川合典子 ブログ

英語教育、英語学習、発音習得、帰国子女の言語習得について書いています。

単語の発音が出来れば上手にしゃべれるという思い込み

単語の発音が正しく言えれば、上手にしゃべれる。

そう思っている方はたくさんいらっしゃると思います。

だから、単語の発音をたくさん練習しても上手にしゃべれないと、「まだ練習が足りない」「まだ練習が足りない」と思って、また単語の発音に逆戻りして、発音練習を続けられるのだと思います。

けれども残念ながら
「単語の発音がうまくいえたら、うまくしゃべれる」

これは誤まった思い込みです。  
この思い込みが「単語の発音練習をしても英語が上手にしゃべれない」と言う事実を今までずっと覆い隠してきたのだと思います。 

単語の発音練習だけしても英語が上手にしゃべれないのにはちゃんと理由があります。 3月24日のグログhttp://d.hatena.ne.jp/creato-k/20130324をお読みください。  また、単語だけの発音練習はリズムの練習も出来ません。 リズムが出来ないとなぜ通じないかはこちらの(1)ををお読みください。http://d.hatena.ne.jp/creato-k/20110531

思い込みほど、人を誤まらせるものはないと思います。 私にはこんな経験があるからです。

高校1年のとき球技大会がありました。 バレーボールやバスケットボール、サッカーなどをクラス対抗でおこなう大会です。 

そのスポーツの部活に入っている人は選手として参加してはいけないことになっていましたが、コーチやアドバイザーとしての参加は認められていました。

私はバスケットボールに参加しました。 私のクラスにいたバスケット部のTさんが、私たちのコーチになって、いろいろなアドバイスをしてくれました。

パスは私から明子へ明子から敬子へ、そしてシュートのうまい加奈子に運ぶという作戦が立てられ、このワンパターンをとにかく素早くやって最初はこれが功を奏して、順調に得点していきました。

ところが途中から、ボールの流れをよまれ、相手チームから徹底的にマークされてパスがカットされるようになりました。 私は何とかカットされずに明子にパスをしようと一生懸命あれこれやるのですが、結局カットされて、ボールが相手チームにわたる回数が増えてきました。 パスをする目的は相手チームに邪魔されずにゴール下までボールをすばやく運ぶことなのに、最初の作戦でうまく行った私は、こんなにカットされても「明子にボールを渡しさえすればうまくいく」と思い込んで、反対側に真理子がいても、明子にボールをパスしようとして相手チームにカットされてしまいました。

「もう待てない」とおもったT さんが作戦タイムを取って最初に言ったのが、
「典子たちは、同じ間違いを何度もするのね。 明子へのパスがカットされたら、真理子に渡すとか、それ以外の方法を考えなきゃだめ。 おんなじ間違いを何度もしていてはだめよ。」

そういわれました。  冷静なときは当たり前のことですけれど、私はハッとしました。 その方法でうまく行かなかったら、うまく行く方法に変えなければなりません。 明子にボールを渡しさえすればうまくいくと思い込んでしまった私は、「そのやり方では、もはやうまく行かないのだ」という目の前の事実さえ認識できなくなっていたのでした。

OL時代のブログhttp://d.hatena.ne.jp/creato-k/20110925に書いたころ、私は仕事が思ったように運ばなかったとき、このときのTさんの言葉をよく思い出しました。

「典子たちは同じ間違いを何度もするのね。 うまく行かなかったら違う方法を考えなきゃだめ。」

形は違っても、今回うまくことが運ばなかった原因に何か過去の原因と共通するものがあるだろうか。 私の中に何か思い込みがあって、それに固執して、こうなってしまった点があるだろうか。

それをなるべく客観的に考えるようにしていました。
思い込みと言うのは、本人が、何の疑問も持たずに信じていることですから、間違った思い込みをしていたとしたらとても怖いことです。

単語の発音が出来れば、上手にしゃべれる
これも間違った思い込みです。

ですから単語だけで練習していて、結局良い発音でしゃべれなかったら、また単語の発音練習に戻ってはだめです。  上手にしゃべれなかったのは練習が足りないからではなく、 単語の発音だけ練習しても上手にしゃべる練習にならないからです。


