川合典子 ブログ

英語教育、英語学習、発音習得、帰国子女の言語習得について書いています。

記録の整理

受験シーズンなので、帰国子女をお持ちの親御さんにお話したいと思います。

海外の赴任先から帰るときは、いろいろなことを短期間にやらなければならないので、忙しいですが、子供の学校の記録を整理されて、持ち帰られるといいと思います。 すぐに受験ではなくても、やがてそのときが来てあわてなくてすみます。 

まず、在籍証明書と成績証明書は必ずもらって帰られるといいです。 実際に提出するときは6ヶ月以内に発行されたもの、と言うような条件がつくことが多いですが、そのときには連絡がうまく取れなくて発行してもらえなかった場合、転校の時の書類で、受領してもらえることもあります。 

在籍証明書は何年何月から何年何月までOOスクールに在籍した、と書いてあるだけですが、受験のときに必要です。 成績証明書は各学年の成績のコピーでしたが学校の封筒に入れて後ろに学校の契印が押されてシールしてあり、そのまま提出するようになっています。(シールされているのに何で私が中身を知っているかと言いますと、受験が終わったあと、4通持って帰った成績証明書のうち一つあまったので、処分するときにわかりました。)

滞在中に何か賞をもらったことがあったら、学業、課外活動、スポーツ、音楽、地域での活動など何でもいいですから、それを証明するものは大切に持ち帰ります。 ちょっとした活動でもらったアウォードなどは、そのときは、こんなのはいらないと思うかもしれませんが、現地で当たり前のことが日本では当たり前ではないことが多いので、それも持ち帰ったほうがいいと思います。

現地に来て、言葉を習得するまで、とても大変だったと思います。そのときのことを書いておくといいです。 どういうきっかけで友達が出来たとか、男の子など面倒くさがったら、お母さんが聞いて、箇条書きでもいいから書いておかれるといいです。

受験のときは、いろいろなところでその経験を話したり、書いて提出することがあります。具体的な出来事を入れて説明すると、読み手に良く理解してもらえる文章が書けます。

大学生になって面接で、「あなたの人生で、一番大変だった経験は何ですか?」などと聞かれて、「大変だったことは覚えているけど、どんな風に大変だったかなんてもう覚えていない」と言う場合もあります。  娘はたまたまそういうことを英文のエッセイの課題で、帰国後すぐに書いたことがあったので、その原稿を見て、「いろんなことを思い出した」と言っていました。

子供は適応が早いので、新しいことにすぐになれますが、それは古いことはすぐに忘れるということでもあります。 ちょっとメモして記録しておくだけで役に立ちます。 またお父さん、お母さんから見てその国の滞在で、印象的だったことなどもメモしておかれるといいです。 その国での滞在を思い出す貴重な記録になります。 そのときはこういう経験を忘れることはない、と思うのですが、帰国後の生活はまたまた大変で、記憶は薄れていきます。

娘は中学3年生の夏に帰国し高校受験をしましたが、赴任先でどのような学校生活を送っていたか、高校によっては受験のときに親が簡単にまとめて提出するようなところもありました。まだ、記憶が良く残っていたので、助かりましたが、何年かたってしまったら、かけない場合もあるだろうなあと思いました。

私は帰国して、英語を教えたいと思っていたので、小学生と高校生の子供が英語を習得して行った過程が分かる物は、全部持ち帰りました。学校に提出したプロジェクト、各学年の教科で使った本(教科書は学校に備え付けなので、もって帰れませんが、アマゾンで中古の教科書が買えた物は購入して持ち帰りました)リーディングの課題で読んだ本や私が図書館で読んでよかった本は自分で購入したので、アメリカから持ち帰った本は200冊を超えました。

また、娘とは2年間、学校の課題を一緒にやりましたので、「この課題は日本の英語学習者にも役立ちそうだ」と思ったことは先生のインストラクションを資料としてもって帰りました。上に書いた娘のエッセイの原稿も、ライティングの参考資料に私が、ファイルしておいたものが、思わぬところで役に立ちました。

大学受験のときなどは前年と条件が違って新しい書類を提出する場合もありますので、提出期限に気をつけましょう。娘の時は、新しい書類が必要だと知ったのが6月21日の夜、アメリカの学校は6月23日で学期が終わってしまうところで、あわてて、学校に電話して、送ってもらいました。 電話に呼び出してもらった担当の先生が「いま、卒業式の予行練習の最中なの」とおっしゃったので、本当にぎりぎりでした。 夏休みに入ってしまったら、9月のはじめまで、連絡はつきませんので、書類がそろわなかったら、その学校を受験することも出来ないところでした。 

