川合典子 ブログ

英語教育、英語学習、発音習得、帰国子女の言語習得について書いています。

川合メソッド2を考案した経緯(2)

(17日の続きです)


けれども、ただ一つ、事実を提示するだけでは皆さんに理解していただけないことがありました。

それが子音の日本語化でした。  


日本人の子音の言い方が短いことは、最初の本を書いた時も述べましたし、2冊目の「続・英語発音、日本人でもここまでできます。」(緑の本)では、日本語化した生徒さんの子音と私の発音の比較も載せました。  2013年からは「子音の日本語化」として、ブログでも、何回も説明してきました。

でも、事実を提示するだけでは、皆さんに理解していただくことができませんでした。  私も中学生の時には、毎日2時間発音練習を行っても子音の長さには、気づくことがありませんでしたから、皆さんに聞いていただけないのも、無理ないことだと思いました。  

簡単に聞けていたら、戦後70年間も、日本人が子音の長さを聞けずに来ることもなかったでしょう。

まず、子音の日本語化を聞くには「音を聞く」という練習をしてこないと聞けません。  また、日本語の音以外の音を耳がtune out している状態だと聞けません。

この子音の日本語化は自分で聞けないと、気づくことはありません。  気づけなければ、英語本来の子音の長さで話すことも出来ません。  英語本来の子音の長さで話せなければ、日本人の発音は理解されにくいままです。  日本の外に出たら、通じないままです。

2冊目の本を出版した後もそうでしたが、3冊目の本を出版してから数か月後、私は「自分は今の日本人が誰も聞けない音について、本を書いている」と思うと、一瞬ではありましたが、深い絶望感に襲われることがありました。

けれども、日本人は適切な練習さえ提示されれば、必ず、子音の日本語化を聞き分けることができる。  聞き分けられれば、英語本来の子音の長さで話せる」私はそう思いました。  小川さんの「国益も損なうではありませんか」という言葉が、頭から離れませんでした。

では、どうやったら、子音の日本語化を学習する人に聞き取ってもらえるだろうか。  私はそれを考え始めました。  その時、「英文読書をみんなにやってもらうには、どうしたらいい?」と相談した、アメリカにいる友人の言葉を思い出しました。

「その通りやれば、英語の本が読めるようになるプログラムを作ればいいの」彼女はそういいました。(2016年6月15日のブログ「英文読書能力養成プログラム「オリジナルセブン」を組んでいたころ」に書いてあります)  「だったら、今度は、その通りやれば、子音の日本語化が聞き取れるプログラムを作ればいいのね」私はそう思いました。

そして、川合メソッド2の練習方法を考えました。  考える時に参考にしたのは、すでに、子音の日本語化を聞き分けられるようになった生徒さんの体験でした。

練習方法をまとめ上げた時、「この方法で大丈夫だ」と思いましたけれど、考えただけでは、読者の皆さんにやっていただくわけにはいかない。  実際に効果があるかどうか試してもらわなければならない、と思いました。  それで、試してくれる人を探して、やってもらいました。

思った通り、やってくれた人は子音の日本語化が聞き取れるようになりました。  

日本人は戦後70年、日本語の子音の言い方で、英語を話してきました。  日本語と英語の子音の言い方は、非常に似ているけれど、似て非なる発音です。  日本人はそれを同じ言い方で、しゃべってきました。

しかも、日本にいる外国人には通じますので、それがわかりにくい発音だ、ということも気づかずに来ました。  けれどももう、そのことに気づいていい時だと思いました。

皆さんは適切な練習をすれば、その違いを聞き取る耳の力を持っているからです。

是非、今回の練習で、日本語化した子音と、英語本来の子音の長さの違いが聞き分けられるようになって、通じる発音で、話せるようになってください。


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オリンピックでの日本の演出が話題になっていますね。  朝のテレビで、椎名林檎さんの「古い日本のイメージを新しいものに変えたかった」という言葉が紹介されていました。

日本は、本当に変わりましたね。

英語も古い時代の発音から新しい時代の発音に変わってほしいですね。
戦後間もなく、外国に行ける人もほとんどいなかった時代にしゃべっていた、日本語の子音で代用した英語ではなく、英語本来の子音で話せる新しい発音に変わってほしいと思います。

現在はインターネットもDVDもあって、旅行や短期留学も含めればたくさんの人が外国に行く時代になったのに、英語の発音だけは、外国に行く人もほとんどいなかった古い時代のままです。


もう、日本語の子音の言い方を借りて、英語を話すのはやめましょう。
本物の英語発音で話しましょう。 


最初に本物の英語発音で話し始めるのは、6月から川合メソッド2のセミナーに参加してくださった方々だと思います。  日本で英語を勉強している人々の中で、本当の英語発音(子音)で話すのは、皆さんが最初です。
英語教育が始まって70年過ぎて、初めて、本当の英語の発音(子音)でしゃべる人たちが誕生しますね。  それが今、川合メソッド2の練習をしている皆さんです。


====本当の英語発音(子音)を身に付ける「川合メソッド2」=======

8月7日から9月3日までの練習内容

簡略腹式呼吸(水道管呼吸法) 4秒 x 5回
「オーイー」を5回、唇に力を入れてつなげて言う練習
Lの練習(2) 長いLで例文を言う  3回
Wの練習(2) 長いWで例文を言う  3回
Nの練習(2) 長いNで例文を言う  3回
Rの練習(1) 普通のRで例文を言う 5回
Rの練習(2) 長いRで例文を言う  5回
Fの練習(1) 普通のFで例文を言う 5回
Fの練習(2) 長いFで例文を言う  5回

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なお、この練習「川合メソッド2」を営利目的で使用することはご遠慮ください。(皆様にそのようなお願いをする理由はこちらでご覧いただけます)

