中学3年間、正しい英語教育をすれば、皆さんのお子さんは、中学卒業のレベルで、完璧な英語コミュニケーション能力を身に着けることが出来ます。  しかも一度、正しい発音を習得すれば一生、学び直す必要はありません。

日本人は、中学3年間、正しい英語教育をすれば、世界のどこでも通じる英語でしゃべることが出来ます。
英語教育の第一歩を「英語の原型の定着」に集中すればそれはできるのです。

それを妨げているのが、文部科学省です。
文部科学省が、「正しい英語教育を行う方針」を作る意志も能力もないから、日本人はいつまでたっても通じない英語で話すことを余儀なくされているのです。

日本人の英語が通じないのは、文部科学省のせいです。

こんな学習指導要領を使っている限り、日本人はまた10年は、通じる英語で話せません 

中学、高校、大学、という英語学習の全体の流れの中で、中学時代は基礎力の確立期にあたります。

4技能に目標を広げないで、「これさえ身につければよい」という範囲を明確に生徒に示し(それが教科書ですね)、その教科書の文で、話す(正しい発音で話す)、聞く、読む、書く、すべての習得をさせるのが、生徒にとっては最も勉強の仕方が分かりやすく効果が高いです。  

「それだけか」と文部科学省の方々は、思うかもしれませんが、それだけをするのだって、大変なんですよ。 私は、正しい発音で、中学2,3年で習う文章が言えるようになるのに、2年かかりました。  こちらのブログに出てきた中学生も正しい発音で文章が言えるようになるのに2年弱かかった、と言っていました。  ですから、日本人にとって、複雑な文まで正しい発音でしゃべれるようにするのは、大変なことなのです。  

そのことに集中して、毎日練習しても、すぐにできるようになることではないのです。  文部科学省の方々はきちんと発音習得をしたことがないから、日本人にとって一番大変な発音習得をいつも視野に入れない学習指導要領を書いているのです。  それで、「生徒に話させろ」「話させろ」と学習指導要領に書くのです。  だから子供たちは自己流の発音で話すしかないのです。  けれども文部科学省の方々は、自己流の発音と正しい発音の区別もできないのですよね。  だから、生徒は英語をしゃべっている、と錯覚するわけです。

この指導要領は2021年から実施だそうですけれど、これで、子供たちの通じる発音で話す英語力向上は絶望的です。




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高校入試で子供たちが親の収入によって差別されない為に以下のお知らせを書かせていただきます。

高校入試のスピーキングテストについて(大学入試のスピーキングテストについても同様です)

高校入試のスピーキングテストは本来文部科学省が学校教育で正しい発音を生徒に教えてから行うべきものです。  しかし、文部科学省が教科書にCDもつけず、正しい発音の仕方も学校で教えないまま、高校入試でスピーキングテストを実施する動きが都立高校などで始まっています。 (大学入試でもスピーキングテストが行われようとしています)  これは、スピーキングスキルの習得を塾や予備校、会話学校に丸投げするものです。  学校で教えていないスキルを入試でテストすることはあり得ません。

これでは経済的に余裕のない、塾や会話学校にいけない家庭の子供は誰にも正しい発音を教えてもらえず、練習するCD(音声モデル)も与えられないまま、高校入試でスピーキングテストをされることになり、明らかに親の収入による進路の差別が始まります。(詳しくは2018年3月8日のブログ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」をお読みください。)

皆さんの身近に教育関係者がいらっしゃいましたら、ぜひ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」であることをお伝えください。  (大学入試のスピーキングテストについても同じことです)  
15歳で親の収入のために進路を差別されるのでは子供たちがあまりにもかわいそうです。

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以下の文章は毎回掲載している内容です。

7月30日以降、私は、いつもブログに書いている3つのことの2番目、「英語で考える」を提唱した松本亨氏の主張について」という項目の最初のほうに文章を付け加えました。 

それをお読みになると私がこの4年間、全く名前を出すことのなかった石渡誠氏の名前をなぜ書くようになったのか、その理由がお分かりになります。

英語で考える指導法の提唱者、石渡誠氏は、その方法が有効であるならば、日本語訳を使わず、アラビア語アラビア語で学んで、アラビア語が堪能になるかどうかご自身でやってみて、その結果を公開してください。  「英語を英語で教えるということが、中高でも広まってきて、良いことです」(2017年7月30日のブログ)などとおっしゃるのは、それを自分で証明してからにしてください。
  
自分で、その証明ができないなら、「英語で考える指導法」は、本当は実在しない「英語で考える詐欺指導法」であり、「英語を英語で理解する指導法」は、本当は実在しない「英語を英語で理解する詐欺指導法」ということです。この詐欺指導法を提唱する石渡誠氏は、自分が日本中の高校生、中学生(「英語で授業」は決定されましたが、まだ実施はされていません)にどれほどひどいことをしてきたか、真剣に自覚されたほうがいいと思います。 

教師としての良心があるなら、自分の商売を拡大する前に、今もなお石渡氏の「英語で考える詐欺指導法」の犠牲になっている日本中の高校生、中学生にすることがあるでしょう。

石渡氏の2015年5月7日のブログを読むと、文部科学省にこの「英語で考える詐欺指導法」を持ち込んだのが石渡氏であることが分かります。  私たち国民は、この「英語で考える詐欺指導法」がどうやって文部科学省に持ち込まれたのか、知る権利(国民の知る権利)がありますので、このことを書き添えました。

私は、その数か月後、頭の打撲が治ったころ、インターネットで検索して、石渡氏のブログに書かれていたこの会合についていくつかのブログを読みました。  そこには、「この会合には英語界の重鎮中の重鎮の方々が集まっている」とか「英語教育界の大御所の方ばかり」とか書かれてありました。(「2015年5月5日 ついに変わる! 英語教育改革の全貌」で検索すると現在でもいくつか出てきます。)

石渡氏の5月7日のブログを読んだ私は、「どんなに立派な肩書をお持ちの英語教育の専門家の主張であっても、私の経験に照らし合わせてその主張が間違っていたら、私は一歩も引いてはならない」と決意しました。  そうしないと、日本中の子供たちが、「英語で考える詐欺指導法」の犠牲になってしまう」と思いました。

それで、2015年6月1日のブログを書きました。  どれほど、中学の英語の授業を英語ですることを阻止したかったかといえば、頭を打って、容体が急変した時は、知人にこのブログのアップを頼むほど、私は、それを阻止したいと思いました。(その時のことはこちらのブログに書いてあります)

石渡誠氏は、日本中の子供たちに誤った指導法をさせて、教師として、良心が痛むことはないのでしょうか。  今日も一生懸命、学校で勉強しているたくさんの子供たちのことを考えたことはないのでしょうか。

* * *

私は随分長い間、自分の本のランキングを妨害されていますが、おそらく、やっている人は、私が英語教育の分野からいなくなるまで、妨害を続けるのでしょう。

ただ、私は、英語教育の分野からいなくなるわけではないようです。

こちらのブログに書いた外国人の方が、1999年11月にこのことの後、どういう結末になるのか、私に教えてくれました。  少なくとも、私は妨害されて、英語教育の分野からいなくなる、とは言われませんでした。

18年前、その結末を聞かされていたので、私は、「英語耳」の松澤喜好氏に盗作されようと、妨害されようと、日本人が誰も聞けない音について本を書いていようと、今日まで、頑張って来ることが出来ました。  どんな立派な肩書を持つ英語教育の専門家の言うことも自分の経験から見て、間違っていたら、一歩も引かない、という決意ができたのも、文部科学省の方針に正面から反対したのも、50年間信じられていた松本亨さんの主張を否定したのも、この後、どういう結末が訪れるのか、あの時、その人から聞いていたからでした。  

なぜ、その人が、私にそんな先のことを教えてくれたのか、その時は分かりませんでしたけれど、今は、わかる気がします。

たぶん、その方は、2008年以降、私がどれほど苦しい思いをするかご存じだったのだと思います。 2008年以降、私が「英語耳」の松澤喜好氏と、KADOKAWA/アスキーメディアワークスのためにどれほど泣くことになるか、ご存じだったのだと思います。(詳細はこちらです。)  その時にくじけないように、その苦しさの先にある結末を教えてくれたのだと今は、思っています。

