川合典子 ブログ

英語教育、英語学習、発音習得、帰国子女の言語習得について書いています。

OL時代の思い出(1) 「ノリコ、Women が協力すると偉大なことが出来るのよ」

私がたくさんのことを学んだあの小さな会社(2011年9月25日のブログ「OL時代」に書きました。)のマネジメントがほかの外資系の会社のマネジメントに任されることになりました。私たちの新しいマネージャーと、ディレクターになる人が、オフィスに来て、説明を受けました。日本のマネジメントの移行はイギリス本社の決定で行われました。

説明を受けたあと、私はこの会社にいてももうだめだと思いました。この業界のことを何も知らない人たちが、マネジメントを受け持って何をするのだろうと思いました。当時、たくさんの外資系企業が日本に来て、みんな失敗して撤退していました。

30年前、日本のビジネスはまだまだ、人間同士、会社同士の強い結びつきで、動いていました。欧米流に「コストがこれだけ低い、利益がこれだけ上がる。」と説得されても、日本の仕組みを出ようとする企業はほとんどありませんでした。多くの外資系企業が、うまくいかなくて撤退していきました。

そのころ、女性の勉強会を指導してくださっていた先生のところにある多国籍企業の日本の人事の方が見えて「今すぐ英語で仕事のできる女性を探しているのですが、誰かいい人がいませんか。」と先生にお聞きになったそうです。

彼女の秘書から私は電話をもらい、履歴書を送って面接を受け、その会社に採用が決まりました。

次の職場は規模も大きく、完全に秘書の仕事だけやっていればいい職場でした。前の仕事に比べると、ちっともわくわくはしませんでしたが、このときは体の具合があまりよくなかったので、今はこういう仕事でいいと私は思っていました。

そのとき私のグループにいたスタッフは上司も含めて全員アメリカから来た男性でした。しばらくして、独身の若い女性が、私のグループにアメリカからやってきました。(当時、赴任で日本に来るアメリカ人はほとんど男性でしたので、珍しいケースでした。)

彼女が来てしばらくして、事業部長の前で、私のグループの人たちが、全員プレゼンテイションを行う会議がありました。私はスタッフ全員の原稿をもらって、タイプで仕上げました。一番最後に原稿を持ってきたのがこの女性スタッフでした。仮に名前をキャシーさんとしておきます。

私はキャシーの原稿をタイプしながら、「よく準備しているな。」と思いました。ほかのスタッフより、かなりよく考えて、調べて、準備しているのが、原稿からわかりました。

仕上がった資料を彼女が取りに来て、渡すとき、思わず、「あなたのが一番よくできてるわ。」と私は言ってしまいました。キャシーはけげんそうに私を見ました。

当時秘書として雇われていた人は、仕事の内容などに関心を持つことなく、いわれたことだけやっていればいいのでした。私は、前の会社で、いろんなことをやってましたので、資料を見ると、作った人が、何を考えているかよくわかりました。でもそんなことを言っても彼女は理解できないでしょうから、

「私は、全員の資料を、タイプしたの。だから、全員のプレゼンテイションの内容を知っているの。それで、あなたのが一番よくできていると思ったの。」と言いました。

すると彼女はすごくうれしそうな顔をしました。その日は、彼女が日本に来て、初めて、事業部長の前でプレゼンテイションする日だったのです。  (後で聞きましたが、彼女はプレゼンテイションのとき、原稿を持つ手が震えたといっていました。  でも、事業部長からは、良い反応があったようでした。)彼女が少し緊張しているのがわかりましたので、「大丈夫。あなたのがベストだから、自信を持ってプレゼンテイションしてね。」と私は言いました。

彼女はよほどうれしかったのか、(あまり、この場面で関係はないと思いますが、)「ノリコ、WOMENが協力すると、偉大なことができるのよ!」と、私の肩に手を回して、ちょっと笑いながら言いました。(当時、女性の社会進出が始まり、女性同士、協力して、地位を上げて行こうと言うのが流行でした。) 私もにっこり笑って、彼女に答えました。

ドアを出てミーティングルームに向かおうとしていた男性スタッフが、「???」と言う顔をして、私とキャシーを見ていました。「何を2人で盛り上がっているんだろう?」と思ったのでしょうね。

それから、私とキャシーはよく話すようになりました。30年前、まだアメリカでも、女性は男性に比べて仕事の面で平等な扱いを受けることが少なかったのでしょう。キャシーはとても、女性の権利について強く主張する人でした。

それから、2年位して、私は、結婚することになり、相手が海外赴任の可能性があったので、結婚を機に退職することになりました。独立事業部でしたが、私の後にすぐ人を雇えるかどうかが、なかなか決まりませんでした。もし、後任が雇えなかったときは、そのときでも、ぎりぎりの人数でしたので、相当、みんなの負担が増すことになりました。

そのとき、隣のセクションにいた秘書からこんな話を聞きました。(そのころ私は典型的な日本女性だとみんなに思われていました。)

