川合典子 ブログ

英語教育、英語学習、発音習得、帰国子女の言語習得について書いています。

Where are you? の練習2回目 

唇に力を保持してしゃべるって、どんな感じなの?
今、皆さんは唇に力を入れてWhere are you? の練習をしています。  体中の力を入れて練習していらっしゃることと思います。

それでは実際に普通に会話するとき、唇に力を保持して音をつなげてしゃべるとどういう感じがするのかを今日は体験していただこうと思います。

まず、今までにやった例文の中で言いやすいものを一つ選んでください。
例えば Let’s go to Lily’s house. という文を選んだとします。

これから発音していきますが、まず、唇には今、Where are you? の練習をしている時の力の4分の1くらいの強さの力を入れてください。  普通にしゃべる時の再現ですからWhere are you? の練習ほど力を入れる必要はありません。      唇と首に少し力が入る程度の力の入れ具合です。 

そして、文の最初から最後まで、その唇の力を一定に保って話していきます。  単語の終わりの部分でも唇の力は保持しておきます。  つまり単語と単語のつなぎ目でも唇には一定の力を保っておきます。(発音に関しては、こういう“OOを保って”というのが、なかなかできないのですね)

具体的に言いますと、

Go ゴウ のオウの「ウ」を言う時も唇の力を抜かない
To トゥ のウーの発音を言う時も唇の力を抜かない
Let’s や Lily というLの発音に、唇は関係ありませんが、この時も、Lを発音する口の形で唇には全力の4分の1程度の力を保って固定しておいてください。

つまり、文の最初から最後まで、唇にはずっと全力の4分の1程度の力を保ったままで発音していくわけです。

Let’s の「ツ」からGo に移るときも唇の力を保ったまま移行します。  
Go 「ゴウ」の「ウ」からTo の「T」の口に移行するときも唇には力を保ったままです。

To の 「ウー」から、Lily の「L」の口の形に移行するときも唇に力を保っておきます。

こうやって文の最初から最後まで一定の力を入れた唇を変形させながらしゃべってみると、自分が唇の動きをずーっとコントロールしているような感じになりませんか?

文が終わるまでずーっと唇の動きを自分がウォッチ(見張る)しているような感じですね。

文章をしゃべる時、単語と単語のつなぎ目でも唇をゆるめないで、力を保持したまま、音にあわせて唇を変形させていくと、音が滑らかにつながります。

こういうと、「ネイティブは単語と単語のつなぎ目で、唇の力なんか保持していない」という方が必ずいらっしゃるのですが、これに対しては毎回同じ答えを言わせていただきます。

20年も30年も英語を話してきた人は、もはやそんなことを意識していないでしょうが、20年も30年も英語を話してこなかった人間が、20年30年英語を話してきた人と同じ発音で話すため、こういう練習をしているのです。

「ネイティブと同じ発音をする必要はない」という方は多いですが、私が今まで勉強会などでお会いした方々は「もし、ネイティブと同じにしゃべれるのなら、同じにしゃべりたい」という方が多かったですね。  そう思うのは自然なことだと思います。  そういう意欲を無理してそぐことはなく「だったらこういう練習をしたらいいのよ」と教えてあげればいいと思います。

私が勉強会に参加していたころ、休憩時間にロビーで飲み物を飲んでいると、ほかの参加者から、どういう風に発音を練習しているのか、よく質問を受けました。  そういう意欲のある方々のやる気をそいでしまうのはもったいないです。  「こういう練習をするとこうなりますよ」と教えてあげた方がいいと思います。

実際、ブツブツ切れる発音は「音の量」が少なくなるので、聞きづらいですから、音をつなげてしゃべる練習は通じる発音で話すためにも意味のあることだと思います。

「音を一定の強さをキープしながらしゃべる」と非常に聞きやすくなります。  そうでない場合と録音して比べると、聞きやすさの違いがよく分かります。

その言葉を母国語とする人たちが当たり前にやってることだけれど、日本人には、見当もつかないことが外国語の練習をしているとあります。  子音の日本語化もそうですね。  日本人は70年も聞くことができませんでした。  

日本人が英語にかけるお金と時間はすごいのに通じない、というようなことが言われますけれど、「本当に通じない問題は何なのか」それときちんと向き合って、学習していかないと莫大なお金と時間を費やしても、何の効果もありません。

一例をあげれば、日本語化した子音で、シャドウイングを何時間しても、通じる発音は習得できないということです。  日本人がやりやすい練習ばかりやっていると、本当の問題はいつも置き去りにしたまま、「練習量だけやった満足感がある」練習をすることになります。  かけたお金と時間は無意味ですね。

日本語と違う言語は、どういう風に唇を使って話されているか、この練習をやってみると、感じがつかめます。  唇に入れる力は全力の4分の1くらい、唇と首に少し力が入るくらいで結構です。  

