川合典子 ブログ

英語教育、英語学習、発音習得、帰国子女の言語習得について書いています。

自分で考えること

通じる英語の発音をするには、いろいろなことを練習する必要があります。
基本の音の口の形を覚えるだけではだめですね。

1.英語は文章でしゃべります。  ですから、次々変わる、今までやったこともない口の動きについていけるだけの口の筋肉を文章で発音練習して作っていきます。  

2.タッタッタッタと切れる息の使い方ではなくて、母音を引き伸ばして、音をつなげる息の使い方を身につける必要があります。  そのためには発声の仕方を変えて行きます。  日本語を話す時よりたくさんの息を使えるようにするということは今まで使っていない体の部分を動くようにしていくことです。

そのほかにも音質を変えるために声が共鳴する場所を開けていくとかいろいろなことがありますが、上の1.2.を変えるだけでも、ある程度の期間が必要です。  自分の体を変えるにはある程度の期間が必要なことはだれも異論はないと思います。

世間では「こんなに楽に発音が身につく」、「こんなに短期間に発音が身につく」と言う方法が競って宣伝されていますが、「短期間に」「楽に」と言うことは、自分の体は何も変わらないということだと私は解釈しています。

私の頭の中では

「短期間に」、「楽に」は

「日本語と変わらない口の動きで話している英語」、
「日本語と変わらない息の使い方で話している英語」、
「日本語と変わらない子音で話している英語」
「日本語と変わらないリズムで話している英語」

と言うことと同じだと解釈しています。

ある一定の時間をかけなければ、自分の口の筋肉も息を送る体の動かし方も子音もリズムも何も母国語の言い方から変えることは出来ないと、私は今までの経験から知っています。  短期間でこれを変えるのは無理なんです。

「短期に」「楽に」を競う方法、と言うことは「どれほど日本語と変わらない発音を身に付けるか競っている」私にはそう感じられます。  長く発音を教えていれば、そういうことはすぐにわかります。

日本語と違う発音を習得しようとしたら、一定の時間がかかるのは当たり前なのです。  時間をかけない発音習得は、口をはじめとする体の動きを変えられませんから日本語を話している時と変わらない英語の発音を習得することしかできないのです。  

そういう英語は子音が日本語式にすり替わったままですし、息の使い方も日本語のままですからぶつぶつ切れますし、聞きにくいです。

大体お仕事で英語を使う方はこれから5年、10年と長期にわたって、英語を話していかれる方が多いと思います。  それでしたら、2年くらいはかけても、英語として、十分通じる発音を習得される方が良いのではないかと思います。 

 

私は学習者はよく聞く力があると書きました。  
それと同様に学習者はしっかり考える力も持っていると思います。   

「発音の習得はやったことのない分野だから」と他人が言うことをそのまま信じる必要はありません。  「生徒には音は聞けない」と言われて信じる必要もありませんし、「聞き流すだけで英語が話せる」と言われて信じることもありません。

今までのほかの分野での経験を思い出してそれから類推して考えていく事だってできるのです。  「生徒に音は聞けない」と言われたって、自分は5年生の夏休みまで泳げなかったけど、5年生の夏休みにプールに通って一生懸命練習してクロールができるようになった。  それを考えると、最初は音が良くわからなくても聞く練習をすれば、聞けるようになるのではないか。

とか、

聞き流すだけでしゃべれるようになると言うけれど、一回も口を動かさずに正しい発音でしゃべれるのだろうか。   ピアノは聞いているだけでは弾けるようにはならなかった。  ダンスは見ているだけでは踊れなかった。  実際に何度もステップを間違えながらもやってみて踊れるようになった。  筋肉は実際にやった動きを記憶すると習ったことがある。  やらないで、実際に口が動くのだろうか。  

こうやって、過去の経験や持っている知識を踏まえて、考えていけば初めてのことでも少しずつわかってくることがあります。  初めてでわからない英語発音の分野のことであっても、他人の言葉を鵜呑みにする必要はありません。  自分で考えてその方法の良し悪しを知らないなりにも考えてみることは可能であり、必要なことだと思います。  そして、そうやって実際に考える力も伸ばしていくことができると思います。

