川合典子 ブログ

英語教育、英語学習、発音習得、帰国子女の言語習得について書いています。

英語のリズムを体得する

日本人の英語が通じない原因は、声が小さかったり、子音が聞こえなかったり、いろいろあると思いますが、「リズムが違う」ことが非常に大きな原因だと私は思っています。 日本人には日本語のリズムで英語をしゃべるのが当たり前になっています。日本人同士の勉強会に行って、すべてを英語でしゃべって、議論していると、日本語のリズムで英語をしゃべることは当たり前で、おかしいとさえ感じなくなっているように見えます。


リズムと言うのは実際にしゃべられた英語を自分の耳で、たくさん聞いていくことから、まず、練習が始まります。

私は、「初心者の方は会話文で練習してください」といつも言っています。
短い会話文を自分でたくさん聞いて言えるようにしていくと、初心者の方でも、「英語のリズムって、こんな感じかな?」と言うのが、少しずつ分かってきます。

それを続けていくと何か短い文を自分で言いたくなったとき、その文の言い方(リズムとイントネーション)が分かってくるようになるのです。

私はこれがとても大事だと思っています。 多数の短い文を練習しながらその中にある「典型的な英語のリズムの原型」を初心者が把握していくこと。これがとても大事だと思っています。

自分の中に言いたいことが浮かんできたとき、誰にも発音を見てもらったことのない文章でも、「この文は、こういうイントネーションとリズムで言うんだな。」と言うことが自分で分かるようになる。これがとても大事だと思っています。

私はこの力を生徒さんの中に育てるのが、発音を教える先生の仕事だと思っています。

生徒が自分で、言いたいことを英語のリズムで言えるようになること、それには生徒に、自分の耳で、リズムを聞いて、自分の体にそのリズムを取り込む練習をしてもらわなければ、この感覚は育てられません。 

発音の先生は、ある課題の英文の発音の仕方を教えるのではなく、「どんな英文も自分で英語の発音とリズムで言えるようになる」そういう力を生徒さんの中に育てるのが仕事だと思っています。 だから私は課題の英文の発音を教えながら、お手本と自分の発音が違うのはどこかを聞く力、一つ一つの音は正しくても、全体として英語に聞こえないのはなぜかを発見する方法(8月のホームページ発音のヒントで取り上げた全体を発音チェックする方法を参照してください。)などを、教えるわけです。

一つの文を正しい発音で言えることを教えるだけでは、生徒さんは、この力を自分の中に育てることはできません。 発音を教えながら、自分で正しく発音していけるようになる力、発音能力を生徒さんの中に育てるのが、発音の先生の仕事だと思っています。 川合メソッドはその力を育てるメソッドです。

日本語とまったく違うリズムで、言葉を言おうと思ったら、自分自身が、「思い出せばその文章が自分の耳の中に聞こえる。」と言うくらい何回も英文を聞いて同じように言う練習を続けてください。自分自身で「そのリズムで言うと、こうなるのだ」と分かる状態に持っていかなければ、実際に英語を話すときには役に立ちません。

日本国内で日本人が話す英語はほとんど日本語のリズムで話された英語です。これを聞いたとき、あなたは、「この英文は本来こういうリズムで話すのが、英語のリズムだ」とその文を英語のリズムに直して、自分で言えますか?

それができるくらい、自分の耳で、たくさん英語を聞いてください。 これをするには、短い会話文が一番良いのです。 最初から最後まで、完結したリズムとイントネーションは、演説や物語では、初心者は把握できません。 

私は演説を練習している学習者の英語を聞くと、英語のリズムを日本語のリズムに「翻訳して」しゃべっている、という感じを受けます。「実際の演説」が日本人の学習者の中に入って微妙に日本語のリズムに似た形で出てくる。そういう気がします。けれども、演説は、速度も比較的遅いですし、一語一語が会話よりはっきり言われますから、そのリズムの違いをうまく分からせなくしてしまいます。 そういう題材で、生徒さんに発音練習させることは、したくありません。 生徒さんに早く英語と日本語のリズムの違いをつかんでほしいからです。最も違いがよくわかる会話の文章で練習してもらいます。


