川合典子 ブログ

英語教育、英語学習、発音習得、帰国子女の言語習得について書いています。

読者の方からのメール(日本人の英語は通じない)

先週、私は思いがけないメールを読者の方からいただきました。 2011年8月15日のブログに、シャドウイングについて書きました。http://d.hatena.ne.jp/creato-k/20110815このときのシカゴでの通訳のセミナーに自分も参加していたとおっしゃる読者の方でした。

在米18年になられ、発音を含めた英語の向上のために毎日練習を続けられているそうです。昨年ご自身で発声法も習ったことがあり、そのころ私の本を見て、川合メソッドの中で役立つ部分を一部活用させてもらっていますとおっしゃっていました。

アメリカにいると、通じる英語を話すのは、絶対に必要ですので、お役に立てるのは、うれしいと思いました。

ご自身で、仕事において「ネイティブスピーカー以上の水準の英語を使えるようになる」と言う目標を持って現在も練習を続けていらっしゃるとのことでした。

私はこの方の志の高さに感動してしまいました。在米18年で今なお高い目標を持って更なる向上を目指していらっしゃるところがすばらしいと思いました。

「川合先生の本を読んでからは自分の発音を録音して聴くことも始めました。 最近は自分が参加する多国間の電話会議を録音しては、私の発音・発声・リズム・長さなどを研究・反省したりしています。」とメールにお書きになっていらしたので、とてもうれしく思いました。

その方から許可をいただきまして、私とのメールのやり取りの一部をここに掲載させていただきます。 「日本人の英語が通じない」ということについて、アメリカで、その現実を目の当たりにされてきた経験が、日本で英語を学ぶ方々の参考になると思います。

以下、個人情報にかかわる部分を除いてメールを転載させていただきます。この方は名前を言えば誰でも知っている、アメリカの大手企業の社員として働いていらっしゃいます。

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私個人的には、留学やMBAに必要な英語、在日外資系企業で事足りる英語、日本企業の海外駐在に求められる英語などに比べて、アメリカの会社で「普通に」仕事をしていくために必要な英語は、桁違いの水準が求められると実感しています。発音はその中でもとても大きな要素で、川合先生が書かれていた、「通じない日本人の英語」ということは痛いほど同感です。

今から15年ほど前のことになりますが、当時自費でビジネススクールでの勉強をしていました。ある授業で日本人学生3人のチームによるプレゼンテーションがありました。その時に私の隣に座っていたインド人の友人が「彼らが何を話しているのか全く分からない...」と私に小声で話しかけてきたことがありました。(同じ日本人のお前が何で彼らを助けてやらないんだ?とも言われて困りましたが。)

こうした方々もひとたび日本に帰れば「MBA、グローバル人材、英語使い云々」と大手を振って歩いてしまうのが、日本での英語をめぐる環境ではないかと思います。

英語が通じない、相手に聞こえていない、それに加えて、ひとまず「事足りる」レベル、周囲の日本人をごまかせるぐらいのレベルでよしとしてしまう方が、残念ながら大変多いという気がいたします。

ですが、アメリカに暮らしている日本人の方々の中には(全員とはもちろん申し上げませんが)実感でよく分かっている人が、ちゃんといらっしゃるのも確かです。私が通った発音矯正教室に集まる大勢の生徒さん(何度発言してもアメリカ人に聞き返されてしまう...との悩み)、またやはり私が通ったボイストレーニング教室に集まっていらした皆さん(会議やレセプションの場で自分の英語がかき消されてしまう...との苦労)を見れば明らかです。

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日本人の英語は、日本の外では通じません。 母音、子音を正しく発音することはもちろんですが、英語のリズムで話すこと、文章の最初から最後まで、一定した声の強さを保つこと、こういうことをぜひ、自分の発音練習の中に取り入れていただきたいと思います。 「日本人は日本人の英語でいいのだ」と言うのは、日本国内だけのローカルな英語しか使わない人にだけに言えることで、ワールドワイドに通じる英語を身につけたいなら、ネイティブの英語を自分の耳で聞いて、同じリズムで言えるようにすることは不可欠です。

