川合典子 ブログ

英語教育、英語学習、発音習得、帰国子女の言語習得について書いています。

発音練習は、日本語の音の世界から出てください

皆さんにとって、「子音の日本語化」というのは聞きなれない言葉だと思います。  どのような現象をいうのかは私のホームページで「通じない日本人の発音」という題でご紹介しています。

子音の日本語化が日本人の英語を聞きづらくしていることはもうずいぶん前から私にはわかっていましたが、今まで日本語の音だけ聞いてきた方々に、このことをどのようにご説明したら理解していただけるだろうか、それを長く考えておりました。   

昨年、子音の日本語化について初めてブログで説明した時に、アメリカにいる私のブログの読者の方から「長く(20年くらい)アメリカに住んで、その間英語をずっと勉強してきたつもりの私でさえ、この点を意識するようになったのはここ数年のことです。」「実に重要な点を解説していらっしゃると思います。川合先生の他にこのことを強調している人がいないのが実に不思議です。」とメールをいただきました。  

この方はアメリカで、日本語の音の世界から離れて、母国語の影響が及ばなくなるまで真剣に英語の音を聞き続けていらしたから、日本語以外の子音の長さが聞けるようになられたのだと思います。

また、私の生徒さんに聞きましたところ「川合先生に言われたようにWを発音するように努力しながら、自分の発音とお手本の発音を聞き比べていると、ネイティブはこうして発音しているというのがだんだん聞いてわかってくるんです。  それが日本語の言い方とは違うのだということがわかってくるんです。」と話してくれました。

ということは、アメリカのブログの読者の方のように注意深く「日本語以外の言語」(英語)の発音を聞いている人には、子音の日本語化は聞き取れるということであり、また、生徒さんのように、私が言った通りに発音しながら、(言い換えると、日本語の世界にはない音を発音しながら)お手本と自分の発音の違いを聞きとろうと努力をすれば子音の日本語化は聞き取れる、ということだと思いました。
 
つまり、子音の日本語化は日本語の音の世界にとどまっている限りは聞き取れないということです。

そこで、子音の日本語化に気づいていただくためには、皆さんに一度、

日本語の音の世界から出て発音していただくこと

が重要だと思いました。

新しく発売されました「帰国子女に見る世界に通用する英語力の作り方」第3章(67ページ)に書いてある通りに単語の最初の子音を発音するようにしてみてください。  最初はその部分でとても時間をとるような気がして早く次の音に移りたい衝動に駆られると思いますが、そこをぐっと我慢して、単語の最初の子音をこの本に書いてある通りに発音することを続けてください。(私はこういう子音の発音の仕方をしながら毎分180語の速さで音読していますので「こんなに時間をとる発音の仕方では速くしゃべれない」ということはありませんので、安心してください。)

それをヒントにして、お手本の発音と自分の発音の違いを聞き続けていくと、英語を聞いた時、今まで気づかなかった子音の長さが聞こえてくるようになります。  例えばLittle という単語のLが今までより長く聞こえてきます。

その時大事なのは、「LittleのLは長く発音しても、短く発音しても、どっちでもいいんだ」と勝手に判断して、せっかく聞こえてきた英語の音の長さを切り捨ててしまわないことです。  日本語の音の世界にまた戻ってしまわないことです。

聞こえてきた子音の、その「長さ」こそが、これから勉強する英語の発音なのです。  新しい言語の発音を聞こえてきたとおりに受け入れてください。  それが「外国語の発音を学ぶ」ということです。  一度、日本語の音の世界とサヨナラする経験をしてみてください。  英語の音の世界が聞こえて来ます。


<本やブログに書きましたことを無断で転載、引用することはご遠慮ください。>



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高校入試で子供たちが親の収入によって差別されない為に以下のお知らせを書かせていただきます。

高校入試のスピーキングテストについて(大学入試のスピーキングテストについても同様です)

高校入試のスピーキングテストは本来文部科学省が学校教育で正しい発音を生徒に教えてから行うべきものです。  しかし、文部科学省が教科書にCDもつけず、正しい発音の仕方も学校で教えないまま、高校入試でスピーキングテストを実施する動きが都立高校などで始まっています。 (大学入試でもスピーキングテストが行われようとしています)  これは、スピーキングスキルの習得を塾や予備校、会話学校に丸投げするものです。  学校で教えていないスキルを入試でテストすることはあり得ません。

これでは経済的に余裕のない、塾や会話学校にいけない家庭の子供は誰にも正しい発音を教えてもらえず、練習するCD(音声モデル)も与えられないまま、高校入試でスピーキングテストをされることになり、明らかに親の収入による進路の差別が始まります。(詳しくは2018年3月8日のブログ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」をお読みください。)

皆さんの身近に教育関係者がいらっしゃいましたら、ぜひ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」であることをお伝えください。  (大学入試のスピーキングテストについても同じことです)  
15歳で親の収入のために進路を差別されるのでは子供たちがあまりにもかわいそうです。

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英語教育については、下のブログも併せてご参照ください。  日付をクリックすると移動できます。
2017年10月12日
文部科学省 新中学校学習指導要領 英語 「4技能」は全く効果がない(子供たちが通じる発音でスラスラ話せるようになる学習指導要領の見本付き)


高校英語教育を文部科学省の誤解に基づいた方針から守るため、以下のご案内を書かせていただきます。

現在文部科学省が「グローバル化に対応した英語教育改革」の目玉として掲げているCAN-DO方式は、ヨーロッパの人々にはできますが、日本語を母国語とする人にはできない方式です。

文部科学省は「CAN-DO方式が日本人には不可能な方式である」と気づいておりません。  導入されれば教育現場は大変迷惑します。  中止する必要があります。  なぜCAN-DO方式が不可能なのかはこちらのブログをお読みください。

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何度もお願いをしているのですが、アマゾンのページで私の本のランキングを下げて妨害をしている人がやめてくれないので、(詳細はこちらです)しばらく以下の文章を掲載させていただくことにしました。

「本を出版する人は、他の著者の妨害をしない。  他の著者を妨害する人は自分の本も出版できない。」
出版社におかれましては、このことを出版の際、著者に理解していただいてください。

私のランキングを妨害している人は、たぶん、現実を受け入れられないのでしょう。
アマゾンの順位を1ペ―ジ目から2ページ目に下げられ、数日でまた2ページ目から3ページ目に下げられて、私は、この方の激しい妨害に驚いています。 

「学習者に正しい発音を習得してほしい」というのが自分の目標でしたら、他人を妨害する必要はありませんね。  他人を妨害してまで、何を手に入れたいのでしょうか。  ベストセラーの著者という名声ですか。  それなら、もうアマゾンで、ご自身の本はベストセラーに認定されているのですから、それで十分でしょう。  この上何が欲しくて私を妨害するのでしょうか?  もう英語教育とは関係ないことですか。  私はとても困っています。  

私は、こちらに書いてある3つのことをするのが、目的です。  日本人が子音の日本語化を知っているか、いないかで、通じる英語で話せるか話せないかが、決まります。  ですから、このことを読者の皆さんに理解していただくのは、とても大事なことなのです。  私の仕事の妨害をしないでください。 

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クマさん、ウサギさん、ブタさん、それぞれが持っている旗に書かれたことの理由は、2017年7月30日のブログをご覧になるとわかります。