私は数年前、知人に「きのこの山」と「たけのこの里」というお菓子を使って、英語の子音と日本語の子音の違いを説明したことがあります。
今回それをブログに書くにあたって、皆さんにこの2つのお菓子を見ていただこうと、画像を検索しました。 そうしたら、この2つのお菓子について、いろいろな記事が載っていました。 それを読んで、この2つのお菓子が、とても有名なお菓子だったことを初めて知りました。
まず、「きのこの山」と「たけのこの里」の画像をご覧ください。
http://www.meiji.co.jp/sweets/chocolate/kinotake/
娘が高校生のころ、スーパーでおやつのお菓子を買っていました。 小袋に入ったきのこの山とたけのこの里が一緒になって大きな袋に入っているものをよく買いました。
ある日、それを食べていた娘が、「由紀子はきのこの山より、たけのこの里の方が好きなの。 全部たけのこの里だったらいいのになあ〜」と言いました。
それを聞いた時、理由はすぐにわかりました。
画像にあるとおり、きのこの山はきのこの笠の部分がチョコレートで、軸の部分がクラッカーでできています。 チョコとクラッカーは、はっきり分かれています。
一方、たけのこの里はたけのこの形をしたビスケット生地にチョコレートが薄くコーティングされています。 こちらはチョコとビスケットは不可分の関係で、くっついています。 それが娘にはおいしく感じられたのでしょう。
そんなことを考えながら、きのこの山とたけのこの里を、じっと見つめていたら、このチョコレートとビスケット(クラッカー)の関係が、英語と日本語の子音と母音の関係に見えてきました。
チョコレートを子音と考えビスケット(クラッカー)を母音とします。
そうすると、きのこの山は、英語の子音と母音の関係に似ています。
きのこの笠全部がチョコレートの塊でできています。 これは一つの音として独立して発音される英語の子音と同じです。 母音はクラッカーでできた軸の部分で、やはりチョコとは別の塊(一つの独立した音)を作っています。
たけのこの里は、日本語の子音と母音の関係に似ています。
たけのこ型のビスケット生地に、薄く不可分の形でコーティングされているチョコレートは、いつも母音と一緒に発音される日本語の子音と似ています。 チョコはビスケット生地と一緒でないと壊れてしまうくらい薄くて、いつもビスケット生地にくっついています。 いつも母音と一緒でなければ一つの音にならない、日本語の子音に似ています。
なぜ私が、こんな話をするかというと、イメージの力というのは、結構強いものだからです。 「続・英語発音、日本人でもここまで出来ます。」(緑の本)にも書きましたが、言葉で考えるより、ストレートに映像で、浮かんでくるイメージは、とても強いインパクトを持っています。
ですから、「英語の子音はきのこの笠くらいの厚さ」があり、「日本語の子音はたけのこの皮くらいの薄さ」、そんなイメージを持っておくと感覚的によくわかります。
子音の日本語化は、「きのこの山」のチョコレートでできた笠の部分が溶けて、クラッカーでできた軸の部分に薄くコーティングしてしまうようなものです。 そうすると、きのこの笠の形はなくなりますから、いつもきのこの笠の形を見てきた人には、何の形だかわからなくなります。
そうならないために、英語の子音は、チョコの塊でできたきのこの笠のように、存在感を持って発音しましょう。
どうやったら、存在感のある子音が発音できるかというと、L,N、W が単語の最初に来たら、少し長めにしっかり発音するようにします。
私は、2週間くらい前、発音を習っている中学生の音読を聞きました。 ツルツル、ツルツルした英語発音でした。 ツルツルした英語発音とはどういう意味かというと、子音が全部2ミリだったということです。(「2ミリ」という表現については7月5日のブログをご覧ください)
音読の間中、どこにも「子音の長さ」が聞こえず、子音は全部滑るように次の音に移行した。ということです。 子音が全部、たけのこの皮のように薄かったということです。
英語本来の「子音の長さ」が言えないと、こういうツルツルした音読になります。 演説などでは、すべての言葉を強く言いますので、日本語化していることはあまり目立ちませんが、普通の文章を比較的速く音読すると、このようにツルツルした発音になります。
大人の方でも、速く発音すると、こういうツルツルした英語で話す方はいらっしゃいますね。
ネイティブの速い英語を聞いていても、そんなにツルツルした感じはありませんね。 やはりぐっと長さを保って言われる音が文中にありますから、その部分でそれなりの厚みを感じますし、メリハリも感じます。 全文ツルツルはしていませんね。
====子音を長く言う「川合メソッド2」=========
7月17日から8月6日までの練習内容
Lの練習(2) 長いLで例文を言う 3回
簡略腹式呼吸(水道管呼吸法) 3秒 x 5回
Wの練習(1) 普通のWで例文を言う 5回
Nの練習(1) 普通のN出例文を言う 5回
Wの練習(2) 長いWで例文を言う 5回