「私たちの日本語とは全然違うしゃべり方が世の中にはあるんだなあ」と私は思います。  

Where are you ? の練習の方は唇に全力の力を込めて行ってください。 (もう少し突っ込んだお話をしますと、唇を保ちながら単語と単語の間で息も弱くならないようにして音声を出していくようにするのですが、いろいろなことを一度にやると、どれも身につけられなくなってしまいますので、まず、唇の力を抜かない練習からやってください。 力を入れることになれてきたら音をつなげることも少し気を付けてみてください。)

* 今日初めて川合典子のブログを読んでくださった方へ *

英語の子音には長さがあります。(日本人が70年間聞き取れなかった長さです)  Lの長さは2016年9月1日のブログを読むとマライア・キャリーさんが発音しているLの長さが聞き取れます。

Sについては2012年2月21日のブログをお読みください。  メリル・ストリープさんのSの長さが聞けるようになります。


===英語本来の子音で話す練習「川合メソッド2」===

9月4日から10月1日までの練習内容

簡略腹式呼吸(水道管呼吸法) 4秒 x 5回
Where are you? の練習  5回        
Lの練習(2) 長いLで例文を言う  3回
Wの練習(2) 長いWで例文を言う  3回
Nの練習(2) 長いNで例文を言う  3回
Rの練習(2) 長いRで例文を言う  3回
Fの練習(2) 長いFで例文を言う  3回
Mの練習(1) 普通のMで例文を言う 5回
Mの練習(2) 長いMで例文を言う  5回

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川合メソッド2の練習を営利目的に使用するのはご遠慮ください。  この練習は、被験者の方々の何か月にもわたる、毎日の練習努力によって、出来上がったものです。  何もやっていない人が、結果だけを営利目的で使用するのはご遠慮ください。

特に出版社(書籍)と発音を教える方(発音セミナー、レッスン等)による無断使用は固くお断りいたします。

皆様にそのようなお願いをする理由は、こちらでご覧いただけます。

学習者どうしの情報交換は歓迎します。  どんどん行ってください。



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高校入試で子供たちが親の収入によって差別されない為に以下のお知らせを書かせていただきます。

高校入試のスピーキングテストについて(大学入試のスピーキングテストについても同様です)

高校入試のスピーキングテストは本来文部科学省が学校教育で正しい発音を生徒に教えてから行うべきものです。  しかし、文部科学省が教科書にCDもつけず、正しい発音の仕方も学校で教えないまま、高校入試でスピーキングテストを実施する動きが都立高校などで始まっています。 (大学入試でもスピーキングテストが行われようとしています)  これは、スピーキングスキルの習得を塾や予備校、会話学校に丸投げするものです。  学校で教えていないスキルを入試でテストすることはあり得ません。

これでは経済的に余裕のない、塾や会話学校にいけない家庭の子供は誰にも正しい発音を教えてもらえず、練習するCD(音声モデル)も与えられないまま、高校入試でスピーキングテストをされることになり、明らかに親の収入による進路の差別が始まります。(詳しくは2018年3月8日のブログ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」をお読みください。)

皆さんの身近に教育関係者がいらっしゃいましたら、ぜひ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」であることをお伝えください。  (大学入試のスピーキングテストについても同じことです)  
15歳で親の収入のために進路を差別されるのでは子供たちがあまりにもかわいそうです。

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英語教育については、下のブログも併せてご参照ください。  日付をクリックすると移動できます。
2017年10月12日
文部科学省 新中学校学習指導要領 英語 「4技能」は全く効果がない(子供たちが通じる発音でスラスラ話せるようになる学習指導要領の見本付き)





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「中学、高校の英語の授業を英語で行う」という誤った学校教育(英語教育)の方針から子供達を守る為、当分の間、下記の文を掲載させていただきます。

英語教育の「戦後」は終わらない

実際の帰国子女の英語習得過程に照らし合わせると、「英語で考える」という指導法は戦後、外国に行くこともほとんどなかった日本人が誤って信じた架空の学習法であることがはっきりわかります。

親の赴任などで、アメリカに連れて行かれた帰国子女の英語習得の過程は、戦後提唱された「英語で考える」指導法とは全く違っていました。

なぜ「英語で考える」指導法が間違ってしまったのかというと、自分の英語習得の過程を後から振り返って提唱したものだったからです。  「日本語訳が悪い」という提唱者の思い込みにあうように後から組み立てられた架空の方法だったからです。  

英語習得を陸上400メートルリレーに例えると、スタートする第一走者には日本語訳は必要です。  ゴール間近の第4走者には日本語訳はいりません。  アメリカ生活が長かった提唱者は、英語習得を振り返ったとき、第4走者の立場でしか英語習得を見られなかったのです。  そして英語を学ぶ第1走者が日本語訳を使っているのを見て、「日本語訳には害がある」と決めつけたわけです。  

