川合メソッドは自分の発音を録音してお手本の発音と比べて直していくメソッドです。 こういうと、「私には英語の音は聞けません」「私にはどうやって直したらいいのかわかりません」という方が必ずいます。 私が、「最初は、声が大きいとか小さいとかそういう違いでいいですから、自分で比べて直してください」と言ってもそういう方は自分ではできないとおっしゃってやりません。 やってみてできないと言うのではなく、最初からやりません。
私はたびたびそういう方々を見てきて、「私には音は聞けない」「私には違いを直せない」と言う方は、ご自身で気づいているかどうかはわかりませんが、心のどこかで、「日本人は正しい英語の発音をすることはできない」と思っていらっしゃるのではないか、と感じます。
もちろん、意識してそう思っていたら、発音を習いにもいらっしゃらないでしょうから、ご本人は気づいていらっしゃらないのかもしれませんが、心の奥底で、日本人は、(あるいは、自分は)正しい英語の発音はできない、と思っていらっしゃるのではないか、と感じます。
もし、英語の発音は習得できる、ネイティブと同じにしゃべれると思っていたら、何の抵抗もなく、「それでは、声の大きさから比べてみよう」とやさしいことからさっとはじめるのが普通だと思います。 でも、やさしいことも、実際にやって見ようとはなさいません。 まるで、英語に関しては何一つ自分ひとりではできない、と最初から決めているように見えます。 そういう様子を見ていて私は、結局「日本人には、あるいは自分には英語の発音を習得するなんて無理だ」と思っていらっしゃるのではないかと感じることがあります。
だから何でも先生に教えてもらおうとするのではないでしょうか。 そういう様子を相撲にたとえると、自分の対戦相手が、大関「英語山」だとわかったとたん、土俵下に座ってしまい、もう土俵に上がろうともしないお相撲さんのように見えます。 そして、自分の代わりに先生に土俵に上がってもらい大関‘英語山‘と相撲を取ってもらいます。 そして、相撲を取ってきた先生に、「大関‘英語山‘はどんな体をしていましたか?」「大関‘英語山‘の得意技はなんですか?」と聞いて、できる限りの大関‘英語山‘の情報を収集します。
そうではなく、自分で土俵に上がってください。 自分で大関‘英語山‘と四つに組んで、相撲をとってください。 大関‘英語山‘はどんな体をして、何が得意技か自分の体で知ってください。 なぜいつまでも、誰かを通して、英語山の情報を収集しようとするのか。 自分で土俵に上がって自分の体で大関‘英語山‘と相撲をとって知ってください。 最初は無我夢中で相撲をとっているので、何にもわからないかもしれませんけれど、そうやっているうちに、大関‘英語山‘の体の大きさも、得意技も、先生から情報収集するより、ずっとよく、自分の体でわかるようになります。 少し時間はかかりますが、自分の体で直接得た情報はその後の発音学習に大いに役立ちます。
心のどこかで、「自分は正しい英語の発音を習得するのは無理だ」と思いながら、発音練習をするのは、川下から川上に向けてボートをこいでいるようなものです。 こいでも、こいでも、ボートは前には進みません。 労力ばかりかかってちっとも前にはいけません。
私は生徒さんに最初のレッスンのとき、次のように言います。
「OOさんの中には英語の音を聞く力も、お手本と自分の発音を比べて直していく力もあります。 今はまだ、練習を始めたばかりですから、そんなに上手にできなくても、これからたくさん練習していくとこういう力が、伸びていきます。 そうすると、先生がいなくても‘自分で‘どこまでも発音を良くしていくことができます。」
生徒さんはとても素直ですから、私の言ったことをそのまま信じます。
私が生徒さんに言っていることは、本当のことです。 実際に、2年間のレッスンが終了した後、自分で発音練習を続けて、ニューヨークの学校でアメリカ人からも、「すごくきれいな英語を話しますね。 ボイストレーニングか何かやっているの?」と聞かれた生徒さんもいました。(ブログ「ネイティブも美しいと思う英語」を参照してください。http://d.hatena.ne.jp/creato-k/20130109)
生徒さんは、私が英語でしゃべるのを聞いて、日本人でも、正しい発音で英語の音質でしゃべれることを当たり前のように信じます。 私が英語の音質でしゃべるのはアメリカ人の発音を聞いているうちに勝手に変わっていった自分の口の形をそのまま保って話しているだけす。 口の形を考えて作っているわけではありません。 自然にこういう口で話し始めたのです。 聞いた音と同じ音を出そうと練習していると、基本の音だけでなく口の形も変わってきます。(8月20日のブログhttp://d.hatena.ne.jp/creato-k/20130820を参照してください。)
私の話を聞いた生徒さんは、学校の宿題をするように当たり前に自分で発音を直してきます。 自分でできるところまでですが、教えている私が驚くほど「当たり前」に直してきます。
もし、自分には音は聞けない、お手本と比べて直せない、と思っている方がいらしたら、ちょっと立ち止まって、自分の気持ちを見つめてみてください。 心の奥底で実は、「自分には正しい発音でしゃべることなどできない」と思っていないか、自分の気持ちを見つめてみてください。
