川合典子 ブログ

英語教育、英語学習、発音習得、帰国子女の言語習得について書いています。

川合メソッドは「音を似せていく能力」を向上させるメソッドです。

発音練習と言うのは聞いた音と同じ音で発音できるようにする練習です。 つまり「音を似せていく練習」です。 音を似せていく練習とは、どういうプロセスを取るのか、3月6日のブログで皆さんにお話いたしました。 

(1) まず、音を似せていくのですから、自分の目標とする音がどういう音なのか聞きます。(耳)

(2) 自分はそれと同じに発音したつもりでも、同じように聞こえない所があるので、どこが違うか録音して比べます。(違いを認識する)(脳)

(3) どうしたら、そこがお手本に似てくるか考えます。(脳)

(4) 考えたとおりに自分の口で発音します。(口)

(5)それを聞いてまた、1.2.3.4.のプロセスを繰り返します。

これが音を似せていくプロセスでした。 この練習をすると聞いたとおりの発音でしゃべれるようになります。

皆さんは最初に「川合メソッドは自分で自分の発音を録音してモデルと比べて直していく方法だ」と知ったとき、「自分で直すなんて、ちっとも役に立たないじゃないか」、と思ったことでしょう。 「先生に直してもらって、言われたとおり発音する方がずっと早い」と思ったことでしょう。

実際にこの2つの方法を比べてみると、

(A)先生に言われたとおり発音する ――――――> 文章の発音の完成

(B)自分で聞いて似せていく練習  ――――――> 文章の発音の完成
                
どちらも出てくる結果は同じですね。 けれども(B)の方法はその過程で、自分のさまざまな能力を開発、訓練しています。 上に述べたプロセスの

(1)では耳を鍛え、
(2)では脳で違いを認識し、
(3)では脳を使って考え、
(4)では考えた通りに口を動かす作業をおこないます。 

先生に言われたとおり発音する方法では(1)、(2)、(3)、(4)に書かれた作業を自分の耳、口、脳を使っておこなうことはありません。 

聞いた音と同じに発音するためには、自分の耳、口、脳を使って音を似せるように訓練していくことが必要です。

この耳、口、脳の能力は、使えば使うほど向上します。 最初はうまく出来なくても、何度も繰り返してやっていくうちに、だんだん上手になってくるのが特徴です。  反対に、このプロセスを他人に任せてしまうと、使われなくなったこの能力は「必要のない能力」としてどんどん低下していきます。

「音を似せていく力」は「音を似せていく作業」を実際に自分で行うことによって育ちます。 この作業を先生にやってもらっていると、「自分のこの能力はもう要らない能力なんだ」と認識されて衰退していきます。

特に10代の方は、あまり早い時期から「音を似せる作業」を他人に任せて、自分の能力を衰退させてしまわないようにしてください。 自分の耳がこれから訓練すれば、どれほど音が聞けるようになるか、まだ分からないからです。  


「発音練習」と言うと「母音や子音の発音の仕方を身につける」と言うイメージが強いですね。 確かに母音や子音の発音の仕方を学ぶことは大事なことです。 川合メソッドで学べば、通じる母音や子音の発音の仕方が身につきます。

けれども川合メソッドで学ぶともう一つ身につく重要な能力があります。 それが、今説明してきました「音を似せていく能力」です。 自分の耳、口、脳を使って発音練習するメソッドだからこそ、この能力が身についてくるのです。  この能力があれば、聞いたとおりの発音で英語の文章を言うことが出来ます。

この能力を身につけると、「一つ一つの音」「音がつながった単語」「単語がつながった文」「文のスピードを上げたナチュラルスピードの文章」など、さまざまに変化する音に対応して、聞いた通りの発音で英語が言えるようになります。 私自身の40年の発音練習の経験に基づいて考えると、「聞いた音と同じに発音する能力」は発音習得上最も重要な能力だと思います。 この能力を身につければ、ネイティブと同じ発音で、自分の言いたい文章を言うことが出来ます。