よい発音でしゃべりたかったら、「良い発音でしゃべる練習」、つまり文章で発音練習をすることです。 強弱の英語のリズムに乗せて文の最初から最後まで滑らかに言い切ることです。 そうするとその悪循環から抜け出せます。



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高校入試で子供たちが親の収入によって差別されない為に以下のお知らせを書かせていただきます。

高校入試のスピーキングテストについて(大学入試のスピーキングテストについても同様です)

高校入試のスピーキングテストは本来文部科学省が学校教育で正しい発音を生徒に教えてから行うべきものです。  しかし、文部科学省が教科書にCDもつけず、正しい発音の仕方も学校で教えないまま、高校入試でスピーキングテストを実施する動きが都立高校などで始まっています。 (大学入試でもスピーキングテストが行われようとしています)  これは、スピーキングスキルの習得を塾や予備校、会話学校に丸投げするものです。  学校で教えていないスキルを入試でテストすることはあり得ません。

これでは経済的に余裕のない、塾や会話学校にいけない家庭の子供は誰にも正しい発音を教えてもらえず、練習するCD(音声モデル)も与えられないまま、高校入試でスピーキングテストをされることになり、明らかに親の収入による進路の差別が始まります。(詳しくは2018年3月8日のブログ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」をお読みください。)

皆さんの身近に教育関係者がいらっしゃいましたら、ぜひ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」であることをお伝えください。  (大学入試のスピーキングテストについても同じことです)  
15歳で親の収入のために進路を差別されるのでは子供たちがあまりにもかわいそうです。

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英語教育については、下のブログも併せてご参照ください。  日付をクリックすると移動できます。
2017年10月12日
文部科学省 新中学校学習指導要領 英語 「4技能」は全く効果がない(子供たちが通じる発音でスラスラ話せるようになる学習指導要領の見本付き)




高校英語教育を文部科学省の誤解に基づいた方針から守るため、以下のご案内を書かせていただきます。

現在文部科学省が「グローバル化に対応した英語教育改革」の目玉として掲げているCAN-DO方式は、ヨーロッパの人々にはできますが、日本語を母国語とする人にはできない方式です。

文部科学省は「CAN-DO方式が日本人には不可能な方式である」と気づいておりません。  導入されれば教育現場は大変迷惑します。  中止する必要があります。  なぜCAN-DO方式が不可能なのかはこちらのブログをお読みください。

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何度もお願いをしているのですが、アマゾンのページで私の本のランキングを下げて妨害をしている人がやめてくれないので、(詳細はこちらです)しばらく以下の文章を掲載させていただくことにしました。

「本を出版する人は、他の著者の妨害をしない。  他の著者を妨害する人は自分の本も出版できない。」
出版社におかれましては、このことを出版の際、著者に理解していただいてください。

私のランキングを妨害している人は、たぶん、現実を受け入れられないのでしょう。
アマゾンの順位を1ペ―ジ目から2ページ目に下げられ、数日でまた2ページ目から3ページ目に下げられて、私は、この方の激しい妨害に驚いています。 

「学習者に正しい発音を習得してほしい」というのが自分の目標でしたら、他人を妨害する必要はありませんね。  他人を妨害してまで、何を手に入れたいのでしょうか。  ベストセラーの著者という名声ですか。  それなら、もうアマゾンで、ご自身の本はベストセラーに認定されているのですから、それで十分でしょう。  この上何が欲しくて私を妨害するのでしょうか?  もう英語教育とは関係ないことですか。  私はとても困っています。  

私は、こちらに書いてある3つのことをするのが、目的です。  日本人が子音の日本語化を知っているか、いないかで、通じる英語で話せるか話せないかが、決まります。  ですから、このことを読者の皆さんに理解していただくのは、とても大事なことなのです。  私の仕事の妨害をしないでください。 

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クマさん、ウサギさん、ブタさん、それぞれが持っている旗に書かれたことの理由は、2017年7月30日のブログをご覧になるとわかります。