* * * 効率的な発音練習のやり方 * * *
効率的に発音練習をしたいのであれば、通じない原因を取り除いていくような発音練習を行います。 日本語の子音の言い方へのすり替わりは、単語だけで発音練習しているときには現れません。 一語一語はっきり発音する演説の練習でもそれほど現れません。 この子音のすり替わりが現れるのは、会話のときです。 ですから発音練習は会話の文章で行いましょう。 日本人の英語を長い間通じなくしてきた原因, 日本人が気が付かないままずーとやってきた子音のすり替わりhttp://d.hatena.ne.jp/creato-k/20130804を克服できます。
発音を録音するのが面倒ですか? すり替わった子音で発音し続けるよりいいのではないでしょうか。
* * *
====================================
高校入試で子供たちが親の収入によって差別されない為に以下のお知らせを書かせていただきます。
高校入試のスピーキングテストについて(大学入試のスピーキングテストについても同様です)
高校入試のスピーキングテストは本来文部科学省が学校教育で正しい発音を生徒に教えてから行うべきものです。 しかし、文部科学省が教科書にCDもつけず、正しい発音の仕方も学校で教えないまま、高校入試でスピーキングテストを実施する動きが都立高校などで始まっています。 (大学入試でもスピーキングテストが行われようとしています) これは、スピーキングスキルの習得を塾や予備校、会話学校に丸投げするものです。 学校で教えていないスキルを入試でテストすることはあり得ません。
これでは経済的に余裕のない、塾や会話学校にいけない家庭の子供は誰にも正しい発音を教えてもらえず、練習するCD(音声モデル)も与えられないまま、高校入試でスピーキングテストをされることになり、明らかに親の収入による進路の差別が始まります。(詳しくは2018年3月8日のブログ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」をお読みください。)
皆さんの身近に教育関係者がいらっしゃいましたら、ぜひ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」であることをお伝えください。 (大学入試のスピーキングテストについても同じことです)
15歳で親の収入のために進路を差別されるのでは子供たちがあまりにもかわいそうです。
====================================
英語教育については、下のブログも併せてご参照ください。 日付をクリックすると移動できます。
2017年10月12日
文部科学省 新中学校学習指導要領 英語 「4技能」は全く効果がない(子供たちが通じる発音でスラスラ話せるようになる学習指導要領の見本付き)
高校英語教育を文部科学省の誤解に基づいた方針から守るため、以下のご案内を書かせていただきます。
現在文部科学省が「グローバル化に対応した英語教育改革」の目玉として掲げているCAN-DO方式は、ヨーロッパの人々にはできますが、日本語を母国語とする人にはできない方式です。
文部科学省は「CAN-DO方式が日本人には不可能な方式である」と気づいておりません。 導入されれば教育現場は大変迷惑します。 中止する必要があります。 なぜCAN-DO方式が不可能なのかはこちらのブログをお読みください。
* * *
何度もお願いをしているのですが、アマゾンのページで私の本のランキングを下げて妨害をしている人がやめてくれないので、(詳細はこちらです)しばらく以下の文章を掲載させていただくことにしました。
「本を出版する人は、他の著者の妨害をしない。 他の著者を妨害する人は自分の本も出版できない。」
出版社におかれましては、このことを出版の際、著者に理解していただいてください。
私のランキングを妨害している人は、たぶん、現実を受け入れられないのでしょう。
アマゾンの順位を1ペ―ジ目から2ページ目に下げられ、数日でまた2ページ目から3ページ目に下げられて、私は、この方の激しい妨害に驚いています。
「学習者に正しい発音を習得してほしい」というのが自分の目標でしたら、他人を妨害する必要はありませんね。 他人を妨害してまで、何を手に入れたいのでしょうか。 ベストセラーの著者という名声ですか。 それなら、もうアマゾンで、ご自身の本はベストセラーに認定されているのですから、それで十分でしょう。 この上何が欲しくて私を妨害するのでしょうか? もう英語教育とは関係ないことですか。 私はとても困っています。
私は、こちらに書いてある3つのことをするのが、目的です。 日本人が子音の日本語化を知っているか、いないかで、通じる英語で話せるか話せないかが、決まります。 ですから、このことを読者の皆さんに理解していただくのは、とても大事なことなのです。 私の仕事の妨害をしないでください。
* * *
* * *
クマさん、ウサギさん、ブタさん、それぞれが持っている旗に書かれたことの理由は、2017年7月30日のブログをご覧になるとわかります。