川合典子 ブログ

英語教育、英語学習、発音習得、帰国子女の言語習得について書いています。

赤毛のアン

私は昨年の7月23日からこの映画を教材に発音練習パート2をしています。私のもっているDVDは、Sullivan Entertainment's Anne of Green Gablesです。  DVDは一枚で、サイドAとサイドB(表と裏)で195分です。主演はMegan Followsです。  映画にはAnneという名前の発音がたくさん出てきます。

映画の英語は難しいかも知れませんが、名前ですから、お話を知っている人にはそんなに難しく感じないで、Anneと言う音が聞き取れると思います。

映画に出てくるたくさんの人物が、Anne を発音しています
マリラ、マシュー、ステイシー先生、友人のダイアナ、ギルバート、ジョセフィーンおばさん、いろいろな人がAnneと言いますので、その言い方もいろいろですが、共通しているのはAnne という時の「ア」の発音は舌が前に来ているということです。

赤毛のアン」は学校の図書館にいつも置いてありましたが、私は小学生のころはこの本を読みたいと思わなかったので、読んでいませんでした。以前、息子に本を読ませようと苦戦していた頃のことをブログに書きました。(2011年7月5日のブログ「まったく本を読まない息子に困りました。」)

そのころ、よく図書館に行ったので、そのとき、また「赤毛のアン」が目に留まりました。今回は読んでみました。そうしたら、面白くて、アンのシリーズ8冊を一番最後の「アンの娘リラ」を除いて全部読んでしまいました。

それでも、飽き足らなくて、「赤毛のアンに出会う島」(金の星社)というプリンスエドワード島の写真集を買ってきて、毎日のように見ていました。四季折々のプリンスエドワード島の美しい自然が載っています。それでも飽き足らなくて、「赤毛のアンの宝石箱」(金の星社)という本を買ってきて、これまた毎日のように見ていました。

その中にはアンのお話に出てくる料理、花、小物の作り方などが出ていました。アンの時代はチキンサラダは特に上品で優雅な食べ物と考えられていたようで、私も本を見ながら作ってみました。おいしかったです。

薄いパンで作ったサンドイッチを大きめのクッキー型でハートや三角に抜き取って4つくらい、お茶の時間にお皿に盛ってお客様にすすめるレシピも書いてありました。その絵が素敵だったのでやってみたのですが、実際に作ってみると、切り落としてしまう部分がなんだかもったいなくて、結局いつものように四角と三角に大きくきったサンドイッチにしてしまいました。

小物では、アンのしていたエプロンをもっと簡単におしゃれにしたエプロンの作り方も載っていました。同じ白い布を買ってきて本を見ながら作りました。型どおり、布を切り取って、待ち針でとめてあとは縫うだけ、と言うところまで作ったところで、赴任の辞令が出て、それはそのままになってしまいました。

もしDVDで「赤毛のアン」を見たら、サイドBが始まって12分後にマリラが正装して出かける場面があります。ドアを開けながら「Be a good girl.」とアンにいう場面があります。ちょうど斜め横を向きますので、good の /u/ の発音をするとき、唇を「少し」丸めて「少し」突き出した形(moon の「ウー」ほどは突き出しませんし、小さくは丸めません。)がよく見えます。

少し前に読んだ、アメリカで出版された発音の本には「この母音は力を抜いて発音する」と書いてあったのですが、「日本人は力を抜いたら、この唇の形はできないなあと思いました。少なくとも、丸める形は少し力を入れておかないと維持できないもの。すぐに丸めるのをやめてしまったら、また、母音が短くなってしまうでしょう。」と思いました。映画のマリラもこの口の形を保持しています。

英語ネイティブが当たり前にしていることが、日本語ネイティブには当たり前でないところが発音習得の難しいところですね。
そんなところも、気に留めてみると、参考になります。

発音で参考になった映画と言えば、ちょっと古い映画なのですが1987年の「Wall Street」のせりふを練習していたときにも参考になる場面がありました。48分50秒くらいのところに、ゲッコーの奥さんが「Larry」と呼びかける場面があります。このLの音は、とてもしつこく舌先が上の歯茎についているのがわかります。舌が歯茎をたたくように一瞬ではなく、ある程度の時間、歯茎にからまるようにくっついて発音されていました。 それから次の母音に移ります。次の母音はちょうどAnne の「ア」と同じcat のアですね。

単語の最初のLはこのようにちょっとしつこく発音すると、Lらしい音になります。ただし、Lはいつもこんなに強く発音されるわけではなく、Lがある場所によって、いろいろ音色が変わります。それをいちいち「どこにあったらこういう音色」などと覚える必要はありません。

