前回、連載いたしましたブログ「大学教育を英語で行うこと」(1)〜(7)は皆さんのお役にたちましたでしょうか?
私は18年間にわたり、日本とアメリカを往復して育つ子供たちの言語習得をそばでずっと見てきました。 その間、体験した事実に基づき、英語教育についての意見をブログに書いています。 文部科学省には、日本の子供たち(大学生を含む)の、英語力、思考力、学力を潰(つぶ)さない学校教育を実施していただきたいと思います。
それでは今日の本題、「一か月で被験者がLの「子音の日本語化」が聞き取れるようになった練習方法」に、入りたいと思います。 (この練習は、基本の発音をひと通り習得していることが前提となります。 詳しくは、3月28日のブログに書いてありますので、参考になさってください。)
2010年に最初の本「英語発音、日本人でもここまでできます。」を出版した時から、私は「日本人の子音が短い」(2013年より「子音の日本語化」と表現)と言い続けてきました。 けれども、なかなか聞き取れる方が増えないので、「どうしたら、皆さんに、子音の長さの違いを聞き取ってもらえるようになるだろうか」とずっと考えてきました。
おそらくこれは、長い子音が聞こえて来ても、日本語にはない長さなので、日本人の耳が自動的にはじき出してしまうのだろう、と思いました。
これを聞けるようにするために、日本語にはない特別な子音の言い方を考案して、昨年よりご協力いただける方々に試してもらいました。
被験者になってくださったのは次の方々です。(仮名です)
30代女性 沢さん
40代女性 森さん
40代男性 佐藤さん
50代女性 相田さん
このうち沢さんと相田さんが4か月の練習を終了されて、日本語化した子音と英語の子音の長さの違いを聞き取れるようになりました。 森さんと佐藤さんはお仕事が忙しくて、まだ終了していません。
30代女性の沢さんは、仕事で英語を使ったことはほとんどなく、結婚後家庭に入られて11年たちます。 2人の小さなお子さんの世話で忙しいので、結婚してから、まったく英語を話すことはありませんでした。 練習を始めるにあたって、Lの例文(非常に簡単な文3つ)を発音してもらった時、何度も何度も文の途中でつっかえるので、近くで、ご主人が笑っていらっしゃるのが、電話を通して、聞こえました。 そのくらい、現在は英語とは無縁の生活をしています。
50代女性、相田さんは、英語とは全く関係のない仕事を長くなさっています。 相田さんが送ってくれた音声ファイルを聞いて、私が「Rの発音で、舌先が口蓋についていますので、着かないように発音してください」と申し上げたら、「モティベーションのないことをやれと言われるのは、つらいものがあります」とおっしゃったくらいですから、英語には全く関心のない方です。
一か月の練習の後、この英語にまったく縁のないお二人が「Lの子音の日本語化」が聞き取れるようになりました。 ですから、同じ練習をしていただければ、どなたでも、「Lの子音の日本語化」が聞き取れるようになると思います。 どうぞご一緒に練習なさってください。
私がこの練習を考案するときに参考にしたのは、すでに子音の日本語化が聞き取れるようになっている生徒さんの言葉でした。 「自分が子音を長く発音していると、英語の子音の長さが聞き取れるようになった」
皆さんは、平日は、学校の勉強やお仕事でお忙しいと思いますので、6月5日日曜日より、子音の日本語化を聞き取るネット上セミナーを開始したいと思います。 どうぞご一緒に練習してみてください。
最後にこの練習開始前と練習終了後の沢さんの発音を聞いてください。
川合典子が考案した練習をする前の発音 音声はこちらです。
[file:creato-k:LS105889.MP3:sound]
川合典子が考案した練習をした後の発音 音声はこちらです。
[file:creato-k:LS105890.MP3:sound]
出典はオー・ヘンリーの「最後の一葉」の終わりの方の部分です。
沢さんはこの2文だけを読んだのではなく、朗読全体は50秒でした。 そこから私が2つの文の音声だけを切り取りました。 彼女は50秒間、この子音と鼻腔に共鳴させる音質で、朗読していました。 こういう発音を持続させるための口の筋肉がついているのが、皆さんにもお分かりになると思います。
皆さんもこの練習を一緒にやっていただくと、練習終了時にはこういう子音と鼻腔に共鳴させた音質で発音できるようになります。
練習は1か月目から4か月目までが「子音の日本語化を聞き取り、自分も日本語化しない子音で話せるようになる練習」で、5か月目に「英語の音質で(つまり、鼻腔に共鳴させて)話す練習」が入ります。
けれども5か月目の練習だけ参加されても、残念ながら英語の音質で話せるようにはなりません。 なぜかと言うと、1か月目から
舌の力を強くする練習
強い息を使う練習 (沢さんがHallwayのところで、おなかを使っているのがわかると思います)
唇と口角の力を強くする練習
鼻腔に共鳴する音を聞き取る練習
軟口蓋を上げる練習
上げた軟口蓋を維持する筋肉をつける練習
などをしていくように練習が組まれています。
