川合典子 ブログ

英語教育、英語学習、発音習得、帰国子女の言語習得について書いています。

Rの発音(1)

Rひとつだけで発音するなら正しくできる、あるいはゆっくり文章を音読すれば正しく発音できるのに、普通に会話するスピードになると、なぜ日本人のRは聞こえにくくなってしまうのか、その理由をホームページの「通じない日本人の発音」というページに音声で解説いたしました。

文章をゆっくり音読しているときには子音が落ちるという問題はほとんど起こりません。 けれども、普通に会話するスピードで話すと子音が聞こえなくなってくる場合が多いです。 

こういうことが起こらないようにするためには、ゆっくりの例文を練習する初級の時から、「単語の最初の子音の口の形を保って、十分息を送って音を出す」と言うことを意識して練習していくと、スピードを上げてもあまり音が落ちない発音の仕方が身につきます。 

初級のゆっくりな練習では、音が落ちることはないので、何にも意識しないで練習しがちですが、このとき、単語の最初の子音を意識して少し長めに(摩擦音やR, W, N, M, Lなど )また、少し強めに(破裂音など)発音していかれるといいでしょう。初級からこのことに気をつけてきた人は上級になっても子音がよく聞こえます。しかもぎこちないところがありません。

私は初級から大事なポイントに気をつけて文章を練習してきた人の発音は、本当に正確で、美しいと感じます。 初級の方は今はその意義があまり分からないかもしれませんが、普通の速さで会話するようになったとき、効果を実感されると思います。
                                                                        
日本人は日本語と同じように単語の最初の子音を言って、相手に聞こえると思っていますが、ほんの少し子音を言って、すぐに次の母音に移ってしまう日本語の話し方で英語をしゃべると、単語の最初の子音は、聞こえなくなります。ネイティブはそういう短い子音を聞きなれていないからです。 いつも聞いている音と同じ長さ、強さがなければ音として認識できないのです。 ですから日本人が「言っているつもり」でも、相手には聞こえないのです。

子音が聞こえなくなる様子は、比べて聞いてみないと分かりません。録音した自分のRの発音とモデルのRの発音をよく聞いてみてください。

何度も比べて聞いてみて、分かるようになれば、直していくことが出来ます。

Rの発音も、私と生徒さんのRの長さの違いを聞いてください。 そうすれば、ネイティブによく聞こえるように発音することができるようになります。 単語の最初のRの発音は「息を十分流してRの発音に入る」「Rの口の形を保持して息を送る」この点に気をつけて、文章で発音練習をしてください。

Rを文章の中でよく聞こえるように発音するには、少し力を入れて、Rの口の形を保持しなければならないので、練習をしないとできるようになりません。そのときも、日本語のようなリズムで等間隔に言うのなら、そんなに力もいらないのですが、英語の、「速いところと引き伸ばすところのあるリズム」に乗って言おうとすると、口の形を保持する力が要ります。

私は文章の中でRがちゃんと聞こえるようにしゃべれるように、持っていた本の中から、The Federal Reserve System について書かれた3500語くらいの文章を抜き出して、毎日音読しました。 

そのとき使った本に、「146w/min」と鉛筆で書き込みがしてありましたので、一分間に146語前後の速さで読んでいたのでしょう。Rの音で十分口の形を保って、息を送って音が聞こえることを耳で確認しながら音読練習していたので、音読のスピードは少し遅いですね。

その本には、2005年の1月から3月にかけて、速度や発音についての書き込みが集中していましたので、3ヶ月くらい毎日、音読していたのでしょう。
  
なぜこの音読の題材を選んだかと言えば、文章の中にRがたくさん出てきたからでした。Federal Reserve だけでも2つ(弱く発音するRを入れれば3つですね)Rがありますが、当時chairman は Greenspan で、 彼を最初に任命したのは、President Reagan でしたから、もう、この題材はRのオンパレードで、非常に良い練習になりました。

皆さんも、ぜひ、文章で、発音練習して、Rが相手に聞こえる発音を身につけてください。このとき、自分の発音を録音してRの音が聞こえることを確認してください。Rだけの発音練習や、単語だけの発音練習では、Rの発音は上手にはなりません。 文章の中でRの音が聞こえるように練習してください。

