川合典子 ブログ

英語教育、英語学習、発音習得、帰国子女の言語習得について書いています。

英文読書能力養成プログラム「オリジナルセブン」を組んでいた頃

今日は私の3冊目の本「帰国子女に見る世界に通用する英語力の作り方」に書きました、英文読書能力養成プログラム「オリジナルセブン」ができるまでについて書こうと思います。

私は渡米中、図書館で借りた本を読みながら、読むことの大切さを知りましたが、それを日本で英語学習する人々にどうしたら理解していただけるだろうかとずっと考えていました。

「英語の本を読んでください」と言っても、なかなか読んでくださる方が増えないので、どうしたら皆さんに本を読んでいただけるだろうかと、考えていました。

そこで、ある日、アメリカにいる友達に相談しました。  彼女は「数日、考えさせて」と言ったので、数日待ちました。  数日たって、彼女と話しました。

彼女は、「プログラムを作ればいいの。  その通りやれば本が読めるようになるプログラムを作ればいいのよ。  みんな知りたいのは、“どうやって、やったらいいのか”ということなの。 How toなの。  だからその通りすれば本が読めるようになるプログラムを作ればいいのよ。」と言いました。

これを聞いて私は、「えっ!?」と思いました。  いかにもアメリカ生活が長い彼女らしい現実的な解決方法だと思いましたが、「実際にそんなことが可能だろうか?」と最初は思いました。

確かに生徒さんにレッスンをするときに本をお渡しして、読んでもらっていますが、それは、その生徒さんがどういう本なら読みやすいか、お会いして知っているからで、不特定多数の方々を対象に、そんなプログラムが組めるのだろうか、まず、その点について、私は考え込んでしまいました。

読者の方々には、男性も女性もいらっしゃいます。  若い方も年齢の高い方もいらっしゃいます。  一律にプログラムが提示できるものかどうか、考え込んでしまいました。

けれども、「英語の本を読んでください」と言っても、どれから読んだらいいかわからない。  大人用の本から始めたら、大変で、読書の面白さを知る前に挫折してしまった。  ということは十分あり得ると思いました。

日本の書店には、大人用の英書と子供が見る英語の本はおいてありますが、アメリカの小学校高学年から中学生が読むような本はほとんどありません。  需要がないのでしょうから、書店が置かないのも、無理のないことです。

でも、アメリカ人がこれらの学年で読む本は、英語学習者には読みやすく、中身も、大人が読んでも十分面白いものが多いです。  これらの本を活用することが、読む力をつけていくカギになるだろう、と私は思っていました。

それなら、私は、娘のリーディングの授業の課題は、一年間、一緒にやりましたし、図書館で、子供用の本もたくさん読みました。

そうやって考えているうちに、もし作るなら「まだ、大人の本を読むのは大変だけれど、英語の本は読んでみたい」そういう人たちが出来るプログラムを作りたいと思うようになりました。  それなら私は、「子供用の本も、アメリカの図書館でたくさん見ていたので、組めるかもしれない」と思いました。

それで、とりあえず、生徒さんに読んでもらおうとアメリカから持ち帰った本を、条件に合わせて選んでいきました。

「日本語の本を読んだ時と同じように心を動かすものがあること」が条件ですので、まず、説明的文章、解説的文章の本は除外しました。  美術の本、心理学やサイエンスの本、エッセイの書き方についての本などは、最初から除外しました。  大人の本が読めるような英語力を作って行くわけですから、大人の読む小説も除外しました。

残った本の中で、以下の条件に合う本を取り出していきました。

作品の質が高いこと
英文が読みやすいこと
内容が単調でないこと
男女問わず読めるもの

そのうえで本をレベル別に分けていきました。
アメリカから持って帰ってきた本は200冊ほどで、小説はその半分くらいでしたので、机の上ではすぐにいっぱいになってしまうので、床に並べていきました。

どんどん本棚から本を抜いて行きますので、たまに本が倒れてバサッと棚から落ちてくることがありました。

落ちた本の中に、ずっと探していた、シュタイナー教育をする学校の推薦図書が書かれた本がありました。  友人が私にくれた本です。  私はずっと探していたのですが、娘の使った本と一緒に置いたつもりが、息子が使った本のところにおいてありました。  それで見つからなかったのです。

「ちょうどよかった。  どんな本がリストされているのか見てみよう」と見てみたら、Walk Two Moons が入っていました。  私はすでにその本はプログラムに入れるつもりで選り分けてありましたので、「やっぱり、その選択は正しかったのだ」と思いました。

こうして、床にいくつも、レベル別に分類した本の山が出来ました。  部屋が狭くて、足の踏み場もなかったので、このころ、電子辞書をとろうと急いで、部屋に入って、本に、つまずいたりもしました。

ちょうど、5月の連休になって、地方に転勤していた息子が来た時、私の部屋を見て、「お母さんの部屋は、どうしてあんなに散らかっているの?」と聞くので、「太郎には散らかって見えるかも知れないけれど、お母さんは意味があって、ああいう風に並べてあるのだから、絶対に動かさないでね」と言いました。

自分では、アメリカでその本を読んだ時のことを思い出しながら一生懸命良い本を選んだのですが、最後の条件で、たくさんの本が候補から落ちました。  それは、「日本で容易に入手できること」という条件でした。