スタッフミーティングで、ノリコがやめた後どうするかと言う話が出て、冗談で誰かが、「ノリコは結婚しなければやめないのだから、結婚生活について、キャシーからノリコにたくさんアドバイスさせればいい。そしたら、ノリコの結婚相手は逃げ出すから。。。」と言ったので、ミーティング中に大笑いになったそうです。

私はそれを聞いて、アメリカ人の女性も大変だなあと思いました。

アメリカでは、日本よりも女性の権利は認められているとそのとき思っていましたが、こういう冗談のねたにされても、がんばる女性がいるから、女性の権利も認められてきたのでしょうね。女性の地位に関しては先進国であるアメリカでも、女性は大変な思いをして、その権利を獲得してきたんだと思いました。

実は、私はニュージャージーに赴任していたとき、スーパーマーケットで買い物中に、偶然このときのスタッフに会いました。奥様も一緒で、15年以上も昔のことなのに、「OOさんのお宅でディナーがあったとき、お会いしましたね。」と私のことを覚えていてくれました。そのあとすぐ、娘の迎えがあったので、ちょっとしか話せませんでしたが、キャシーは、今どうしているか聞けばよかったと後になって思いました。





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高校入試で子供たちが親の収入によって差別されない為に以下のお知らせを書かせていただきます。

高校入試のスピーキングテストについて(大学入試のスピーキングテストについても同様です)

高校入試のスピーキングテストは本来文部科学省が学校教育で正しい発音を生徒に教えてから行うべきものです。  しかし、文部科学省が教科書にCDもつけず、正しい発音の仕方も学校で教えないまま、高校入試でスピーキングテストを実施する動きが都立高校などで始まっています。 (大学入試でもスピーキングテストが行われようとしています)  これは、スピーキングスキルの習得を塾や予備校、会話学校に丸投げするものです。  学校で教えていないスキルを入試でテストすることはあり得ません。

これでは経済的に余裕のない、塾や会話学校にいけない家庭の子供は誰にも正しい発音を教えてもらえず、練習するCD(音声モデル)も与えられないまま、高校入試でスピーキングテストをされることになり、明らかに親の収入による進路の差別が始まります。(詳しくは2018年3月8日のブログ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」をお読みください。)

皆さんの身近に教育関係者がいらっしゃいましたら、ぜひ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」であることをお伝えください。  (大学入試のスピーキングテストについても同じことです)  
15歳で親の収入のために進路を差別されるのでは子供たちがあまりにもかわいそうです。

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英語教育については、下のブログも併せてご参照ください。  日付をクリックすると移動できます。
2017年10月12日
文部科学省 新中学校学習指導要領 英語 「4技能」は全く効果がない(子供たちが通じる発音でスラスラ話せるようになる学習指導要領の見本付き)





高校英語教育を文部科学省の誤解に基づいた方針から守るため、以下のご案内を書かせていただきます。

現在文部科学省が「グローバル化に対応した英語教育改革」の目玉として掲げているCAN-DO方式は、ヨーロッパの人々にはできますが、日本語を母国語とする人にはできない方式です。

文部科学省は「CAN-DO方式が日本人には不可能な方式である」と気づいておりません。  導入されれば教育現場は大変迷惑します。  中止する必要があります。  なぜCAN-DO方式が不可能なのかはこちらのブログをお読みください。

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何度もお願いをしているのですが、アマゾンのページで私の本のランキングを下げて妨害をしている人がやめてくれないので、(詳細はこちらです)しばらく以下の文章を掲載させていただくことにしました。

「本を出版する人は、他の著者の妨害をしない。  他の著者を妨害する人は自分の本も出版できない。」
出版社におかれましては、このことを出版の際、著者に理解していただいてください。

私のランキングを妨害している人は、たぶん、現実を受け入れられないのでしょう。
アマゾンの順位を1ペ―ジ目から2ページ目に下げられ、数日でまた2ページ目から3ページ目に下げられて、私は、この方の激しい妨害に驚いています。 

「学習者に正しい発音を習得してほしい」というのが自分の目標でしたら、他人を妨害する必要はありませんね。  他人を妨害してまで、何を手に入れたいのでしょうか。  ベストセラーの著者という名声ですか。  それなら、もうアマゾンで、ご自身の本はベストセラーに認定されているのですから、それで十分でしょう。  この上何が欲しくて私を妨害するのでしょうか?  もう英語教育とは関係ないことですか。 私は、とても困っています。  

私は、こちらに書いてある3つのことをするのが、目的です。  日本人が子音の日本語化を知っているか、いないかで、通じる英語で話せるか話せないかが、決まります。  ですから、このことを読者の皆さんに理解していただくのは、とても大事なことなのです。  私の仕事の妨害をしないでください。 

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クマさん、ウサギさん、ブタさん、それぞれが持っている旗に書かれたことの理由は、2017年7月30日のブログをご覧になるとわかります。