逆の場合、高校生がアメリカにいて、日本の大学を受験する場合、「卒業見込み証明書」と言うのが日本の大学で必要になる場合があります。アメリカでは高校在籍中に大学入学のための活動をするのがふつうですので、「卒業見込み証明書」と言うのはありません。 それで、その証明書を学校側に頼んでも忘れられてしまうことがありますので、学校から出来上がった書類をもらったとき、もしこの書類が必要でしたら確認されたほうがいいと思います。

また、何か帰国子女の方々のお役に立つようなことを思い出しましたら、そのつど、ここに書いてお知らせいたします。



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高校入試で子供たちが親の収入によって差別されない為に以下のお知らせを書かせていただきます。

高校入試のスピーキングテストについて(大学入試のスピーキングテストについても同様です)

高校入試のスピーキングテストは本来文部科学省が学校教育で正しい発音を生徒に教えてから行うべきものです。  しかし、文部科学省が教科書にCDもつけず、正しい発音の仕方も学校で教えないまま、高校入試でスピーキングテストを実施する動きが都立高校などで始まっています。 (大学入試でもスピーキングテストが行われようとしています)  これは、スピーキングスキルの習得を塾や予備校、会話学校に丸投げするものです。  学校で教えていないスキルを入試でテストすることはあり得ません。

これでは経済的に余裕のない、塾や会話学校にいけない家庭の子供は誰にも正しい発音を教えてもらえず、練習するCD(音声モデル)も与えられないまま、高校入試でスピーキングテストをされることになり、明らかに親の収入による進路の差別が始まります。(詳しくは2018年3月8日のブログ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」をお読みください。)

皆さんの身近に教育関係者がいらっしゃいましたら、ぜひ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」であることをお伝えください。  (大学入試のスピーキングテストについても同じことです)  
15歳で親の収入のために進路を差別されるのでは子供たちがあまりにもかわいそうです。

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英語教育については、下のブログも併せてご参照ください。  日付をクリックすると移動できます。
2017年10月12日
文部科学省 新中学校学習指導要領 英語 「4技能」は全く効果がない(子供たちが通じる発音でスラスラ話せるようになる学習指導要領の見本付き)





高校英語教育を文部科学省の誤解に基づいた方針から守るため、以下のご案内を書かせていただきます。

現在文部科学省が「グローバル化に対応した英語教育改革」の目玉として掲げているCAN-DO方式は、ヨーロッパの人々にはできますが、日本語を母国語とする人にはできない方式です。

文部科学省は「CAN-DO方式が日本人には不可能な方式である」と気づいておりません。  導入されれば教育現場は大変迷惑します。  中止する必要があります。  なぜCAN-DO方式が不可能なのかはこちらのブログをお読みください。

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何度もお願いをしているのですが、アマゾンのページで私の本のランキングを下げて妨害をしている人がやめてくれないので、(詳細はこちらです)しばらく以下の文章を掲載させていただくことにしました。

「本を出版する人は、他の著者の妨害をしない。  他の著者を妨害する人は自分の本も出版できない。」
出版社におかれましては、このことを出版の際、著者に理解していただいてください。

私のランキングを妨害している人は、たぶん、現実を受け入れられないのでしょう。
アマゾンの順位を1ペ―ジ目から2ページ目に下げられ、数日でまた2ページ目から3ページ目に下げられて、私は、この方の激しい妨害に驚いています。 

「学習者に正しい発音を習得してほしい」というのが自分の目標でしたら、他人を妨害する必要はありませんね。  他人を妨害してまで、何を手に入れたいのでしょうか。  ベストセラーの著者という名声ですか。  それなら、もうアマゾンで、ご自身の本はベストセラーに認定されているのですから、それで十分でしょう。  この上何が欲しくて私を妨害するのでしょうか?  もう英語教育とは関係ないことですか。  私はとても困っています。  

私は、こちらに書いてある3つのことをするのが、目的です。  日本人が子音の日本語化を知っているか、いないかで、通じる英語で話せるか話せないかが、決まります。  ですから、このことを読者の皆さんに理解していただくのは、とても大事なことなのです。  私の仕事の妨害をしないでください。 

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クマさん、ウサギさん、ブタさん、それぞれが持っている旗に書かれたことの理由は、2017年7月30日のブログをご覧になるとわかります。