もう私の本のランキングを下げるなどという行為はおやめください。


KADOKAWA/アスキーメディアワークス(塚田正晃社長)は、隠ぺい工作までして、著者が自分のホームページで盗作を豪語するような悪質な出版はやめてください。(詳細はこちらです。) 

* * *
私の2冊目の本「続・英語発音、日本人でもここまでできます。」(緑色の本)を購入された方で、CDトラック6,13,18,19にある生徒さんと私の子音の長さの比較がよくわからない方は下のブログを参考にしてください。

2016年7月3日のブログ  子音を長く言う「川合メソッド2」「L」の練習 4週間後 (長いSの例)
2016年9月1日のブログ  RとFの練習 1か月後 マライア・キャリー (長いLの例)
2015年2月1日のブログ  「続・英語発音、日本人でもここまでできます。」付属CDトラック6 例文 Where's my bag? 川合典子には生徒のWの発音はどう聞こえたか。

* * *

ここから先は、毎回掲載している3つのことです。「なぜ毎回3つのことを掲載するのか」その理由については、こちらのブログをご覧ください。 

* * *

英語教育について

文部科学省の英語教育の方針は、効果がありません。

1)現在、高校生が行っている「英語で授業」は効果がありません。  (理由はこちら
2)「CAN-DOリスト形式」は効果がありません。 (理由はこちら
3)「4技能」は効果がありません。  (理由はこちらこちら
4)現在、小学校の英語教育で子供たちが話しているのは、英語の発音ではありません。 (理由はこちら
5)大学教育を英語で行うと日本の学問は壊滅的な打撃を受けます。 (理由はこちら
以上の理由により、文部科学省の方針は効果がありません。

「発音」、「語順」、「英語で考える」、それぞれを習得する方法は2015年10月19日のブログ「川合式英語学習法」をご覧ください。

これは全部私自身がやってきたことです。  こうすれば、生徒たちは必ず通じる英語で話すようになります。
英語で考える指導法を提唱する人たちのように、「自分は日本語訳を使ったけれど、生徒たちは使うな」というような、誰も実際にはやっていないような指導方法ではありません。  私は全部自分でやっています。


「英語で考える」を提唱した松本亨氏の主張について

松本亨氏の「英語で考えるためには日本語訳を使ってはいけない」という主張は2006年、私の子供たちが全文和訳でバイリンガルになった事実によって否定されました。 

「英語で考える指導法」は詐欺である可能性が高いです。

松本亨さんの書いた「英語で考える本」「英語で考えるには そのヒケツと練習」という本に書いてある練習をしても英語で考えるようにはなりません。(理由は、2月4日のブログ「英語の思考活動」、3月1日のブログ「先生の宿題のプリント「英語で考える」ってどういうこと?」を参照してください)

英語で考える指導法を掲げる英語学校FORWARDの指導者、石渡誠さんは、「この方法を26年教えてきた」と書いていますが、26年間も効果のない方法を教えてきたというのは驚きですね。

なお、「英語で考えるには −そのヒケツと練習−」という赤い本(石渡誠氏がこちらで勧めています)は、私の2017年11月30日のブログ掲載後、絶版になりました。  アマゾンの価格の表示の仕方が「¥XXXより」というのは、現在出版中の本にはない表示の仕方です。   

私は、この件について、松本亨さん(著作を含めて)以外の固有名詞を入れることをずっと避けてきました。  けれども、石渡誠さんの2017年7月30日ブログの冒頭の

日本の英語教育界もようやく変革の時が!英語を英語で教えるということが、中高でも広まってきています。良いことですが、

という部分を読んで、明記することにしました。  日本中の高校生を犠牲にしておいて、まだこういうことを言っていることに怒りを覚えました。  文部科学省でさえ、もう、中学校の英語の授業を英語で行うとは、言わなくなったのに、と思いました。  

石渡誠さんは、26年間も授業料を取って、「効果のない方法」を「効果がある」と偽って教えてきて、謝罪も損害賠償もしないのですか?  そうやって、「何を言っても何の責任も取らなくていい」と思っているから、いまだに「英語を英語で教えるのが良い」などとおっしゃるのでしょう。  

でしたら、ご自身がアラビア語アラビア語で学んで、アラビア語が堪能になるかどうか示してください。  それが出来ないのであれば、「英語を英語で理解する指導法」が間違っていたと認めてください。  そういうけじめをつけないからいつまでも「英語を英語で理解する」などという指導法を主張し続けるのでしょう。

日本中の高校生が迷惑していますので、自分もできない指導法を提唱するのはやめてください。

自分の商売のために子供たちを犠牲にするのは、もうやめてください。

Je suis Charlie. と母国語で言うフランス人が I am Charlie.という言語を学ぶとき、母国語の意味を参考にしていないはずはないでしょう。  日本人は誤った指導法を50年も信じて、大きく後れを取りました。


私は、英語で考える指導法の提唱者が、「Freedomを日本語に訳すとニュアンスが分からなくなるから英語のまま言わせる」とブログに書いているのを読みました。  でもそれでは何も教えていないのと同じです。

生徒から、アメリカ人にとって自由というのはそんなに大事なものなのですか?と質問されたら、アメリカ史がご専門の先生なら、「建国の歴史を勉強してみるとその理由が分かってきますよ」とお答えになるでしょうし、時事英語がご専門の先生なら、ニュースの中から、アメリカが個人の自由を制限する国に対して、非常に厳しい外交政策をとり、しかも大多数の国民がそれを支持しているというニュースを選んで、生徒と一緒に勉強していくでしょう。

Freedomを日本語に訳さずFreedom. Freedom と生徒に言わせる、などというのは何も教えていないのと同じことです。

それは、次のような例を想像してみるとよくわかります。

もし、アメリカで、日本語を学んでいる生徒が「日本の武士道とはなんですか?」と教師に質問した時、「日本人にとって武士道が、どういうものなのか知りたかったら、武士道を英語に訳さず、日本語のままブシドウ、ブシドウといいなさい」 などと指導する教師は一人もいないでしょう。   

仮に先生が「これが、日本語を日本語で理解する指導法だ」「日本語で考える指導法だ」などと言っても、生徒はばかばかしくてする気にもならないでしょう。  保護者からは「まじめに教えろ」と言われるでしょう。 

これが英語で考える指導法の正体です。

教える方は何も教えていない。
学ぶ方は何も学んでいない。
これが英語で考える指導法の正体です。

だから私はこの方法は詐欺だと言ったのです。(こちらのブログ

以前、この「英語のままFreedomと言わせる」と言っていた学校のブログで、車を売って受講料を払って学んでいるという生徒の例が紹介されていました。  それほどの高額の授業料をとって、「だますつもりはなかった」「知らなかった」では済まないです。  
詐欺は犯罪です。

詐欺は、刑法で刑罰が定められている犯罪です。

また、そのブログで、英語で考える指導法をする人々が、生徒の英和辞典を取り上げたり、生徒に英和辞典を窓から捨てさせたりする、ということも読みました。  中には最後まで生徒に英和辞典を返さなかったこともあったそうです。

「帰国子女に見る世界に通用する英語力の作り方」を読んでいただくとわかりますが、英語のわからない生徒にとって、英和辞典は命綱です。  英和辞典があるから、英語の意味が分かるようになります。  これを取り上げるなど、間違った指導法を盲信する指導者の誤りです。  英和辞典を取り上げれば生徒の英語力が上がるなどということは絶対にありません。

この詐欺商法を、中学や高校に持ち込んだのが文部科学省の「中学、高校の英語の授業を英語で行う方針」です。
だから、私は、「学校で詐欺を行わないでください」と申し上げたのです。
税金を詐欺に使わないでください、と申し上げたのです。
高校英語教育はいまだに詐欺ですね。
学校で詐欺教育をするために、車一台売るどころではない、莫大な税金が使われています。

早くやめてください。
高校時代は、高校時代にやらなければならない訓練があるのです。
複雑な英語を読み始めるときにどうしてもやらなければならない訓練があるのです。
この時を逸すると、取り返しがつかないのです。  高校生がかわいそうですから、「学校で詐欺」はやめてください。