自分が長いあいだ持ってきた「言葉を話すときのリズムの原型」(日本語のリズムの原型)、これとは違う「英語のリズムの原型」を、短い会話文をたくさん聞いて、まず、自分で把握することから、はじめてください。




* * *


====================================


高校入試で子供たちが親の収入によって差別されない為に以下のお知らせを書かせていただきます。

高校入試のスピーキングテストについて(大学入試のスピーキングテストについても同様です)

高校入試のスピーキングテストは本来文部科学省が学校教育で正しい発音を生徒に教えてから行うべきものです。  しかし、文部科学省が教科書にCDもつけず、正しい発音の仕方も学校で教えないまま、高校入試でスピーキングテストを実施する動きが都立高校などで始まっています。 (大学入試でもスピーキングテストが行われようとしています)  これは、スピーキングスキルの習得を塾や予備校、会話学校に丸投げするものです。  学校で教えていないスキルを入試でテストすることはあり得ません。

これでは経済的に余裕のない、塾や会話学校にいけない家庭の子供は誰にも正しい発音を教えてもらえず、練習するCD(音声モデル)も与えられないまま、高校入試でスピーキングテストをされることになり、明らかに親の収入による進路の差別が始まります。(詳しくは2018年3月8日のブログ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」をお読みください。)

皆さんの身近に教育関係者がいらっしゃいましたら、ぜひ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」であることをお伝えください。  (大学入試のスピーキングテストについても同じことです)  
15歳で親の収入のために進路を差別されるのでは子供たちがあまりにもかわいそうです。

====================================

英語教育については、下のブログも併せてご参照ください。  日付をクリックすると移動できます。
2017年10月12日
文部科学省 新中学校学習指導要領 英語 「4技能」は全く効果がない(子供たちが通じる発音でスラスラ話せるようになる学習指導要領の見本付き)




高校英語教育を文部科学省の誤解に基づいた方針から守るため、以下のご案内を書かせていただきます。

現在文部科学省が「グローバル化に対応した英語教育改革」の目玉として掲げているCAN-DO方式は、ヨーロッパの人々にはできますが、日本語を母国語とする人にはできない方式です。

文部科学省は「CAN-DO方式が日本人には不可能な方式である」と気づいておりません。  導入されれば教育現場は大変迷惑します。  中止する必要があります。  なぜCAN-DO方式が不可能なのかはこちらのブログをお読みください。

* * *

何度もお願いをしているのですが、アマゾンのページで私の本のランキングを下げて妨害をしている人がやめてくれないので、(詳細はこちらです)しばらく以下の文章を掲載させていただくことにしました。

「本を出版する人は、他の著者の妨害をしない。  他の著者を妨害する人は自分の本も出版できない。」
出版社におかれましては、このことを出版の際、著者に理解していただいてください。

私のランキングを妨害している人は、たぶん、現実を受け入れられないのでしょう。
アマゾンの順位を1ペ―ジ目から2ページ目に下げられ、数日でまた2ページ目から3ページ目に下げられて、私は、この方の激しい妨害に驚いています。 

「学習者に正しい発音を習得してほしい」というのが自分の目標でしたら、他人を妨害する必要はありませんね。  他人を妨害してまで、何を手に入れたいのでしょうか。  ベストセラーの著者という名声ですか。  それなら、もうアマゾンで、ご自身の本はベストセラーに認定されているのですから、それで十分でしょう。  この上何が欲しくて私を妨害するのでしょうか?  もう英語教育とは関係ないことですか。 私は、とても困っています。  

私は、こちらに書いてある3つのことをするのが、目的です。  日本人が子音の日本語化を知っているか、いないかで、通じる英語で話せるか話せないかが、決まります。  ですから、このことを読者の皆さんに理解していただくのは、とても大事なことなのです。  私の仕事の妨害をしないでください。 

* * *

* * * 


クマさん、ウサギさん、ブタさん、それぞれが持っている旗に書かれたことの理由は、2017年7月30日のブログをご覧になるとわかります。