川合典子 ブログ

英語教育、英語学習、発音習得、帰国子女の言語習得について書いています。

初級の発音練習

発音練習は、単語の形で行っても話せるようにはなりません。私もレッスンでは文中に出てくる単語ごとに発音練習をしますが、それはあくまでもウォームアップです。レッスンの中心は文章の形で、最初から最後まで、正しい発音でしゃべる練習です。どんなに初心者の方でもレッスンを始めたその日から、文章で最初から最後まで、正しい発音で言えるように練習します。(まったくの初心者の場合はGood morning. I’m Ann. 程度から始まりますので、生徒さんには問題ないです。)

単語ひとつひとつを正しい発音で言って、それをつなげて文章を言っていると、その後、どんなに練習してもナチュラルスピードで、英語らしく発音することはできません。やさしい文でも、単語がつながった文章は、息が詰まるところがあったり、弱くなって、次の子音と一緒になって発音されるところがあったり、いろいろな場合が出てきます。中学一年生の教科書でもそういう音がでてきます。

このやさしい、短い文章のときから、単語と単語のつなぎ目もよく聞いて、そっくりに言えるように発音してください。 そうすると、ナチュラルスピードの英語になっても、そういうところまでそっくりにいえるようになります。

イントネーションも易しい文章から丸ごと自分で言えるようにしていきましょう。イントネーションは自分の頭の中で勝手に作って言うのは絶対にだめです。
イントネーションは、一番母国語の影響が残るからです。CDでもDVDでもいいですから、実際にモデルがしゃべっているイントネーションを鏡のようにぴったり同じにいえるまで、練習してください。

初級の練習は、短い文章が5,6個集まったものを一単位として練習していくとやりやすいと思います。あまり長い文章は「文の最初から最後まで正しく発音する。」事がとても大変なので、教材としては不適切です。短い文章で、単語と単語のつなぎ目、イントネーションそういうものを自分のできるかぎりでいいですから、丸ごと(最初から最後まで、)そっくりにいえるように練習していきましょう。

文章の発音練習になったときは、テキストを見るのはいいですが、発音記号を見ながら発音するのはやめたほうがいいです。単語の発音練習の場合は発音記号を見ながらしてもいいですが、文章の場合は発音記号を見ながら発音すると、聞こえた音ではなく、「自分がこうだと思っている音」で発音するようになります。そうすると単語と単語のつなぎ目やリズムに乗って話すときに変化する音に気づかなくなります。

単語と単語がつながるときの変化はどんな単語がつながるかによってそのつど違います。ですから、新しい文章に出会うたびにモデルの発音をよく聞いてください。この「よく聞いて自分の口で聞いたとおり音を再生しよう」とする練習が、やがて、ナチュラルスピードの英語も正しく言えるようにしてくれます。

自分の耳を使わない発音練習では、ナチュラルスピードの文章は言えるようにはなりません。(詳しい理由は、本の18ページから、19ページにかけて説明しました。)

実際の音ではなく、自分がこうだと思っている音で発音練習するようになると、自分が話す英語に母国語の影響がでてきます。音、イントネーション、リズム、子音の入り方、母音の長さ、その他あらゆるものに、母国語の影響が出てきます。長年親しんだ母国語の言い方のほうが言いやすいからですね。

母国語の影響は最初は微妙に出ますが、実際の音をよくきかないまま、練習を続けると、かなり発音、イントネーションなどが違っていても本人は気づかなくなります。学生時代、そういう人を何人も見ました。耳でよく聞くことを訓練していないので、本人は気づかないのですね。

初級から、上級までを通して、発音練習は実際の英語の音から離れないでください。実際の音をモデルに自分の発音を録音して比べて練習していれば、違う発音になっていても、必ず、正しい発音に気づかせてくれるときがあります。




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高校入試で子供たちが親の収入によって差別されない為に以下のお知らせを書かせていただきます。

高校入試のスピーキングテストについて(大学入試のスピーキングテストについても同様です)

高校入試のスピーキングテストは本来文部科学省が学校教育で正しい発音を生徒に教えてから行うべきものです。  しかし、文部科学省が教科書にCDもつけず、正しい発音の仕方も学校で教えないまま、高校入試でスピーキングテストを実施する動きが都立高校などで始まっています。 (大学入試でもスピーキングテストが行われようとしています)  これは、スピーキングスキルの習得を塾や予備校、会話学校に丸投げするものです。  学校で教えていないスキルを入試でテストすることはあり得ません。

これでは経済的に余裕のない、塾や会話学校にいけない家庭の子供は誰にも正しい発音を教えてもらえず、練習するCD(音声モデル)も与えられないまま、高校入試でスピーキングテストをされることになり、明らかに親の収入による進路の差別が始まります。(詳しくは2018年3月8日のブログ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」をお読みください。)

皆さんの身近に教育関係者がいらっしゃいましたら、ぜひ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」であることをお伝えください。  (大学入試のスピーキングテストについても同じことです)  
15歳で親の収入のために進路を差別されるのでは子供たちがあまりにもかわいそうです。

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英語教育については、下のブログも併せてご参照ください。  日付をクリックすると移動できます。
2017年10月12日
文部科学省 新中学校学習指導要領 英語 「4技能」は全く効果がない(子供たちが通じる発音でスラスラ話せるようになる学習指導要領の見本付き)





高校英語教育を文部科学省の誤解に基づいた方針から守るため、以下のご案内を書かせていただきます。

現在文部科学省が「グローバル化に対応した英語教育改革」の目玉として掲げているCAN-DO方式は、ヨーロッパの人々にはできますが、日本語を母国語とする人にはできない方式です。

文部科学省は「CAN-DO方式が日本人には不可能な方式である」と気づいておりません。  導入されれば教育現場は大変迷惑します。  中止する必要があります。  なぜCAN-DO方式が不可能なのかはこちらのブログをお読みください。

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何度もお願いをしているのですが、アマゾンのページで私の本のランキングを下げて妨害をしている人がやめてくれないので、(詳細はこちらです)しばらく以下の文章を掲載させていただくことにしました。

「本を出版する人は、他の著者の妨害をしない。  他の著者を妨害する人は自分の本も出版できない。」
出版社におかれましては、このことを出版の際、著者に理解していただいてください。

私のランキングを妨害している人は、たぶん、現実を受け入れられないのでしょう。
アマゾンの順位を1ペ―ジ目から2ページ目に下げられ、数日でまた2ページ目から3ページ目に下げられて、私は、この方の激しい妨害に驚いています。 

「学習者に正しい発音を習得してほしい」というのが自分の目標でしたら、他人を妨害する必要はありませんね。  他人を妨害してまで、何を手に入れたいのでしょうか。  ベストセラーの著者という名声ですか。  それなら、もうアマゾンで、ご自身の本はベストセラーに認定されているのですから、それで十分でしょう。  この上何が欲しくて私を妨害するのでしょうか?  もう英語教育とは関係ないことですか。 私は、とても困っています。  

私は、こちらに書いてある3つのことをするのが、目的です。  日本人が子音の日本語化を知っているか、いないかで、通じる英語で話せるか話せないかが、決まります。  ですから、このことを読者の皆さんに理解していただくのは、とても大事なことなのです。  私の仕事の妨害をしないでください。 

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クマさん、ウサギさん、ブタさん、それぞれが持っている旗に書かれたことの理由は、2017年7月30日のブログをご覧になるとわかります。