川合典子 ブログ

英語教育、英語学習、発音習得、帰国子女の言語習得について書いています。

玄米に感激していたアメリカ人の先生

娘が3歳になって幼稚園に行き始めたころ、生協で買い物をして買ったものを袋に入れていたら、目の前の掲示板に「アメリカ人女性が英語を教えます。」と書いた紙が貼ってありました。電話して、話してみたところ、まじめそうな先生だったので、月に一回レッスンすることにしました。(現在ではこういう営利目的の広告は生協の掲示板では扱わないそうです。)

先生と勉強したのは英文雑誌「タイム」の特集記事でした。

30歳くらいの若い先生でした。先生は、私と話すことをとても楽しんでくれたようで、レッスンが終わっても次の時間が空いていると、「ノリコ、あなたが忙しくなかったらお話していかない?」とよく言われました。絵画についてや、言葉について、変わった所では先生の恋愛問題について相談に乗ったりしました。

好きな男性が2人いて、まったくタイプの違う人でした。一人は明るくて、幼ななじみだったようで、何でも話せる男性(だけど会っていてあまりときめきがない)。もう一人は、とてもハンサムで、よくわからないミステリアスなところがあって、彼のことを考えると胸がときめくといっていました。「ノリコはどう思う?」と聞かれたので、

「恋愛はわからないけど、結婚するんだったら、わかりやすい男性の方がいいと思う。。。。それでなくても、世の中はわかりにくくて、不条理なことがいっぱい。この上、husbandまでわかりにくかったら奥さんは、大変よ。」と私は答えました。「でも、彼はとてもハンサムなの。」

それで私は「50歳、60歳位になってとても素敵な男性なら、素敵な生き方をしている人だろうなと思うけど、30歳くらいでハンサムって言うのは、親にもらった容姿なのだから、あんまり重きをおいて考えない方がいいように思うけど。。。」と言いました。でも彼女が、「彼はとってもハンサムなのよ。」と言うので、

「それじゃ、もし世界中の男性がみんな彼と同じ顔をしていたら、それでもその人と一緒にいたい?」と私が聞いたら彼女は考え込んでしまいました。

結婚に夢多き乙女を、おばさんがいつも現実に引きもどすような会話が多かったような気がします。この先生はフロリダで心臓病の検査をする機械の技師さんをしていたそうです。

あるとき「ノリコ、玄米って知ってる?」ときかれました。私はそのころ子供たちに健康上の問題があり、少し食べ物のことを勉強していました。それで、毎日玄米を食べていました。(今は家族も食べられるように7分づきのお米と発芽玄米を半々に混ぜて炊いています。)

「知っています。いつも土鍋で炊いて食べています。」と答えると、「私にもcookの仕方を教えてほしいの。」と言われました。それで次のレッスンのとき、土鍋で炊いた玄米3合を土鍋ごと自転車でもって行きました。

土鍋には赤い柿の絵と俳句が書かれていました。それを見た先生は「とてもきれいなcookwareね。」と言うので、「これはcookwareなんだけど、このままお客様にも出せるtablewareにもなるのよ。」と言うと「なるほど。だからこんなにきれいなのね。」と感心していました。

そこで先生に玄米を試食してもらって、炊き方を教えました。「残りは一食分ずつ冷凍しておくと便利よ。」といいました。私はやわらかめに炊くのが好きでしたが、先生は固めが好きだというので、「それなら、もう少し水を少なくして炊けばいいの。」と教えました。

翌月レッスンに行くと、「Noriko, amazing !」と会うなり、先生が言いました。「なにがですか?」と聞くと「私は父に腎臓の病気があったのでその影響が体にあります。いつも朝起きられなくて、やっと起きていたの。なのに玄米を食べ始めたら、朝の6時にひとりでに目が覚めるの。起きるのもつらくないし。すごいわ。」と言いました。

私は以前、2つの小さなお皿の上にたっぷりの水を含ませた脱脂綿を置いてその上に、一つのお皿には玄米を5,6粒まき、もう一つのお皿には白米を5,6、粒まき、台所の流しの前の出窓においておいたことがあります。白米は腐ってしまいましたが、玄米のほうからは芽が出ました。それを子供たちにも見せました。

当時食べ物のことを教えてくださった先生が、「玄米のその力をいただくと思ってください。」と言ったのを思い出して、その話を彼女にしました。彼女も自分の体で体験していたので納得しました。

それからしばらくして彼女はアメリカに帰りました。毎月、毎月この先生とは本当に面白いお話をしました。よく新聞や雑誌の記事を切り抜いて持ってきて、「ノリコ、これを読んで感想を聞かせて。あなたがなんていうか、楽しみにしてたのよ。」と言われました。私は思ったとおり、自由に感想を言いました。

また、私が子供たちといろんなことをやりながら、思ったことや、知ったことを話すと、とても面白そうに聞いていました。「ノリコ、今週は子供たちとなにがあったの?」と、レッスンが始まる前に、よく聞かれました。タイムも勉強しましたけど、レッスンが終わってからしゃべった時間の方が長くて、今思うとお友達とお茶してるみたいな英語のレッスンでした。

この先生は、とても熱心に「ノリコ、アメリカの大学で勉強しなさい。」と勧めてくれました。 でも、当時幼稚園児と小学生の子供を夫に任せて、アメリカの大学に入学するなど、とても出来ることではありませんでした。 だから、「出来ないわ。」と私は答えるのですが、それでもレッスンのたびに、「ノリコ、アメリカの大学に行きなさい」と勧めてくれました。 きっとアメリカでは、子供が小さくても、大学で勉強している女性が、日本より、たくさんいるんだろうな、と思いました。

