川合典子 ブログ

英語教育、英語学習、発音習得、帰国子女の言語習得について書いています。

「口の形を習うこと」と「ネイティブのようにしゃべること」との間を埋める練習(2)

先回、「基本の音の口の形を習うこと」と「ネイティブと同じようにしゃべること」との間にあるステップを一つ一つ練習して埋めていってくださいと書きました。

発音を一生懸命練習しても、通じなくて、また、新しい発音の本を手に、発音を学びます。それでも通じなくて、また新しい発音の教材で発音を学びます。そうやって何年も一生懸命発音を学ぶ人たちがたくさん、いらしたのだと思います。

でもなぜそんなに練習しても日本人の英語が通じないままなのかと言えば、練習する「内容」が違っていたからだと思います。

下の図は基本の音の発音練習から、文章の発音練習までの練習ステップを書き表した図です。

0は発音練習を開始した時点です。
1は発音記号ごとの基本の発音を習得した時点です。
2は単語の発音を習得した時点です。
3は文章の発音を習得した時点です。
===== がそれぞれの練習期間です。


 基本の発音練習 単語の発音練習     文章の発音練習
0=======1=======2================3



今までの日本人は0から1への練習はたくさんやってきました。
1から2への練習もたくさんやってきました。
でも、2から3への練習はほとんどやらずに「文章の発音」をしていたのです。
それでは通じる発音ではしゃべれません。

日本人の英語を分かりにくくする日本語の癖が出てくるのは2以降の「文章の発音」になったときなのです。
音や単語でなく、「話し始めると母国語の癖が出てくる」のです。

話し始めると(文章になると)

単語の最初の子音が聞こえない。
リズムが日本語と同じになって英語には聞こえない。
文章がぶつぶつ切れる

など、日本語の影響が出てくるのは2以降の段階なのです。
ですから、2から3への練習をしないと、通じる発音は身につけられません。
それには文章をしゃべったときの自分の発音をモデルと比べて聞いてください。 両者が違って聞こえるところは、どのようにしたら同じに聞こえるか、考えて直してみてください。

そういう練習をしていくと少しずつ、通じる発音を身につけるための道筋が自分で見えてきます。他人からアドバイスをもらっても最終的に、自分で聞いて自覚しないと日本語の癖は直せません。母国語の癖は空気のように当たり前に自分の言い方に染み付いていますから、自分が自覚しないと、直せないのです。

自分で自分の発音を聞いてモデルと比べてください。
自分の発音のどこが違うのか、自分で「気づく」事が一番大事です。
私の中学時代の発音練習は90%以上が上の図の2以降の練習でした。
現在の練習はほぼ100%が2以降の練習です。
2以降の練習をしないで、英語を通じるようにしゃべることは不可能です。

次回に続きます。



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高校入試で子供たちが親の収入によって差別されない為に以下のお知らせを書かせていただきます。

高校入試のスピーキングテストについて(大学入試のスピーキングテストについても同様です)

高校入試のスピーキングテストは本来文部科学省が学校教育で正しい発音を生徒に教えてから行うべきものです。  しかし、文部科学省が教科書にCDもつけず、正しい発音の仕方も学校で教えないまま、高校入試でスピーキングテストを実施する動きが都立高校などで始まっています。 (大学入試でもスピーキングテストが行われようとしています)  これは、スピーキングスキルの習得を塾や予備校、会話学校に丸投げするものです。  学校で教えていないスキルを入試でテストすることはあり得ません。

これでは経済的に余裕のない、塾や会話学校にいけない家庭の子供は誰にも正しい発音を教えてもらえず、練習するCD(音声モデル)も与えられないまま、高校入試でスピーキングテストをされることになり、明らかに親の収入による進路の差別が始まります。(詳しくは2018年3月8日のブログ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」をお読みください。)

皆さんの身近に教育関係者がいらっしゃいましたら、ぜひ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」であることをお伝えください。  (大学入試のスピーキングテストについても同じことです)  
15歳で親の収入のために進路を差別されるのでは子供たちがあまりにもかわいそうです。

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英語教育については、下のブログも併せてご参照ください。  日付をクリックすると移動できます。
2017年10月12日
文部科学省 新中学校学習指導要領 英語 「4技能」は全く効果がない(子供たちが通じる発音でスラスラ話せるようになる学習指導要領の見本付き)




何度もお願いをしているのですが、アマゾンのページで私の本のランキングを下げて妨害をしている人がやめてくれないので、(詳細はこちらです)しばらく以下の文章を掲載させていただくことにしました。

「本を出版する人は、他の著者の妨害をしない。  他の著者を妨害する人は自分の本も出版できない。」
出版社におかれましては、このことを出版の際、著者に理解していただいてください。

私のランキングを妨害している人は、たぶん、現実を受け入れられないのでしょう。
アマゾンの順位を1ペ―ジ目から2ページ目に下げられ、数日でまた2ページ目から3ページ目に下げられて、私は、この方の激しい妨害に驚いています。 

「学習者に正しい発音を習得してほしい」というのが自分の目標でしたら、他人を妨害する必要はありませんね。  他人を妨害してまで、何を手に入れたいのでしょうか。  ベストセラーの著者という名声ですか。  それなら、もうアマゾンで、ご自身の本はベストセラーに認定されているのですから、それで十分でしょう。  この上何が欲しくて私を妨害するのでしょうか?  もう英語教育とは関係ないことですか。  私はとても困っています。  

私は、こちらに書いてある3つのことをするのが、目的です。  日本人が子音の日本語化を知っているか、いないかで、通じる英語で話せるか話せないかが、決まります。  ですから、このことを読者の皆さんに理解していただくのは、とても大事なことなのです。  私の仕事の妨害をしないでください。 

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クマさん、ウサギさん、ブタさん、それぞれが持っている旗に書かれたことの理由は、2017年7月30日のブログをご覧になるとわかります。