川合典子 ブログ

英語教育、英語学習、発音習得、帰国子女の言語習得について書いています。

英語学習

和文英訳(最終回) 松本亨氏が提唱した「英語で考える指導法」はインプットをさせないでアウトプットだけをさせる方法  英語学習者が実際にはできない机上の空論でした。

2006年にアメリカから帰国して娘の受験が終わった後、私はもう一度、石渡誠氏が紹介していた松本亨氏の「英語で考えるには そのヒケツと練習」という赤い本を読んでみました。読んでみて私が最も違和感を感じたのは173ページの次の文章でした。「私は…

和文英訳(2)初級者中級者は、単語の日本語訳を手掛かりに自分の言いたいことを英文にする。「英語で考える指導法」の提唱者(松本亨氏・英語学校FORWARD石渡誠氏)は自分の生徒が日本語訳を使っている事を知らないだけ。先生がいけないと言うから生徒も本当の事が言えないだけ。「日本語訳を使ってはいけない」という松本亨氏、石渡誠氏の指導法は、初級者中級者の英語力向上の障害になる。

昨日のブログでは、「私の子供たちが英語を自由に使えるようになるまでは、日本語訳を知っている単語を並べて英文にして話していた」というお話をしました。 彼らが授業で使うような難しい内容まで含めて英語のまましゃべれるようになったのは、アメリカに滞…

和文英訳(1) 天気予報と方位磁石

英語学習を始めてそれほど年月が経っていない段階にいる学習者は、言いたいことが直接英語で頭に浮かんでくることはありません。 その段階で自分の思ったことを英語で言う場合は、日本語を英語に訳してしゃべります。 私の子供たちも、アメリカに行った最初…

川合メソッド2 水道管呼吸法(10秒)はあと10日で終了です。

川合メソッド2の水道管呼吸法を10秒まで続けてくださった方は、あと10日で終了ですね。 練習、ご苦労様でした。 かなり、息が強く使えるようになってきたと思います。 (娘は今月まだ9秒でやっていますが、かなり息は強くなりました。) その息を利用し…

先生の宿題のプリント (「英語で考える」ってどういうこと?)

今日から3月です。 水道管呼吸法を継続していらした方は、今月から10秒になります。 娘は、1月、2月と、友達の結婚式がたびたびあって、あまり練習できませんでしたので、まだ、8秒でやっています。 3月から9秒に増やす予定です。 私も強く太い息を…

英語の思考活動(「日本語訳を使ってはいけない」という松本亨氏、石渡誠氏の指導法は、初級者中級者の英語力向上を妨げます)

恐れ入りますが、今日のブログを読む前に、まだ2015年4月19日のブログをお読みでない方は、そちらを読んでから今日のブログをお読みください。 4月19日のブログを読んでいないと今日のブログは分かりづらいと思います。 次に、私は「言語と思考」…

「帰国子女に見る世界に通用する英語力の作り方」を出版したころ

本を出版した直後は、著者は自分の本が人々にどう受けいれられているか気になり、アマゾンのページを見たりします。「帰国子女に見る世界に通用する英語力の作り方」を出版した時、私が見ていたのは、アマゾンの「この本を買った人はこういう本も買っていま…

英文読書能力養成プログラムに「オリジナルセブン」と名前を付けた時のこと 

夫は旅行が好きで、学生時代から一人でよく旅行をしていたそうです。 特に日本人の行ったことのないところに行くのが好きで、行った先の国のホテルのロビーにひとりでいたら、「日本人を見たことのない人々ばかりで、遠巻きにしてみんなが見ていた」とか、サ…

英文読書能力養成プログラム「オリジナルセブン」を組んでいた頃(2)

先回(6月15日)はプログラムに入れる本を9冊まで絞ったところまでお話ししました。 今日はその続きです。今のプログラムより多い2冊はどこに入っていたかというとHatchet と Walk Two Moons の間のところにありました。 この2つの本のレベルはアメリ…

英文読書能力養成プログラム「オリジナルセブン」を組んでいた頃

今日は私の3冊目の本「帰国子女に見る世界に通用する英語力の作り方」に書きました、英文読書能力養成プログラム「オリジナルセブン」ができるまでについて書こうと思います。私は渡米中、図書館で借りた本を読みながら、読むことの大切さを知りましたが、…

言語と文化(2) 母国語習得の過程に人工的に介入すること。

文化の違いというのは日本の外に出ないと、感じることはありません。 けれども言葉を身に付ける場合は非常に重要です。 子供が最初に身に付ける言語(母国語)はどこの国でもその社会に生活する人々がその文化を後ろに持っている言語です。けれども、今、日…

言語と文化(1)

夫は結婚する前に、カリフォルニアとニューヨークで6年のアメリカ赴任を終えていました。 私も外資で働いていたので、ある時こんな質問をしたことがあります。「どうして、アメリカ人は自分は能力があると正面から言うのかしらね?」 それに対して夫は「自…

空(から)のコップを見ることができない(2)「発音のコップ」

英語を英語で理解する、というやり方をとる人は、日本語を介在させないので、 しゃべるときにも、最初から英語で言いたいことを生徒にしゃべらせます。 そうすると発音にも問題が生じます。発音習得というのはまず、注意深く音を聞いて日本語にはない英語の…

空(から)のコップを見ることができない(1)「英語のコップ」

私は、子供たちを連れてアメリカに行くことになったとき、日本の英語学習者に有益な情報を持って帰って英語学習の役に立てていただこうと決心し、2人の子供の英語習得過程をつぶさに観察しました。その結果わかったことに基づいて、見てみると、日本の英語…

