川合典子 ブログ

英語教育、英語学習、発音習得、帰国子女の言語習得について書いています。

OL時代の思い出(2)毎日電話で催促

ある日、私の上司(仮に名前をベイカーさんとしておきます。)が一枚の書類を持ってきました。すでに彼が英文で書き込んだ承認申請書でした。私のいた部門と一つ上のフロアーにいた部門は外国から来たスタッフがたくさんいましたが、他の部門は日本人だけでしたので、会社の手続きはすべて日本式で行われていました。

イカーさんは私にその書類を渡すと、「この申請書を承認してもらうためにOOさんに送ってほしい。送ったら、毎日OOさんに、“早く承認してください。”と電話してほしい。」と言いました。

私は自分の耳を疑いました。「OOさん」と言うのは私たちの部門全体を統轄するOO専務のことです。

組織上は日本の会社はアメリカの会社の下に位置していましたので、アメリカから来た彼らには、ピンと来ないかもしれませんが、当時その会社には10000人以上の社員がいましたから、こんな下の部門から、毎日、専務室に電話をかけて、承認を催促するなど、考えられないことです。息子流に言えば、「マジかよ!?」と言う感じです。

「本当に毎日電話するんですか?」と私は、ベイカーさんに聞きました。「Yes. Call him everyday. 」と言われました。

アメリカ人はよくアメリカ本社と連絡を取っていましたので、多分これは承認されることがもう決まっていて、あとは手続き上の問題だけなのだと思いましたが、それにしても、「毎日専務室に催促の電話を入れる。」と言うのは、どう考えても、まともなことには思えませんでした。

でも、上司から言われた以上しょうがありませんから、私は申請書をOO専務に送った翌日から、「XXの申請を早く承認してくださるようお願いいたします。」と毎日、OO専務室に電話をかけました。

異例の速さで、4,5日たって、承認がおりました。「ああ、これでもう、電話しなくてよくなったわ。」とほっと胸をなでおろしたのもつかの間、それから2,3日して、OO専務室から全部門に当てて、一枚のレターが送られました。私の部門にも来ました。

書いてあった英文は正確には覚えていませんが、内容は、「最近、承認を催促する電話を毎日、OO専務室にかけてきた担当者がいる。こういう行いは厳に慎まねばならない。」と言うようなことが書いてありました。

私はその手紙を持って、ベイカーさんの部屋に入り、「これは私たちのことですよね。 ベイカーさん?」と言いました。彼は、手紙を読むと、大きな体をゆすって、笑いながら、「Oh, it’s us.」と言いました。

私は苦笑しながら(It’s us. じゃない〜。  ベイカーさんはアメリカに帰っちゃうからいいでしょうけど、私はどうするの〜?)と思いました。専務はお忙しい方でしたから、多分この手紙は専務室のどなたか(多分私の電話を毎日受けていた人)が書かれたんでしょうけど、サインはOO専務がしていましたので、やはりそれなりに重みがあります。

別に私は何もそのあと言われることはありませんでしたが、やはりこれは忘れられない出来事でした。

私が退職するとき、みんながフェアウエルパーティをしてくれました。

そこでみんなが、私とのいろいろな出来事のなかで、面白かったことや印象深かったことなどについてスピーチをしてくれました。最後に私がお礼のスピーチをすることになって、とっさに頭に浮かんだのがこのことでした。

それで私が、「私はこの部門に来たときは、小さな小さな女の子でした。みんなのおかげで、今じゃ、director のオフィスにだって、「早く承認下ろしてちょうだい」と、毎日、電話でpush できるくらい、大きく成長いたしました。」とスピーチを始めたら、みんながどっと笑いました。

いろいろな国から来た人が協力して、仕事をする会社にいると、時々思いもかけない経験をします。専務室に毎日催促の電話をしていた担当者など、私くらいのもんでしょう。



* * *


====================================


高校入試で子供たちが親の収入によって差別されない為に以下のお知らせを書かせていただきます。

高校入試のスピーキングテストについて(大学入試のスピーキングテストについても同様です)

高校入試のスピーキングテストは本来文部科学省が学校教育で正しい発音を生徒に教えてから行うべきものです。  しかし、文部科学省が教科書にCDもつけず、正しい発音の仕方も学校で教えないまま、高校入試でスピーキングテストを実施する動きが都立高校などで始まっています。 (大学入試でもスピーキングテストが行われようとしています)  これは、スピーキングスキルの習得を塾や予備校、会話学校に丸投げするものです。  学校で教えていないスキルを入試でテストすることはあり得ません。

これでは経済的に余裕のない、塾や会話学校にいけない家庭の子供は誰にも正しい発音を教えてもらえず、練習するCD(音声モデル)も与えられないまま、高校入試でスピーキングテストをされることになり、明らかに親の収入による進路の差別が始まります。(詳しくは2018年3月8日のブログ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」をお読みください。)

皆さんの身近に教育関係者がいらっしゃいましたら、ぜひ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」であることをお伝えください。  (大学入試のスピーキングテストについても同じことです)  
15歳で親の収入のために進路を差別されるのでは子供たちがあまりにもかわいそうです。

====================================

英語教育については、下のブログも併せてご参照ください。  日付をクリックすると移動できます。
2017年10月12日
文部科学省 新中学校学習指導要領 英語 「4技能」は全く効果がない(子供たちが通じる発音でスラスラ話せるようになる学習指導要領の見本付き)





高校英語教育を文部科学省の誤解に基づいた方針から守るため、以下のご案内を書かせていただきます。

現在文部科学省が「グローバル化に対応した英語教育改革」の目玉として掲げているCAN-DO方式は、ヨーロッパの人々にはできますが、日本語を母国語とする人にはできない方式です。

文部科学省は「CAN-DO方式が日本人には不可能な方式である」と気づいておりません。  導入されれば教育現場は大変迷惑します。  中止する必要があります。  なぜCAN-DO方式が不可能なのかはこちらのブログをお読みください。

* * *

何度もお願いをしているのですが、アマゾンのページで私の本のランキングを下げて妨害をしている人がやめてくれないので、(詳細はこちらです)しばらく以下の文章を掲載させていただくことにしました。

「本を出版する人は、他の著者の妨害をしない。  他の著者を妨害する人は自分の本も出版できない。」
出版社におかれましては、このことを出版の際、著者に理解していただいてください。

私のランキングを妨害している人は、たぶん、現実を受け入れられないのでしょう。
アマゾンの順位を1ペ―ジ目から2ページ目に下げられ、数日でまた2ページ目から3ページ目に下げられて、私は、この方の激しい妨害に驚いています。 

「学習者に正しい発音を習得してほしい」というのが自分の目標でしたら、他人を妨害する必要はありませんね。  他人を妨害してまで、何を手に入れたいのでしょうか。  ベストセラーの著者という名声ですか。  それなら、もうアマゾンで、ご自身の本はベストセラーに認定されているのですから、それで十分でしょう。  この上何が欲しくて私を妨害するのでしょうか?  もう英語教育とは関係ないことですか。 私は、とても困っています。  

私は、こちらに書いてある3つのことをするのが、目的です。  日本人が子音の日本語化を知っているか、いないかで、通じる英語で話せるか話せないかが、決まります。  ですから、このことを読者の皆さんに理解していただくのは、とても大事なことなのです。  私の仕事の妨害をしないでください。 

* * *

* * * 


クマさん、ウサギさん、ブタさん、それぞれが持っている旗に書かれたことの理由は、2017年7月30日のブログをご覧になるとわかります。