川合典子 ブログ

英語教育、英語学習、発音習得、帰国子女の言語習得について書いています。

発音記号(1)

読者の方から発音記号についてのご質問をいただきました。

ご質問の部分だけをここに書かせていただきます。

「発音記号ごとの音の出し方はだいぶわかってきたとして、

それぞれの単語の発音記号というがパッと浮かばないので、
正確な発音をする場合は、やはり、ひとつひとつの単語の発音記号を一度調べてから発音するようにしたほうがいいのでしょうか?

要するに言葉・単語と覚えた発音記号とを、どう結び付けていけばいいのかという質問になると思います。

たとえばtalkだとスペルにl(エル)が入るので、スペルをパッと見ただけですと、一瞬、トークの発音の中にl(エル)の口の形も入れなければと思ってしまうのですが、実際には入らないことが発音記号を見るとわかります。

単語を見たときに、スペルから認識して発音するのではなく、発音記号に沿って発音ができるようになるには、単語ひとつずつ発音記号を調べて、発音してみて覚えていくしかないのでしょうか?」

このご質問に対してはすでにメールにて、回答をお送りいたしましたが、川合メソッドと発音記号を使った練習について、よくわからない方もいらっしゃると思いますので、今日はそれについて、解説いたします。

「発音練習」の教材の中にある単語は、発音記号を調べて、基本の音のとおりに発音できるように練習してください。Wの音のように日本語にない音や、Sのように日本語とは違う音の出し方をするものなどがありますので、これがきちんと基本の音と同じ出し方ができるように口をならしてください。口が慣れたら、単語の音声モデルと同じに言えるように練習してください。

こうやって書くと、発音練習に使う単語を全部発音記号を調べるなど、大変でやってられないと思うかもしれませんが、練習が進んでくると、すでに学習した単語が増えてきますので、この状態は最初のころで終わります。安心してください。

発音記号を調べないで、単語も聞いたとおりに言う練習だけではいけないのですか? と言うご質問が出そうですが、川合メソッドでは、まず、発音記号のとおり、単語の練習をしていただきます。。

ホームページ「自分で発音を直していく時のヒント」2月で解説したSの発音のように、日本語にない音は、最初に単語で、基本の発音どおり練習しないと、正しく発音できるようにはなりませんね。

また、Wのように日本語式に「ウ」と言ったほうがやりやすいものは、きちんとできるまで練習しないと、あまり唇を丸めないで言うようになってしまいます。TH、Fなども、摩擦が聞こえるように発音するにはどうしたらよいか、最初は単語一つで、正しい発音で言えるように練習しましょう。英語の音は日本語の音とは違います。今まで出したことのない音を正確に出す練習を単語の発音練習で身につけてください。

単語で言えなければ文章でも言えません。日常、英語を話しているわけではありませんので、一日のうち、どこかで、きちんと英語の基本の音を発音する練習をしておかないと、その音を発音する筋肉が鍛えられません。

また、母音の区別も単語一つの発音練習の段階で、きちんと言えるように練習する必要があります。最初は母音によって口の形を変えることは大変です。今までそんなことはしたことがないのですから。次にどんな口の形をするんだったか一瞬、忘れてしまうこともあります。けれども単語一つの練習でしたら、すぐにできるようになりますので、ここできちんと練習してください。

単語一つで、言えないことは文章でも言えません。ですから、単語の発音練習をするときに、基本の発音でしっかり音が出るように、練習してください。

発音記号を覚えるのができないという方はこうすると、理解できるようになります。川合メソッドでは最初の一ヶ月基本の音を学習しますね。そのとき、「cut, bus」と練習しながら、本の巻末にある「効果的に練習するためのDVD使い方マニュアル」25ページを目の前に広げたまま学習してください。

上から2番目に目印のペンか何かを置いて、それを見ながら「cut, bus」と一ヶ月練習をすると、覚えようとしなくても「cut, bus」と発音すれば、この記号が頭に浮かぶようになります。以下全部同じようにすると、発音記号を覚えようとしなくても、音を聞けばその記号が浮かんでくるようになります。