床に並べられた多くの本が、日本で入手するのが、難しい本でした。  私は以前にも、この条件で多くの本をリストに載せることを断念したことを思い出しました。  それは、最初に出版した「英語発音、日本人でもここまでできます。」の96ページから読書用の本をリストした時でした。  その時も、最後のこの条件で多くの本が候補から落ちました。  その時のことを思い出しました。

あの時も良い本を一生懸命選びましたけれど、皆さんが入手できない本をリストしても、それでは活用していただけませんので、入手できない本は除外しました。  

その時は残念だと思いましたけれど、その結果、アメリカでよく知られているスタンダードな本が残りましたので、それはそれでよかったと今は思います。  

なぜなら、スタンダードな本というのは、より多くの人に好まれている、という意味もありますので、それでよかったのだと思います。  

そうやって本を選んでいって、最後9冊まで絞りました。  (この続きは来週、書きます)


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高校入試で子供たちが親の収入によって差別されない為に以下のお知らせを書かせていただきます。

高校入試のスピーキングテストについて(大学入試のスピーキングテストについても同様です)

高校入試のスピーキングテストは本来文部科学省が学校教育で正しい発音を生徒に教えてから行うべきものです。  しかし、文部科学省が教科書にCDもつけず、正しい発音の仕方も学校で教えないまま、高校入試でスピーキングテストを実施する動きが都立高校などで始まっています。 (大学入試でもスピーキングテストが行われようとしています)  これは、スピーキングスキルの習得を塾や予備校、会話学校に丸投げするものです。  学校で教えていないスキルを入試でテストすることはあり得ません。

これでは経済的に余裕のない、塾や会話学校にいけない家庭の子供は誰にも正しい発音を教えてもらえず、練習するCD(音声モデル)も与えられないまま、高校入試でスピーキングテストをされることになり、明らかに親の収入による進路の差別が始まります。(詳しくは2018年3月8日のブログ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」をお読みください。)

皆さんの身近に教育関係者がいらっしゃいましたら、ぜひ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」であることをお伝えください。  (大学入試のスピーキングテストについても同じことです)  
15歳で親の収入のために進路を差別されるのでは子供たちがあまりにもかわいそうです。

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英語教育については、下のブログも併せてご参照ください。  日付をクリックすると移動できます。
2017年10月12日
文部科学省 新中学校学習指導要領 英語 「4技能」は全く効果がない(子供たちが通じる発音でスラスラ話せるようになる学習指導要領の見本付き)

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Lの練習の方はいかがですか?  もう、始めてから10日たちますので、長いLに慣れていらしたのではないでしょうか?  来週の中ごろから、皆さんのLの発音に変化が見え始めますから、もう少し辛抱して練習してくださいね。

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6月5日から6月25日までの練習内容
3つのLの例文を2つの言い方で言う
練習の時はヘッドフォンを付けなくて結構です。

練習(1) 普通の言い方     5回
練習(2) Lを長く言う言い方  5回

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なお、この練習を営利目的に使用することはご遠慮ください。
(例) 出版、発音セミナー、発音レッスン 等々。

皆様にこのようなお願いをする理由は、こちらで、ご覧いただけます



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高校英語教育を文部科学省の誤解に基づいた方針から守るため、以下のご案内を書かせていただきます。

現在文部科学省が「グローバル化に対応した英語教育改革」の目玉として掲げているCAN-DO方式は、ヨーロッパの人々にはできますが、日本語を母国語とする人にはできない方式です。

文部科学省は「CAN-DO方式が日本人には不可能な方式である」と気づいておりません。  導入されれば教育現場は大変迷惑します。  中止する必要があります。  なぜCAN-DO方式が不可能なのかはこちらのブログをお読みください。

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何度もお願いをしているのですが、アマゾンのページで私の本のランキングを下げて妨害をしている人がやめてくれないので、(詳細はこちらです)しばらく以下の文章を掲載させていただくことにしました。

「本を出版する人は、他の著者の妨害をしない。  他の著者を妨害する人は自分の本も出版できない。」
出版社におかれましては、このことを出版の際、著者に理解していただいてください。

私のランキングを妨害している人は、たぶん、現実を受け入れられないのでしょう。
アマゾンの順位を1ペ―ジ目から2ページ目に下げられ、数日でまた2ページ目から3ページ目に下げられて、私は、この方の激しい妨害に驚いています。 

「学習者に正しい発音を習得してほしい」というのが自分の目標でしたら、他人を妨害する必要はありませんね。  他人を妨害してまで、何を手に入れたいのでしょうか。  ベストセラーの著者という名声ですか。  それなら、もうアマゾンで、ご自身の本はベストセラーに認定されているのですから、それで十分でしょう。  この上何が欲しくて私を妨害するのでしょうか?  もう英語教育とは関係ないことですか。  

私は、こちらに書いてある3つのことをするのが、目的です。  日本人が子音の日本語化を知っているか、いないかで、通じる英語で話せるか話せないかが、決まります。  ですから、このことを読者の皆さんに理解していただくのは、とても大事なことなのです。  私の仕事の妨害をしないでください。 


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クマさん、ウサギさん、ブタさん、それぞれが持っている旗に書かれたことの理由は、2017年7月30日のブログをご覧になるとわかります。