Honey(蜂蜜)と「歯に〜」

シカゴにいた頃、お昼に、スーパーで、2歳の息子をカートに乗せて買い物をしていたら、知り合いのお母さんに会いました。 息子より1歳くらい年上の勇之介君(仮名)のお母さんでした。 勇之介君はもうプリスクールに行っていました。勇之介君のお母さんと…

正しい英語学習

私は今、オリジナルセブンの2冊目の本を「ライオンと魔女」のお話に決めてよかったと思っています。ナルニア国物語は何か国語にも訳されて、世界中で読まれている名作です。 ということは日本中どこの図書館に行っても大抵おいてある名作だということです。…

ライオンと魔女

年末年始のお休みには、お会いした方々から、たくさん3冊目の本の感想をお聞きしました。 また発音に関する質問もよく受けました。 私が3冊目の本に書いたことは、今まで皆さんが英語学習の常識だと思っていたこととは違うことが多かったからだと思います。…

英語学習3つのポイント

今週は皆さんにお知らせがありますので、先週のブログの続きは来週掲載いたします。私は2010年から3冊の本を出版してきました。 1冊目は「英語発音、日本人でもここまでできます。」発音を習得するための本です。 2冊目は「続・英語発音、日本人でも…

誤った学習法

私は、日本人が英語習得をする場合、「時間がかかってしまうのは、母国語の特徴から仕方のないことです」と書きました。 そして11月26日のブログで次のように書きました。* * *英語を習得した上級者が、「自分は最初から英語だけの環境に入れられても…

発音習得をつかさどるのは耳の力(2)

昨日は中学生は子音が日本語化しますが、「非常に緻密にお手本の発音を真似することができる」と述べました。 先生の教えた通りの口の形をすることだけに一生懸命な小学生の発音とは違うと述べました。 また、中学生は、「文全体をお手本と同じに流れるよう…

英語の早期教育が有効だと錯覚させる2つの誤解(その2)

先週は英語の早期教育が有効だと錯覚させる2つの誤解「その1」について説明致しました。今日は、誤解「その2」について説明いたします。誤解2 ヨーロッパの英語教育に対する誤解日本人が英語を話す場合、非常に難しいことが2つあります。(困難その1)…

英語の早期教育が有効だと錯覚させる2つの誤解(その1)

今日から3回に分けて「英語の早期教育が効果がある」という誤解について説明して行きたいと思います。英語の早期教育が効果があると思っている人は2つの点で、大きな誤解をしています。誤解1 臨界期仮説に対する誤解 誤解2 ヨーロッパの英語教育に対する…

帰国子女に見る世界に通用する英語力の作り方。 テーマは「正確な発音」と「高い英語力」

本日、私の3冊目の本「帰国子女に見る世界に通用する英語力の作り方」が発売されました。 私のホームページには、読者の皆様へのメッセージが掲載されております。世界に通用する英語力は「正確な発音」と「高い英語力」によって出来上がります。 この二つ…

新しい本の詳しい目次と中身が出版社のサイトで見られるようになりました。

本日、瀬谷出版のサイトで「帰国子女に見る世界に通用する英語力の作り方」の詳しい目次と本の中身(一部)が見られるようになりました。 こちらから移動できます. http://www.seya-shuppan.jp/book/31-3.html目次にある2章早期教育をすれば発音はネイティ…

新刊が9月13日に発売されます(Amazonでご予約受付中)

新しい本の表紙ができましたので、ご紹介いたします。 表紙の帯には通じる子音はこうやって発音する! 40年の発音練習、 10年のアメリカ滞在。 そこから生まれた テクニックを初公開! 本書67ページ と書いてあります。 これは何を書いてあるのかと言…

英文読書能力養成プログラム「オリジナルセブン」

今日は新しい本の第5章に書いてあります英文読書能力養成プログラムについてお話しいたします。英語の本を読む話になると大抵の方が「英語の本なんて、あんなつまらないものは読めない」とおっしゃいます。 そう思われるのは学校で、宿題に読まされたサイド…

帰国子女に見る世界に通用する英語力の作り方

3冊目の本の執筆のためブログをお休みさせていただいておりますが、来月の上旬には皆さんに新しい本の紹介ができると思います。題は帰国子女に見る世界に通用する英語力の作り方です。私は1988年から2006年までの18年間に2回、夫の赴任について…

あんたがたどこさ(2) 自分の内的欲求とつながる英語

15日のブログ「あんたがたどこさ(1)」の続きです。それから何年もたって、私は結婚して子供が生まれました。 子供たちは小さい頃ちょっと健康上の問題があったので、私は無農薬の食材を宅配してくれる会社の会員になり、そこから食材を買っていました。…

あんたがたどこさ(1)

大学の時、英会話の授業がありました。 それを担当してくださるアメリカ人の先生の中には、春や秋の気候の良い時期には、中庭の芝生で授業をする先生もいました。あるとき、午後の最初の授業が英会話の授業で、中庭で行われることになっていたので、私たちは…

英語の深さ(2)

14日の続きです。私は以前ブログで、英語で考えるというのは「Dog という言葉を聞いて、日本語で「犬」と思わないで、犬をイメージする」そういうことではない、と書きました。14日のブログを読んでいただけばお分かりのとおり、英語で考えていくことは…