私は生徒さんによっては一年間または二年間、毎レッスンのはじめにDVDチャプター9,10と同じ練習をウォームアップとして行っています。おそらく生徒さんは「cut, bus」と発音すれば、「暗く、鋭く」と言う私の声が、無意識のうちに、頭をよぎる状態になっていると思います。

ですから皆さんも、時間に余裕のあるとき、DVDチャプター9,10を復習してください。基本の音はとても大事です。日本語にはない音(特に子音はたくさんあります)の発音の仕方を自分の口に慣れさせてください。

単語の練習が終わったら、文章の発音練習に入ります。この続きは明日、書きます。




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高校入試で子供たちが親の収入によって差別されない為に以下のお知らせを書かせていただきます。

高校入試のスピーキングテストについて(大学入試のスピーキングテストについても同様です)

高校入試のスピーキングテストは本来文部科学省が学校教育で正しい発音を生徒に教えてから行うべきものです。  しかし、文部科学省が教科書にCDもつけず、正しい発音の仕方も学校で教えないまま、高校入試でスピーキングテストを実施する動きが都立高校などで始まっています。 (大学入試でもスピーキングテストが行われようとしています)  これは、スピーキングスキルの習得を塾や予備校、会話学校に丸投げするものです。  学校で教えていないスキルを入試でテストすることはあり得ません。

これでは経済的に余裕のない、塾や会話学校にいけない家庭の子供は誰にも正しい発音を教えてもらえず、練習するCD(音声モデル)も与えられないまま、高校入試でスピーキングテストをされることになり、明らかに親の収入による進路の差別が始まります。(詳しくは2018年3月8日のブログ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」をお読みください。)

皆さんの身近に教育関係者がいらっしゃいましたら、ぜひ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」であることをお伝えください。  (大学入試のスピーキングテストについても同じことです)  
15歳で親の収入のために進路を差別されるのでは子供たちがあまりにもかわいそうです。

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英語教育については、下のブログも併せてご参照ください。  日付をクリックすると移動できます。
2017年10月12日
文部科学省 新中学校学習指導要領 英語 「4技能」は全く効果がない(子供たちが通じる発音でスラスラ話せるようになる学習指導要領の見本付き)





高校英語教育を文部科学省の誤解に基づいた方針から守るため、以下のご案内を書かせていただきます。

現在文部科学省が「グローバル化に対応した英語教育改革」の目玉として掲げているCAN-DO方式は、ヨーロッパの人々にはできますが、日本語を母国語とする人にはできない方式です。

文部科学省は「CAN-DO方式が日本人には不可能な方式である」と気づいておりません。  導入されれば教育現場は大変迷惑します。  中止する必要があります。  なぜCAN-DO方式が不可能なのかはこちらのブログをお読みください。

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何度もお願いをしているのですが、アマゾンのページで私の本のランキングを下げて妨害をしている人がやめてくれないので、(詳細はこちらです)しばらく以下の文章を掲載させていただくことにしました。

「本を出版する人は、他の著者の妨害をしない。  他の著者を妨害する人は自分の本も出版できない。」
出版社におかれましては、このことを出版の際、著者に理解していただいてください。

私のランキングを妨害している人は、たぶん、現実を受け入れられないのでしょう。
アマゾンの順位を1ペ―ジ目から2ページ目に下げられ、数日でまた2ページ目から3ページ目に下げられて、私は、この方の激しい妨害に驚いています。 

「学習者に正しい発音を習得してほしい」というのが自分の目標でしたら、他人を妨害する必要はありませんね。  他人を妨害してまで、何を手に入れたいのでしょうか。  ベストセラーの著者という名声ですか。  それなら、もうアマゾンで、ご自身の本はベストセラーに認定されているのですから、それで十分でしょう。  この上何が欲しくて私を妨害するのでしょうか?  もう英語教育とは関係ないことですか。 私は、とても困っています。  

私は、こちらに書いてある3つのことをするのが、目的です。  日本人が子音の日本語化を知っているか、いないかで、通じる英語で話せるか話せないかが、決まります。  ですから、このことを読者の皆さんに理解していただくのは、とても大事なことなのです。  私の仕事の妨害をしないでください。 

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クマさん、ウサギさん、ブタさん、それぞれが持っている旗に書かれたことの理由は、2017年7月30日のブログをご覧になるとわかります。