発音練習について

学生時代、私はアメリカのセルフヘルプの本を読むのが好きでした。  当時、そういう本は翻訳しか入手できませんでした。  その中にこんな話が書いてありました。

チャーリーさんが自動車の調子が悪くなり、修理工場に持ち込みました。  修理が終わって取りに行ったとき、調子が悪かった原因を尋ねると「OOのネジが一つ壊れて、不具合が生じていたので、新しいネジに変えました」と説明を受けました。

請求書を見てみると、とても高い金額でしたので、チャーリーさんは、「ネジ一つ取り換えただけなのに、これでは金額が高すぎます」と文句を言いました。  そうしたら、修理をした人が、「最初は、何が原因となって不具合が生じているのかわかりませんでした。  それで、私は自動車の内部を全部調べました。  そしてOOのネジが壊れていることを発見したのです。  自動車内部をすべて調べるのに何時間もかかりました。  請求書はその労働の代金を含んでいるのです」と言いました。  チャーリーさんもその説明で納得しました。

この話は、どこを直せばよいかわかっているものを直すのは、簡単ですが、どこが悪いかわからないものを直すのは大変だ、ということを例えた話でした。

私は中学時代に英語のきれいな発音に魅了されて発音練習を始めました。  中学生でしたから一生懸命練習すればお手本のアメリカ人と同じ発音になると信じていました。  一年半くらいはちっともうまくなりませんでしたが、その日の練習が終わると、自分が今日練習した分だけお手本の発音に近づけたと思えて、とても、心が満たされていたのを覚えています。  一年半くらいは目に見えてうまくなってはいませんでしたが、毎日練習が終わって、テープレコーダーの手あかを白いハンカチできれいにふき取ってしまうときは、とても気持ちが充実していたのを今でも覚えています。

だから発音練習は大変だ、とかつらいとか思ったことはありませんでした。(決してうまくはなかったのに、です)

最初の本「英語発音、日本人でもここまでできます。」(赤い本)の原稿を書いていた時、私は編集してくれた人に次のような心配をお話ししたことがありました。

「読者の皆さんに、私は何の苦労もなく、発音を習得した、と思われると困るのですが、、、」
そうしたら、編集をしてくださった方からこういわれました。

「川合先生の本を読んで、川合先生が何の苦労もなく発音を習得した、と思う人はいません。  そんなことを心配するより、むしろ、こんなサイボーグみたいな練習をしなければ発音はうまくならないのか、と思われることをご心配なさった方がよろしいんじゃありません?」

編集をしてくださった方は、スタンフォードでの留学経験もありますので、英語がとても上手な方でした。  こういうユーモアのセンスもお持ちでした。

私は苦笑しながら「はい。。。。」と言って、すぐひき下がりました。

確かに文全体をお手本と比べて違いを探すにはサイボーグみたいな能力がないとだめだ、と思ってしまう方もいらっしゃるかもしれません。  (先日夫がチャンネルを回していたら、ターミネーター3でシュワルツネガーさんが人の着ている洋服を見て、一瞬で、それが自分に合うかどうかをピピピピ。。。と判断する場面がありました。  サイボーグと言うとそういうイメージが浮かんできますね。)  

けれども、発音を直すときは、最初は、気づいたところから直していけばいいので、本当はそういうことはないのですが、人によってはそんなことはとてもできないと思ってしまう人もいるかもしれません。

しかし、その2年後、私は、「続・英語発音、日本人でもここまでできます。」(緑の本)を出版しました。  そしてその本に、どこを比べて何を直したらよいか書きました。  漠然と、文全体を比べたら違いは分からないかもしれませんが、「この音のこの違い(例えば、長さ)を聞いて下さい」とピンポイントで言われれば、誰でもそれは聞けます。

先ほどの自動車修理工場の例でいえば、どこに原因があるのか車の内部全体を調べるのはとても時間がかかって大変ですが、「ここのネジを変えてください」と言われれば誰でも出来るのと同じことです。  具体的に言われたことはやりやすいです。

「続・英語発音、日本人でもここまでできます」にはどこを聞いて何を直せばよいのか、書いてあります。  そのポイントは日本語のくせから来るものがほとんどです。  それは日本人に共通する発音の問題点ですから、そこを聞いて直していただけば通じやすい発音になっていきます。

「ここのネジを取り替えてください」というのと同じように、努力すればだれでもできることです。  サイボーグのような能力はいりません。

読者の方から、「続・英語発音、日本人でもここまでできます。」は、「英語発音、日本人でもここまでできます。」付属のDVDで発音練習するときの参考書のように使っています」というメールをいただいたことがありますが、この2冊は一緒に活用してください。  

「なぜそういう練習をするのか」その原理もわかりますし、理解が深まると、相乗効果となって皆さんの発音がとても上達します。  発音は、口の練習だけではうまくなりません。  上手な人の発音って何か違いますでしょう?  体になじんでその音がでてきていますでしょう?  耳はもちろん、たくさんの感覚を使って習得すると上手になります。  (これについては、2018年3月8日のブログの冒頭の部分も参考になさってください。)

表面的な練習だけやっていると表に現れないことが、その原理や仕組みを深く掘り下げて理解していると、口の動きに現れてきます。 

お手本の発音を聞いたとき、「どうやって発音しているのか手に取るようにわかる」この状態になるわけです。  この深く掘り下げる役目ををするのが、「続・英語発音、日本人でもここまでできます。」に書いてあることです。  

「上手な人の発音が何か違う」と感じるのは、口の動きの後ろにある、さまざまな感覚の関連性を意識して、練習しているからです。  「自分の体をどうするとあの音が出てくるか、体が知っている」この状態になっているからです。  表に現れたものだけ練習する場合、長く練習しても、あまり変化はありませんが、深く掘り下げて、練習していると、だんだん、音を捕まえる能力も向上しますので、長い間には、口の動きだけ練習してきた人とは随分違う発音が出来上がります。  発音練習の基本姿勢のブログに出てくる生徒さんみたいにですね。  「英語発音」と「続・英語発音」の本は一緒に活用してください。



* * *


私のDVDで発音練習をするときは、耳に注意を集中して音を聞いて下さい。
最初はテキストを見ながら練習していただいて結構ですが、文字に気を取られていると、実際の音よりも自分がこうだと思っている音のまま発音していることが多くあります。

私はDVDの単語の発音の練習のところで、Life や Leg のLの音をほんの一瞬ですが、日本語化しない「長さのあるL」で発音しています。  そういう音をできるだけよく聞いて、同じように言ってください。

Fight や Fin の Fの音も長さをもって発音しています。  Way や Wet の W の音も長さを保持して発音しています。  それを耳でよく聞いて同じように言ってください。

* * * 


ブタさんが持っている旗については、こちらの「きのこの山とたけのこの里」というブログの後半を読むと、私がどうやって、子音の長さが聞けるようになったのか、書いてあります。

結末  (RとFの練習 3回目 アンパンマン  再掲載2017)

私は随分長い間、アマゾンの自分の本のランキングを妨害されていますが、おそらく、やっている人は、私が英語教育の分野からいなくなるまで、妨害を続けるのでしょう。

ただ、私は、英語教育の分野からいなくなるわけではないようです。

こちらのブログ「私が3つのことを繰り返し書く理由」に書いた外国人の方が、1999年11月にこのことの後、どういう結末になるのか、私に教えてくれました。  (初めて聞いたときは、これは本当に自分のことなのだろうかと思いました)  それによると、私は、「英語教育の分野からいなくなる」わけではないようです。

その外国人の方の言った通りになるのかどうか知りませんが、少なくとも、私は妨害されて、英語教育の分野からいなくなる、とは言われませんでした。

どういう結末になるかは、これからわかると思いますが、18年前、その結末を聞かされていたので、私は、「英語耳」の松澤喜好氏に盗作されようと、妨害されようと、日本人が誰も聞けない音(子音の日本語化)について本を書いていようと、今日まで、頑張って来ることが出来ました。  どんな立派な経歴を持つ英語教育の専門家や大学教授の言うことも自分の経験から見て、間違っていたら、一歩も引かない、という決意ができたのも、18年前、このことの結末がどうなるのか聞かされていたからでした。

