川合典子 ブログ

英語教育、英語学習、発音習得、帰国子女の言語習得について書いています。

英語の音質で話す練習 第2週目

鼻腔への共鳴を練習する方へ

鼻腔は喉の上の位置にあります。 この練習は上に響かせる練習です。 したがって、故意に喉で声を低くしてしゃべっているとこの練習は出来ません。 普通のしゃべり方で練習してください。 生徒さんから声の高低についてご質問が出ましたので(10月16日のブログを参照してください)お伝えいたします。 
(喉を開ける練習は発声練習や「ロンリータイガーの練習」で、別に行います。ただ、それをしなくても沢さんは川合メソッド2の練習だけで、こういう音質からこういう英語の音質に変わりました。(出典 オー・ヘンリー「最後の一葉」) 鼻腔への共鳴ができましたので声の響く空間が変わりました。)



一週間、鼻腔に共鳴のある音声を聞いて「どうやって鼻腔への通り道を開けるのか」なんとなくお分かりになってきたのではないでしょうか。

今週から実際に発音していきます。

その前に一つ皆さんにお願いしたいことがあります。
この練習は、今まで日本人が使っていなかった鼻腔への通り道を開けていきます。  ということは、新しく開いた鼻腔への通り道は今まで閉じていた部分であり、開いた瞬間、初めて空気が通るということです。

従って、この部分の粘膜が弱い方の中にはひりひりしたり、違和感を感じる方も出てくる可能性があります。  そういう「ひりひりした感じ」や違和感がありましたら、直ちに練習は中止してください。

そういう方はこの練習をすると、粘膜を傷める可能性がありますので、この練習は、行わないでください。  

また、違和感のない方も、新しく開いた鼻腔への通り道を傷めないように、細心の注意を払ってください。  これからの季節、寒い時には十分部屋を暖かくして、練習を行ってください。  冷たい空気がいきなり、鼻腔への通り道に入ると粘膜を傷めます。

空気が乾燥している場合は適度に加湿器を使ったり、お湯を沸かしたりして、口腔、鼻腔に負担がかからないようにして、練習してください。

私が英語を話す時、こういう発声の仕方になったのは、著書「英語発音、日本人でもここまでできます。」17ページに書きました通り、今から25年前、シカゴの病院で、受付のアメリカ人の質問に答えていた時、その人と同じ音質になるように、ひとりでに、口の中が変わって行った時からでした。  

ですから、ネイティブと似るように、自分で考えて口の形を変えたわけではありません。  アメリカ人の質問に答えていくうちに、彼女と同じ音質でしゃべるように、ひとりでに口腔、鼻腔の形が変わって行ったということです。  (私が35歳の時でしたから、臨界期仮説から言うとありえないことですね。)  

その後、発音練習をしながら、「もう少し明るい音質がいいな」とか「もう少し、後ろの方に共鳴させた方がいいな」とか、音質の好みで、いろいろ共鳴の位置を変える努力をしましたが、基本的にこの口腔、鼻腔の形は、あの時シカゴの病院の受付で、アメリカ人と話していた時にひとりでに身に着いたものです。

私は耳が「聞いた音と同じ音質」を出そうとして私の口腔や鼻腔の形を変えたと思っています。 (この耳の働きについては、2011年7月8日のブログ「機会に発音の判定をさせること」に書いてあります。)

それでは練習に入ります。

鼻腔への通り道を開ける練習は、まず、Nの例文で始めます。  「ニアニアの練習」でも述べましたが、Nの音は鼻腔への通り道が開きやすいからです。

軟口蓋を上げて発音しますが、今まで軟口蓋を上げたことのない人にはやりにくいと思いますので、やりやすい方法を申し上げます。

首をちょっと前に出すと、軟口蓋は上げやすくなります。  私がこういう説明をしましたら「川合先生、首をE.T. みたいにするんですね」と言った生徒さんがいて、「言い得て妙」で笑ってしまいました。

