20日のブログで、私は1年でも、2年でも、基本の発音の注意を生徒さんに言い続けると書きました。 皆さんはそんなに言う必要があるのかと思われたかもしれませんね。 でも実際に必要でした。 この生徒さんの場合はお仕事が忙しくて毎日練習できなかったせいもありますが、
初心者の生徒さんで1年間、基本の音の特徴を言い続けたあと、数週間、問題なく発音できていたので、「もう言わなくて大丈夫かな」と思い、基本の発音の復習をやめて、文章の課題のみのレッスンに切り替えました。
そうしたら、基本の音の特徴が、だんだん明確に聞こえなくなってきました。 「これではだめだ」と判断したので、またそれから一年間私はレッスンの最初に基本の発音の復習を行い、その時に基本の音の特徴を生徒さんに言い続けました。 そうしたら、再び、基本の音の特徴が明確にわかる発音に戻ってきました。
日常生活で話していない言語の発音を定着させると言うのはやはり、大変なことなのだと私も改めて思いました。
6月に、ニューヨークのエステティシャンの学校に行っていた生徒さんが、帰国して、自分で練習した教材の発音チェックをしてくださいと、レッスンに来ました。 録音を聞いてチェックした所、とてもきれいに正しく言えていました。
彼女は英語の美しさにとてもこだわる人です。 ですから正確なだけではなく、美しい英語というものに否が応でも関心が行くので、教材を選ぶ時も美しい英語の教材を選んできますし、普段聞く英語も自然と美しい英語を選んで聞いています。
感性というのは気づかない所でも日々磨かれていきますので、美しい英語と言うことに関心を持つことも大事だと思います。
美しい英語は自然ですね。
無理な発声は聞いている人には耐え難いですから、普段から自然で美しい英語を聞くようにするといいと思います。
「ニューヨークで学校に通っている間、とても上手になったんじゃない?」と私が聞くと、彼女は「学校で、話すときは発音は気にしていられませんでした。 勉強している内容のほうが大変で。。。。」と言っていました。
それでもこの生徒さんはアメリカ人からも、美しい英語だと言われたのでした。(1月9日のブログ「ネイティブも美しいと思う英語」http://d.hatena.ne.jp/creato-k/20130109 を参照してください) 発音のことを注意していなくても発音が乱れずに強弱のリズムに乗せて会話でしゃべれる、そういう状態まで、持っていくことが、本当に役に立つ発音練習だと思います。
この生徒さんは、私の2冊めの本も読んでくれていたようで、次のように言っていました。
「発声練習の前に30秒間舌の付け根を下げる、 30秒間軟口蓋を上げる練習をやってます。 先生、これって、すごく効果があるんですね。 口の形、変わりました。」(41ページに書いてあります)
もちろん効果があります。 私は自分がやってみて、効果のあったことしか生徒さんに言いませんし、本にも書きません。
私は、30秒間舌の付け根を下げることと、軟口蓋を上げることは、音読の練習の前にも行なっています。 皆さんも発声練習が出来ないときは音読の練習の前に30秒間この口の形を固定することをやってみてください。 英語を話すときの口の中の空間が変わり、音質が変わってきます。 お忙しくて音読の練習が毎日できない方は毎朝、駅で電車を待つときに30秒ずつやってみてください。 口の中の空間が変わってきます。
30秒、口の形を固定することなんか何の効果があるんだと思う方もいるかもしれませんが、 これも「雨だれで出来る石のくぼみ」と同じです。 「毎日続けたこと」というのは、その部分を根本から変えるような大きな力を秘めています。
私は、体もあまり丈夫ではありませんし、力もありませんから、少しずつでも続ければ、やがて大きな力を発揮する「少しずつ、毎日」をいろいろなことに応用して、その大きな効果を実感して来ました。 しかも、こうやって長期間やり続けたことは、容易には崩れない効果を残します。
(この生徒さんの場合は長い期間と言うよりも2冊めの本を購入されたのは1月でしたから、6ヶ月で効果を実感していますね)
私は、「小さな練習を、毎日繰り返しやって、1年、2年、と年月がたってくると、それが、他のどんなやり方で、練習したときよりも、上手になる」ということを知った時から、一日一日、発音がどれほど上手になったか、あまり気にならなくなりました。
どのくらい上手になったかを気にするよりも、
「今日の分の練習をする」
そのことだけを考えるようになりました。 そうすると気が楽ですし、その日その日の練習に集中出来ます。 とにかく、
今日の分の練習を集中してすればそれでいいんです。
月日が過ぎると、石に雨だれで、くぼみが出来るように、安定した綺麗な発音が自分の中に定着しています。 川合メソッドはあれだけの簡潔な音の説明ですが、ネイティブ並の発音が習得できる秘密は常にお手本と自分の発音を聞いて直しているところにあります。
「毎日少しずつ、1年、2年という長期にわたって、練習する」
英語の発音に関しては、これにまさる練習の仕方はありません。 そして、こういう練習をしていると、「3ヶ月でぺらぺら」などという方法に飛びつく気は全然起こりません。 そういうやり方で習得した発音がどんな発音か自分の耳で聞くとわかるようになるからです。