文部科学省の方針に正面から反対したのも、50年間信じられていた松本亨氏の「英語で考える指導法」を否定したのもこの後、どういう結末が訪れるのか、あの時、その人から聞いていたからでした。 「英語で考える指導法」を提唱した松本亨氏は20年以上NHK英語会話の番組を務め、NHK放送文化賞を受賞しています。石渡誠氏は「松本亨氏は英語の神様と言われた」と言っています。 いくら「英語の神様」と言われても、日本語訳を禁止しておきながら、日本語はどんどん英訳しろ、という指導法では日本語訳と結びついた英語が頭に存在しないのですから実際にはできないでしょう。(図による説明はこちら) 
 

なぜ、その人が、私にそんな先のことを教えてくれたのか、その時は分かりませんでしたけれど、今は、わかる気がします。

たぶん、その方は、2008年以降、私がどれほど苦しい思いをするかご存じだったのだと思います。 2008年以降、私が「英語耳」の松澤喜好氏と、KADOKAWA/アスキーメディアワークスのためにどれほど泣くことになるか、ご存じだったのだと思います。(詳細はこちらです。)  その時にくじけないように、その苦しさの先にある結末を教えてくれたのだと今は、思っています。

実際、この結末を聞いていなかったら、私は、2008年から今日まで、到底一人でやって来ることはできなかったと思います。  

もう私の本のランキングを下げるなどという行為はおやめください。


KADOKAWA/アスキーメディアワークス(塚田正晃社長)は、隠ぺい工作までして、著者が自分のホームページで盗作を豪語するような悪質な出版はやめてください。(詳細はこちらです。)

* * *

今日は、一番最後の「発音練習について」というところに、私が最初の本の原稿を書いていたころの出来事を書きました。  題は、「サイボーグ」です。  どうぞ、お読みください。

今月は、私は、家のことで少し疲れましたので、しばらくブログはお休み致します。
今年の日付に一つ足した日付の去年のブログを読んでいただくと、その週に行う川合メソッド2の練習が書いてありますので、継続して練習していただけます。

子音の日本語化はこれから発音教育の主要な課題となってくると思います。  習得されるのは、早ければ、早いほどいいです。  発音がよく通じるようになりますので。

* * *

それでは今日は、2016年8月21日のブログ アンパンマンの再掲載です。  どうぞお読みになってください。

* * *

子供たちが小さかった頃夕食の支度をしていると、私の後ろで子供達が見ているテレビの音がきこえました。  

初めてアンパンマンの主題歌を聞いた時は「これが子供番組のテーマソング?」とびっくりして、思わず振り返って、私も一緒に見てしまいました。

アンパンマンは、パンでできた顔が汚れたり、濡れたりすると力が出なくなってしまいます。  するとジャムおじさんが新しい顔を焼いて、持ってきてくれて、アンパンマンの方に投げると、古い顔が飛ばされて、新しい顔が付きます。

その時、新しい顔が、左から右にツルンと光るのです。光の帯が左から右にツルンと素早く移動するのですね。

このツルンと光が移動するイメージが、日本人が英語をしゃべるときの、子音から母音(あるいは次の音)にツルンと素早く移ってしまう発音のイメージにそっくりなのです。

ネット上などで、日本人の英語を聞くと、「日本人の英語は、単語の最初の子音が次の音に、本当に素早く移ってしまいます。  アンパンマンの新しい顔みたいに、ツルンって変わってしまうのよね」といつも思います。

こういうイメージがあるから「帰国子女に見る世界に通用する英語力の作り方」41ページにある図もまあるいお月様の図になったのでした。

左の三日月部分の光が、ツルンと母音(あるいは次の音)に移動するのです。

今回、ブログを書くにあたって、スカパーのキッズチャネルを見て、「ツルン」を確認しました。  今、アンパンマンの番組はやっているのかどうかわかりませんが、なかったら、レンタルのDVDでも結構ですから、この光がツルンと移動するのをご覧になってみてください。

日本人の子音が素早く母音(あるいは次の音)に移行する様子が感覚的によくわかります。

イメージというのは、特徴を理解するときにとても役に立ちますので、活用してみてください。  日本人の子音はツルン、ツルンという感じで、長さがなく、たたくみたいに短く、すぐ次の音に移行してしまいます。



なお、オーイーの練習はあと2週間で実際の英文をしゃべりながら、唇に力を入れる練習に変わります。  5回以上できる方は、10回くらいまで増やしてやってみてください。

娘も7月17日からオーイーの練習をやっています。  たったこれだけの練習ですが、一回だけ、仕事で、何かあったのか、気持ちに余裕がなくて、一週間に2日しか練習できなかった週がありました。

その週のレッスンでは、唇の力もさることながら、軟口蓋を上げて鼻腔に共鳴させることを持続させていることが出来なくて、歌は、あまり、うまく歌えませんでした。  今日は、どうしたの?という感じでした。

私は、娘がうまく歌えなくても、「とにかく続けることが一番大事」と思っていたので、それまで、何も言ったことはありませんでしたけれど、さすがに、「オーイー」と一日5回言うことも出来ない、というのは、問題だな、と思ったので、

「由紀子が歌を続けたいというなら、毎週レッスンをするけれど、これ以上はうまくならないから」  「毎日歌えない人が、うまくなりたかったら、オーイーを5回言うくらいの練習は、やりなさいね」と言いました。

そうしたら、その後からちゃんと練習してきました。  それだけでも、軟口蓋はよく上がりますし、言葉もしっかりしてきます。  小さな練習でも、毎日積み上げることが大事です。  毎日少しずつやると、本当に体は変わってきます。

続けるコツは、なるべく朝、やってしまうことです。  いろいろなことが起こってくると、忘れますし、覚えていても、ほかのことが気になって、練習する気にならなかったりします。  ですから、簡単な練習なので、朝、やってしまうといいです。

私は、昨日、出かけてきましたけれど、電車を待っている間に、周りに人がいなかったので、「イーウー」と練習していました。(もちろん声は出しませんでした)  出来る時にやってしまうようにすると、練習が続きます。 

今週でR、Fの練習は、3週目ですので、今週の終わりには、少し変化が現れると思います。  それまでは、とにかく続けてくだされば、結構です。  出来不出来は気になさらないでください。  Fは、この練習で、摩擦音の感覚に慣れていってください。  外から口の特徴がよくわかる発音は練習しやすいです。  THのように外からよくわからない発音は練習を始めたばかりの人には難しいです。  まずやりやすい摩擦音 F で摩擦音のコツをつかんでください。    

* * * アンパンマンの顔がツルンと光るところを、是非ご覧になってください。  あらゆる感覚を使って子音の日本語化がわかるようにしていきましょう。  今回は視覚を使ってみました。

====子音を長く言う「川合メソッド2」=========
8月7日から9月3日までの練習内容

簡略腹式呼吸(水道管呼吸法) 4秒 x 5回
「オーイー」を5回、唇に力を入れてつなげて言う練習
Lの練習(2) 長いLで例文を言う  3回
Wの練習(2) 長いWで例文を言う  3回
Nの練習(2) 長いNで例文を言う  3回
Rの練習(1) 普通のRで例文を言う 5回
Rの練習(2) 長いRで例文を言う  5回
Fの練習(1) 普通のFで例文を言う 5回
Fの練習(2) 長いFで例文を言う  5回

=============================
なお、この練習「川合メソッド2」を営利目的で使用することはご遠慮ください。(皆様にそのようなお願いをする理由はこちらでご覧いただけます)

(例) 出版、発音セミナー、発音レッスン、発音講座、発音訓練 等々。

学習者どうしの情報交換は歓迎します。  どんどん行ってください。

* * *
* * *

私の2冊目の本「続・英語発音、日本人でもここまでできます。」(緑色の本)を購入された方で、CDトラック6,13,18,19にある生徒さんと私の子音の長さの比較がよくわからない方は下のブログを参考にしてください。

2016年7月3日のブログ  子音を長く言う「川合メソッド2」「L」の練習 4週間後 (長いSの例)
2016年9月1日のブログ  RとFの練習 1か月後 マライア・キャリー (長いLの例)
2015年2月1日のブログ  「続・英語発音、日本人でもここまでできます。」付属CDトラック6 例文 Where's my bag? 川合典子には生徒のWの発音はどう聞こえたか。

