川合典子 ブログ

英語教育、英語学習、発音習得、帰国子女の言語習得について書いています。

チーターズ対浮気捜査官

娘は帰国したばかりのころは日本のテレビ番組が面白いらしくてよく見ていました。特に2時間のサスペンスは、途中まで見ると、もう最後まで見なければいられないようでした。中学3年の2学期といえば高校受験が待っています。そこへ、学校から帰れば、再放送の2時間サスペンス、夜になれば、新しい2時間サスペンス、もう、テレビの誘惑に勉強時間をどう確保するのか私もはらはらしました。

娘がテレビをつけるときは「どうぞ、この時間帯にサスペンスはやっていないように。。。」と祈るような気持ちでしたが、大概、やっていましたね。つけたテレビに船越栄一郎さんとか水谷豊さん(彼は一時間の刑事ものですね)とかが映っていると、「ああ、これは、また。。。。。」という感じでした。

そのころはケーブルテレビで、アメリカで放送された番組も見ていました。私が、見るのはニュースなどですが、娘は私だったら、思いつかないような番組をよく見ていました。アメリカのトップモデルを目指す女の子たちのオーディションをめぐるドラマとか、ファッションチェックの番組とか、それはそれなりに面白いと思いました。

中でも変わっていたのは、リアリティテレビで放送されていた「チーターズ対浮気捜査官」という番組でした。cheat という単語は、騙すという意味で、皆さんはご存知だと思います。 これに on をつけて cheat on (人) という風に使うと、アメリカで、略式で、妻、夫、恋人をだまして、浮気をするという意味があります。

つまり、この番組は、配偶者や恋人の浮気を疑った人の依頼で、浮気捜査官が調査をし(尾行などをして証拠写真を撮ります)、その証拠を元に、浮気現場に配偶者(恋人)とテレビカメラが乗り込むという趣向です。

はじめてみたときは、「中学生の見る番組じゃありません。」とか言っていたのですが、テレビが台所にあったので私もよく一緒に見ました。娘は、「帰国の友達はみんな見てるよ。」といっていました。

アメリカでは結構有名な番組なのか、いつぞやは、公園でデートの浮気現場に乗り込んだテレビカメラに、「チーターズだ。」「チーターズだ。」と、みんなが集まってきたこともありました。

そして最後に乗り込む前には、必ずコマーシャルが入り、「次はconfrontationです。」というナレーションが入りました。娘はそれを聞くと、「ママ、修羅場だよ。」といいました。

あのころ、娘に日本語の語彙はあまりありませんでした。何しろ、駅前のフェスティバルに出かけて、家に電話をかけてきて、「ママ、チンパンジー買っていい?」と聞いてきたくらいですから。私は「チンパンジー!!」と思わず電話口で、大声を出してしまいました。 檻に入ったチンパンジーの様子が目の前に浮かんで、(チンパンジーって何を食べさせればいいのかしら。。。)と思いました。

私が、あまりにも驚いたので、娘は、「お花なの。50円で売ってるの。」とおずおずと言いました。それを聞いて、「三色スミレのことをパンジーって言うんだけど、もしかしてそのこと?」と娘に言ったら、「あっ、そうそう、よくにてるから、間違えちゃった。」といいました。私はようやくパニックから立ち直りました。

なのに、どうして、修羅場などという言葉を知っているのかしら。。。と思いました。  番組は、まさに、ここから、修羅場が始まります。 浮気をした人の配偶者が夫(妻)やその浮気相手を怒鳴るときは放送禁止用語がたくさん入っているのか、テレビの音声はそれを消す「ピー」「ピー」という音が多発します。 まさに修羅場です。



私が初めて、confrontation という言葉を見たのは新聞の国際紛争のニュースの中だったように思います。でも、娘にとって、confrontation という言葉は学校で習うほかに、こういう使い方もあるとしたら、言葉の持つ印象はずいぶん私とは違うだろうなあと思いました。

