川合典子 ブログ

英語教育、英語学習、発音習得、帰国子女の言語習得について書いています。

(2)「こんなもの、いくら英語で説明されたってわかんないんだよ」

小学校低学年を過ぎた人が、自分がまったく知らない言葉を学んでいこうとするときは、すでに自分の中にある、「良く知っている言語」を基礎としてそれに照らし合わせて学んでいきます。

もし私がアメリカで子どもたちの学校の授業が始まった時に、英語を英語で理解するのが大事だといって、英英辞典のように教科書を説明していたら、子どもたちはおそらく英語をマスターすることはなかっただろうと思います。 それは2012年6月9日http://d.hatena.ne.jp/creato-k/20120609、10日http://d.hatena.ne.jp/creato-k/20120610、11日http://d.hatena.ne.jp/creato-k/20120611のブログを読んでいただけばわかります。

渡米してすぐの年、息子が化学がわからなかったとき、学校の先生から「Peer tutorと言う制度があるから、誰か良く出来る生徒を紹介しましょうか?」と言われました。  高校生で化学が良く出来る子が教えてくれる制度ですね。  それで、私は息子にそのことを聞いてみました。

息子はそんなに物事を突き詰めて考えるタイプではありませんから、家族に怒ったりすることも、ほとんどない子でした。  その子が私がこのことを聞いた時、「こんなもの(化学)、いくら英語で説明されたってわかんないんだよ」と、もう堪忍袋の緒が切れたように言いました。

それで、化学は1年間、私が教科書とノートを全部、日本語に訳して、一緒に勉強しました。

私が、学習の初期に日本語に訳すことはかまわないというのはこういう経験があるからです。  何も言わなくても、突然アメリカにつれてこられて、学校でどんなに大変な思いをしているかわかりました。

子どもたちはまず、英語を「良く知っている母国語(日本語)」に訳して、理解していきました。 そして、大量の英語を理解して処理するうちに、英語は「良く知っている言語」として、彼らの中に定着しました。

だからその後、外国語として、イタリア語やスペイン語の授業を英語で受けても、理解していけたのでしょう。


≪「英語」を「英語」で理解する≫は、化学の授業がわからなかった息子にとって

≪「これから学ぶ言葉(英語)」を「これから学ぶ言語(英語)」で理解する≫と言うことだったのですね。 つまり、

≪「よく知らない言葉(英語)」を「よく知らない言語(英語)」で理解する≫ことだったのです。  「よく知らない言語(英語)」では、理解は出来ませんから息子は怒ったわけですね。 

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今まで皆さんが慣れ親しんだ考え方とは違うことを述べますので、理解していただきやすいように、少しずつ書いて行こうと思います。  この続きは24日に書きます。




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高校入試で子供たちが親の収入によって差別されない為に以下のお知らせを書かせていただきます。

高校入試のスピーキングテストについて(大学入試のスピーキングテストについても同様です)

高校入試のスピーキングテストは本来文部科学省が学校教育で正しい発音を生徒に教えてから行うべきものです。  しかし、文部科学省が教科書にCDもつけず、正しい発音の仕方も学校で教えないまま、高校入試でスピーキングテストを実施する動きが都立高校などで始まっています。 (大学入試でもスピーキングテストが行われようとしています)  これは、スピーキングスキルの習得を塾や予備校、会話学校に丸投げするものです。  学校で教えていないスキルを入試でテストすることはあり得ません。

これでは経済的に余裕のない、塾や会話学校にいけない家庭の子供は誰にも正しい発音を教えてもらえず、練習するCD(音声モデル)も与えられないまま、高校入試でスピーキングテストをされることになり、明らかに親の収入による進路の差別が始まります。(詳しくは2018年3月8日のブログ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」をお読みください。)

皆さんの身近に教育関係者がいらっしゃいましたら、ぜひ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」であることをお伝えください。  (大学入試のスピーキングテストについても同じことです)  
15歳で親の収入のために進路を差別されるのでは子供たちがあまりにもかわいそうです。

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英語教育については、下のブログも併せてご参照ください。  日付をクリックすると移動できます。
2017年10月12日
文部科学省 新中学校学習指導要領 英語 「4技能」は全く効果がない(子供たちが通じる発音でスラスラ話せるようになる学習指導要領の見本付き)




高校英語教育を文部科学省の誤解に基づいた方針から守るため、以下のご案内を書かせていただきます。

現在文部科学省が「グローバル化に対応した英語教育改革」の目玉として掲げているCAN-DO方式は、ヨーロッパの人々にはできますが、日本語を母国語とする人にはできない方式です。

文部科学省は「CAN-DO方式が日本人には不可能な方式である」と気づいておりません。  導入されれば教育現場は大変迷惑します。  中止する必要があります。  なぜCAN-DO方式が不可能なのかはこちらのブログをお読みください。

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何度もお願いをしているのですが、アマゾンのページで私の本のランキングを下げて妨害をしている人がやめてくれないので、(詳細はこちらです)しばらく以下の文章を掲載させていただくことにしました。

「本を出版する人は、他の著者の妨害をしない。  他の著者を妨害する人は自分の本も出版できない。」
出版社におかれましては、このことを出版の際、著者に理解していただいてください。

私のランキングを妨害している人は、たぶん、現実を受け入れられないのでしょう。
アマゾンの順位を1ペ―ジ目から2ページ目に下げられ、数日でまた2ページ目から3ページ目に下げられて、私は、この方の激しい妨害に驚いています。 

「学習者に正しい発音を習得してほしい」というのが自分の目標でしたら、他人を妨害する必要はありませんね。  他人を妨害してまで、何を手に入れたいのでしょうか。  ベストセラーの著者という名声ですか。  それなら、もうアマゾンで、ご自身の本はベストセラーに認定されているのですから、それで十分でしょう。  この上何が欲しくて私を妨害するのでしょうか?  もう英語教育とは関係ないことですか。  私はとても困っています。  

私は、こちらに書いてある3つのことをするのが、目的です。  日本人が子音の日本語化を知っているか、いないかで、通じる英語で話せるか話せないかが、決まります。  ですから、このことを読者の皆さんに理解していただくのは、とても大事なことなのです。  私の仕事の妨害をしないでください。 

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クマさん、ウサギさん、ブタさん、それぞれが持っている旗に書かれたことの理由は、2017年7月30日のブログをご覧になるとわかります。