* * *

ここから先は、毎回掲載している3つのことです。「なぜ毎回3つのことを掲載するのか」その理由については、こちらのブログをご覧ください。 

* * *

英語教育について

文部科学省の英語教育の方針は、効果がありません。

1)現在、高校生が行っている「英語で授業」は効果がありません。  (理由はこちら
2)「CAN-DOリスト形式」は効果がありません。 (理由はこちら
3)「4技能」は効果がありません。  (理由はこちらこちら
4)現在、小学校の英語教育で子供たちが話しているのは、英語の発音ではありません。 (理由はこちら
5)大学教育を英語で行うと日本の学問は壊滅的な打撃を受けます。 (理由はこちら
以上の理由により、文部科学省の方針は効果がありません。

「発音」、「語順」、「英語で考える」、それぞれを習得する方法は2015年10月19日のブログ「川合式英語学習法」をご覧ください。

これは全部私自身がやってきたことです。  こうすれば、生徒たちは必ず通じる英語で話すようになります。
英語で考える指導法を提唱する人たちのように、「自分は日本語訳を使ったけれど、生徒たちは使うな」というような、誰も実際にはやっていないような指導方法ではありません。  私は全部自分でやっています。


「英語で考える」を提唱した松本亨氏の主張について

松本亨氏の「英語で考えるためには日本語訳を使ってはいけない」という主張は2006年、私の子供たちが全文和訳でバイリンガルになった事実によって否定されました。 

「英語で考える指導法」は詐欺である可能性が高いです。

松本亨さんの書いた「英語で考える本」「英語で考えるには そのヒケツと練習」という本に書いてある練習をしても英語で考えるようにはなりません。(2月4日のブログ「英語の思考活動」、3月1日のブログ「先生の宿題のプリント「英語で考える」ってどういうこと?」を参照してください)

英語で考える指導法を掲げる英語学校FORWARDの指導者、石渡誠さんは、松本亨さんの「英語で考える本」「英語で考えるには −そのヒケツと練習−」という本で勉強すれば英語で考えるようになると2017年1月19日のブログで言っていますが、この2つの本で勉強しても、英語で考えるようにはなりません。  「この方法を26年教えてきた」と書いていますが、26年間も効果のない方法を教えてきたというのは驚きですね。  

私は、この件について、松本亨さん(著作を含めて)以外の固有名詞を入れることをずっと避けてきました。  けれども、石渡誠さんの2017年7月30日ブログの冒頭の

日本の英語教育界もようやく変革の時が!英語を英語で教えるということが、中高でも広まってきています。良いことですが、

という部分を読んで、明記することにしました。  日本中の高校生を犠牲にしておいて、まだこういうことを言っていることに怒りを覚えました。  文部科学省でさえ、もう、中学校の英語の授業を英語で行うとは、言わなくなったのに、と思いました。  

石渡誠さんは、アラビア語アラビア語で教えられたら、アラビア語が堪能になるのでしょうか?  それを自分で証明してから、「英語を英語で教えること」を提唱してください。

石渡誠さんは、26年間も授業料を取って、「効果のない方法」を「効果がある」と偽って教えてきて、謝罪も損害賠償もしないのですか?  そうやって、「何を言っても何の責任も取らなくていい」と思っているから、いまだに「英語を英語で教えるのが良い」などとおっしゃるのでしょう。  

でしたら、ご自身がアラビア語アラビア語で学んで、アラビア語が堪能になるかどうか示してください。  それが出来ないのであれば、「英語を英語で理解する指導法」が間違っていたと認めてください。  そういうけじめをつけないからいつまでも「英語を英語で理解する」などという指導法を主張し続けるのでしょう。

日本中の高校生が迷惑していますので、自分もできない指導法を提唱するのはやめてください。

自分の商売のために子供たちを犠牲にするのは、もうやめてください。

Je suis Charlie. と母国語で言うフランス人が I am Charlie.という言語を学ぶとき、母国語の意味を参考にしていないはずはないでしょう。  日本人は誤った指導法を50年も信じて、大きく後れを取りました。


私は、英語で考える指導法の提唱者が、「Freedomを日本語に訳すとニュアンスが分からなくなるから英語のまま言わせる」とブログに書いているのを読みました。  でもそれでは何も教えていないのと同じです。

生徒から、アメリカ人にとって自由というのはそんなに大事なものなのですか?と質問されたら、アメリカ史がご専門の先生なら、「建国の歴史を勉強してみるとその理由が分かってきますよ」とお答えになるでしょうし、時事英語がご専門の先生なら、ニュースの中から、アメリカが個人の自由を制限する国に対して、非常に厳しい外交政策をとり、しかも大多数の国民がそれを支持しているというニュースを選んで、生徒と一緒に勉強していくでしょう。

Freedomを日本語に訳さずFreedom. Freedom と生徒に言わせる、などというのは何も教えていないのと同じことです。

それは、次のような例を想像してみるとよくわかります。

もし、アメリカで、日本語を学んでいる生徒が「日本の武士道とはなんですか?」と教師に質問した時、「日本人にとって武士道が、どういうものなのか知りたかったら、武士道を英語に訳さず、日本語のままブシドウ、ブシドウといいなさい」 などと指導する教師は一人もいないでしょう。   

仮に先生が「これが、日本語を日本語で理解する指導法だ」「日本語で考える指導法だ」などと言っても、生徒はばかばかしくてする気にもならないでしょう。  保護者からは「まじめに教えろ」と言われるでしょう。 

これが英語で考える指導法の正体です。

教える方は何も教えていない。
学ぶ方は何も学んでいない。
これが英語で考える指導法の正体です。

だから私はこの方法は詐欺だと言ったのです。(こちらのブログ

以前、この「英語のままFreedomと言わせる」と言っていた学校のブログで、車を売って受講料を払って学んでいるという生徒の例が紹介されていました。  それほどの高額の授業料をとって、「だますつもりはなかった」「知らなかった」では済まないです。  
詐欺は犯罪です。

詐欺は、刑法で刑罰が定められている犯罪です。

また、そのブログで、英語で考える指導法をする人々が、生徒の英和辞典を取り上げたり、生徒に英和辞典を窓から捨てさせたりする、ということも読みました。  中には最後まで生徒に英和辞典を返さなかったこともあったそうです。

「帰国子女に見る世界に通用する英語力の作り方」を読んでいただくとわかりますが、英語のわからない生徒にとって、英和辞典は命綱です。  英和辞典があるから、英語の意味が分かるようになります。  これを取り上げるなど、間違った指導法を盲信する指導者の誤りです。  英和辞典を取り上げれば生徒の英語力が上がるなどということは絶対にありません。

この詐欺商法を、中学や高校に持ち込んだのが文部科学省の「中学、高校の英語の授業を英語で行う方針」です。
だから、私は、「学校で詐欺を行わないでください」と申し上げたのです。
税金を詐欺に使わないでください、と申し上げたのです。
高校英語教育はいまだに詐欺ですね。
学校で詐欺教育をするために、車一台売るどころではない、莫大な税金が使われています。

早くやめてください。
高校時代は、高校時代にやらなければならない訓練があるのです。
複雑な英語を読み始めるときにどうしてもやらなければならない訓練があるのです。
この時を逸すると、取り返しがつかないのです。  高校生がかわいそうですから、「学校で詐欺」はやめてください。

発音練習について

学生時代、私はアメリカのセルフヘルプの本を読むのが好きでした。  当時、そういう本は翻訳しか入手できませんでした。  その中にこんな話が書いてありました。

チャーリーさんが自動車の調子が悪くなり、修理工場に持ち込みました。  修理が終わって取りに行ったとき、調子が悪かった原因を尋ねると「OOのネジが一つ壊れて、不具合が生じていたので、新しいネジに変えました」と説明を受けました。

請求書を見てみると、とても高い金額でしたので、チャーリーさんは、「ネジ一つ取り換えただけなのに、これでは金額が高すぎます」と文句を言いました。  そうしたら、修理をした人が、「最初は、何が原因となって不具合が生じているのかわかりませんでした。  それで、私は自動車の内部を全部調べました。  そしてOOのネジが壊れていることを発見したのです。  自動車内部をすべて調べるのに何時間もかかりました。  請求書はその労働の代金を含んでいるのです」と言いました。  チャーリーさんもその説明で納得しました。

