川合典子 ブログ

英語教育、英語学習、発音習得、帰国子女の言語習得について書いています。

「口の形を習うこと」と「ネイティブのようにしゃべること」との間を埋める練習(3)

先回は下の図を使って、今まで日本人がやってこなかった2から3への練習をしてくださいとお話しました。

 基本の発音練習 単語の発音練習     文章の発音練習
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実際に2以降で文章の発音練習をするときには、普通の会話文を使っておこなってください。会話文は短いので、初心者でも最初から最後まで滑らかに一気に言えます。

やがて自分の言いたいことを英語でしゃべるようになったとき、文章を最初から最後まで切らないで言えるようにするためには、文章の発音練習を始めたときから、「文は最初から最後まで、滑らかに(切らないで)、一気に言う」を常に目標にしてください。

以前書きましたが、息子がこんなことを言ったことがありました。「日本人の英語が通じないのは文を変なところで切るからだよ。 僕は“この言い方でいいのかな?”と多少思うことがあっても、途中で切らないで、言い始めたら最後まで一気に言い切ることにしている。そうすると通じるんだ。」

自分が言い始めた文章を最初から最後まで途中で切らずに一気に言う、というのは、当たり前のようでいて、やってみると、結構難しいです。英語をしゃべっている日本人を見ていると最初から最後まで自分の言いたいことを一気に滑らかに言える人は非常に少ないです。  ためしに今、何か自分の言いたいことを英語でしゃべってみてください。 最初から最後まで文を滑らかに一気に言えますか? やってみると意外に、難しいですね。

文章を最初から最後まで一気に言うということは、当たり前すぎて、見過ごされていますけれど、通じるためにはこのことがとても大事なんです。英検一級の面接(2次試験)を受けるような人でも、文章を途中で切らずに滑らかに最後まで言える人はそれほど多くはありません。 

文章の練習の最初の段階から、「言い始めた文は一気に最後まで滑らかに言う」これを実行していくと、とてもfluencyのある英語で話せるようになります。 そうすると通じるだけでなく、聞いている人にも、とても英語が上手だなと言う印象を与えます。 

他人にどう思われるかなど、関係ないようですが、それで、「君、とっても英語が上手なんだね。」と人から言われると、本人の発音練習のモティベーションが、俄然上がります。私はこれが、英語学習を促進する良い刺激になると思っています。

文を切らずにいうためには、実際に使えそうな会話文を丸ごと発音練習して、その中の単語を一部変えながら言えることを増やしていくといいです。 

この点から、川合メソッドでは演説は発音練習に使いません。 演説は一つ一つの言葉が普通の会話に比べて強調して発音されます。また文の中に切れ目が、何箇所もはっきりと入ります。

その結果、演説で発音練習すると、日本人は、等間隔で一つ一つの単語を強く言ってつなぐ日本語のような英語のしゃべり方になります。 言いなれた日本語に近い発音になっていきます。 しかも、自分が日本語の言い方に近くなった英語でしゃべっているということに、本人は気がつきません。 一つ一つの言葉をはっきり言って、文を何箇所も切る言い方(演説)がお手本になっているからです。

また、演説で発音を練習すると、自分の言いたいことをしゃべるようになったとき、文の途中で何回も、はっきり切ってしゃべるのが当たり前になります。 文を途中で切る癖はなるべくつけないほうがいいです。

せっかく練習するのですから、日本語とは違う英語のリズムが、最も良く分かる教材「普通の会話文」で練習してください。そうすると英語のリズムが身につきます。 

文章の発音練習は「最初から最後まで英語のリズムに乗って一気に言う」、これをいつも忘れないで下さい。 良く通じるfluency のある英語が話せるようになります。

初級で使うやさしい文章のときから、「英語の文章は最初から最後まで切らないで言う」を習慣にしておきましょう。 上級になったとき、非常に滑らかな英語が話せます。

このシリーズの最後、4回目は2月7日に書きます。
ぜひ、お読みになってください。




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高校入試で子供たちが親の収入によって差別されない為に以下のお知らせを書かせていただきます。

高校入試のスピーキングテストについて(大学入試のスピーキングテストについても同様です)

高校入試のスピーキングテストは本来文部科学省が学校教育で正しい発音を生徒に教えてから行うべきものです。  しかし、文部科学省が教科書にCDもつけず、正しい発音の仕方も学校で教えないまま、高校入試でスピーキングテストを実施する動きが都立高校などで始まっています。 (大学入試でもスピーキングテストが行われようとしています)  これは、スピーキングスキルの習得を塾や予備校、会話学校に丸投げするものです。  学校で教えていないスキルを入試でテストすることはあり得ません。

これでは経済的に余裕のない、塾や会話学校にいけない家庭の子供は誰にも正しい発音を教えてもらえず、練習するCD(音声モデル)も与えられないまま、高校入試でスピーキングテストをされることになり、明らかに親の収入による進路の差別が始まります。(詳しくは2018年3月8日のブログ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」をお読みください。)

皆さんの身近に教育関係者がいらっしゃいましたら、ぜひ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」であることをお伝えください。  (大学入試のスピーキングテストについても同じことです)  
15歳で親の収入のために進路を差別されるのでは子供たちがあまりにもかわいそうです。

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英語教育については、下のブログも併せてご参照ください。  日付をクリックすると移動できます。
2017年10月12日
文部科学省 新中学校学習指導要領 英語 「4技能」は全く効果がない(子供たちが通じる発音でスラスラ話せるようになる学習指導要領の見本付き)




高校英語教育を文部科学省の誤解に基づいた方針から守るため、以下のご案内を書かせていただきます。

現在文部科学省が「グローバル化に対応した英語教育改革」の目玉として掲げているCAN-DO方式は、ヨーロッパの人々にはできますが、日本語を母国語とする人にはできない方式です。

文部科学省は「CAN-DO方式が日本人には不可能な方式である」と気づいておりません。  導入されれば教育現場は大変迷惑します。  中止する必要があります。  なぜCAN-DO方式が不可能なのかはこちらのブログをお読みください。

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何度もお願いをしているのですが、アマゾンのページで私の本のランキングを下げて妨害をしている人がやめてくれないので、(詳細はこちらです)しばらく以下の文章を掲載させていただくことにしました。

「本を出版する人は、他の著者の妨害をしない。  他の著者を妨害する人は自分の本も出版できない。」
出版社におかれましては、このことを出版の際、著者に理解していただいてください。

私のランキングを妨害している人は、たぶん、現実を受け入れられないのでしょう。
アマゾンの順位を1ペ―ジ目から2ページ目に下げられ、数日でまた2ページ目から3ページ目に下げられて、私は、この方の激しい妨害に驚いています。 

「学習者に正しい発音を習得してほしい」というのが自分の目標でしたら、他人を妨害する必要はありませんね。  他人を妨害してまで、何を手に入れたいのでしょうか。  ベストセラーの著者という名声ですか。  それなら、もうアマゾンで、ご自身の本はベストセラーに認定されているのですから、それで十分でしょう。  この上何が欲しくて私を妨害するのでしょうか?  もう英語教育とは関係ないことですか。  私はとても困っています。  

私は、こちらに書いてある3つのことをするのが、目的です。  日本人が子音の日本語化を知っているか、いないかで、通じる英語で話せるか話せないかが、決まります。  ですから、このことを読者の皆さんに理解していただくのは、とても大事なことなのです。  私の仕事の妨害をしないでください。 

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クマさん、ウサギさん、ブタさん、それぞれが持っている旗に書かれたことの理由は、2017年7月30日のブログをご覧になるとわかります。