上の例に書いてあったような方々が日本に帰ってきて、通じなかったとはご自分も知らない英語で、「アメリカでMBAをとってきた」と言えば、そういう英語でも通じると、日本人は思ってしまいます。 けれども、実際は、英語が通じていなかったケースがたくさんあるのですね。 2年ほど前、私も、ある大学の留学生のことを良く知る方から、「日本人の話す英語はひどい。」とは、聞いていました。もちろん、面と向かって、学校でそんなことを言う人はいませんから、彼らはそのことは、知らないと思います。

どうぞ、お手本の英語をよく聞いて、文章を英語のリズムでしゃべる練習をしてください。 リズムは、自分で聞いてつかまなければ、同じように再現はできません。 もはや発音記号一つだけや、単語一つで発音練習などしている場合ではないことを、多くの人に気づいていただきたいと思います。

これに関連した内容については14日に書きます。




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高校入試で子供たちが親の収入によって差別されない為に以下のお知らせを書かせていただきます。

高校入試のスピーキングテストについて(大学入試のスピーキングテストについても同様です)

高校入試のスピーキングテストは本来文部科学省が学校教育で正しい発音を生徒に教えてから行うべきものです。  しかし、文部科学省が教科書にCDもつけず、正しい発音の仕方も学校で教えないまま、高校入試でスピーキングテストを実施する動きが都立高校などで始まっています。 (大学入試でもスピーキングテストが行われようとしています)  これは、スピーキングスキルの習得を塾や予備校、会話学校に丸投げするものです。  学校で教えていないスキルを入試でテストすることはあり得ません。

これでは経済的に余裕のない、塾や会話学校にいけない家庭の子供は誰にも正しい発音を教えてもらえず、練習するCD(音声モデル)も与えられないまま、高校入試でスピーキングテストをされることになり、明らかに親の収入による進路の差別が始まります。(詳しくは2018年3月8日のブログ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」をお読みください。)

皆さんの身近に教育関係者がいらっしゃいましたら、ぜひ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」であることをお伝えください。  (大学入試のスピーキングテストについても同じことです)  
15歳で親の収入のために進路を差別されるのでは子供たちがあまりにもかわいそうです。

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英語教育については、下のブログも併せてご参照ください。  日付をクリックすると移動できます。
2017年10月12日
文部科学省 新中学校学習指導要領 英語 「4技能」は全く効果がない(子供たちが通じる発音でスラスラ話せるようになる学習指導要領の見本付き)





高校英語教育を文部科学省の誤解に基づいた方針から守るため、以下のご案内を書かせていただきます。

現在文部科学省が「グローバル化に対応した英語教育改革」の目玉として掲げているCAN-DO方式は、ヨーロッパの人々にはできますが、日本語を母国語とする人にはできない方式です。

文部科学省は「CAN-DO方式が日本人には不可能な方式である」と気づいておりません。  導入されれば教育現場は大変迷惑します。  中止する必要があります。  なぜCAN-DO方式が不可能なのかはこちらのブログをお読みください。

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何度もお願いをしているのですが、アマゾンのページで私の本のランキングを下げて妨害をしている人がやめてくれないので、(詳細はこちらです)しばらく以下の文章を掲載させていただくことにしました。

「本を出版する人は、他の著者の妨害をしない。  他の著者を妨害する人は自分の本も出版できない。」
出版社におかれましては、このことを出版の際、著者に理解していただいてください。

私のランキングを妨害している人は、たぶん、現実を受け入れられないのでしょう。
アマゾンの順位を1ペ―ジ目から2ページ目に下げられ、数日でまた2ページ目から3ページ目に下げられて、私は、この方の激しい妨害に驚いています。 

「学習者に正しい発音を習得してほしい」というのが自分の目標でしたら、他人を妨害する必要はありませんね。  他人を妨害してまで、何を手に入れたいのでしょうか。  ベストセラーの著者という名声ですか。  それなら、もうアマゾンで、ご自身の本はベストセラーに認定されているのですから、それで十分でしょう。  この上何が欲しくて私を妨害するのでしょうか?  もう英語教育とは関係ないことですか。 私は、とても困っています。  

私は、こちらに書いてある3つのことをするのが、目的です。  日本人が子音の日本語化を知っているか、いないかで、通じる英語で話せるか話せないかが、決まります。  ですから、このことを読者の皆さんに理解していただくのは、とても大事なことなのです。  私の仕事の妨害をしないでください。 

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クマさん、ウサギさん、ブタさん、それぞれが持っている旗に書かれたことの理由は、2017年7月30日のブログをご覧になるとわかります。