この話は、どこを直せばよいかわかっているものを直すのは、簡単ですが、どこが悪いかわからないものを直すのは大変だ、ということを例えた話でした。

私は中学時代に英語のきれいな発音に魅了されて発音練習を始めました。  中学生でしたから一生懸命練習すればお手本のアメリカ人と同じ発音になると信じていました。  一年半くらいはちっともうまくなりませんでしたが、その日の練習が終わると、自分が今日練習した分だけお手本の発音に近づけたと思えて、とても、心が満たされていたのを覚えています。  一年半くらいは目に見えてうまくなってはいませんでしたが、毎日練習が終わって、テープレコーダーの手あかを白いハンカチできれいにふき取ってしまうときは、とても気持ちが充実していたのを今でも覚えています。

だから発音練習は大変だ、とかつらいとか思ったことはありませんでした。(決してうまくはなかったのに、です)

最初の本「英語発音、日本人でもここまでできます。」(赤い本)の原稿を書いていた時、私は編集してくれた人に次のような心配をお話ししたことがありました。

「読者の皆さんに、私は何の苦労もなく、発音を習得した、と思われると困るのですが、、、」
そうしたら、編集をしてくださった方からこういわれました。

「川合先生の本を読んで、川合先生が何の苦労もなく発音を習得した、と思う人はいません。  そんなことを心配するより、むしろ、こんなサイボーグみたいな練習をしなければ発音はうまくならないのか、と思われることをご心配なさった方がよろしいんじゃありません?」

編集をしてくださった方は、スタンフォードでの留学経験もありますので、英語がとても上手な方でした。  こういうユーモアのセンスもお持ちでした。

私は苦笑しながら「はい。。。。」と言って、すぐひき下がりました。

確かに文全体をお手本と比べて違いを探すにはサイボーグみたいな能力がないとだめだ、と思ってしまう方もいらっしゃるかもしれません。  (先日夫がチャンネルを回していたら、ターミネーター3でシュワルツネガーさんが人の着ている洋服を見て、一瞬で、それが自分に合うかどうかをピピピピ。。。と判断する場面がありました。  サイボーグと言うとそういうイメージが浮かんできますね。)  

けれども、発音を直すときは、最初は、気づいたところから直していけばいいので、本当はそういうことはないのですが、人によってはそんなことはとてもできないと思ってしまう人もいるかもしれません。

しかし、その2年後、私は、「続・英語発音、日本人でもここまでできます。」(緑の本)を出版しました。  そしてその本に、どこを比べて何を直したらよいか書きました。  漠然と、文全体を比べたら違いは分からないかもしれませんが、「この音のこの違い(例えば、長さ)を聞いて下さい」とピンポイントで言われれば、誰でもそれは聞けます。

先ほどの自動車修理工場の例でいえば、どこに原因があるのか車の内部全体を調べるのはとても時間がかかって大変ですが、「ここのネジを変えてください」と言われれば誰でも出来るのと同じことです。  具体的に言われたことはやりやすいです。

「続・英語発音、日本人でもここまでできます」にはどこを聞いて何を直せばよいのか、書いてあります。  そのポイントは日本語のくせから来るものがほとんどです。  それは日本人に共通する発音の問題点ですから、そこを聞いて直していただけば通じやすい発音になっていきます。

「ここのネジを取り替えてください」というのと同じように、努力すればだれでもできることです。  サイボーグのような能力はいりません。

読者の方から、「続・英語発音、日本人でもここまでできます。」は、「英語発音、日本人でもここまでできます。」付属のDVDで発音練習するときの参考書のように使っています」というメールをいただいたことがありますが、この2冊は一緒に活用してください。  

「なぜそういう練習をするのか」その原理もわかりますし、理解が深まると、相乗効果となって皆さんの発音がとても上達します。  発音は、口の練習だけではうまくなりません。  上手な人の発音って何か違いますでしょう?  体になじんでその音がでてきていますでしょう?  耳はもちろん、たくさんの感覚を使って習得すると上手になります。

表面的な練習だけやっていると表に現れないことが、その原理や仕組みを深く掘り下げて理解していると、口の動きに現れてきます。 

お手本の発音を聞いたとき、「どうやって発音しているのか手に取るようにわかる」この状態になるわけです。  この深く掘り下げる役目ををするのが、「続・英語発音、日本人でもここまでできます。」に書いてあることです。  

「上手な人の発音が何か違う」と感じるのは、口の動きの後ろにある、さまざまな感覚の関連性を意識して、練習しているからです。  「自分の体をどうするとあの音が出てくるか、体が知っている」この状態になっているからです。  表に現れたものだけ練習する場合、長く練習しても、あまり変化はありませんが、深く掘り下げて、練習していると、だんだん、音を捕まえる能力も向上しますので、長い間には、口の動きだけ練習してきた人とは随分違う発音が出来上がります。  発音練習の基本姿勢のブログに出てくる生徒さんみたいにですね。  「英語発音」と「続・英語発音」の本は一緒に活用してください。



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ブタさんが持っている旗については、こちらの「きのこの山とたけのこの里」というブログの後半を読むと、私がどうやって、子音の長さが聞けるようになったのか、書いてあります。

いつまでもやりたい放題、他人の妨害をするのは社会人として許されません。

私は「ランキングを妨害する人のしつこさ」に困っています。 (詳細はこちらです。)

その人は、一年以上も私の本のランキングを妨害し続けていますので、今では妨害をせずにはいられない状態になっているのだと思います。  そういう状態は、精神的に病んでいる状態だと思います。  普通の社会人は他人を妨害せずにはいられない衝動を抑えられずに、一年以上も他人を妨害し続けたりはしません。  これは、精神的に病んでいる状態です。

もうご自身で、妨害をやめられないのであれば、周りの方はカウンセリングなど専門家にご相談されて、やめさせてください。  私は大変困っています。

アマゾンのランキングというのはある意味で、広告、宣伝の効果もあります。  アクセスしたページにすぐその本が出てくれば、人目に触れる機会も増えます。  だからこそ、そこで妨害をするのでしょう。  それは私としては、広告宣伝の効果を妨害されていることと同じですから、金銭的な損害を被っていることと同じです。  もう、一年以上も続いていて、私のほうも我慢の限界ですので、ご自分の意志で悪いことがやめられないのでしたら、周りの方は、カウンセリングなど、専門家にご相談されて、妨害をやめさせてください。

「他人の妨害をいつまでも好き勝手にやらせておいていい」という専門家は一人もいらっしゃらないと思います。




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今日のブログに入る前に、
高校入試で子供たちが親の収入によって差別されない為に以下のお知らせを書かせていただきます。

高校入試のスピーキングテストについて(大学入試のスピーキングテストについても同様です)

高校入試のスピーキングテストは本来文部科学省が学校教育で正しい発音を生徒に教えてから行うべきものです。  しかし、文部科学省が教科書にCDもつけず、正しい発音の仕方も学校で教えないまま、高校入試でスピーキングテストを実施する動きが都立高校などで始まっています。 (大学入試でもスピーキングテストが行われようとしています)  これは、スピーキングスキルの習得を塾や予備校、会話学校に丸投げするものです。  学校で教えていないスキルを入試でテストすることはあり得ません。

これでは経済的に余裕のない、塾や会話学校にいけない家庭の子供は誰にも正しい発音を教えてもらえず、練習するCD(音声モデル)も与えられないまま、高校入試でスピーキングテストをされることになり、明らかに親の収入による進路の差別が始まります。(詳しくは2018年3月8日のブログ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」をお読みください。)

皆さんの身近に教育関係者がいらっしゃいましたら、ぜひ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」であることをお伝えください。  (大学入試のスピーキングテストについても同じことです)  
15歳で親の収入のために進路を差別されるのでは子供たちがあまりにもかわいそうです。

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英語教育については、下のブログも併せてご参照ください。  日付をクリックすると移動できます。
2017年10月12日
文部科学省 新中学校学習指導要領 英語 「4技能」は全く効果がない(子供たちが通じる発音でスラスラ話せるようになる学習指導要領の見本付き)