それらの練習を1か月目から4か月目まで行っていくことによって、5か月目の鼻腔に共鳴させる練習の準備をしていきます。 ですから、1か月目の練習から行っていただくことが必要です。
沢さんと相田さんには、最初の数回を除いて、直接お話ししないで、メールと音声ファイルのみで、練習内容をご連絡するようにしました。 最初から、練習はネット上セミナーの形で、公開することに決めていましたので、「直接練習者に会うことがなくても、練習内容を正確に伝えられるようにする」ためにも、なるべく被験者の方には、読者のみなさんと同じ状態で、説明することを心がけました。
今回の練習は、著書「英語発音、日本人でもここまでできます。」に書いたような完成度の高い発音を身に付ける練習をすることは出来ないけれど、「通じる発音で話したい」という方々向けに考案したものですので、すべての練習が非常に簡略化されています。 是非、ご一緒に練習なさってください。
明日は、ネット上で、練習方法を公開するにあたって、皆さんにお願いしたいことがございます。 そのことについて、書かせていただきたいと思っております。
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高校入試で子供たちが親の収入によって差別されない為に以下のお知らせを書かせていただきます。
高校入試のスピーキングテストについて(大学入試のスピーキングテストについても同様です)
高校入試のスピーキングテストは本来文部科学省が学校教育で正しい発音を生徒に教えてから行うべきものです。 しかし、文部科学省が教科書にCDもつけず、正しい発音の仕方も学校で教えないまま、高校入試でスピーキングテストを実施する動きが都立高校などで始まっています。 (大学入試でもスピーキングテストが行われようとしています) これは、スピーキングスキルの習得を塾や予備校、会話学校に丸投げするものです。 学校で教えていないスキルを入試でテストすることはあり得ません。
これでは経済的に余裕のない、塾や会話学校にいけない家庭の子供は誰にも正しい発音を教えてもらえず、練習するCD(音声モデル)も与えられないまま、高校入試でスピーキングテストをされることになり、明らかに親の収入による進路の差別が始まります。(詳しくは2018年3月8日のブログ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」をお読みください。)
皆さんの身近に教育関係者がいらっしゃいましたら、ぜひ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」であることをお伝えください。 (大学入試のスピーキングテストについても同じことです)
15歳で親の収入のために進路を差別されるのでは子供たちがあまりにもかわいそうです。
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英語教育については、下のブログも併せてご参照ください。 日付をクリックすると移動できます。
2017年10月12日
文部科学省 新中学校学習指導要領 英語 「4技能」は全く効果がない(子供たちが通じる発音でスラスラ話せるようになる学習指導要領の見本付き)
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何度もお願いをしているのですが、アマゾンのページで私の本のランキングを下げて妨害をしている人がやめてくれないので、(詳細はこちらです)しばらく以下の文章を掲載させていただくことにしました。
「本を出版する人は、他の著者の妨害をしない。 他の著者を妨害する人は自分の本も出版できない。」
出版社におかれましては、このことを出版の際、著者に理解していただいてください。
私のランキングを妨害している人は、たぶん、現実を受け入れられないのでしょう。
アマゾンの順位を1ペ―ジ目から2ページ目に下げられ、数日でまた2ページ目から3ページ目に下げられて、私は、この方の激しい妨害に驚いています。
「学習者に正しい発音を習得してほしい」というのが自分の目標でしたら、他人を妨害する必要はありませんね。 他人を妨害してまで、何を手に入れたいのでしょうか。 ベストセラーの著者という名声ですか。 それなら、もうアマゾンで、ご自身の本はベストセラーに認定されているのですから、それで十分でしょう。 この上何が欲しくて私を妨害するのでしょうか? もう英語教育とは関係ないことですか。 私はとても困っています。
私は、こちらに書いてある3つのことをするのが、目的です。 日本人が子音の日本語化を知っているか、いないかで、通じる英語で話せるか話せないかが、決まります。 ですから、このことを読者の皆さんに理解していただくのは、とても大事なことなのです。 私の仕事の妨害をしないでください。
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クマさん、ウサギさん、ブタさん、それぞれが持っている旗に書かれたことの理由は、2017年7月30日のブログをご覧になるとわかります。