川合典子 ブログ

英語教育、英語学習、発音習得、帰国子女の言語習得について書いています。

リズムの習得

最初にシカゴに赴任した時、息子は1歳半から小学校1年生終了まで6年間、滞在しました。  2回目にニュージャージーに赴任した時、娘は小学校5年生から中学3年生まで滞在しました。  子供たちの英語習得の様子を見ていて思うのは、

子供はリズムを身に付けるのがとても上手だ

ということです。  なぜなら、彼らは「単語の発音を練習して、それをつなげてしゃべる」ということをしないからです。  彼らは文を最初から最後まで耳で聞いて、同じようにしゃべります。  だから、リズムのとらえ方がとても上手です。でも、こういう習得の仕方ですから、最初は短い文しか言えません。  

私が聞いた、娘がしゃべった最初の文は「Stop it.」だったと2冊目の本に書きました。  こういう短い文から言い始めて半年くらいたった時、That’s not bad. というような文も聞いて言えるようになっていました。  文を最初から最後まで耳で聞いて同じに言うのですから、本当にリズムやイントネーションがそっくりに言えました。

日本で、大人が教えた子供の英語はリズムが違う、と感じることが多いです。  たぶん教えた大人が持っているリズムを反映しているのでしょう。  私は子供が生き生きとしたリズムで話すのを何年も聞いていたので、「子供は本当はよく音が聞けるのに、もったいないなあ」といつも思います。

シャドウイングはリズムやイントネーションの習得によいといわれていますけれど、そういうことはありません。  なぜかというとリズムやイントネーションは文を最初から最後まで自分で聞いて把握できるものだからです。  そのつど、そのつど、直前の音を追っていくだけのシャドウイングではリズムやイントネーションは身に付けられません。

リズムは音の強弱、緩急(速い、遅い)
イントネーションは音の高低

をつかんで練習します。 この音の強弱、緩急、高低は、すべて比較の問題です。

OOより強い(弱い)
OOより速い(遅い)
OOより高い(低い)

これらは比較する相手があって初めて決まることです。  相対的な問題です。

相対的な問題というのはひとつの音(あるいは単語、フレーズ)だけ追っていてもわからないことです。  文全体を聞いたうえで、どこが強い、どこが速い、どこが高い、ということが決まります。  そのつど直前の音だけ聞いて真似していくシャドウイングでは、しゃべっている人はリズムやイントネーションは把握できません。

これをわかりやすいように小学校の校庭を例にとって明日、説明しましょう。



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高校入試で子供たちが親の収入によって差別されない為に以下のお知らせを書かせていただきます。

高校入試のスピーキングテストについて(大学入試のスピーキングテストについても同様です)

高校入試のスピーキングテストは本来文部科学省が学校教育で正しい発音を生徒に教えてから行うべきものです。  しかし、文部科学省が教科書にCDもつけず、正しい発音の仕方も学校で教えないまま、高校入試でスピーキングテストを実施する動きが都立高校などで始まっています。 (大学入試でもスピーキングテストが行われようとしています)  これは、スピーキングスキルの習得を塾や予備校、会話学校に丸投げするものです。  学校で教えていないスキルを入試でテストすることはあり得ません。

これでは経済的に余裕のない、塾や会話学校にいけない家庭の子供は誰にも正しい発音を教えてもらえず、練習するCD(音声モデル)も与えられないまま、高校入試でスピーキングテストをされることになり、明らかに親の収入による進路の差別が始まります。(詳しくは2018年3月8日のブログ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」をお読みください。)

皆さんの身近に教育関係者がいらっしゃいましたら、ぜひ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」であることをお伝えください。  (大学入試のスピーキングテストについても同じことです)  
15歳で親の収入のために進路を差別されるのでは子供たちがあまりにもかわいそうです。

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英語教育については、下のブログも併せてご参照ください。  日付をクリックすると移動できます。
2017年10月12日
文部科学省 新中学校学習指導要領 英語 「4技能」は全く効果がない(子供たちが通じる発音でスラスラ話せるようになる学習指導要領の見本付き)




高校英語教育を文部科学省の誤解に基づいた方針から守るため、以下のご案内を書かせていただきます。

現在文部科学省が「グローバル化に対応した英語教育改革」の目玉として掲げているCAN-DO方式は、ヨーロッパの人々にはできますが、日本語を母国語とする人にはできない方式です。

文部科学省は「CAN-DO方式が日本人には不可能な方式である」と気づいておりません。  導入されれば教育現場は大変迷惑します。  中止する必要があります。  なぜCAN-DO方式が不可能なのかはこちらのブログをお読みください。

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何度もお願いをしているのですが、アマゾンのページで私の本のランキングを下げて妨害をしている人がやめてくれないので、(詳細はこちらです)しばらく以下の文章を掲載させていただくことにしました。

「本を出版する人は、他の著者の妨害をしない。  他の著者を妨害する人は自分の本も出版できない。」
出版社におかれましては、このことを出版の際、著者に理解していただいてください。

私のランキングを妨害している人は、たぶん、現実を受け入れられないのでしょう。
アマゾンの順位を1ペ―ジ目から2ページ目に下げられ、数日でまた2ページ目から3ページ目に下げられて、私は、この方の激しい妨害に驚いています。 

「学習者に正しい発音を習得してほしい」というのが自分の目標でしたら、他人を妨害する必要はありませんね。  他人を妨害してまで、何を手に入れたいのでしょうか。  ベストセラーの著者という名声ですか。  それなら、もうアマゾンで、ご自身の本はベストセラーに認定されているのですから、それで十分でしょう。  この上何が欲しくて私を妨害するのでしょうか?  もう英語教育とは関係ないことですか。  私はとても困っています。  

私は、こちらに書いてある3つのことをするのが、目的です。  日本人が子音の日本語化を知っているか、いないかで、通じる英語で話せるか話せないかが、決まります。  ですから、このことを読者の皆さんに理解していただくのは、とても大事なことなのです。  私の仕事の妨害をしないでください。 

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クマさん、ウサギさん、ブタさん、それぞれが持っている旗に書かれたことの理由は、2017年7月30日のブログをご覧になるとわかります。