Nの練習(2) 長いNで例文を言う 5回
「オーイー」を5回、唇に力を入れてつなげて言う練習
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なお、この練習「川合メソッド2」を営利目的で使用することはご遠慮ください。(皆様にそのようなお願いをする理由はこちらでご覧いただけます)
(例) 出版、発音セミナー、発音レッスン、発音講座、発音訓練 等々。
学習者どうしの情報交換は歓迎します。 どんどん行ってください。
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高校入試で子供たちが親の収入によって差別されない為に以下のお知らせを書かせていただきます。
高校入試のスピーキングテストについて(大学入試のスピーキングテストについても同様です)
高校入試のスピーキングテストは本来文部科学省が学校教育で正しい発音を生徒に教えてから行うべきものです。 しかし、文部科学省が教科書にCDもつけず、正しい発音の仕方も学校で教えないまま、高校入試でスピーキングテストを実施する動きが都立高校などで始まっています。 (大学入試でもスピーキングテストが行われようとしています) これは、スピーキングスキルの習得を塾や予備校、会話学校に丸投げするものです。 学校で教えていないスキルを入試でテストすることはあり得ません。
これでは経済的に余裕のない、塾や会話学校にいけない家庭の子供は誰にも正しい発音を教えてもらえず、練習するCD(音声モデル)も与えられないまま、高校入試でスピーキングテストをされることになり、明らかに親の収入による進路の差別が始まります。(詳しくは2018年3月8日のブログ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」をお読みください。)
皆さんの身近に教育関係者がいらっしゃいましたら、ぜひ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」であることをお伝えください。 (大学入試のスピーキングテストについても同じことです)
15歳で親の収入のために進路を差別されるのでは子供たちがあまりにもかわいそうです。
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英語教育については、下のブログも併せてご参照ください。 日付をクリックすると移動できます。
2017年10月12日
文部科学省 新中学校学習指導要領 英語 「4技能」は全く効果がない(子供たちが通じる発音でスラスラ話せるようになる学習指導要領の見本付き)
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私は中学1年生の時から2年間、毎日2時間、発音練習をしていました。 自分の発音を録音して、お手本の発音と聞き比べて自分で直すやり方でした。(川合メソッドの原型です) 大学では英語の教師になるための勉強をしました。 その後、20代で英語を教え、外資系企業で、アメリカ人のスタッフと働きました。 結婚して、夫の赴任について30代、40代の時に渡米し、計10年アメリカで暮らしました。 そして、帰って来てから、50代で再び英語を教え始めました。 (今は、あまり体調がよくないので、生徒さんはとっていません。)
この間、10代から50代まで私はずっと発音練習をしてきました。 その結果、私には、中学生の時の発音練習では聞こえなかった「ある音」が聞けるようになりました。 それは「子音の長さ」です。 アメリカ人がナチュラルスピードで話していても、一瞬、口の形が保持されて長さを持った子音が聞こえます。
よくテニスや野球などの球技をなさるスポーツ選手の方々が、「ボールが一瞬、止まって見える」とか「ボールが一瞬ラケットにくっついているのが見える」とおっしゃることがあります。 私の場合は、そんな高度な話ではなくて、普通の人間が経験する低レベルの話ですが、口の形が一瞬保持されて、音が長さを持って聞こえます。
私がなぜ、そういう音が聞こえるようになったのかと言うと、上級になっても、ずっと「自分の発音を録音して、ネイティブの発音と比べて直す」という練習の仕方をしてきたからだと思います。
お手本を聞いて、直すことを何年も続けていけば、ネイティブの発音と自分発音の違うところがだんだん直って同じになっていきます。 でも、ある時、同じにならない音があったのだと思います。 それを同じにするために、
私は、Lの発音で、舌を歯茎に付けたまま、その口の形を保持して、音を出さなければならなかった、のだと思います。
お手本と同じ音にするために、私はWの発音で、唇をすぼめたまま、その口の形を保持して、音を出さなければならなかったのだと思います。
お手本と同じ音を出すために私は、Nの発音で、舌を歯茎に付けたまま、その口の形を保持して、音を出さなければならなかったのだと思います。
