川合典子 ブログ

英語教育、英語学習、発音習得、帰国子女の言語習得について書いています。

口の形を身につける工夫

ネイティブの音質は日本人より軟口蓋が上がっている音質です。 聞いた音と同じ音を出そうと自分の発音を録音してモデルと比べる練習をしていると、聞いた声からそういうことも分かってきます。 (私はシカゴの病院の受付で、口の中の形が勝手に変わっていってそのことを知りました)

けれども、ネイティブに発音指導してもらっても「軟口蓋をあげて」とは言われません。 ネイティブは、「日本人も自分が言葉を話すときと同じ口の形で話している」と思っていると思います。 と言うより、話す時に自分は軟口蓋を上げているなどとあらたまって考えたこともないと思います。 小さいときからそうやってしゃべっているからです。 それ以外の発声法で話したことがないとあえて、軟口蓋を上げているという意識は持たないものです。

私たちが母音の長さを短く切って話していると思っていないのと同じです。けれども、ネイティブに当たり前のことは日本人には当たり前ではありません。

この意味で、学習者の母国語が日本語だということを考慮しないと、効果的な発音指導は出来ないと私は思っています。

きれいな音質を出したかったら、口の中の上下の空間を開けてください。 そこに音が響く空間を作ってください。 今年1月、ホームページの発音のヒントで皆さんと一緒にやったゆで卵の形ですね。 

楽器の演奏をなさる方はご存知だと思いますが、音は狭い空間に入れても響きません。 ある程度大きさのある空間ですと響きます。 ですから、ゆで卵の空間を作ってください。 また、周りが柔らかい空間に入れても響きません。 固い空間に入れると響きます。 上下に開けて、口の中のやわらかい肉の部分を引き伸ばして、硬いところの面積を大きくしてください。

男性の方の中には「発声練習は苦手で」とおっしゃる方が少なくないかもしれませんね。 また、やりたくても、お帰りが遅くて、家では大きな声が出せない方もいらっしゃると思います。そういう場合は私が2冊目の本に書いた方法を使ってください。

1.1月の発音のヒントでやりましたゆで卵の形をまず、口の奥のほうに作ってください。

2.その口の形で30秒間固定します。 今は空気が冷たいので、喉の弱い方はマスクをかけておこなってください。 喉を保護します。

これを続けますと、口の奥の形が変わってきます。 毎日やって、3ヶ月くらいすると、発音練習を始めたとき、「あれ、なんだかいつもと口の形が違う。。。。」と自分で分かるほど、変わってきます。 同じ形を30秒間、固定するということは、私たちが考える以上に、体を変えます。 

この方法なら、大きな声も出ませんし、30秒なら時間もかかりませんので続けてみてください。

もし30秒やっているのも大変と言う方は、生活の中で思い出したときにちょこちょこゆで卵の口の形をやってみるだけでも結構です。 朝、歯磨きをするときに鏡の前でちょっとゆで卵の口の形をしてみる。 電車を待っているときにちょっとゆで卵の口の形をやってみる。こんな感じで、ちょこちょこやっているとゆで卵の口の形に慣れてきます。

実際、声楽をやっている方たちはこの口の形をしょっちゅう作ってやっています。 私も日常、思いつくといつもこの形をやっています。 軟口蓋を上げると声がきれいに響くようになります。

この練習は口を大きく開けたときに耳の前にある骨(あごを動かす骨)に痛みを感じる方は行わないで下さい。 機能をいためますので、絶対におこなわないで下さい。 声を出すことにかかわる器官はどれもみんなデリケートな体の部分ですから、決して無理をしないで下さい。 新しい動きは、大きくやろうと思わないで、「一ヶ月間は、この動きにただ慣れるだけ」と言うぐらいの気持ちで、はじめる方が、練習が長続きします。無理はしないで下さいね。

