川合典子 ブログ

英語教育、英語学習、発音習得、帰国子女の言語習得について書いています。

英英辞典

英語で考えるためには、辞書は英英辞典を使うのがいいといわれています。それは正しいと思いますが、無理して、早い段階から使わなくても、大丈夫だと私は思っています。

少し内容が長くなりますので、今日と明日、2回に分けて書いていきます。

2度目にアメリカに赴任したとき、娘は5年生息子は高校1年生でした。普通、大学などで、専門分野があって、留学する方はその分野に関する知識をある程度、持っている上で、留学されるのだと思います。だから英語で学ぶ内容をある程度は知っているわけですね。

けれども私の子供たちは、物理や化学、歴史や地理など、まったく知らないことを最初から英語で学んでいかなければなりませんでした。学期末にはテストがあり、基準点以下はF (failure 再履修)となりますので、「漠然とわかる」、と言う程度の理解ではだめでした。これは日本の期末試験と同じことです。

それで、教科書に書かれていることを逐一日本語に訳して理解していきました。けれどもテスト問題や先生の質問も、英語でわからなければいけないので、日本語で理解したあと、答えは英語で言えるように、ノートやプリントに書くときは英語で書いていきました。

日本語で理解し、英語でアウトプットできるようにしておくという勉強の仕方でした。英語がわからない彼らは最初は英和辞典を使っていました。

それが半年、一年とたって、たくさん勉強していくうちに、だんだん英英辞典を使うようになっていきました。多分彼らの中に英語を理解する基礎的な語彙が出来上がったからだと私は思いました。

これが出来上がらないと、英語を英語のまま理解する状態にはいるのは、無理があるのではないかと私は思いました。

英語で言われたことを、正確に自分が理解することはとても重要だったのだと思います。最初はそのためにどうしても母国語が必要だったのですね。

これがよくわかった話がありました。

2度目の赴任から帰国して大学生になった息子がこんな話をしたことがありました。

「僕は最初はWhat’s up? なんていう言葉もわかんなかったんだよ、お母さん。 これって直訳すると 上に何がありますか?なんだよ。 学校行って、What’s up? って言われて、なんて答えるのかわからないから、エドワード君に聞いちゃったよ。そしたら、しばらく会わない人から聞かれたら、なんか最近あったの? みたいな事も言うけど、毎日あってる友達から言われたら、How are you? と同じだと思ってればいいよ。って、言われて、ようやくわかったんだよ。」

私が興味深かったのはWhat’s up? と言うような挨拶さえ、息子が正確に意味を取ろうとしたことでした。息子はあまり几帳面にお勉強をするような子ではありません。直感やフィーリングでお勉強するようなところもたぶんにある子でした。

なのに、英語がわからないとき、こんな挨拶まで、直訳してちゃんと意味をとろうとしていたのかと言うのが私には驚きでした。 つまり、英語は正確に意味を取らなければ使えないということを毎日の生活でわかっていたのでしょう。 大雑把な理解では、英語は使えないということを日々痛感していたのだと思います。

最初はその英語が何を言っているかを正確に理解することがとても大事だったわけですね。楽しみに英語の本を読むようなときはある程度ストーリーがわかれば大雑把な理解でもどこにも支障はないですが、生活のこと、人間関係、教科のことになると正確に理解できない英語ではまったく役にたたない、それどころか違って理解していたときには大変なことになると経験からわかっていたのでしょう。 (続きは明日書きます。)



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高校入試で子供たちが親の収入によって差別されない為に以下のお知らせを書かせていただきます。

高校入試のスピーキングテストについて(大学入試のスピーキングテストについても同様です)

高校入試のスピーキングテストは本来文部科学省が学校教育で正しい発音を生徒に教えてから行うべきものです。  しかし、文部科学省が教科書にCDもつけず、正しい発音の仕方も学校で教えないまま、高校入試でスピーキングテストを実施する動きが都立高校などで始まっています。 (大学入試でもスピーキングテストが行われようとしています)  これは、スピーキングスキルの習得を塾や予備校、会話学校に丸投げするものです。  学校で教えていないスキルを入試でテストすることはあり得ません。

これでは経済的に余裕のない、塾や会話学校にいけない家庭の子供は誰にも正しい発音を教えてもらえず、練習するCD(音声モデル)も与えられないまま、高校入試でスピーキングテストをされることになり、明らかに親の収入による進路の差別が始まります。(詳しくは2018年3月8日のブログ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」をお読みください。)

皆さんの身近に教育関係者がいらっしゃいましたら、ぜひ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」であることをお伝えください。  (大学入試のスピーキングテストについても同じことです)  
15歳で親の収入のために進路を差別されるのでは子供たちがあまりにもかわいそうです。

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英語教育については、下のブログも併せてご参照ください。  日付をクリックすると移動できます。
2017年10月12日
文部科学省 新中学校学習指導要領 英語 「4技能」は全く効果がない(子供たちが通じる発音でスラスラ話せるようになる学習指導要領の見本付き)





高校英語教育を文部科学省の誤解に基づいた方針から守るため、以下のご案内を書かせていただきます。

現在文部科学省が「グローバル化に対応した英語教育改革」の目玉として掲げているCAN-DO方式は、ヨーロッパの人々にはできますが、日本語を母国語とする人にはできない方式です。

文部科学省は「CAN-DO方式が日本人には不可能な方式である」と気づいておりません。  導入されれば教育現場は大変迷惑します。  中止する必要があります。  なぜCAN-DO方式が不可能なのかはこちらのブログをお読みください。

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何度もお願いをしているのですが、アマゾンのページで私の本のランキングを下げて妨害をしている人がやめてくれないので、(詳細はこちらです)しばらく以下の文章を掲載させていただくことにしました。

「本を出版する人は、他の著者の妨害をしない。  他の著者を妨害する人は自分の本も出版できない。」
出版社におかれましては、このことを出版の際、著者に理解していただいてください。

私のランキングを妨害している人は、たぶん、現実を受け入れられないのでしょう。
アマゾンの順位を1ペ―ジ目から2ページ目に下げられ、数日でまた2ページ目から3ページ目に下げられて、私は、この方の激しい妨害に驚いています。 

「学習者に正しい発音を習得してほしい」というのが自分の目標でしたら、他人を妨害する必要はありませんね。  他人を妨害してまで、何を手に入れたいのでしょうか。  ベストセラーの著者という名声ですか。  それなら、もうアマゾンで、ご自身の本はベストセラーに認定されているのですから、それで十分でしょう。  この上何が欲しくて私を妨害するのでしょうか?  もう英語教育とは関係ないことですか。 私は、とても困っています。  

私は、こちらに書いてある3つのことをするのが、目的です。  日本人が子音の日本語化を知っているか、いないかで、通じる英語で話せるか話せないかが、決まります。  ですから、このことを読者の皆さんに理解していただくのは、とても大事なことなのです。  私の仕事の妨害をしないでください。 

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クマさん、ウサギさん、ブタさん、それぞれが持っている旗に書かれたことの理由は、2017年7月30日のブログをご覧になるとわかります。