2023年4月20日加筆 
このアメリカ人の先生の「ハンサムで、胸がときめく」という気持ちを私が理解できなかったのは、きっと私が男性を見るときに「ハンサム」という事にまったく関心がなかったからだと思います。 「OL時代」のブログに出てきた私の上司のNさんは、私が平日も夜遅くまで仕事、休日も仕事で男性とお付き合いもしていなかったので、結婚のことをとても心配して下さったようでした。

Nさんは、よく会社の昼休み直前にお知り合いの方と約束をして、オフィスに来てもらい一緒にランチに出ることがありました。  ある時、私とランチに出た時にNさんが「この前オフィスに来た田中君っていたでしょう? 彼はかっこいいし、スポーツマンだし、部の女の子が騒いでしょうがないそうだ」と言いました。 私は「そんな方、いらっしゃいました?」と答えました。 そうしたらNさんが、「ああ、川合さん、君はだめだね。。。」とがっかりしたように言いました。 「だめだね」と言われても、本当にそんな方は全く記憶にありませんでした。 それ以来、Nさんは私の結婚相手を探そうなどとは全く思わなくなったようでした。

私はハンサムな男の人には関心がなくて真面目な男の人が好きです。 真面目過ぎて女の人とうまく話せないような男の人でも全く気になりません。 この前テレビのインタビューにある経営者の方が出演なさっていました。 もう80歳くらいの時のインタビューでしたけれど、柔和なお顔が「素敵だなあ」と思いました。 「奥様は幸せな方だわ」と思いました。(現役時代、経済誌などでお写真を拝見した時はそんな風には思わなかったのですけれど) 年齢とか、例えば髪の毛が後退しているとかそういう事には、私はあんまり注意が行かないようです。 それで私にはこのアメリカ人の先生の「ハンサムで胸がときめく」という気持ちがちっともわからなかったんだろうな、と思います。


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高校入試で子供たちが親の収入によって差別されない為に以下のお知らせを書かせていただきます。

高校入試のスピーキングテストについて(大学入試のスピーキングテストについても同様です)

高校入試のスピーキングテストは本来文部科学省が学校教育で正しい発音を生徒に教えてから行うべきものです。  しかし、文部科学省が教科書にCDもつけず、正しい発音の仕方も学校で教えないまま、高校入試でスピーキングテストを実施する動きが都立高校などで始まっています。 (大学入試でもスピーキングテストが行われようとしています)  これは、スピーキングスキルの習得を塾や予備校、会話学校に丸投げするものです。  学校で教えていないスキルを入試でテストすることはあり得ません。

これでは経済的に余裕のない、塾や会話学校にいけない家庭の子供は誰にも正しい発音を教えてもらえず、練習するCD(音声モデル)も与えられないまま、高校入試でスピーキングテストをされることになり、明らかに親の収入による進路の差別が始まります。(詳しくは2018年3月8日のブログ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」をお読みください。)

皆さんの身近に教育関係者がいらっしゃいましたら、ぜひ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」であることをお伝えください。  (大学入試のスピーキングテストについても同じことです)  
15歳で親の収入のために進路を差別されるのでは子供たちがあまりにもかわいそうです。

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英語教育については、下のブログも併せてご参照ください。  日付をクリックすると移動できます。
2017年10月12日
文部科学省 新中学校学習指導要領 英語 「4技能」は全く効果がない(子供たちが通じる発音でスラスラ話せるようになる学習指導要領の見本付き)





高校英語教育を文部科学省の誤解に基づいた方針から守るため、以下のご案内を書かせていただきます。

現在文部科学省が「グローバル化に対応した英語教育改革」の目玉として掲げているCAN-DO方式は、ヨーロッパの人々にはできますが、日本語を母国語とする人にはできない方式です。

文部科学省は「CAN-DO方式が日本人には不可能な方式である」と気づいておりません。  導入されれば教育現場は大変迷惑します。  中止する必要があります。  なぜCAN-DO方式が不可能なのかはこちらのブログをお読みください。

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何度もお願いをしているのですが、アマゾンのページで私の本のランキングを下げて妨害をしている人がやめてくれないので、(詳細はこちらです)しばらく以下の文章を掲載させていただくことにしました。

「本を出版する人は、他の著者の妨害をしない。  他の著者を妨害する人は自分の本も出版できない。」
出版社におかれましては、このことを出版の際、著者に理解していただいてください。

私のランキングを妨害している人は、たぶん、現実を受け入れられないのでしょう。
アマゾンの順位を1ペ―ジ目から2ページ目に下げられ、数日でまた2ページ目から3ページ目に下げられて、私は、この方の激しい妨害に驚いています。 

「学習者に正しい発音を習得してほしい」というのが自分の目標でしたら、他人を妨害する必要はありませんね。  他人を妨害してまで、何を手に入れたいのでしょうか。  ベストセラーの著者という名声ですか。  それなら、もうアマゾンで、ご自身の本はベストセラーに認定されているのですから、それで十分でしょう。  この上何が欲しくて私を妨害するのでしょうか?  もう英語教育とは関係ないことですか。 私は、とても困っています。  

私は、こちらに書いてある3つのことをするのが、目的です。  日本人が子音の日本語化を知っているか、いないかで、通じる英語で話せるか話せないかが、決まります。  ですから、このことを読者の皆さんに理解していただくのは、とても大事なことなのです。  私の仕事の妨害をしないでください。 

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クマさん、ウサギさん、ブタさん、それぞれが持っている旗に書かれたことの理由は、2017年7月30日のブログをご覧になるとわかります。