川合典子 ブログ

英語教育、英語学習、発音習得、帰国子女の言語習得について書いています。

years old の発音の思い出

中学生になってしばらくたったころ、英会話のレッスンを中学生3人で受けることになりました。先生は、若いアメリカ人の女性でした。

生徒は3人とも中学生なので、あまりたくさん英語で言えることがありませんでした。だから毎週「How old are you?」「I’m thirteen years old.」と言う会話を練習しました。

3人の中学生のうち一人はとても笑い上戸の女の子で、レッスン中に何かおかしいことがあって笑い出すと、もうとまらなくなってしまいました。先生は、なにがおかしいのか不思議がってその子に聞くのですが、その子は説明できなくて、笑うばかりでした。

そうやっているうちにいつも20分くらい時間がたってしまうのでした。(授業は45分間だったと思います。)もう一人の中学生の女の子はとってもまじめな子で、「あの子が来ると授業がつぶれる。」と言って、怒っていました。

私は、当時テープの教材で発音練習していたので、ネイティブの口の動きを見ることがありませんでした。ですから、先生の口の動き方がとても新鮮にみえました。先生が、授業をしていようと、笑っている子に理由を聞いていようと、英語をしゃべっている口の動きにひきつけられて、ずっと先生の口元を見ていました。

I’m thirteen years old. とその先生が言うときの口の形は今でも強烈な印象になって私の頭に残っています。

特にyears の最初の / j / の発音をするときは、唇をぎゅっと横に引いて、下の糸切り歯の下の方まで見えるようにぎゅっと引いて、力を入れて、きしるように / j / と発音していました。

日本語にはない音でしたので、女性がそういう口の形をするのを見るのは初めてでした。女性が唇を横にぎゅっと引っ張った顔はあまり魅力的なものには見えませんでした。

「あの口の形をすると、先生のきれいな顔が台無しになってしまう。」と私は毎週、思いました。でも、先生がそうやって発音するのだから、あれが正しい英語の発音の仕方なんだろうと、私も一生懸命先生と同じように、ぎゅっと力を入れて、唇を左右に引っ張って、きしるように / j / と発音して、years old と言いました。

毎週毎週、「ああ、先生のきれいな顔が台無しになる。」と思いながら、/ j / の音を発音していましたから今でも、/ j / の音を発音すると、先生の口元が頭に浮かびます。

2度目の赴任のとき、萩原先生のところで声楽のレッスンが終わって、雑談をしていたとき、先生が、「うちの子が、日本人はear も year も同じ発音だと言うんだけど、川合さん、この2つの発音の違いわかります?」と聞いたことがありました。

「ああ、中学の時に見た、“先生のきれいな顔が台無しになってしまう発音”のことだな。」とすぐわかりました。中学の英会話のレッスンは、あの子が笑っていつもレッスンの半分はつぶれてしまったけれど、/ j / の発音の仕方だけは、今でも、先生の唇の動きとともに脳裏に焼きついています。




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高校入試で子供たちが親の収入によって差別されない為に以下のお知らせを書かせていただきます。

高校入試のスピーキングテストについて(大学入試のスピーキングテストについても同様です)

高校入試のスピーキングテストは本来文部科学省が学校教育で正しい発音を生徒に教えてから行うべきものです。  しかし、文部科学省が教科書にCDもつけず、正しい発音の仕方も学校で教えないまま、高校入試でスピーキングテストを実施する動きが都立高校などで始まっています。 (大学入試でもスピーキングテストが行われようとしています)  これは、スピーキングスキルの習得を塾や予備校、会話学校に丸投げするものです。  学校で教えていないスキルを入試でテストすることはあり得ません。

これでは経済的に余裕のない、塾や会話学校にいけない家庭の子供は誰にも正しい発音を教えてもらえず、練習するCD(音声モデル)も与えられないまま、高校入試でスピーキングテストをされることになり、明らかに親の収入による進路の差別が始まります。(詳しくは2018年3月8日のブログ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」をお読みください。)

皆さんの身近に教育関係者がいらっしゃいましたら、ぜひ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」であることをお伝えください。  (大学入試のスピーキングテストについても同じことです)  
15歳で親の収入のために進路を差別されるのでは子供たちがあまりにもかわいそうです。

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英語教育については、下のブログも併せてご参照ください。  日付をクリックすると移動できます。
2017年10月12日
文部科学省 新中学校学習指導要領 英語 「4技能」は全く効果がない(子供たちが通じる発音でスラスラ話せるようになる学習指導要領の見本付き)





高校英語教育を文部科学省の誤解に基づいた方針から守るため、以下のご案内を書かせていただきます。

現在文部科学省が「グローバル化に対応した英語教育改革」の目玉として掲げているCAN-DO方式は、ヨーロッパの人々にはできますが、日本語を母国語とする人にはできない方式です。

文部科学省は「CAN-DO方式が日本人には不可能な方式である」と気づいておりません。  導入されれば教育現場は大変迷惑します。  中止する必要があります。  なぜCAN-DO方式が不可能なのかはこちらのブログをお読みください。

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何度もお願いをしているのですが、アマゾンのページで私の本のランキングを下げて妨害をしている人がやめてくれないので、(詳細はこちらです)しばらく以下の文章を掲載させていただくことにしました。

「本を出版する人は、他の著者の妨害をしない。  他の著者を妨害する人は自分の本も出版できない。」
出版社におかれましては、このことを出版の際、著者に理解していただいてください。

私のランキングを妨害している人は、たぶん、現実を受け入れられないのでしょう。
アマゾンの順位を1ペ―ジ目から2ページ目に下げられ、数日でまた2ページ目から3ページ目に下げられて、私は、この方の激しい妨害に驚いています。 

「学習者に正しい発音を習得してほしい」というのが自分の目標でしたら、他人を妨害する必要はありませんね。  他人を妨害してまで、何を手に入れたいのでしょうか。  ベストセラーの著者という名声ですか。  それなら、もうアマゾンで、ご自身の本はベストセラーに認定されているのですから、それで十分でしょう。  この上何が欲しくて私を妨害するのでしょうか?  もう英語教育とは関係ないことですか。 私は、とても困っています。  

私は、こちらに書いてある3つのことをするのが、目的です。  日本人が子音の日本語化を知っているか、いないかで、通じる英語で話せるか話せないかが、決まります。  ですから、このことを読者の皆さんに理解していただくのは、とても大事なことなのです。  私の仕事の妨害をしないでください。 

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クマさん、ウサギさん、ブタさん、それぞれが持っている旗に書かれたことの理由は、2017年7月30日のブログをご覧になるとわかります。