E.T.というのはスピルバーグ監督の映画に出てくる宇宙の生き物です。  それで、E.Tの画像を検索していましたら、こちらに、参考になる画像がありました。

E.T.の画像のページ


E.T. 自身の画像ではなく、女の子の画像です。  この中に左下(あるいは右下)に花が咲いている植木鉢が小さく映っていて、E.T.くらいの背の高さの女の子がE.T.の鼻にキスしている画像があると思います。

女の子はストライプのTシャツに黒っぽいジャンパースカートをはいています。  この画像はアクセスするたびに並び順が違うので、上から何番目とか皆さんに、ご説明できないので、探してみてください。

この小さな女の子がE.T.にキスするために少し首を前に出しています。  このくらい首を前に出すと、軟口蓋を上げやすくなります。

そうやって少し首を前に出して、軟口蓋を上げてからNの例文を言ってみてください。  音質は私のを真似てもいいですし、先回のブログでお話しした、相田さんの音声でも結構です。  沢さんが「自分と川合先生の中間に位置する発音でとても参考になった」と言っていた音声です。

そうしたら、私の音声か相田さんの音声をお手持ちのICレコーダー(テープレコーダー)に録音して、そこに自分のNの例文の音声を録音して、聞き比べてください。  どこが違うか、どうやったら、音質が似て来るか、それを考えながら聞き比べて自分で、発声の仕方を直していってください。

なぜ、ICレコーダー(テープレコーダー)に私や相田さんの音声を録音して、自分の音声と比べるかというと、沢さんからこういう指摘があったからです。

「同じ機械にある録音で比べないと違いが分かりづらい」という指摘がありました。  自分の発音はICレコーダーに録音して、見本の音声をパソコンから聞く、という比べ方では違いが分かりづらかったそうです。  それで、最初に私の音声、あるいは相田さんの音声をICレコーダー(テープレコーダー)に録音していただいた方がいいと思いました。

練習のやり方については、最初は一回一回、自分の鼻腔、口腔の状態を確認しながら少しずつ行ってください。  間には十分休みを取り、鼻腔への通り道を傷めないことを第一に考えながら練習してください。  最初の日は、5回くらい、Nの例文を録音して、比べる作業をしたら、そこでやめてください。  それ以上はやらないでください。  翌日また鼻腔、口腔の状態を確認しながら行ってください。

一週間、この音質を比べて似せていく練習をしてください。  沢さんから「Where are you? の練習をした後にやると、軟口蓋が上げやすかった」というお話がありましたので、聞き比べる練習に入る前に2回Where are you? の練習をしてからNの例文を録音して音質を比べる練習に入ってください。

今週はほかの練習はやらなくて結構です。  音を比べて直す練習だけに集中してください。

川合典子Nの例文の音声  音声はこちらです
[file:creato-k:LS106167.MP3:sound]

これでは少し速いかもしれませんので、鼻腔への共鳴を強調して、もう一つ録音してみました。  

鼻腔への共鳴を強調したN例文の音声  音声はこちらです。
[file:creato-k:LS106176.MP3:sound]

相田さん(DVD発声練習2番「ニアニアの音声」を聞いて3日目で鼻腔への通り道が開いた時の音声)
音声はこちらです。
[file:creato-k:LS_70219.MP3:sound]

この3つのうち、どれでもやりやすいものを見本に使って練習してください。


この時の相田さんの声はいつもの声よりとても大きい声でした。  いつもは録音を送っていただいても、これでは声が小さくて、ブログにアップした時、聞きにくいだろうと思い、「もう少し大きな声でもう一度録音してください」とお願いすることがあったのですが、この時の相田さんの声はとても大きな声でした。

沢さんの方も鼻腔に共鳴させる練習をしてから、ご主人も「声が大きくなりました」とおっしゃっていました。

私はこれがとても良いことだと思いました。  鼻腔の空間まで共鳴させるので、息もたくさん使い強く送り込みます。  その結果、声は大きく、強くしっかりするので、騒がしいところでもよく通る英語になります。  聞き返されることもありません。

