川合典子 ブログ

英語教育、英語学習、発音習得、帰国子女の言語習得について書いています。

中学生の英語を聞く力(3)

昨日は私の姪が、中学時代、一つの文を丸ごと聞いて、発音する練習をしていたという話を書きました。しゃべるときは文章が頭に浮かんでくるので単語を変えてそのまましゃべっていたので、帰国子女と間違えられた。と言う話でした。



中学生が週に一時間くらいネイティブと会話するぐらいではとても聞く量が足りませんので、そういうレッスンを受けさせることは必要ないと思います。(もちろんネイティブと話すことはよい刺激になりますから、そういう機会があるのはいいことですが、費用を考えると、無理してしなくてもいいとおもいます)

私も中学のころ、週に一度、中学生3人でネイティブの先生の会話のレッスンを受けたことはありましたが、そのときは日常練習している自分の英語を使ってみる場として、利用していました。でも、実際は、笑い出すととまらない子がいて、あんまりたくさん、しゃべれませんでした。(2012年1月19日のブログhttp://d.hatena.ne.jp/creato-k/20120119 に書いてあります。)

それよりは自分で把握できるくらいの短い会話文を何度も聞く方がいいとおもいます。 姪がやっていたように教科書のCDがいいと思います。今の教科書は会話文が多いですね。そうすれば、学校の英語もできるようになって、定期試験のときに役に立つでしょう。


文全体を流れるように言うリズムは中学生自身で聞かせて体得させた方が、ずっとよく身につく、と私は思っています。大人が指導して子供に言わせた英語は、リズムが違うと感じることが多いです。娘が英語を身につけていく過程で、周りの英語を聞きながらいくつかの単語をひとかたまりでしゃべっていた英語とはリズムが違う、単語のつなぎ目が違うと感じます。


私も中学一年のときに、テープの教材で勉強しました。なぜそうしたかと言うと、中学生ながら、「英語の発音を日本人の先生に教えろといっても無理だろうから、発音は自分で、音声の教材で勉強しよう」と思ったからでした。中学校の英語の先生はどの先生もとてもよく教えてくださいましたが、発音に関しては自分でそう思ったので、親に頼んでテープの教材を買ってもらったのでした。

40年前では、街で外国人を見ることもほとんどなく、CDも、DVDもインターネットもない時代ですから、公立中学の英語の先生に、ネイティブ並みの発音をしろと言う方が無理だと、誰もがそう思っていたと思います。

現在はそのときより状況はよくなっていると思いますが、私は中学の教科書に、CDを付けて、生徒に配布してくれたら、かなり、みんなの発音はよくなると思っています。 DVDと違ってCDならそんなにコストはかかりません。 そして、家庭学習をそのCDを使って行えば、中学生の発音レベルは、全国的に相当上がるだろうと思っています。私の姪のように興味がある子は、誰にも何にも言われなくても、そのCDを何回も聞くでしょう。そうすると、聞いた音と同じにように発音するのもうまくなっていきます。

大人になってから、ああでもない、こうでもない、と指導するより、最初に英語を聞く中学生に、基本の音の発音の仕方を教えて、後は自分の耳でCDの「文章」を聞いたとおりに言う練習をすれば、それで済む事です。 あとは発音に関しては、何の指導もいりません。 

興味のある子は自分で同じようにしゃべれるよう、追求していきます。 今は、高校や大学で留学することも珍しくはありませんね。そのとき、私が35歳のときシカゴの病院の受付で、突然ネイティブ発音になったような体験(本の中に書いてあります。)をする子も出てくると思います。 

大人は中学生の耳の力に、もっと信頼を持ったほうがいい、と私は思います。 特に文章の発音は先生より上手に聞くことができる子はたくさんいると思います。 二度目にアメリカに赴任したとき、娘は11歳でした。 娘が、周りの英語を聞いて、聞こえたとおりに言おうとしていた英語を聞くと、子供と言うのはつながった英語を真似をするのがうまいなあと思いました。