「基本の音が発音できるようになること」はもちろんですが、その上に、「聞いたとおりの発音でしゃべれるようになる能力」が身につく川合メソッドでぜひ発音練習なさってください。 自分の言いたい文章が通じる発音でしゃべれるようになります。 



* * *


====================================


高校入試で子供たちが親の収入によって差別されない為に以下のお知らせを書かせていただきます。

高校入試のスピーキングテストについて(大学入試のスピーキングテストについても同様です)

高校入試のスピーキングテストは本来文部科学省が学校教育で正しい発音を生徒に教えてから行うべきものです。  しかし、文部科学省が教科書にCDもつけず、正しい発音の仕方も学校で教えないまま、高校入試でスピーキングテストを実施する動きが都立高校などで始まっています。 (大学入試でもスピーキングテストが行われようとしています)  これは、スピーキングスキルの習得を塾や予備校、会話学校に丸投げするものです。  学校で教えていないスキルを入試でテストすることはあり得ません。

これでは経済的に余裕のない、塾や会話学校にいけない家庭の子供は誰にも正しい発音を教えてもらえず、練習するCD(音声モデル)も与えられないまま、高校入試でスピーキングテストをされることになり、明らかに親の収入による進路の差別が始まります。(詳しくは2018年3月8日のブログ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」をお読みください。)

皆さんの身近に教育関係者がいらっしゃいましたら、ぜひ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」であることをお伝えください。  (大学入試のスピーキングテストについても同じことです)  
15歳で親の収入のために進路を差別されるのでは子供たちがあまりにもかわいそうです。

====================================

英語教育については、下のブログも併せてご参照ください。  日付をクリックすると移動できます。
2017年10月12日
文部科学省 新中学校学習指導要領 英語 「4技能」は全く効果がない(子供たちが通じる発音でスラスラ話せるようになる学習指導要領の見本付き)





高校英語教育を文部科学省の誤解に基づいた方針から守るため、以下のご案内を書かせていただきます。

現在文部科学省が「グローバル化に対応した英語教育改革」の目玉として掲げているCAN-DO方式は、ヨーロッパの人々にはできますが、日本語を母国語とする人にはできない方式です。

文部科学省は「CAN-DO方式が日本人には不可能な方式である」と気づいておりません。  導入されれば教育現場は大変迷惑します。  中止する必要があります。  なぜCAN-DO方式が不可能なのかはこちらのブログをお読みください。

* * *

何度もお願いをしているのですが、アマゾンのページで私の本のランキングを下げて妨害をしている人がやめてくれないので、(詳細はこちらです)しばらく以下の文章を掲載させていただくことにしました。

「本を出版する人は、他の著者の妨害をしない。  他の著者を妨害する人は自分の本も出版できない。」
出版社におかれましては、このことを出版の際、著者に理解していただいてください。

私のランキングを妨害している人は、たぶん、現実を受け入れられないのでしょう。
アマゾンの順位を1ペ―ジ目から2ページ目に下げられ、数日でまた2ページ目から3ページ目に下げられて、私は、この方の激しい妨害に驚いています。 

「学習者に正しい発音を習得してほしい」というのが自分の目標でしたら、他人を妨害する必要はありませんね。  他人を妨害してまで、何を手に入れたいのでしょうか。  ベストセラーの著者という名声ですか。  それなら、もうアマゾンで、ご自身の本はベストセラーに認定されているのですから、それで十分でしょう。  この上何が欲しくて私を妨害するのでしょうか?  もう英語教育とは関係ないことですか。  私はとても困っています。  

私は、こちらに書いてある3つのことをするのが、目的です。  日本人が子音の日本語化を知っているか、いないかで、通じる英語で話せるか話せないかが、決まります。  ですから、このことを読者の皆さんに理解していただくのは、とても大事なことなのです。  私の仕事の妨害をしないでください。 

* * *

* * * 


クマさん、ウサギさん、ブタさん、それぞれが持っている旗に書かれたことの理由は、2017年7月30日のブログをご覧になるとわかります。