電車の中などでアメリカ人が話していると声が強いので、離れていてもよく聞こえますが、そういう強さが声に出てきます。


======川合メソッド2英語の音質で話す練習======

10月9日から10月15日までの練習

Where are you? の練習を2回した後、自分のNの例文の音声を録音し、見本と比べて音質を似せていく。
(自分の鼻腔、口腔内部を傷めないように注意して行う。  違和感があったら、
直ちに練習を中止する)

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川合メソッド2を営利目的に使用することはご遠慮ください。
特に出版社、発音を教える人による無断使用は固くお断りします。
皆様にそのようなお願いをする理由はこちらで、ご覧になれます。

学習者どうしの情報交換は歓迎します。  どんどん行ってください。



発声に関しては日本語と同じ狭い口の空間で、日本語と同じ小さい息の量で声だけ低くすると非常に聞きにくい英語になります。 少しざわざわしているところでは聞き返されてしまいます。
一方、鼻腔も含めた大きな空間にたくさんの息を使って声を共鳴させるとこういう発音になります。(川合典子HP(Wの練習「音声を聞く」)より) 川合メソッド2ではこちらを目指します。


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高校入試で子供たちが親の収入によって差別されない為に以下のお知らせを書かせていただきます。

高校入試のスピーキングテストについて(大学入試のスピーキングテストについても同様です)

高校入試のスピーキングテストは本来文部科学省が学校教育で正しい発音を生徒に教えてから行うべきものです。  しかし、文部科学省が教科書にCDもつけず、正しい発音の仕方も学校で教えないまま、高校入試でスピーキングテストを実施する動きが都立高校などで始まっています。 (大学入試でもスピーキングテストが行われようとしています)  これは、スピーキングスキルの習得を塾や予備校、会話学校に丸投げするものです。  学校で教えていないスキルを入試でテストすることはあり得ません。

これでは経済的に余裕のない、塾や会話学校にいけない家庭の子供は誰にも正しい発音を教えてもらえず、練習するCD(音声モデル)も与えられないまま、高校入試でスピーキングテストをされることになり、明らかに親の収入による進路の差別が始まります。(詳しくは2018年3月8日のブログ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」をお読みください。)

皆さんの身近に教育関係者がいらっしゃいましたら、ぜひ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」であることをお伝えください。  (大学入試のスピーキングテストについても同じことです)  
15歳で親の収入のために進路を差別されるのでは子供たちがあまりにもかわいそうです。

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英語教育については、下のブログも併せてご参照ください。  日付をクリックすると移動できます。
2017年10月12日
文部科学省 新中学校学習指導要領 英語 「4技能」は全く効果がない(子供たちが通じる発音でスラスラ話せるようになる学習指導要領の見本付き)



*今日初めて川合典子のブログを読んでくださった方へ*

英語の子音には長さがあります。(日本人が70年聞き取れなかった長さです)  「L」の長さは2016年9月1日のブログを読むとマライア・キャリーさんが発音しているLの長さが聞き取れます。

Sの発音は2012年2月21日のブログを読んでいただくとメリル・ストリープさんが発音するSの長さが聞き取れます。

発音練習は演説でなく普通の会話文で行います。  ナチュラルスピードで日本語化しない子音で話す練習は演説ではできません。  日本人が昔から好んでやってきた練習ばかりしていると、日本人の英語を長い間、通じなくさせてきた問題点を克服することができません。


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「中学、高校の英語の授業を英語で行う」という誤った学校教育(英語教育)の方針から子供達を守る為、当分の間、下記の文を掲載させていただきます。

「中学、高校の英語の授業を英語で行う」という方針のもとになった「英語で考える」という指導法は、提唱者自身も実際に行っていない指導法です。  「英語で考える本」(松本亨著 英友社)67ページに、提唱者自身も学習開始から7年目までは「日本語訳を使って」英語を学習したと書いています。