「毎日少しずつ、1年、2年と長期にわたって練習して習得した発音」より、良い発音など、どこにもありません。
結局、時間をかけて定着させていない発音と言うのは、しゃべる内容に注意が移ったとたん、日本語の癖が出てきて通じなくなってしまうのですね。 発音は定着するまでやらないと、つまり無意識に発音しても日本語の言い方に代わってしまわないようになるまで練習しないと、使えないのですね。
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高校入試で子供たちが親の収入によって差別されない為に以下のお知らせを書かせていただきます。
高校入試のスピーキングテストについて(大学入試のスピーキングテストについても同様です)
高校入試のスピーキングテストは本来文部科学省が学校教育で正しい発音を生徒に教えてから行うべきものです。 しかし、文部科学省が教科書にCDもつけず、正しい発音の仕方も学校で教えないまま、高校入試でスピーキングテストを実施する動きが都立高校などで始まっています。 (大学入試でもスピーキングテストが行われようとしています) これは、スピーキングスキルの習得を塾や予備校、会話学校に丸投げするものです。 学校で教えていないスキルを入試でテストすることはあり得ません。
これでは経済的に余裕のない、塾や会話学校にいけない家庭の子供は誰にも正しい発音を教えてもらえず、練習するCD(音声モデル)も与えられないまま、高校入試でスピーキングテストをされることになり、明らかに親の収入による進路の差別が始まります。(詳しくは2018年3月8日のブログ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」をお読みください。)
皆さんの身近に教育関係者がいらっしゃいましたら、ぜひ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」であることをお伝えください。 (大学入試のスピーキングテストについても同じことです)
15歳で親の収入のために進路を差別されるのでは子供たちがあまりにもかわいそうです。
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英語教育については、下のブログも併せてご参照ください。 日付をクリックすると移動できます。
2017年10月12日
文部科学省 新中学校学習指導要領 英語 「4技能」は全く効果がない(子供たちが通じる発音でスラスラ話せるようになる学習指導要領の見本付き)
高校英語教育を文部科学省の誤解に基づいた方針から守るため、以下のご案内を書かせていただきます。
現在文部科学省が「グローバル化に対応した英語教育改革」の目玉として掲げているCAN-DO方式は、ヨーロッパの人々にはできますが、日本語を母国語とする人にはできない方式です。
文部科学省は「CAN-DO方式が日本人には不可能な方式である」と気づいておりません。 導入されれば教育現場は大変迷惑します。 中止する必要があります。 なぜCAN-DO方式が不可能なのかはこちらのブログをお読みください。
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何度もお願いをしているのですが、アマゾンのページで私の本のランキングを下げて妨害をしている人がやめてくれないので、(詳細はこちらです)しばらく以下の文章を掲載させていただくことにしました。
「本を出版する人は、他の著者の妨害をしない。 他の著者を妨害する人は自分の本も出版できない。」
出版社におかれましては、このことを出版の際、著者に理解していただいてください。
私のランキングを妨害している人は、たぶん、現実を受け入れられないのでしょう。
アマゾンの順位を1ペ―ジ目から2ページ目に下げられ、数日でまた2ページ目から3ページ目に下げられて、私は、この方の激しい妨害に驚いています。
「学習者に正しい発音を習得してほしい」というのが自分の目標でしたら、他人を妨害する必要はありませんね。 他人を妨害してまで、何を手に入れたいのでしょうか。 ベストセラーの著者という名声ですか。 それなら、もうアマゾンで、ご自身の本はベストセラーに認定されているのですから、それで十分でしょう。 この上何が欲しくて私を妨害するのでしょうか? もう英語教育とは関係ないことですか。 私はとても困っています。
私は、こちらに書いてある3つのことをするのが、目的です。 日本人が子音の日本語化を知っているか、いないかで、通じる英語で話せるか話せないかが、決まります。 ですから、このことを読者の皆さんに理解していただくのは、とても大事なことなのです。 私の仕事の妨害をしないでください。
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クマさん、ウサギさん、ブタさん、それぞれが持っている旗に書かれたことの理由は、2017年7月30日のブログをご覧になるとわかります。