せっかくそういう力を持っている中学生に演説などで、ぶつぶつ切って言わせてしまわないで、そのまま塊で滑らかに言う力を発揮させた方がいい、と私は思います。日本人には「流れるように滑らかに発音する」ことが難しいです。そこを中学生の耳の力に任せたい気がします。

彼らは大人よりずっと上手にやれると思います。「生徒には聞けない」、と言うことは絶対にありません。大人はもっと彼らの聞く力を信じて、伸ばしてあげたらいいと思います。




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高校入試で子供たちが親の収入によって差別されない為に以下のお知らせを書かせていただきます。

高校入試のスピーキングテストについて(大学入試のスピーキングテストについても同様です)

高校入試のスピーキングテストは本来文部科学省が学校教育で正しい発音を生徒に教えてから行うべきものです。  しかし、文部科学省が教科書にCDもつけず、正しい発音の仕方も学校で教えないまま、高校入試でスピーキングテストを実施する動きが都立高校などで始まっています。 (大学入試でもスピーキングテストが行われようとしています)  これは、スピーキングスキルの習得を塾や予備校、会話学校に丸投げするものです。  学校で教えていないスキルを入試でテストすることはあり得ません。

これでは経済的に余裕のない、塾や会話学校にいけない家庭の子供は誰にも正しい発音を教えてもらえず、練習するCD(音声モデル)も与えられないまま、高校入試でスピーキングテストをされることになり、明らかに親の収入による進路の差別が始まります。(詳しくは2018年3月8日のブログ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」をお読みください。)

皆さんの身近に教育関係者がいらっしゃいましたら、ぜひ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」であることをお伝えください。  (大学入試のスピーキングテストについても同じことです)  
15歳で親の収入のために進路を差別されるのでは子供たちがあまりにもかわいそうです。

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英語教育については、下のブログも併せてご参照ください。  日付をクリックすると移動できます。
2017年10月12日
文部科学省 新中学校学習指導要領 英語 「4技能」は全く効果がない(子供たちが通じる発音でスラスラ話せるようになる学習指導要領の見本付き)





高校英語教育を文部科学省の誤解に基づいた方針から守るため、以下のご案内を書かせていただきます。

現在文部科学省が「グローバル化に対応した英語教育改革」の目玉として掲げているCAN-DO方式は、ヨーロッパの人々にはできますが、日本語を母国語とする人にはできない方式です。

文部科学省は「CAN-DO方式が日本人には不可能な方式である」と気づいておりません。  導入されれば教育現場は大変迷惑します。  中止する必要があります。  なぜCAN-DO方式が不可能なのかはこちらのブログをお読みください。

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何度もお願いをしているのですが、アマゾンのページで私の本のランキングを下げて妨害をしている人がやめてくれないので、(詳細はこちらです)しばらく以下の文章を掲載させていただくことにしました。

「本を出版する人は、他の著者の妨害をしない。  他の著者を妨害する人は自分の本も出版できない。」
出版社におかれましては、このことを出版の際、著者に理解していただいてください。

私のランキングを妨害している人は、たぶん、現実を受け入れられないのでしょう。
アマゾンの順位を1ペ―ジ目から2ページ目に下げられ、数日でまた2ページ目から3ページ目に下げられて、私は、この方の激しい妨害に驚いています。 

「学習者に正しい発音を習得してほしい」というのが自分の目標でしたら、他人を妨害する必要はありませんね。  他人を妨害してまで、何を手に入れたいのでしょうか。  ベストセラーの著者という名声ですか。  それなら、もうアマゾンで、ご自身の本はベストセラーに認定されているのですから、それで十分でしょう。  この上何が欲しくて私を妨害するのでしょうか?  もう英語教育とは関係ないことですか。 私は、とても困っています。  

私は、こちらに書いてある3つのことをするのが、目的です。  日本人が子音の日本語化を知っているか、いないかで、通じる英語で話せるか話せないかが、決まります。  ですから、このことを読者の皆さんに理解していただくのは、とても大事なことなのです。  私の仕事の妨害をしないでください。 

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クマさん、ウサギさん、ブタさん、それぞれが持っている旗に書かれたことの理由は、2017年7月30日のブログをご覧になるとわかります。