川合典子 ブログ

英語教育、英語学習、発音習得、帰国子女の言語習得について書いています。

発音練習も正しい順番でおこないましょう。

大学時代、英語の教師になる学生は音声学が必修でした。  

英語の教師として発音を教えるには、

教師自身も母音を区別して発音出来ること、
文章の最初から最後まで正しい発音で言えること

上の2つは最低の条件だと私は思っています。  生徒はお金を払って発音を習いにくるのに、先生が母音の区別が出来なかったら、生徒も出来るようにはなりません。 

発音の教師はトップアスリートを教えるコーチとは違います。  誰でもしゃべっている発音を教えるわけですから、先生の出来ないことは生徒も出来るようにはなりません。  


中でも母音の区別は重要です。

私は英語は順を追って勉強することが大事だと、前回書きました。    

発音練習では母音の区別を最初に学ぶことはとても重要です。  いったん母音の区別をしないで話し始めてしまうと、面倒で、なかなか習得できなくなります。  母音の区別の出来ない人は母音の区別など必要ないといいますが、これを真に受けると、初心者はその後、どんなに発音を勉強しても、完成度の高い発音は身につけられなくなりますので気をつけてください。

(この辺は「文法は必要ない」と言う言葉を真に受けたときの、学習者の悲劇と似ています。  これも、母音の区別と同様、取り返しがつきません。  こういうことを平気で学習者に言う人はそれが学習者の英語生命を絶つほど重大なことだと気づいて言っているのだろうかと時に憤りを感じることがあります。  文法をマスターしなかった学習者や母音の区別をしなかった学習者がその後、それを取り戻すために、どれほど苦労しているか、私はそういう人たちを教えてよく知っています。 こういう言葉は後で生徒を苦しめるだけなのです。 きちんと英語教育法を勉強した教師は決してこういうことは言いません)

母音の区別をしない発音は、中学1,2年の教科書に書いてあるような簡単な文章を言っている間は通じますが、少し複雑なこと、良く知らない話題などを話し始めると、とたんに通じなくなります。  

演説とか映画のせりふとか、すでにみんなが何と言っているか十分わかっている文章を発音練習している間はいいですが、込み入ったことを話し始めると母音の区別をしていない発音はとたんに通じなくなります。  日本人同士だったら通じるかもしれませんが、日本人の英語を聞いたことがない人には通じません。

母音の区別は発音練習の最初に学んでください。  「演説を発音練習に使うのは日本語の癖を助長するのでおこなわないで下さい」と以前書きましたが(http://d.hatena.ne.jp/creato-k/20110531 こちらの、「続・英語発音、日本人でもここまでできます。」出版以降の英語学習に役立つブログ(7)をご覧下さい。ページの一番最後にあります。)もう一つの理由は、すでに何と言っているか聞いている人があらかじめ十分わかっている文章でばかり練習すると、実際に、「学習者のその発音では通じない」と言う箇所があっても、誰も気づかないという問題が出てきます。  

練習の初期は一つの教材を70回から100回くらい発音練習したら、次は新しい英文に変えて、なるべく多くの文章の発音になれて行くようにしてください。  そうすると実際の場面で使える文章も増えていきます。  単語と単語がつながる場合の言い方もたくさんのパターンを身につけられますし、さまざまなタイプの英文を英語のリズムに乗せてしゃべれるようになります。  

いつも、何と言う英文をしゃべっているかみんなが知っている文章ばかり練習していると、本当に自分の英語が通じるかどうかは分かりません。  練習は、いろいろな文章を使って行ってください。  教材の種類という面でも、扇子は最初から全開にして(5月6日のブログを参照してください。 http://d.hatena.ne.jp/creato-k/20130506 )、  自分が言える文章の範囲を広げて行きましょう。 




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高校入試で子供たちが親の収入によって差別されない為に以下のお知らせを書かせていただきます。

高校入試のスピーキングテストについて(大学入試のスピーキングテストについても同様です)

高校入試のスピーキングテストは本来文部科学省が学校教育で正しい発音を生徒に教えてから行うべきものです。  しかし、文部科学省が教科書にCDもつけず、正しい発音の仕方も学校で教えないまま、高校入試でスピーキングテストを実施する動きが都立高校などで始まっています。 (大学入試でもスピーキングテストが行われようとしています)  これは、スピーキングスキルの習得を塾や予備校、会話学校に丸投げするものです。  学校で教えていないスキルを入試でテストすることはあり得ません。

これでは経済的に余裕のない、塾や会話学校にいけない家庭の子供は誰にも正しい発音を教えてもらえず、練習するCD(音声モデル)も与えられないまま、高校入試でスピーキングテストをされることになり、明らかに親の収入による進路の差別が始まります。(詳しくは2018年3月8日のブログ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」をお読みください。)

皆さんの身近に教育関係者がいらっしゃいましたら、ぜひ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」であることをお伝えください。  (大学入試のスピーキングテストについても同じことです)  
15歳で親の収入のために進路を差別されるのでは子供たちがあまりにもかわいそうです。

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英語教育については、下のブログも併せてご参照ください。  日付をクリックすると移動できます。
2017年10月12日
文部科学省 新中学校学習指導要領 英語 「4技能」は全く効果がない(子供たちが通じる発音でスラスラ話せるようになる学習指導要領の見本付き)




高校英語教育を文部科学省の誤解に基づいた方針から守るため、以下のご案内を書かせていただきます。

現在文部科学省が「グローバル化に対応した英語教育改革」の目玉として掲げているCAN-DO方式は、ヨーロッパの人々にはできますが、日本語を母国語とする人にはできない方式です。

文部科学省は「CAN-DO方式が日本人には不可能な方式である」と気づいておりません。  導入されれば教育現場は大変迷惑します。  中止する必要があります。  なぜCAN-DO方式が不可能なのかはこちらのブログをお読みください。

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何度もお願いをしているのですが、アマゾンのページで私の本のランキングを下げて妨害をしている人がやめてくれないので、(詳細はこちらです)しばらく以下の文章を掲載させていただくことにしました。

「本を出版する人は、他の著者の妨害をしない。  他の著者を妨害する人は自分の本も出版できない。」
出版社におかれましては、このことを出版の際、著者に理解していただいてください。

私のランキングを妨害している人は、たぶん、現実を受け入れられないのでしょう。
アマゾンの順位を1ペ―ジ目から2ページ目に下げられ、数日でまた2ページ目から3ページ目に下げられて、私は、この方の激しい妨害に驚いています。 

「学習者に正しい発音を習得してほしい」というのが自分の目標でしたら、他人を妨害する必要はありませんね。  他人を妨害してまで、何を手に入れたいのでしょうか。  ベストセラーの著者という名声ですか。  それなら、もうアマゾンで、ご自身の本はベストセラーに認定されているのですから、それで十分でしょう。  この上何が欲しくて私を妨害するのでしょうか?  もう英語教育とは関係ないことですか。  私はとても困っています。  

私は、こちらに書いてある3つのことをするのが、目的です。  日本人が子音の日本語化を知っているか、いないかで、通じる英語で話せるか話せないかが、決まります。  ですから、このことを読者の皆さんに理解していただくのは、とても大事なことなのです。  私の仕事の妨害をしないでください。 

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クマさん、ウサギさん、ブタさん、それぞれが持っている旗に書かれたことの理由は、2017年7月30日のブログをご覧になるとわかります。