息子が、物理や化学の中で使っていた言葉も、それだけに使う難しい言葉ではなく、結構日常的に出てくるような言葉を、使っていたので、意外な気がしたことがありました。

同じことが書いてあっても、日本語だと、とても難しい文章だと感じ、英語だと、易しい表現だと感じることがあるのは、こういう言葉の使い方も関係しているのだろうと思いました。


リアリティテレビは日本ではあまり人気がなかったのか、それから半年で、放送がなくなってしまいました。ですから、「チーターズ対浮気捜査官」の番組もなくなってしまいました。




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高校入試で子供たちが親の収入によって差別されない為に以下のお知らせを書かせていただきます。

高校入試のスピーキングテストについて(大学入試のスピーキングテストについても同様です)

高校入試のスピーキングテストは本来文部科学省が学校教育で正しい発音を生徒に教えてから行うべきものです。  しかし、文部科学省が教科書にCDもつけず、正しい発音の仕方も学校で教えないまま、高校入試でスピーキングテストを実施する動きが都立高校などで始まっています。 (大学入試でもスピーキングテストが行われようとしています)  これは、スピーキングスキルの習得を塾や予備校、会話学校に丸投げするものです。  学校で教えていないスキルを入試でテストすることはあり得ません。

これでは経済的に余裕のない、塾や会話学校にいけない家庭の子供は誰にも正しい発音を教えてもらえず、練習するCD(音声モデル)も与えられないまま、高校入試でスピーキングテストをされることになり、明らかに親の収入による進路の差別が始まります。(詳しくは2018年3月8日のブログ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」をお読みください。)

皆さんの身近に教育関係者がいらっしゃいましたら、ぜひ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」であることをお伝えください。  (大学入試のスピーキングテストについても同じことです)  
15歳で親の収入のために進路を差別されるのでは子供たちがあまりにもかわいそうです。

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英語教育については、下のブログも併せてご参照ください。  日付をクリックすると移動できます。
2017年10月12日
文部科学省 新中学校学習指導要領 英語 「4技能」は全く効果がない(子供たちが通じる発音でスラスラ話せるようになる学習指導要領の見本付き)





高校英語教育を文部科学省の誤解に基づいた方針から守るため、以下のご案内を書かせていただきます。

現在文部科学省が「グローバル化に対応した英語教育改革」の目玉として掲げているCAN-DO方式は、ヨーロッパの人々にはできますが、日本語を母国語とする人にはできない方式です。

文部科学省は「CAN-DO方式が日本人には不可能な方式である」と気づいておりません。  導入されれば教育現場は大変迷惑します。  中止する必要があります。  なぜCAN-DO方式が不可能なのかはこちらのブログをお読みください。

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何度もお願いをしているのですが、アマゾンのページで私の本のランキングを下げて妨害をしている人がやめてくれないので、(詳細はこちらです)しばらく以下の文章を掲載させていただくことにしました。

「本を出版する人は、他の著者の妨害をしない。  他の著者を妨害する人は自分の本も出版できない。」
出版社におかれましては、このことを出版の際、著者に理解していただいてください。

私のランキングを妨害している人は、たぶん、現実を受け入れられないのでしょう。
アマゾンの順位を1ペ―ジ目から2ページ目に下げられ、数日でまた2ページ目から3ページ目に下げられて、私は、この方の激しい妨害に驚いています。 

「学習者に正しい発音を習得してほしい」というのが自分の目標でしたら、他人を妨害する必要はありませんね。  他人を妨害してまで、何を手に入れたいのでしょうか。  ベストセラーの著者という名声ですか。  それなら、もうアマゾンで、ご自身の本はベストセラーに認定されているのですから、それで十分でしょう。  この上何が欲しくて私を妨害するのでしょうか?  もう英語教育とは関係ないことですか。 私は、とても困っています。  

私は、こちらに書いてある3つのことをするのが、目的です。  日本人が子音の日本語化を知っているか、いないかで、通じる英語で話せるか話せないかが、決まります。  ですから、このことを読者の皆さんに理解していただくのは、とても大事なことなのです。  私の仕事の妨害をしないでください。 

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クマさん、ウサギさん、ブタさん、それぞれが持っている旗に書かれたことの理由は、2017年7月30日のブログをご覧になるとわかります。