文の一番後ろに来たときに弱くなるのは当然です。口を前で大きく開ける母音が次に来れば明るい響きになるのは当然です。これを暗く発音することは、やろうと思ってもできません。ですから、聞いてまねをする練習をしていれば、どこの位置にあるLの言い方も自然に習得できます。Lは、「舌先を上の前歯の歯茎に着けて発音する」と覚えていれば、すべてに応用できます。

煩雑にいろいろな規則を覚えるようなことは発音練習ではしないほうがいいです。それより、実際に聞いて、真似して発音することによって身につけましょう。ある音の規則があってそれにしたがって人間がしゃべっているわけではなくて、人間が自然にしゃべっている音を分類してみたら、そういう規則が見つかったというだけのことです。

実際にしゃべった音を聞いてまねしていけば、規則を気にしなくても、正しい発音の仕方になります。その動きを、自分の口に定着させましょう。




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高校入試で子供たちが親の収入によって差別されない為に以下のお知らせを書かせていただきます。

高校入試のスピーキングテストについて(大学入試のスピーキングテストについても同様です)

高校入試のスピーキングテストは本来文部科学省が学校教育で正しい発音を生徒に教えてから行うべきものです。  しかし、文部科学省が教科書にCDもつけず、正しい発音の仕方も学校で教えないまま、高校入試でスピーキングテストを実施する動きが都立高校などで始まっています。 (大学入試でもスピーキングテストが行われようとしています)  これは、スピーキングスキルの習得を塾や予備校、会話学校に丸投げするものです。  学校で教えていないスキルを入試でテストすることはあり得ません。

これでは経済的に余裕のない、塾や会話学校にいけない家庭の子供は誰にも正しい発音を教えてもらえず、練習するCD(音声モデル)も与えられないまま、高校入試でスピーキングテストをされることになり、明らかに親の収入による進路の差別が始まります。(詳しくは2018年3月8日のブログ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」をお読みください。)

皆さんの身近に教育関係者がいらっしゃいましたら、ぜひ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」であることをお伝えください。  (大学入試のスピーキングテストについても同じことです)  
15歳で親の収入のために進路を差別されるのでは子供たちがあまりにもかわいそうです。

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英語教育については、下のブログも併せてご参照ください。  日付をクリックすると移動できます。
2017年10月12日
文部科学省 新中学校学習指導要領 英語 「4技能」は全く効果がない(子供たちが通じる発音でスラスラ話せるようになる学習指導要領の見本付き)





高校英語教育を文部科学省の誤解に基づいた方針から守るため、以下のご案内を書かせていただきます。

現在文部科学省が「グローバル化に対応した英語教育改革」の目玉として掲げているCAN-DO方式は、ヨーロッパの人々にはできますが、日本語を母国語とする人にはできない方式です。

文部科学省は「CAN-DO方式が日本人には不可能な方式である」と気づいておりません。  導入されれば教育現場は大変迷惑します。  中止する必要があります。  なぜCAN-DO方式が不可能なのかはこちらのブログをお読みください。

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何度もお願いをしているのですが、アマゾンのページで私の本のランキングを下げて妨害をしている人がやめてくれないので、(詳細はこちらです)しばらく以下の文章を掲載させていただくことにしました。

「本を出版する人は、他の著者の妨害をしない。  他の著者を妨害する人は自分の本も出版できない。」
出版社におかれましては、このことを出版の際、著者に理解していただいてください。

私のランキングを妨害している人は、たぶん、現実を受け入れられないのでしょう。
アマゾンの順位を1ペ―ジ目から2ページ目に下げられ、数日でまた2ページ目から3ページ目に下げられて、私は、この方の激しい妨害に驚いています。 

「学習者に正しい発音を習得してほしい」というのが自分の目標でしたら、他人を妨害する必要はありませんね。  他人を妨害してまで、何を手に入れたいのでしょうか。  ベストセラーの著者という名声ですか。  それなら、もうアマゾンで、ご自身の本はベストセラーに認定されているのですから、それで十分でしょう。  この上何が欲しくて私を妨害するのでしょうか?  もう英語教育とは関係ないことですか。 私は、とても困っています。  

私は、こちらに書いてある3つのことをするのが、目的です。  日本人が子音の日本語化を知っているか、いないかで、通じる英語で話せるか話せないかが、決まります。  ですから、このことを読者の皆さんに理解していただくのは、とても大事なことなのです。  私の仕事の妨害をしないでください。 

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クマさん、ウサギさん、ブタさん、それぞれが持っている旗に書かれたことの理由は、2017年7月30日のブログをご覧になるとわかります。