***発音練習について***

発音練習と言うのは音を似せていく練習です。 「音を似せていく能力」は、実際に「音を似せていく練習」をすることによって身につきます。 すなわち音を聞くこと、自分とモデルの音の違いに気づくこと、直すこと、すべてを自分の耳、口、脳を使って行うことによって、この能力は自分の中に育ちます。 先生に言われたとおり発音するのとは違う能力です。 使わない能力は「必要のない能力」として少しずつ退化して行きますので、ぜひ、自分の中にあるこの「音を似せていく能力」を使い始めてください。



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高校入試で子供たちが親の収入によって差別されない為に以下のお知らせを書かせていただきます。

高校入試のスピーキングテストについて(大学入試のスピーキングテストについても同様です)

高校入試のスピーキングテストは本来文部科学省が学校教育で正しい発音を生徒に教えてから行うべきものです。  しかし、文部科学省が教科書にCDもつけず、正しい発音の仕方も学校で教えないまま、高校入試でスピーキングテストを実施する動きが都立高校などで始まっています。 (大学入試でもスピーキングテストが行われようとしています)  これは、スピーキングスキルの習得を塾や予備校、会話学校に丸投げするものです。  学校で教えていないスキルを入試でテストすることはあり得ません。

これでは経済的に余裕のない、塾や会話学校にいけない家庭の子供は誰にも正しい発音を教えてもらえず、練習するCD(音声モデル)も与えられないまま、高校入試でスピーキングテストをされることになり、明らかに親の収入による進路の差別が始まります。(詳しくは2018年3月8日のブログ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」をお読みください。)

皆さんの身近に教育関係者がいらっしゃいましたら、ぜひ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」であることをお伝えください。  (大学入試のスピーキングテストについても同じことです)  
15歳で親の収入のために進路を差別されるのでは子供たちがあまりにもかわいそうです。

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英語教育については、下のブログも併せてご参照ください。  日付をクリックすると移動できます。
2017年10月12日
文部科学省 新中学校学習指導要領 英語 「4技能」は全く効果がない(子供たちが通じる発音でスラスラ話せるようになる学習指導要領の見本付き)



高校英語教育を文部科学省の誤解に基づいた方針から守るため、以下のご案内を書かせていただきます。

現在文部科学省が「グローバル化に対応した英語教育改革」の目玉として掲げているCAN-DO方式は、ヨーロッパの人々にはできますが、日本語を母国語とする人にはできない方式です。

文部科学省は「CAN-DO方式が日本人には不可能な方式である」と気づいておりません。  導入されれば教育現場は大変迷惑します。  中止する必要があります。  なぜCAN-DO方式が不可能なのかはこちらのブログをお読みください。

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何度もお願いをしているのですが、アマゾンのページで私の本のランキングを下げて妨害をしている人がやめてくれないので、(詳細はこちらです)しばらく以下の文章を掲載させていただくことにしました。

「本を出版する人は、他の著者の妨害をしない。  他の著者を妨害する人は自分の本も出版できない。」
出版社におかれましては、このことを出版の際、著者に理解していただいてください。

私のランキングを妨害している人は、たぶん、現実を受け入れられないのでしょう。
アマゾンの順位を1ペ―ジ目から2ページ目に下げられ、数日でまた2ページ目から3ページ目に下げられて、私は、この方の激しい妨害に驚いています。 

「学習者に正しい発音を習得してほしい」というのが自分の目標でしたら、他人を妨害する必要はありませんね。  他人を妨害してまで、何を手に入れたいのでしょうか。  ベストセラーの著者という名声ですか。  それなら、もうアマゾンで、ご自身の本はベストセラーに認定されているのですから、それで十分でしょう。  この上何が欲しくて私を妨害するのでしょうか?  もう英語教育とは関係ないことですか。  私はとても困っています。  

私は、こちらに書いてある3つのことをするのが、目的です。  日本人が子音の日本語化を知っているか、いないかで、通じる英語で話せるか話せないかが、決まります。  ですから、このことを読者の皆さんに理解していただくのは、とても大事なことなのです。  私の仕事の妨害をしないでください。 

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クマさん、ウサギさん、ブタさん、それぞれが持っている旗に書かれたことの理由は、2017年7月30日のブログをご覧になるとわかります。