Rの前が破裂音でなくても、次がRだと思うと息を止めてしまう方がいるので、くれぐれも、Rの前で息を止めないように注意して文章を発音してください。

続きは明日書きます。11月2日のブログはこちらです。http://d.hatena.ne.jp/creato-k/20121102




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高校入試で子供たちが親の収入によって差別されない為に以下のお知らせを書かせていただきます。

高校入試のスピーキングテストについて(大学入試のスピーキングテストについても同様です)

高校入試のスピーキングテストは本来文部科学省が学校教育で正しい発音を生徒に教えてから行うべきものです。  しかし、文部科学省が教科書にCDもつけず、正しい発音の仕方も学校で教えないまま、高校入試でスピーキングテストを実施する動きが都立高校などで始まっています。 (大学入試でもスピーキングテストが行われようとしています)  これは、スピーキングスキルの習得を塾や予備校、会話学校に丸投げするものです。  学校で教えていないスキルを入試でテストすることはあり得ません。

これでは経済的に余裕のない、塾や会話学校にいけない家庭の子供は誰にも正しい発音を教えてもらえず、練習するCD(音声モデル)も与えられないまま、高校入試でスピーキングテストをされることになり、明らかに親の収入による進路の差別が始まります。(詳しくは2018年3月8日のブログ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」をお読みください。)

皆さんの身近に教育関係者がいらっしゃいましたら、ぜひ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」であることをお伝えください。  (大学入試のスピーキングテストについても同じことです)  
15歳で親の収入のために進路を差別されるのでは子供たちがあまりにもかわいそうです。

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英語教育については、下のブログも併せてご参照ください。  日付をクリックすると移動できます。
2017年10月12日
文部科学省 新中学校学習指導要領 英語 「4技能」は全く効果がない(子供たちが通じる発音でスラスラ話せるようになる学習指導要領の見本付き)





高校英語教育を文部科学省の誤解に基づいた方針から守るため、以下のご案内を書かせていただきます。

現在文部科学省が「グローバル化に対応した英語教育改革」の目玉として掲げているCAN-DO方式は、ヨーロッパの人々にはできますが、日本語を母国語とする人にはできない方式です。

文部科学省は「CAN-DO方式が日本人には不可能な方式である」と気づいておりません。  導入されれば教育現場は大変迷惑します。  中止する必要があります。  なぜCAN-DO方式が不可能なのかはこちらのブログをお読みください。

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何度もお願いをしているのですが、アマゾンのページで私の本のランキングを下げて妨害をしている人がやめてくれないので、(詳細はこちらです)しばらく以下の文章を掲載させていただくことにしました。

「本を出版する人は、他の著者の妨害をしない。  他の著者を妨害する人は自分の本も出版できない。」
出版社におかれましては、このことを出版の際、著者に理解していただいてください。

私のランキングを妨害している人は、たぶん、現実を受け入れられないのでしょう。
アマゾンの順位を1ペ―ジ目から2ページ目に下げられ、数日でまた2ページ目から3ページ目に下げられて、私は、この方の激しい妨害に驚いています。 

「学習者に正しい発音を習得してほしい」というのが自分の目標でしたら、他人を妨害する必要はありませんね。  他人を妨害してまで、何を手に入れたいのでしょうか。  ベストセラーの著者という名声ですか。  それなら、もうアマゾンで、ご自身の本はベストセラーに認定されているのですから、それで十分でしょう。  この上何が欲しくて私を妨害するのでしょうか?  もう英語教育とは関係ないことですか。 私は、とても困っています。  

私は、こちらに書いてある3つのことをするのが、目的です。  日本人が子音の日本語化を知っているか、いないかで、通じる英語で話せるか話せないかが、決まります。  ですから、このことを読者の皆さんに理解していただくのは、とても大事なことなのです。  私の仕事の妨害をしないでください。 

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クマさん、ウサギさん、ブタさん、それぞれが持っている旗に書かれたことの理由は、2017年7月30日のブログをご覧になるとわかります。