聞く力、考える力、判断する力、日々の生活の中で、自分のもっているいろいろな能力を鍛えて伸ばしていってください。

1月24日のブログhttp://d.hatena.ne.jp/creato-k/20130124 の最後に中学の時の歴史の先生のおっしゃったことを書きました。   

明治維新のとき、今まで経験したことのない事態を乗り切らなければならない時代に活躍したのはほとんど下級武士の子供たちだった。  彼らは困った時も、「誰かやって」「どうしたらいいのか教えて」と誰かにやってもらったり、頼ったりできない人たちだった。  どんなに困った時でも自分で考え、自分の力で切り抜けていくしかない人たちだった。  だから、今まで経験したことのない危機の時代に、自分で考えて一番いい道を実現しようと力を尽くすことができたのだよ。   と、教えてくださいました。

英語学習の分野でもそういう力を育てることはできます。  明治維新に比べたら英語発音は話が小さすぎますか?  そんなことはないのですよ。  大きな力も小さな力を育てることから始まります。





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高校入試で子供たちが親の収入によって差別されない為に以下のお知らせを書かせていただきます。

高校入試のスピーキングテストについて(大学入試のスピーキングテストについても同様です)

高校入試のスピーキングテストは本来文部科学省が学校教育で正しい発音を生徒に教えてから行うべきものです。  しかし、文部科学省が教科書にCDもつけず、正しい発音の仕方も学校で教えないまま、高校入試でスピーキングテストを実施する動きが都立高校などで始まっています。 (大学入試でもスピーキングテストが行われようとしています)  これは、スピーキングスキルの習得を塾や予備校、会話学校に丸投げするものです。  学校で教えていないスキルを入試でテストすることはあり得ません。

これでは経済的に余裕のない、塾や会話学校にいけない家庭の子供は誰にも正しい発音を教えてもらえず、練習するCD(音声モデル)も与えられないまま、高校入試でスピーキングテストをされることになり、明らかに親の収入による進路の差別が始まります。(詳しくは2018年3月8日のブログ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」をお読みください。)

皆さんの身近に教育関係者がいらっしゃいましたら、ぜひ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」であることをお伝えください。  (大学入試のスピーキングテストについても同じことです)  
15歳で親の収入のために進路を差別されるのでは子供たちがあまりにもかわいそうです。

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英語教育については、下のブログも併せてご参照ください。  日付をクリックすると移動できます。
2017年10月12日
文部科学省 新中学校学習指導要領 英語 「4技能」は全く効果がない(子供たちが通じる発音でスラスラ話せるようになる学習指導要領の見本付き)



高校英語教育を文部科学省の誤解に基づいた方針から守るため、以下のご案内を書かせていただきます。

現在文部科学省が「グローバル化に対応した英語教育改革」の目玉として掲げているCAN-DO方式は、ヨーロッパの人々にはできますが、日本語を母国語とする人にはできない方式です。

文部科学省は「CAN-DO方式が日本人には不可能な方式である」と気づいておりません。  導入されれば教育現場は大変迷惑します。  中止する必要があります。  なぜCAN-DO方式が不可能なのかはこちらのブログをお読みください。

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何度もお願いをしているのですが、アマゾンのページで私の本のランキングを下げて妨害をしている人がやめてくれないので、(詳細はこちらです)しばらく以下の文章を掲載させていただくことにしました。

「本を出版する人は、他の著者の妨害をしない。  他の著者を妨害する人は自分の本も出版できない。」
出版社におかれましては、このことを出版の際、著者に理解していただいてください。

私のランキングを妨害している人は、たぶん、現実を受け入れられないのでしょう。
アマゾンの順位を1ペ―ジ目から2ページ目に下げられ、数日でまた2ページ目から3ページ目に下げられて、私は、この方の激しい妨害に驚いています。 

「学習者に正しい発音を習得してほしい」というのが自分の目標でしたら、他人を妨害する必要はありませんね。  他人を妨害してまで、何を手に入れたいのでしょうか。  ベストセラーの著者という名声ですか。  それなら、もうアマゾンで、ご自身の本はベストセラーに認定されているのですから、それで十分でしょう。  この上何が欲しくて私を妨害するのでしょうか?  もう英語教育とは関係ないことですか。  私はとても困っています。  

私は、こちらに書いてある3つのことをするのが、目的です。  日本人が子音の日本語化を知っているか、いないかで、通じる英語で話せるか話せないかが、決まります。  ですから、このことを読者の皆さんに理解していただくのは、とても大事なことなのです。  私の仕事の妨害をしないでください。 

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クマさん、ウサギさん、ブタさん、それぞれが持っている旗に書かれたことの理由は、2017年7月30日のブログをご覧になるとわかります。