川合典子 ブログ

英語教育、英語学習、発音習得、帰国子女の言語習得について書いています。

母国語として英語を学ぶ、外国語として英語を学ぶ。

2度目のアメリカ赴任の間、5年生の娘の宿題は2年間、全部一緒にやりました。高校生(日本の中学3年生)の息子の宿題は化学だけ1年間一緒にやりました。ほかの科目の宿題は5ヶ月目から一人でやらせました。

2人の英語習得過程をよく観察しようと決めていた私には一緒に宿題をやったことはとてもよい経験になりました。

子供達は英語を母国語とする生徒たちと一緒に学んでいました。ですから、外国語として英語を学んだ私と、母国語として英語を学んでいる子供たちとの違いに私はだんだん気づいていきました。

一番、強烈に思ったのは言葉が体に入る深さが違うということでした。

ある日、私は娘のサイエンスの教科書を使って宿題のプリントに答えを記入していました。(一年目は実質的に娘の宿題は全部私がやりました。)そのとき授業では火山の活動や地震の起こるメカニズムの中のtheory of plate tectonicsなどをやっていました。

火山が噴火するメカニズムが書かれたところは、magmaや mantleなどの単語の意味がわかっても、あるいは、Old ocean floor becomes molten rock .などという文章の意味が全部わかっても、いざ、先生のプリントの質問に答えようとすると、教科書で説明されていたように、うまく答えられませんでした。

文章は、ちゃんと読んで理解しているのに、同じ事を違う角度から聞かれて、先生のプリントに書いてある図に記入しながら説明しようとすると、正確にできませんでした。私の理解はとてもあいまいな気がしました。そこで、私はサイエンスの教科書をもう一度読み返しました、

まず、第一のパラグラフで言われたことを教科書の図を見ながら、じぶんの頭の中に描きます。(このとき、教科書が英語なので、言葉は全部英語です。)、次のパラグラフには、そこにどんな変化が起こったか書かれているので、その変化を頭の中の図を動かして描きます。(なかなか頭に定着できないときは自分の手で同じ図を書いてみました。)

そして、第3のパラグラフで言われた変化を、さらに、その頭の中の図に加えます。変化が起こった理由があれば、それも頭に保存します。

この一連の動きをもう一度、英語でやっていきました。(実際には3ページくらいの長さに書かれたことを一連の動きとして頭にいれていきます。)

でも、もう一度ではだめで、2回、3回、とやってようやく、宿題のプリントの先生の質問に答えて、先生の書いた図を使って説明していくことができました。

英語で読んだことをずっと頭の中に保持しているので、すごく疲れました。読んで意味を取って答える、と言うより、「頭の中に教科書で言われたことと同じ事をもう一度、最初から英語で再構築して覚えておく」というような作業だと思いました。

「英語が思考活動と深く結びついて頭の大部分を占めていく」という気がしました。ちょっとショックでした。私はあんなに長く、あんなに一生懸命、日本で英語を勉強してきたのに、こんなに深く思考することと英語を結びつけることがなかったと思いました。その結果、子供たちと比べて、英語が私の体に入る深さはとても浅いと感じました。

その後、私は、少しでも、英語を深く体に入れたいと思って、子供たちのやっていることを参考にして、いろいろなことをやっていきました。そのときのことを元にして、日本にいても、英語を深く体に入れていく方法を私がやったことの一部ですが本の中に書きました。英語を深く体に入れたい人、英語で言われたことを、英語で、自分の中に再構築してみたい人は、やってみてください。




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高校入試で子供たちが親の収入によって差別されない為に以下のお知らせを書かせていただきます。

高校入試のスピーキングテストについて(大学入試のスピーキングテストについても同様です)

高校入試のスピーキングテストは本来文部科学省が学校教育で正しい発音を生徒に教えてから行うべきものです。  しかし、文部科学省が教科書にCDもつけず、正しい発音の仕方も学校で教えないまま、高校入試でスピーキングテストを実施する動きが都立高校などで始まっています。 (大学入試でもスピーキングテストが行われようとしています)  これは、スピーキングスキルの習得を塾や予備校、会話学校に丸投げするものです。  学校で教えていないスキルを入試でテストすることはあり得ません。

これでは経済的に余裕のない、塾や会話学校にいけない家庭の子供は誰にも正しい発音を教えてもらえず、練習するCD(音声モデル)も与えられないまま、高校入試でスピーキングテストをされることになり、明らかに親の収入による進路の差別が始まります。(詳しくは2018年3月8日のブログ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」をお読みください。)

皆さんの身近に教育関係者がいらっしゃいましたら、ぜひ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」であることをお伝えください。  (大学入試のスピーキングテストについても同じことです)  
15歳で親の収入のために進路を差別されるのでは子供たちがあまりにもかわいそうです。

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英語教育については、下のブログも併せてご参照ください。  日付をクリックすると移動できます。
2017年10月12日
文部科学省 新中学校学習指導要領 英語 「4技能」は全く効果がない(子供たちが通じる発音でスラスラ話せるようになる学習指導要領の見本付き)





高校英語教育を文部科学省の誤解に基づいた方針から守るため、以下のご案内を書かせていただきます。

現在文部科学省が「グローバル化に対応した英語教育改革」の目玉として掲げているCAN-DO方式は、ヨーロッパの人々にはできますが、日本語を母国語とする人にはできない方式です。

文部科学省は「CAN-DO方式が日本人には不可能な方式である」と気づいておりません。  導入されれば教育現場は大変迷惑します。  中止する必要があります。  なぜCAN-DO方式が不可能なのかはこちらのブログをお読みください。

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何度もお願いをしているのですが、アマゾンのページで私の本のランキングを下げて妨害をしている人がやめてくれないので、(詳細はこちらです)しばらく以下の文章を掲載させていただくことにしました。

「本を出版する人は、他の著者の妨害をしない。  他の著者を妨害する人は自分の本も出版できない。」
出版社におかれましては、このことを出版の際、著者に理解していただいてください。

私のランキングを妨害している人は、たぶん、現実を受け入れられないのでしょう。
アマゾンの順位を1ペ―ジ目から2ページ目に下げられ、数日でまた2ページ目から3ページ目に下げられて、私は、この方の激しい妨害に驚いています。 

「学習者に正しい発音を習得してほしい」というのが自分の目標でしたら、他人を妨害する必要はありませんね。  他人を妨害してまで、何を手に入れたいのでしょうか。  ベストセラーの著者という名声ですか。  それなら、もうアマゾンで、ご自身の本はベストセラーに認定されているのですから、それで十分でしょう。  この上何が欲しくて私を妨害するのでしょうか?  もう英語教育とは関係ないことですか。 私は、とても困っています。  

私は、こちらに書いてある3つのことをするのが、目的です。  日本人が子音の日本語化を知っているか、いないかで、通じる英語で話せるか話せないかが、決まります。  ですから、このことを読者の皆さんに理解していただくのは、とても大事なことなのです。  私の仕事の妨害をしないでください。 

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クマさん、ウサギさん、ブタさん、それぞれが持っている旗に書かれたことの理由は、2017年7月30日のブログをご覧になるとわかります。