川合典子 ブログ

英語教育、英語学習、発音習得、帰国子女の言語習得について書いています。

2013-05-01から1ヶ月間の記事一覧

(6)上級者のやっていることを真似しても、頭の中でやっていることは初級者のままです。

(私の息子が「アメリカに行ったばかりのころ英語の教科書を日本語に訳して理解していたこと」を帰るころには忘れてしまったことはこのブログの最後の方に黒い太字で書いてあります)4回にわたって、英語がよくわからないときに、母国語の助けを借りて理解…

(5)2つの「英語を英語で理解する」は全然違うこと。

私は5月24日のブログhttp://d.hatena.ne.jp/creato-k/20130524の内容をおぼえていてくださいね、と皆さんにお願いしました。 忘れてしまった方は、もう一度読んで見てください。(A)「初級者が英語で考えている」と思っていること (B)「英語が良く知っ…

(4)予告編だけでは映画は分からない

子どもたちは≪「よくわからない言葉(英語)」を「よくわからない言語(英語)」で理解する≫と言うことは、しませんでした。彼らが、いつも「正確に意味を取ろう」と必死だったのを覚えています。 まだ英語がよくわからない言語であるとき、彼らは母国語(日…

(3)「英語を英語で理解する状態」とは、どういう状態か。

本当に英語を英語で理解するようになるにはそれなりの道のりが必要です。 英語が自分の中で「良く知っている言語」として定着する必要があるわけですね。 (先回登場した息子はまだこの状態にはなっていなかったのですね。) だから私は英語を英語で理解した…

(2)「こんなもの、いくら英語で説明されたってわかんないんだよ」

小学校低学年を過ぎた人が、自分がまったく知らない言葉を学んでいこうとするときは、すでに自分の中にある、「良く知っている言語」を基礎としてそれに照らし合わせて学んでいきます。もし私がアメリカで子どもたちの学校の授業が始まった時に、英語を英語…

(1)高校生の皆さんへ

今日は高校生の皆さんに、お話したいと思います。以前、英文科を出られて、今は海外出張が多い仕事についていらした方に英文読解の指導をしたことがありました。 その方は、「高校時代、英語の授業はいつも入試問題をやって答えあわせをしていたので、英語の…

似て非なる発音

英語を勉強している方で、Lの発音やSの発音の仕方をご存じない方はいらっしゃらないと思います。 そして勉強した正しい言い方で、音一つなら言うことが出来るし、単語になっても正しく発音できると思います。 けれども文章になると、日本語の子音の言い方が…

日本語の子音、英語の子音

英語と日本語の子音の長さが違うということは、最初の本を出版したときから言ってきました。 この長さの違いが聞けたら、ほとんどの子音の問題を解決することが出来ます。 強くて、長い子音を聞きなれているネイティブには単語の最初の子音をほんの少ししか…

Lの発音

津田塾大学に在籍していたとき、英語の教師になる学生は音声学が必修でした。 何人もの先輩から、「音声学は落とす学生が多いから気をつけなさいね」と言われていたので、私は先生のお話を聞き落とさないよう、講義の間中、注意深く聞いていました。 私のク…

だんだん、分かってくること

中学のとき、I’m proud of you. と言う表現を習いました。 でも、「こんな仰々しい言い方を誰がするんだろう」と私は思っていて、すごく不思議でした。 私が中学生だったころは昭和40年代の半ばですから、インターネットもDVDもありませんし、外国のことは…

音は自分の体の中で作りましょう

発音するというのは、建物にタイルを張るように、口の形だけを、外側から取ってつけたようにやっても、うまく言えません。 音は自分の体の中から作っていきます。自分の発音の録音を聞いて練習していると、「自分の口をこうすると、こういう音が出る」、 「…

扇子(せんす)を見ると、思うこと

先回のブログで、私は発音を習得するのは生徒さん自身なので、生徒さんの中にある発音習得に必要な能力を向上させることが、私の指導の目的だと書きました。発音を習得するためには、1.まず、目的とする音が聞けること2.同じように発音したつもりでも、…

生徒には発音を聞いて直す力がある。

初心者の生徒さんの最初のレッスンのとき、次のレッスンまでの課題を出して私はこんな風に説明します。「ここに書いてある英文を発音練習して、お手本と比べて自分で直してきてくださいね。 次回のレッスンで私はOOさんの発音を聞いて、お手本と違っていると…