一方、帰国子女の観察の方はリアルタイムで見た、実際の英語習得過程をそのまま記録したものです。

そこには日本語訳に対する偏見も思い込みもなく、ありのままの英語習得のプロセスがありました。  

これから「英語」を学ぶ人間が「英語」で考えられるわけがないでしょう。  帰国子女の英語習得過程は極めて理にかなった、合理的なプロセスでした。

「戦後」日本人があまり外国語学習を知らなかった時代に人々が誤って信じ込んだ「英語で考える」指導法を21世紀を生きる子供たち(高校生)の英語の授業に、先生方の反対を押し切って、強引に持ち込んだのは、明らかに文部科学省の過失です。  

けれども間違っていると明らかになっても続けているのは過失ではなく「故意」ですね。  故意に間違った高校教育をやらせているのですから罪は一層重いです。

こうしている間にも、高校生が、一日、また一日と文部科学省の誤った方針の犠牲になって行きます。  かわいそうです。  高校時代は一度しかないのですから。

「英語で考える」指導法をやっている限り、英語教育の「戦後」は終わりません。

英語圏で使われている英語の語彙、構文の量を東京ドーム一個分に例えたら、初心者が使う語彙、構文は、ニワトリの卵1個分のようなものです。  ニワトリの卵のような小さな世界で、「Head という単語を日本語訳を使わないで、英語で説明する」などという練習をしてもまったく英語力は上がりません。 

最初は日本語訳を使って、どんどん言葉を理解し、出来るだけ早くニワトリの卵から飛び出すことです。  東京ドームのような大量の英語の世界へ早く飛び出すことです。  そこで学ぶから、英語のニュアンスも使い方もわかってくるのです。

その時、学習に使った日本語訳は自然に頭の中から消えていきます。  これが本当の英語習得のプロセスです。

アメリカに行ったばかりのころ「こんなもの、英語でいくら説明されたってわからないんだよ」と言った息子も、「あのころは英語で何を言われても何にもわからなかったの」と言った娘も、全文和訳でバイリンガルになって行きました。

戦後、「自分に日本語訳が必要だったこと」を忘れ、「ここはアメリカではない」ということも忘れた人が提唱した架空の「英語で考える」などという指導法をよりによって文部科学省が21世紀の学校教育に持ち込むことはないでしょう。

「英語で考える」などという架空の指導法に騙(だま)されている限り、日本の英語教育の「戦後」は終わりません。

中学、高校の正しい英語教育については2015年10月19日ブログ「川合式英語学習法」をご覧ください。

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高校英語教育を文部科学省の誤解に基づいた方針から守るため、以下のご案内を書かせていただきます。

現在文部科学省が「グローバル化に対応した英語教育改革」の目玉として掲げているCAN-DO方式は、ヨーロッパの人々にはできますが、日本語を母国語とする人にはできない方式です。

文部科学省は「CAN-DO方式が日本人には不可能な方式である」と気づいておりません。  導入されれば教育現場は大変迷惑します。  中止する必要があります。  なぜCAN-DO方式が不可能なのかはこちらのブログをお読みください。

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何度もお願いをしているのですが、アマゾンのページで私の本のランキングを下げて妨害をしている人がやめてくれないので、(詳細はこちらです)しばらく以下の文章を掲載させていただくことにしました。

「本を出版する人は、他の著者の妨害をしない。  他の著者を妨害する人は自分の本も出版できない。」
出版社におかれましては、このことを出版の際、著者に理解していただいてください。

私のランキングを妨害している人は、たぶん、現実を受け入れられないのでしょう。
アマゾンの順位を1ペ―ジ目から2ページ目に下げられ、数日でまた2ページ目から3ページ目に下げられて、私は、この方の激しい妨害に驚いています。 

「学習者に正しい発音を習得してほしい」というのが自分の目標でしたら、他人を妨害する必要はありませんね。  他人を妨害してまで、何を手に入れたいのでしょうか。  ベストセラーの著者という名声ですか。  それなら、もうアマゾンで、ご自身の本はベストセラーに認定されているのですから、それで十分でしょう。  この上何が欲しくて私を妨害するのでしょうか?  もう英語教育とは関係ないことですか。  

私は、こちらに書いてある3つのことをするのが、目的です。  日本人が子音の日本語化を知っているか、いないかで、通じる英語で話せるか話せないかが、決まります。  ですから、このことを読者の皆さんに理解していただくのは、とても大事なことなのです。  私の仕事の妨害をしないでください。 

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クマさん、ウサギさん、ブタさん、それぞれが持っている旗に書かれたことの理由は、2017年7月30日のブログをご覧になるとわかります。