(例) 出版、発音セミナー、発音レッスン、発音講座、発音訓練 等々。

学習者どうしの情報交換は歓迎します。  どんどん行ってください。



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高校入試で子供たちが親の収入によって差別されない為に以下のお知らせを書かせていただきます。

高校入試のスピーキングテストについて(大学入試のスピーキングテストについても同様です)

高校入試のスピーキングテストは本来文部科学省が学校教育で正しい発音を生徒に教えてから行うべきものです。  しかし、文部科学省が教科書にCDもつけず、正しい発音の仕方も学校で教えないまま、高校入試でスピーキングテストを実施する動きが都立高校などで始まっています。 (大学入試でもスピーキングテストが行われようとしています)  これは、スピーキングスキルの習得を塾や予備校、会話学校に丸投げするものです。  学校で教えていないスキルを入試でテストすることはあり得ません。

これでは経済的に余裕のない、塾や会話学校にいけない家庭の子供は誰にも正しい発音を教えてもらえず、練習するCD(音声モデル)も与えられないまま、高校入試でスピーキングテストをされることになり、明らかに親の収入による進路の差別が始まります。(詳しくは2018年3月8日のブログ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」をお読みください。)

皆さんの身近に教育関係者がいらっしゃいましたら、ぜひ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」であることをお伝えください。  (大学入試のスピーキングテストについても同じことです)  
15歳で親の収入のために進路を差別されるのでは子供たちがあまりにもかわいそうです。

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英語教育については、下のブログも併せてご参照ください。  日付をクリックすると移動できます。
2017年10月12日
文部科学省 新中学校学習指導要領 英語 「4技能」は全く効果がない(子供たちが通じる発音でスラスラ話せるようになる学習指導要領の見本付き)



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「中学、高校の英語の授業を英語で行う」という誤った学校教育(英語教育)の方針から子供達を守る為、当分の間、下記の文を掲載させていただきます。

「英語で考える」という指導法は実際の英語習得の過程に反する指導法です。
実際の英語習得は、まず、わからない英語を分かる母国語で理解し(第一段階)、その後わかるようになった英語を大量にインプットすること(第二段階)によって、英語で考えられるようになって行きます。(2017年2月4日のブログ「英語の思考活動」を参照してください。)

母国語は生徒が英語の意味が解らない段階で無理して使わせないようにするものではありません。  わかるようになった英語を大量にインプットしたときに、頭の中から自然に消えていくものです。

さらに、「英語で考える」という指導法は子供たちの発音習得にも害悪を及ぼします。  正しい発音が定着する前に生徒に言いたいことを英語でしゃべらせると、日本語式発音が定着します。

「英語で考える」などという、日本で育った子供達には全く効果がない方法を学校教育に持ち込んで、日本中の中学生、高校生を犠牲にするのはやめてください。
(「英語で考える」という方法は提唱者が「自分に日本語訳が必要だった時期があった」ことを忘れて、提唱しているだけです)

中学、高校の正しい英語教育についてはこちらをご覧ください。

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高校英語教育を文部科学省の誤解に基づいた方針から守るため、以下のご案内を書かせていただきます。

現在文部科学省が「グローバル化に対応した英語教育改革」の目玉として掲げているCAN-DO方式は、ヨーロッパの人々にはできますが、日本語を母国語とする人にはできない方式です。

文部科学省は「CAN-DO方式が日本人には不可能な方式である」と気づいておりません。  導入されれば教育現場は大変迷惑します。  中止する必要があります。  なぜCAN-DO方式が不可能なのかはこちらのブログをお読みください。

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何度もお願いをしているのですが、アマゾンのページで私の本のランキングを下げて妨害をしている人がやめてくれないので、(詳細はこちらです)しばらく以下の文章を掲載させていただくことにしました。

「本を出版する人は、他の著者の妨害をしない。  他の著者を妨害する人は自分の本も出版できない。」
出版社におかれましては、このことを出版の際、著者に理解していただいてください。

私のランキングを妨害している人は、たぶん、現実を受け入れられないのでしょう。
アマゾンの順位を1ペ―ジ目から2ページ目に下げられ、数日でまた2ページ目から3ページ目に下げられて、私は、この方の激しい妨害に驚いています。 

「学習者に正しい発音を習得してほしい」というのが自分の目標でしたら、他人を妨害する必要はありませんね。  他人を妨害してまで、何を手に入れたいのでしょうか。  ベストセラーの著者という名声ですか。  それなら、もうアマゾンで、ご自身の本はベストセラーに認定されているのですから、それで十分でしょう。  この上何が欲しくて私を妨害するのでしょうか?  もう英語教育とは関係ないことですか。  

私は、こちらに書いてある3つのことをするのが、目的です。  日本人が子音の日本語化を知っているか、いないかで、通じる英語で話せるか話せないかが、決まります。  ですから、このことを読者の皆さんに理解していただくのは、とても大事なことなのです。  私の仕事の妨害をしないでください。 

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私のDVDで発音練習をするときは、耳に注意を集中して音を聞いて下さい。
最初はテキストを見ながら練習していただいて結構ですが、文字に気を取られていると、実際の音よりも自分がこうだと思っている音のまま発音していることが多くあります。

私はDVDの単語の発音の練習のところで、Life や Leg のLの音をほんの一瞬ですが、日本語化しない「長さのあるL」で発音しています。  そういう音をできるだけよく聞いて、同じように言ってください。

Fight や Fin の Fの音も長さをもって発音しています。  Way や Wet の W の音も長さを保持して発音しています。  それを耳でよく聞いて同じように言ってください。
 
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クマさん、ウサギさん、ブタさん、それぞれが持っている旗に書かれたことの理由は、2017年7月30日のブログをご覧になるとわかります。