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それでは今日は、2016年8月17日のブログ「川合メソッド2を考案した経緯」の再掲載です。  どうぞ、お読みになってください。  これはとてもアクセスの多いブログです。


最初の本を出版して、1年2か月たった2012年2月私はある人から質問を受けました。  その方の名前を仮に小川さんとしましょう。  小川さんは信念を持って自分の仕事をしている方です。

小川さん「水村美苗さんの”日本語が亡びるとき“という本を読んでいたら、日本人の英語は通じない、と書いてありました。  川合先生、本当に日本人の英語は通じないのでしょうか?」

川合「日本人の英語を聞いたことのない人には、日本人の英語は非常にわかりにくい英語です。  通じない場合が多いです。」

小川さん「そんなあ。。。。」

川合「そうですよね。  日本に来る外国人の方々は、一生懸命日本人の英語を理解しようとして、聞いてくれますので、私たちは知りませんが、日本の外に出たら、日本人の英語を聞いたことのない人には、日本人の英語はとてもわかりにくい英語です。  通じない場合が多いです」

小川さんはその時まで、日本人の英語が通じないなど、夢にも思ったことはなかったそうです。

小川さん「だとしたら、国益だって損なうではありませんか」

川合「国益は、今まで、”十分“ 損なって来たと思います」

小川さん「それで、よいはずはありませんね。  日本人は自分たちの英語が通じないと知る必要がありますね。  川合先生、みんなにそのことを言ってください」

川合「私が言っても、皆さんが信じてくれるかどうかわかりません。  私には、肩書がありませんから。  大学の先生、とか、有名な外国企業のトップとか、副社長とか、そういう肩書がありません。  確かに私は、アメリカには10年いました。  英語学習も40年やってきました。  自分の子供が小学校、中学校、高校で、ゼロからバイリンガルになる過程も、毎日見てきました。  けれども私には肩書がありませんから、私が何を言っても、皆さんが信じてくれるかどうかわかりません」

小川さん「でも、日本人は本当のことを知る必要があると思います。  川合先生、みんなにそのことを言ってください」

私は、どうしたものか、それからしばらく考えていました。  そんなある晩、私は夜寝ている間に夢を見ました。  何の夢だったか、朝起きた時は、まったく覚えていなかったのですが、何か夢を見たことは覚えていました。

そして、夢の中で誰かにこういわれました。  「君には肩書なんかなくたって、人を納得させられるだけの材料は持たせてあるから」

卒論を書いていた時の夢を見て、先生からそういわれたのか、OLをしていたころの夢を見て、上司からそういわれたのか、わかりませんが、とにかく、朝起きた時、その言葉だけ覚えていました。

「そうだわ。  日本人の英語が通じない、という事実なら見て来て知っているから、その事実を皆さんにお話しすればいいのね」  私はそう思って、2012年3月より、日本人の英語は通じていない、ということをブログで少しずつ書き始めました。  最近、書いたのは、2015年9月1日のブログコロンビア大学で発表した東大生の英語が通じなかったことについて書いてあります。

私には肩書はないけれど、今まで経験した事実を皆さんにお伝えして、わかっていただくことは出来る、と思いました。  この時以来、私は、自分の知っている事実を皆さんにお話しし続けてきました。

文部科学省の「中学、高校の英語の授業を英語で行う方針」に対しては、発音習得に一日7時間で2年を要した息子の例をお話しして、失敗することを明らかにしました。(2015年6月1日のブログ)  大学の授業を英語で行うことに対しては、アメリカで4年過ごした、息子とA子ちゃんの例を提示して日本の学問は、大きな打撃を受けると、ご説明しました。 (2016年3月からの「大学教育を英語で行うこと」というシリーズ)

初心者に対する「英語を英語で理解する」という指導法が虚偽であることは、子供たちの実際の英語習得過程をもとに明らかにしました。  

私は肩書のない一英語教師ですが、13歳から今日まで、英語との関連で体験した事実を皆さんにお伝えすることによって、皆さんのご理解をいただく努力をしてまいりました。

けれども、ただ一つ、事実を提示するだけでは皆さんに理解していただけないことがありました。

それが子音の日本語化でした。  

(24日に続く)


====子音を長く言う「川合メソッド2」=========
8月7日から9月3日までの練習内容

簡略腹式呼吸(水道管呼吸法) 4秒 x 5回
「オーイー」を5回、唇に力を入れてつなげて言う練習
Lの練習(2) 長いLで例文を言う  3回
Wの練習(2) 長いWで例文を言う  3回
Nの練習(2) 長いNで例文を言う  3回
Rの練習(1) 普通のRで例文を言う 5回
Rの練習(2) 長いRで例文を言う  5回
Fの練習(1) 普通のFで例文を言う 5回
Fの練習(2) 長いFで例文を言う  5回

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なお、この練習「川合メソッド2」を営利目的で使用することはご遠慮ください。(皆様にそのようなお願いをする理由はこちらでご覧いただけます)

(例) 出版、発音セミナー、発音レッスン、発音講座、発音訓練 等々。

学習者どうしの情報交換は歓迎します。  どんどん行ってください。

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私の2冊目の本「続・英語発音、日本人でもここまでできます。」(緑色の本)を購入された方で、CDトラック6,13,18,19にある生徒さんと私の子音の長さの比較がよくわからない方は下のブログを参考にしてください。

2016年7月3日のブログ  子音を長く言う「川合メソッド2」「L」の練習 4週間後 (長いSの例)
2016年9月1日のブログ  RとFの練習 1か月後 マライア・キャリー (長いLの例)
2015年2月1日のブログ  「続・英語発音、日本人でもここまでできます。」付属CDトラック6 例文 Where's my bag? 川合典子には生徒のWの発音はどう聞こえたか。

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ここから先は、毎回掲載していることです。「なぜ毎回同じことを掲載するのか」その理由については、こちらのブログをご覧ください。 

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英語教育について

文部科学省の英語教育の方針は、効果がありません。

1)現在、高校生が行っている「英語で授業」は効果がありません。  (理由はこちら
2)「CAN-DOリスト形式」は効果がありません。 (理由はこちら
3)「4技能」は効果がありません。  (理由はこちらこちら
4)現在、小学校の英語教育で子供たちが話しているのは、英語の発音ではありません。 (理由はこちら
5)大学教育を英語で行うと日本の学問は壊滅的な打撃を受けます。 (理由はこちら
以上の理由により、文部科学省の方針は効果がありません。

「発音」、「語順」、「英語で考える」、それぞれを習得する方法は2015年10月19日のブログ「川合式英語学習法」をご覧ください。

これは全部私自身がやってきたことです。  こうすれば、生徒たちは必ず通じる英語で話すようになります。
英語で考える指導法を提唱する人たちのように、「自分は日本語訳を使ったけれど、生徒たちは使うな」というような、誰も実際にはやっていないような指導方法ではありません。  私は全部自分でやっています。


「英語で考える」を提唱した松本亨氏の主張について

松本亨氏の「英語で考えるためには日本語訳を使ってはいけない」という主張は2006年、私の子供たちが全文和訳でバイリンガルになった事実によって否定されました。 

「英語で考える指導法」は詐欺である可能性が高いです。

松本亨さんの書いた「英語で考える本」「英語で考えるには そのヒケツと練習」という本に書いてある練習をしても英語で考えるようにはなりません。(2月4日のブログ「英語の思考活動」、3月1日のブログ「先生の宿題のプリント「英語で考える」ってどういうこと?」を参照してください)

英語で考える指導法を掲げる英語学校FORWARDの指導者、石渡誠さんは、松本亨さんの「英語で考える本」「英語で考えるには −そのヒケツと練習−」という本で勉強すれば英語で考えるようになると2017年1月19日ブログで言っていますが、この2つの本で勉強しても、英語で考えるようにはなりません。 「この方法を26年教えてきた」と書いていますが、26年間も効果のない方法を教えてきたというのは驚きですね。  


私は、この件について、松本亨さん(著作を含めて)以外の固有名詞を入れることをずっと避けてきました。  けれども、石渡誠さんの2017年7月30日ブログの冒頭の

日本の英語教育界もようやく変革の時が!英語を英語で教えるということが、中高でも広まってきています。良いことですが、

という部分を読んで、明記することにしました。  日本中の高校生を犠牲にしておいて、まだこういうことを言っていることに怒りを覚えました。  文部科学省でさえ、もう、中学校の英語の授業を英語で行うとは、言わなくなったのに、と思いました。