文部科学省は「英語で考える」などという「詐欺のような指導法」(このようなきつい言葉を使う理由はこちらのブログの最後をご覧ください)を学校教育に持ち込むのはやめてください。  

英語を学ぶ際に、日本語を使っても害などありません。
どんなに偉い先生が提唱しようと嘘(うそ)は嘘です。
今、その嘘を信じた人たちが「英語で授業」という形式を学校教育に持ち込み、多くの高校生が犠牲になっています。 


川合典子が見た英語習得の真実は次の通りです。
バイリンガルの基礎も日本語訳で出来あがった。
最初に日本語で英語の意味、文の構造を説明されたからこそ英語が理解できた」

明らかに事実に反しているのですから「英語で考える」などという詐欺のような指導法を提唱するのはやめてください。  

生徒に対して無責任です。

長い間、生徒に間違った教育をし、文部科学省にまで持ち込み、今、日本中の高校生がその被害を受けています。

嘘を提唱するのはやめてください。  
「日本語訳は英語力の害になる」は明らかに嘘です。  
「英語のまま言っていればニュアンスがわかる」も明らかに嘘です。  
嘘の自分の指導法でお金儲けをするよりも、生徒のことを大事に考えているのなら、間違いはきちんと訂正して謝罪するのが自然に出てくる行動でしょう。  

全国規模で今、高校生が受けている被害はひどすぎます。  高校時代には、やらなければならない大事な訓練があるのです。  「英語で授業」などやっても高校生の英語力は上がりません。  取り返しがつかないことをしています。(なぜ取り返しがつかないのかこちらのブログをお読みになるとわかります)  

(中学、高校の正しい英語教育はこちらです)

次回のブログ更新は10月16日(日曜日)です。

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高校英語教育を文部科学省の誤解に基づいた方針から守るため、以下のご案内を書かせていただきます。

現在文部科学省が「グローバル化に対応した英語教育改革」の目玉として掲げているCAN-DO方式は、ヨーロッパの人々にはできますが、日本語を母国語とする人にはできない方式です。

文部科学省は「CAN-DO方式が日本人には不可能な方式である」と気づいておりません。  導入されれば教育現場は大変迷惑します。  中止する必要があります。  なぜCAN-DO方式が不可能なのかはこちらのブログをお読みください。

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何度もお願いをしているのですが、アマゾンのページで私の本のランキングを下げて妨害をしている人がやめてくれないので、(詳細はこちらです)しばらく以下の文章を掲載させていただくことにしました。

「本を出版する人は、他の著者の妨害をしない。  他の著者を妨害する人は自分の本も出版できない。」
出版社におかれましては、このことを出版の際、著者に理解していただいてください。

私のランキングを妨害している人は、たぶん、現実を受け入れられないのでしょう。
アマゾンの順位を1ペ―ジ目から2ページ目に下げられ、数日でまた2ページ目から3ページ目に下げられて、私は、この方の激しい妨害に驚いています。 

「学習者に正しい発音を習得してほしい」というのが自分の目標でしたら、他人を妨害する必要はありませんね。  他人を妨害してまで、何を手に入れたいのでしょうか。  ベストセラーの著者という名声ですか。  それなら、もうアマゾンで、ご自身の本はベストセラーに認定されているのですから、それで十分でしょう。  この上何が欲しくて私を妨害するのでしょうか?  もう英語教育とは関係ないことですか。  

私は、こちらに書いてある3つのことをするのが、目的です。  日本人が子音の日本語化を知っているか、いないかで、通じる英語で話せるか話せないかが、決まります。  ですから、このことを読者の皆さんに理解していただくのは、とても大事なことなのです。  私の仕事の妨害をしないでください。 

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クマさん、ウサギさん、ブタさん、それぞれが持っている旗に書かれたことの理由は、2017年7月30日のブログをご覧になるとわかります。