No や Not などの単語が、時々、「ンノウ」や「ンナット」に聞こえることは、皆さんにもあると思います。 それを録音した時に、自分の発音がお手本の発音と同じに聞こえるようにするためには、Nを発音するときの口の形を保持せざるを得ませんね。
こういう事を繰り返していくうちに、私には40年前、中学生のころの発音練習では、聞けなかった音が聞こえるようになりました。
その音が聞けるようになると、ほかの日本人の方々の発音には「その口の形を保持している間に出る音がない」ということも自分の耳で聞けるようになりました。
その時、私は、「この音は、耳が、日本語の音だけを取り込むように設定されている人には聞こえない音なのだ」ということがわかりました。 「聞く練習をしていない日本人には、聞こえない音なのだ」ということがわかりました。
私は、皆さんにも、その音を聞いていただきたいと思い、川合メソッド2の練習を考えました。 なぜなら、この音が発音できないと、非常に聞きにくい発音になるからです。
日本人の発音がわかりにくいと言われてきたのは、この音を発音していなかったからです。
この音は、発音セミナーに何回、出席しても聞き取れるようにはなりません。
この音は、発音レッスンを何回、受けても聞き取れるようにはなりません。
自分の耳で、音を聞く努力をしないと、聞けない音なのです。
いろいろな生徒さんを教えているうちに、「その音は、留学をしたから聞き取れるようになるわけではない」「アメリカに10年、20年、住んでいるから聞けるようになるわけではない」ということもわかりました。
それでは日本にいて、その音を聞くためにはどうしたらよいかというと、L,N,W が、単語の最初に来た時、少し長めに発音するようにしていると、聞こえるようになってきます。 どうやって、少し長く発音するかは、川合メソッド2、各子音の練習(2)をやっていただくとわかります。
そして、いつも自分の耳で音を聞く努力をしていくことです。 これが一番大事なことです。 この意識がないと、聞き取れません。
私は、もうすぐ「耳が日本語の音だけに縛られない人たちが、日本人の中に現れてくる」と思っています。 「自分で日本語にはない音を聞き取れるようになった人たちが日本人の中に現れてくる」そう思っています。
彼らこそ、「発音の教師」という肩書きこそありませんが、これからの日本人の英語をリードしていく人たちです。
そういう人たちが現れてくると、日本人の英語が変わります。 70年の長い眠りから、日本人の「耳の力」が目を覚まし、よく通じる発音でしゃべれるようになります。
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高校英語教育を文部科学省の誤解に基づいた方針から守るため、以下のご案内を書かせていただきます。
現在文部科学省が「グローバル化に対応した英語教育改革」の目玉として掲げているCAN-DO方式は、ヨーロッパの人々にはできますが、日本語を母国語とする人にはできない方式です。
文部科学省は「CAN-DO方式が日本人には不可能な方式である」と気づいておりません。 導入されれば教育現場は大変迷惑します。 中止する必要があります。 なぜCAN-DO方式が不可能なのかはこちらのブログをお読みください。
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何度もお願いをしているのですが、アマゾンのページで私の本のランキングを下げて妨害をしている人がやめてくれないので、(詳細はこちらです)しばらく以下の文章を掲載させていただくことにしました。
「本を出版する人は、他の著者の妨害をしない。 他の著者を妨害する人は自分の本も出版できない。」
出版社におかれましては、このことを出版の際、著者に理解していただいてください。
私のランキングを妨害している人は、たぶん、現実を受け入れられないのでしょう。
アマゾンの順位を1ペ―ジ目から2ページ目に下げられ、数日でまた2ページ目から3ページ目に下げられて、私は、この方の激しい妨害に驚いています。
「学習者に正しい発音を習得してほしい」というのが自分の目標でしたら、他人を妨害する必要はありませんね。 他人を妨害してまで、何を手に入れたいのでしょうか。 ベストセラーの著者という名声ですか。 それなら、もうアマゾンで、ご自身の本はベストセラーに認定されているのですから、それで十分でしょう。 この上何が欲しくて私を妨害するのでしょうか? もう英語教育とは関係ないことですか。
私は、こちらに書いてある3つのことをするのが、目的です。 日本人が子音の日本語化を知っているか、いないかで、通じる英語で話せるか話せないかが、決まります。 ですから、このことを読者の皆さんに理解していただくのは、とても大事なことなのです。 私の仕事の妨害をしないでください。
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クマさん、ウサギさん、ブタさん、それぞれが持っている旗に書かれたことの理由は、2017年7月30日のブログをご覧になるとわかります。