川合典子 ブログ

英語教育、英語学習、発音習得、帰国子女の言語習得について書いています。

ソクラテス

学生の頃、こういうことを本で読みました。

古代ギリシャで、ある若者が、ソクラテスのところに来て、「知恵者になるにはどうしたらいいですか?」と聞きました。  するとソクラテスは、若者を水が入れてある桶のところに連れて行き、いきなり彼の顔を水に突っ込みました。  若者は息が出来ずにもがきましたので、ソクラテスは彼の顔を水の上に上げました。  そして、「顔が水につかっているときに何が一番ほしかったか?」と、聞きました。  そうしたら、若者は「空気が一番ほしかった」と答えました。  ソクラテスは「顔が水につかっているときに空気がほしいと思ったほど強く知識を求めれば、君は知恵者になれるだろう。」と答えたそうです。

何十年も昔に読んだことですので、あまり正確には覚えていませんし、本当にソクラテスがそういったのかどうかも知りませんが、求める気持ちの強さが、何かを学ぶ時には非常に大事だ、ということを言っているのは分かっていただけると思います。

若い時はいろんなことが上手になりたいと思うものです。  英語を勉強すれば、英語が上手になりたいと思うし、旅先で、スケッチをすれば、もっと、スケッチが上手になりたいと思います。  でも時間は一日24時間に限られています。  

私は結構のめりこむ性質だったので、いろんなことを一生懸命やって、最後はどれも納得いくまで出来なくて、フラストレーションがたまってくるという状態を何度も経験しました。  それで、何かを始める時は、自分はどのくらいこのことが、上手になりたいと思うのか、と自問するようにしました。  

「水の中で空気を求めるほど強くこのことを上手になりたいと思うのか。」と、よく自分に問いかけました。  そうして、自分がどう感じているかを見極めようとしました。  それが一時の感情で、そう思っているのか、心の深いところからの希望なのかをはっきりさせようとしました。

そうやって、なるべく、収拾の付かないフラストレーションのたまる状態を事前に回避するようにしていました。  逆に水の中で空気がほしいと思うくらい強く上手になりたいと思うものは、どこまでも、自分に努力させるようにしました。  

これは仕事の時もそうでした。  OL時代のブログ http://d.hatena.ne.jp/creato-k/20110925 に書いた頃、私は、水の中で、空気を求めるくらい強く、目の前の仕事をやり遂げたいと思っていました。  だからまったくどうしたらいいか分からない時も「必ず、解決の糸口がどこかにあるはずだから、それを見つけるんだ」と自分に言い聞かせました。  それで、毎日清水の舞台から飛び降りる様な気持ちで仕事をしていたわけです。  なんとしてもやり遂げたかったのです。

若い頃は、自分のすることについてそう考えていただけでしたが、英語を教える立場になった時、このソクラテスの話は、生徒さんの状態を考えるのにとても参考になりました。

発音教育には教師、生徒、教材、方法など、いろいろな要素があります。  教師の資質が高いことはもちろん必要ですし、教材や方法が発音練習に適切であることも必要です。  

つまり、教材は単語だけでないこと。 演説でないこと。  また、バックにうるさい音楽が流れていないこと。  
方法はシャドウイングでないこと。  いかなる場合でも、実際に話された英語の音声から離れないことなど。  

では生徒はただ教えられていればいいかというと、そうではないですね。  生徒自身が、発音習得に対して積極的にかかわることが大事ですね。

私は生徒が持っている「良い発音で話したい」という欲求の強さと習得する発音の完成度はほぼ、一致すると感じています。  

明日に続きます。



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高校入試で子供たちが親の収入によって差別されない為に以下のお知らせを書かせていただきます。

高校入試のスピーキングテストについて(大学入試のスピーキングテストについても同様です)

高校入試のスピーキングテストは本来文部科学省が学校教育で正しい発音を生徒に教えてから行うべきものです。  しかし、文部科学省が教科書にCDもつけず、正しい発音の仕方も学校で教えないまま、高校入試でスピーキングテストを実施する動きが都立高校などで始まっています。 (大学入試でもスピーキングテストが行われようとしています)  これは、スピーキングスキルの習得を塾や予備校、会話学校に丸投げするものです。  学校で教えていないスキルを入試でテストすることはあり得ません。

これでは経済的に余裕のない、塾や会話学校にいけない家庭の子供は誰にも正しい発音を教えてもらえず、練習するCD(音声モデル)も与えられないまま、高校入試でスピーキングテストをされることになり、明らかに親の収入による進路の差別が始まります。(詳しくは2018年3月8日のブログ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」をお読みください。)

皆さんの身近に教育関係者がいらっしゃいましたら、ぜひ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」であることをお伝えください。  (大学入試のスピーキングテストについても同じことです)  
15歳で親の収入のために進路を差別されるのでは子供たちがあまりにもかわいそうです。

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英語教育については、下のブログも併せてご参照ください。  日付をクリックすると移動できます。
2017年10月12日
文部科学省 新中学校学習指導要領 英語 「4技能」は全く効果がない(子供たちが通じる発音でスラスラ話せるようになる学習指導要領の見本付き)

高校英語教育を文部科学省の誤解に基づいた方針から守るため、以下のご案内を書かせていただきます。

現在文部科学省が「グローバル化に対応した英語教育改革」の目玉として掲げているCAN-DO方式は、ヨーロッパの人々にはできますが、日本語を母国語とする人にはできない方式です。

文部科学省は「CAN-DO方式が日本人には不可能な方式である」と気づいておりません。  導入されれば教育現場は大変迷惑します。  中止する必要があります。  なぜCAN-DO方式が不可能なのかはこちらのブログをお読みください。

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何度もお願いをしているのですが、アマゾンのページで私の本のランキングを下げて妨害をしている人がやめてくれないので、(詳細はこちらです)しばらく以下の文章を掲載させていただくことにしました。

「本を出版する人は、他の著者の妨害をしない。  他の著者を妨害する人は自分の本も出版できない。」
出版社におかれましては、このことを出版の際、著者に理解していただいてください。

私のランキングを妨害している人は、たぶん、現実を受け入れられないのでしょう。
アマゾンの順位を1ペ―ジ目から2ページ目に下げられ、数日でまた2ページ目から3ページ目に下げられて、私は、この方の激しい妨害に驚いています。 

「学習者に正しい発音を習得してほしい」というのが自分の目標でしたら、他人を妨害する必要はありませんね。  他人を妨害してまで、何を手に入れたいのでしょうか。  ベストセラーの著者という名声ですか。  それなら、もうアマゾンで、ご自身の本はベストセラーに認定されているのですから、それで十分でしょう。  この上何が欲しくて私を妨害するのでしょうか?  もう英語教育とは関係ないことですか。  私はとても困っています。  

私は、こちらに書いてある3つのことをするのが、目的です。  日本人が子音の日本語化を知っているか、いないかで、通じる英語で話せるか話せないかが、決まります。  ですから、このことを読者の皆さんに理解していただくのは、とても大事なことなのです。  私の仕事の妨害をしないでください。 

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クマさん、ウサギさん、ブタさん、それぞれが持っている旗に書かれたことの理由は、2017年7月30日のブログをご覧になるとわかります。