川合典子 ブログ

英語教育、英語学習、発音習得、帰国子女の言語習得について書いています。

Fの摩擦が聞こえるように発音する。

しゃべる英語のスピードが速くなると、日本人の英語は子音があちこち聞こえなくなります。「ぼろぼろ落ちる」と言う感じがします。子音の口の形を一瞬保持して、息を送らないで次の音に行ってしまうからです。 それで、「子音全部を気をつけて、息を送ってちゃんと音を出してください」と言うと、全部やってくれる生徒さんもいますが、「ええっ!! そんな大変なことをするの!!」と言うのが普通の反応でしょう。

私はFの音だけ、「そばにいる私に摩擦が聞こえるように発音してください」というだけなのですが、一つの音に対して注意深く発音する練習をしていくと生徒さんの注意はだんだんF以外の子音にも広がっていくのです。 TH、Sなどのほかの摩擦音も、摩擦が聞こえるよう注意深く発音するようになります。(皆さんの場合は、私がそばで聞けませんので、録音して自分で摩擦の音を聞いてくださいね。 私の生徒さんも家では自分で録音して自分でチェックしています。)

全部の摩擦音を摩擦が聞こえるように発音してくださいというと、それは生徒さんにとって、とても大変になるのですが、 Fだけ気をつけるようにしてもらっていると、だんだん、生徒さんの注意深さがほかの摩擦音にも向けられていきます。「Fだけ」と言う生徒さんの負担にならない注意で、ほかの音もよくなっていくなら、これほどいいことはないと思います。

小石を投げ込まれた池にできる、同心円のさざなみのように、生徒さんの注意深さが、少しずつ広がっていくようだと感じます。長い期間にわたって、いつも注意して発音していると、自然に発音してもそれができるようになります。しかも、とても滑らかにできるようになります。

短期間で習得するのが、なんでも流行ですけれど、筋肉の動きの滑らかさだけは時間をかけて練習してきた人にはかなわないです。無駄のない滑らかな動きができます。

THの発音は、発するたびに5秒くらい、準備にかかる生徒さんもいましたから「いつも私にTHの摩擦が聞こえるように発音してください」と最初から指導するのは生徒さんの負担が大きすぎますね。 Fだとそういう生徒さんでも、家で一人で練習しても、摩擦が聞こえるように練習してこられました。 ですからFから練習するほうが、適切な指導だと私は思います。  私の前でいつもFの摩擦が出せると、生徒さんは練習をやった満足感が感じられるようでした。 Fは初級の方にはちょうど良い、難易度の目標だったと思います。

皆さんも、これからは発音練習をするとき、Fの音の摩擦が聞こえるように注意して練習してください。時がたつと、ほかの摩擦音にも注意が向いていくようになります。

* * * 発音練習のヒント * * *

一定の期間にわたって気をつけてきたことと言うのは、何も考えなくて発音しても確実に身についています。 何ヶ月間かは腰を落ち着けて練習しましょう。 上手になりたいという気持ちを持って練習するのはとてもいいことですが、「早く習得したい。」と思って練習するのは、あまり効果は出なくなります。なぜなら、「早く習得したい」と思っていると、気がせいていますので、耳は今まで聞こえなかった音を聞くことがありません。そうだと思い込んだ音以外は聞こえません。 その結果、発音は変わりません。
何ヶ月間かは腰を落ち着けて練習しましょう。




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高校入試で子供たちが親の収入によって差別されない為に以下のお知らせを書かせていただきます。

高校入試のスピーキングテストについて(大学入試のスピーキングテストについても同様です)

高校入試のスピーキングテストは本来文部科学省が学校教育で正しい発音を生徒に教えてから行うべきものです。  しかし、文部科学省が教科書にCDもつけず、正しい発音の仕方も学校で教えないまま、高校入試でスピーキングテストを実施する動きが都立高校などで始まっています。 (大学入試でもスピーキングテストが行われようとしています)  これは、スピーキングスキルの習得を塾や予備校、会話学校に丸投げするものです。  学校で教えていないスキルを入試でテストすることはあり得ません。

これでは経済的に余裕のない、塾や会話学校にいけない家庭の子供は誰にも正しい発音を教えてもらえず、練習するCD(音声モデル)も与えられないまま、高校入試でスピーキングテストをされることになり、明らかに親の収入による進路の差別が始まります。(詳しくは2018年3月8日のブログ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」をお読みください。)

皆さんの身近に教育関係者がいらっしゃいましたら、ぜひ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」であることをお伝えください。  (大学入試のスピーキングテストについても同じことです)  
15歳で親の収入のために進路を差別されるのでは子供たちがあまりにもかわいそうです。

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英語教育については、下のブログも併せてご参照ください。  日付をクリックすると移動できます。
2017年10月12日
文部科学省 新中学校学習指導要領 英語 「4技能」は全く効果がない(子供たちが通じる発音でスラスラ話せるようになる学習指導要領の見本付き)




高校英語教育を文部科学省の誤解に基づいた方針から守るため、以下のご案内を書かせていただきます。

現在文部科学省が「グローバル化に対応した英語教育改革」の目玉として掲げているCAN-DO方式は、ヨーロッパの人々にはできますが、日本語を母国語とする人にはできない方式です。

文部科学省は「CAN-DO方式が日本人には不可能な方式である」と気づいておりません。  導入されれば教育現場は大変迷惑します。  中止する必要があります。  なぜCAN-DO方式が不可能なのかはこちらのブログをお読みください。

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何度もお願いをしているのですが、アマゾンのページで私の本のランキングを下げて妨害をしている人がやめてくれないので、(詳細はこちらです)しばらく以下の文章を掲載させていただくことにしました。

「本を出版する人は、他の著者の妨害をしない。  他の著者を妨害する人は自分の本も出版できない。」
出版社におかれましては、このことを出版の際、著者に理解していただいてください。

私のランキングを妨害している人は、たぶん、現実を受け入れられないのでしょう。
アマゾンの順位を1ペ―ジ目から2ページ目に下げられ、数日でまた2ページ目から3ページ目に下げられて、私は、この方の激しい妨害に驚いています。 

「学習者に正しい発音を習得してほしい」というのが自分の目標でしたら、他人を妨害する必要はありませんね。  他人を妨害してまで、何を手に入れたいのでしょうか。  ベストセラーの著者という名声ですか。  それなら、もうアマゾンで、ご自身の本はベストセラーに認定されているのですから、それで十分でしょう。  この上何が欲しくて私を妨害するのでしょうか?  もう英語教育とは関係ないことですか。 私は、とても困っています。  

私は、こちらに書いてある3つのことをするのが、目的です。  日本人が子音の日本語化を知っているか、いないかで、通じる英語で話せるか話せないかが、決まります。  ですから、このことを読者の皆さんに理解していただくのは、とても大事なことなのです。  私の仕事の妨害をしないでください。 

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クマさん、ウサギさん、ブタさん、それぞれが持っている旗に書かれたことの理由は、2017年7月30日のブログをご覧になるとわかります。