川合典子 ブログ

英語教育、英語学習、発音習得、帰国子女の言語習得について書いています。

(1)高校生の皆さんへ

今日は高校生の皆さんに、お話したいと思います。

以前、英文科を出られて、今は海外出張が多い仕事についていらした方に英文読解の指導をしたことがありました。  その方は、「高校時代、英語の授業はいつも入試問題をやって答えあわせをしていたので、英語の文章を構文をとらえて読む指導は受けたことがありません」とおっしゃっていました。

その方は、英字新聞の意味が、大体わかるのですが、ちょっと日本語訳が変だなと思って、どういう風に構文をとらえたのかお聞きすると、正しく構文をとらえていらっしゃらないことが多かったのです。  海外出張でお忙しいのに、大変熱心に勉強なさる方でした。 3年間くらいお教えして、構文をとらえることに大分慣れていらっしゃいましたが、まだ、文が長くなると構文が取れないことが多かったですね。  

私は、もし、この方が高校生のときに、構文をとらえて読む指導を受けていたら、(つまり正確に意味を取る指導を受けていたら)こんなに長く、英語を読むことで苦労はなさらなかっただろうと思いました。  これほど熱心に勉強される方ですから、そういう指導を高校時代に受けていたら、今頃、もっと難しい英文をスラスラ読むことも可能だったと思いました。  

たとえ高校時代に構文をとらえて読む練習をしなくても、今回、新聞の英文を勉強するようになられて、文法を勉強して、構文をとらえて読む練習をすれば、その後は、すらすら構文を捕らえて読むことが出来ると私は思っていました。

ところが、長い年月をかけて定着した、構文をとらえないで読む、と言う習慣はそれほど容易には変えられませんでした。  一度、文の構造をとらえずに読み始めてしまうと、文法書を読んで構文について一生懸命勉強されても、なかなか実際の新聞の文章を読んだときに、構文に気づくことができなかったのですね。

あるときに学ばなかったことを、年月がたってから学んでrecoverすることは、出来ないとは言いませんが、非常に大変なことなのだと、私はこのとき知りました。  この方のように、何年も地道に構文をとらえて読む練習をしていけば、何年か先には出来るようになると思いますが、それは高校で習得するのの何十倍と言う時間と努力が必要なのだと知りました。  そこまで時間と努力を使えない人は、recover はできなくなります。

ですから高校生の皆さんは、構文をとらえて正確に読む練習をしてください。  私の2冊目の本の92ページに英文の読み方は説明しました。  構文をとらえて読めるようになったら、今度は高校を卒業されたあとスピードを上げて読む練習をしていけば、だんだんと日本語は消えていきますので、心配しなくて大丈夫です。  日本語の助けを借りて学んで、後から日本語を抜くことは十分可能です。

長文を構文をとらえて読むことは、中学の基礎的な勉強を終了して、長い英文の読み取りを開始する時、つまり、高校でしておかないと、身につかないと思います。 ぜひ高校時代に構文をとらえながら長文を読む訓練をしてください。 

今は「日本語に訳すことはいけないこと、英語を英語のまま感じるのが良いこと」と言う風潮がありますので、これについて私がどう考えているか、22日に、お話したいと思います。




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高校入試で子供たちが親の収入によって差別されない為に以下のお知らせを書かせていただきます。

高校入試のスピーキングテストについて(大学入試のスピーキングテストについても同様です)

高校入試のスピーキングテストは本来文部科学省が学校教育で正しい発音を生徒に教えてから行うべきものです。  しかし、文部科学省が教科書にCDもつけず、正しい発音の仕方も学校で教えないまま、高校入試でスピーキングテストを実施する動きが都立高校などで始まっています。 (大学入試でもスピーキングテストが行われようとしています)  これは、スピーキングスキルの習得を塾や予備校、会話学校に丸投げするものです。  学校で教えていないスキルを入試でテストすることはあり得ません。

これでは経済的に余裕のない、塾や会話学校にいけない家庭の子供は誰にも正しい発音を教えてもらえず、練習するCD(音声モデル)も与えられないまま、高校入試でスピーキングテストをされることになり、明らかに親の収入による進路の差別が始まります。(詳しくは2018年3月8日のブログ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」をお読みください。)

皆さんの身近に教育関係者がいらっしゃいましたら、ぜひ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」であることをお伝えください。  (大学入試のスピーキングテストについても同じことです)  
15歳で親の収入のために進路を差別されるのでは子供たちがあまりにもかわいそうです。

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英語教育については、下のブログも併せてご参照ください。  日付をクリックすると移動できます。
2017年10月12日
文部科学省 新中学校学習指導要領 英語 「4技能」は全く効果がない(子供たちが通じる発音でスラスラ話せるようになる学習指導要領の見本付き)




高校英語教育を文部科学省の誤解に基づいた方針から守るため、以下のご案内を書かせていただきます。

現在文部科学省が「グローバル化に対応した英語教育改革」の目玉として掲げているCAN-DO方式は、ヨーロッパの人々にはできますが、日本語を母国語とする人にはできない方式です。

文部科学省は「CAN-DO方式が日本人には不可能な方式である」と気づいておりません。  導入されれば教育現場は大変迷惑します。  中止する必要があります。  なぜCAN-DO方式が不可能なのかはこちらのブログをお読みください。

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何度もお願いをしているのですが、アマゾンのページで私の本のランキングを下げて妨害をしている人がやめてくれないので、(詳細はこちらです)しばらく以下の文章を掲載させていただくことにしました。

「本を出版する人は、他の著者の妨害をしない。  他の著者を妨害する人は自分の本も出版できない。」
出版社におかれましては、このことを出版の際、著者に理解していただいてください。

私のランキングを妨害している人は、たぶん、現実を受け入れられないのでしょう。
アマゾンの順位を1ペ―ジ目から2ページ目に下げられ、数日でまた2ページ目から3ページ目に下げられて、私は、この方の激しい妨害に驚いています。 

「学習者に正しい発音を習得してほしい」というのが自分の目標でしたら、他人を妨害する必要はありませんね。  他人を妨害してまで、何を手に入れたいのでしょうか。  ベストセラーの著者という名声ですか。  それなら、もうアマゾンで、ご自身の本はベストセラーに認定されているのですから、それで十分でしょう。  この上何が欲しくて私を妨害するのでしょうか?  もう英語教育とは関係ないことですか。  私はとても困っています。  

私は、こちらに書いてある3つのことをするのが、目的です。  日本人が子音の日本語化を知っているか、いないかで、通じる英語で話せるか話せないかが、決まります。  ですから、このことを読者の皆さんに理解していただくのは、とても大事なことなのです。  私の仕事の妨害をしないでください。 

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クマさん、ウサギさん、ブタさん、それぞれが持っている旗に書かれたことの理由は、2017年7月30日のブログをご覧になるとわかります。