石渡誠さんは、アラビア語アラビア語で教えられたら、アラビア語が堪能になるのでしょうか?  それを自分で証明してから、「英語を英語で教えること」を提唱してください。

石渡誠さんは、26年間も授業料を取って、「効果のない方法」を「効果がある」と偽って教えてきて、謝罪も損害賠償もしないのですか?  そうやって、「何を言っても何の責任も取らなくていい」と思っているから、いまだに「英語を英語で教えるのが良い」などとおっしゃるのでしょう。  

でしたら、ご自身がアラビア語アラビア語で学んで、アラビア語が堪能になるかどうか示してください。  それが出来ないのであれば、「英語を英語で理解する指導法」が間違っていたと認めてください。  そういうけじめをつけないからいつまでも「英語を英語で理解する」などという指導法を主張し続けるのでしょう。

日本中の高校生が迷惑していますので、自分もできない指導法を提唱するのはやめてください。

自分の商売のために子供たちを犠牲にするのは、もうやめてください。

Je suis Charlie. と母国語で言うフランス人が I am Charlie.という言語を学ぶとき、母国語の意味を参考にしていないはずはないでしょう。  日本人は誤った指導法を50年も信じて、大きく後れを取りました。




私は、英語で考える指導法の提唱者が、「Freedomを日本語に訳すとニュアンスが分からなくなるから英語のまま言わせる」とブログに書いているのを読みました。  でもそれでは何も教えていないのと同じです。

生徒から、アメリカ人にとって自由というのはそんなに大事なものなのですか?と質問されたら、アメリカ史がご専門の先生なら、「建国の歴史を勉強してみるとその理由が分かってきますよ」とお答えになるでしょうし、時事英語がご専門の先生なら、ニュースの中から、アメリカが個人の自由を制限する国に対して、非常に厳しい外交政策をとり、しかも大多数の国民がそれを支持しているというニュースを選んで、生徒と一緒に勉強していくでしょう。

Freedomを日本語に訳さずFreedom. Freedom と生徒に言わせる、などというのは何も教えていないのと同じことです。

それは、次のような例を想像してみるとよくにわかります。

もし、アメリカで、日本語を学んでいる生徒が「日本の武士道とはなんですか?」と教師に質問した時、「日本人にとって武士道が、どういうものなのか知りたかったら、武士道を英語に訳さず、日本語のままブシドウ、ブシドウといいなさい」 などと指導する教師は一人もいないでしょう。   

仮に先生が「これが、日本語を日本語で理解する指導法だ」「日本語で考える指導法だ」などと言っても、生徒はばかばかしくてする気にもならないでしょう。  保護者からは「まじめに教えろ」と言われるでしょう。 

これが英語で考える指導法の正体です。

教える方は何も教えていない。
学ぶ方は何も学んでいない。
これが英語で考える指導法の正体です。

だから私はこの方法は詐欺だと言ったのです。(こちらのブログ

以前、この「英語のままFreedomと言わせる」と言っていた学校のブログで、車を売って受講料を払って学んでいるという生徒の例が紹介されていました。  それほどの高額の授業料をとって、「だますつもりはなかった」「知らなかった」では済まないです。  
詐欺は犯罪です。

詐欺は、刑法で刑罰が定められている犯罪です。

また、そのブログで、英語で考える指導法をする人々が、生徒の英和辞典を取り上げたり、生徒に英和辞典を窓から捨てさせたりする、ということも読みました。  中には最後まで生徒に英和辞典を返さなかったこともあったそうです。

「帰国子女に見る世界に通用する英語力の作り方」を読んでいただくとわかりますが、英語のわからない生徒にとって、英和辞典は命綱です。  英和辞典があるから、英語の意味が分かるようになります。  これを取り上げるなど、間違った指導法を盲信する指導者の誤りです。  英和辞典を取り上げれば生徒の英語力が上がるなどということは絶対にありません。

この詐欺商法を、中学や高校に持ち込んだのが文部科学省の「中学、高校の英語の授業を英語で行う方針」です。
だから、私は、「学校で詐欺を行わないでください」と申し上げたのです。
税金を詐欺に使わないでください、と申し上げたのです。
高校英語教育はいまだに詐欺ですね。
学校で詐欺教育をするために、車一台売るどころではない、莫大な税金が使われています。

早くやめてください。
高校時代は、高校時代にやらなければならない訓練があるのです。
複雑な英語を読み始めるときにどうしてもやらなければならない訓練があるのです。
この時を逸すると、取り返しがつかないのです。  高校生がかわいそうですから、「学校で詐欺」はやめてください。

発音練習について

こちらのマライア・キャリーさんの歌について書いたブログに「私はブログに書く前に知人に音声を聞いてもらったり、動画を見てもらったりして、感想を聞くことがあります」と書きました。  以前、このブログに登場した藤田さんから頂いた感想で忘れられないものがありますので、今日はそれを書きます。

今から4,5年前のことです。  ある、子供のためのチャンツのお教室の動画がYoutubeにアップされていました。  私は、そのURLを藤田さんに送って動画を見てもらい、「感想を教えてください」とお願いしました。

藤田さんのお返事は次のようなものでした。

「これは、託児所ですか?」

私は、一瞬次の言葉が出ませんでした。  そして、

「いいえ、これは、託児所ではありません。  これはチャンツという方法で子供に英語を教えているお教室のビデオです。」 と書いてメールを送りました。  すると藤田さんから、

「川合先生、違うでしょう?  これは、託児所ですよ。  親御さんだって、ただ預けるよりは、少し英語の歌でも歌ってくれたほうがいいと思って、あずけているんでしょう?」

と返信がありました。  私はもう、藤田さんには、これが託児所ではなく英語のお教室だと信じてもらうことはできないと思い、「感想ありがとうございました。」とお礼を言って、この動画についてはおしまいにしました。

チャンツのように、音楽にのせた発音を聞いて、(つまり発音だけに集中してきく練習をしないで、)発音練習しても、日本人は正しい発音は習得できません。

日本語と英語では音の体系が違いますので、日本人は音だけに100%注意を集中して発音練習してください。

どこを聞くかは「続・英語発音、日本人でもここまでできます。」(緑の本)に書いてあります。
どう発音するかは「英語発音、日本人でもここまでできます。」(赤い本)付属のDVDで説明しています。

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何度もお願いしているのですが、アマゾンのページで私の本のランキングを下げて妨害をしている人がやめてくれないので、(詳細はこちらです)しばらく以下の文章を掲載させていただくことにしました。

「本を出版する人は、他の著者の妨害をしない。  他の著者を妨害する人は自分の本も出版できない。」
出版社におかれましては、このことを出版の際、著者に理解していただいてください。

私のランキングを妨害している人は、たぶん、現実を受け入れられないのでしょう。
アマゾンの順位を1ペ―ジ目から2ページ目に下げられ(2017年7月16日)、数日でまた2ページ目から3ページ目に下げられて(2017年7月19日)、私は、この方の激しい妨害に驚いています。 特に赤い本「英語発音、日本人でもここまでできます。」(DVD付き)に対する妨害がひどいです。 

「学習者に正しい発音を習得してほしい」というのが自分の目標でしたら、他人を妨害する必要はありませんね。  他人を妨害してまで、何を手に入れたいのでしょうか。  ベストセラーの著者という名声ですか。  それなら、もうアマゾンで、ご自身の本はベストセラーに認定されているのですから、それで十分でしょう。  この上何が欲しくて私を妨害するのでしょうか?  もう英語教育とは関係ないことですか。 私は大変困っています。 

私は、こちらに書いてある3つのことをするのが、目的です。  日本人が子音の日本語化を知っているか、いないかで、通じる英語で話せるか話せないかが、決まります。  ですから、このことを読者の皆さんに理解していただくのは、とても大事なことなのです。  私の仕事の妨害をしないでください。 

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ブタさんが持っている旗については、こちらの「きのこの山とたけのこの里」というブログの後半を読むと、私がどうやって、子音の長さが聞けるようになったのか、書いてあります。