川合典子 ブログ

英語教育、英語学習、発音習得、帰国子女の言語習得について書いています。

文部科学省の方針(小学校から英語の授業)を実施したので、小学生がカタカナ発音で話しています。(4)補足

私は昨日のブログで「日本人の英語は通じないのが普通です」と述べました。  なぜなら、日本人は英語を話しているつもりでも、実際には、日本語の発音の仕方を持ち込んで話しているからです。  つまり、英語の音を出してしゃべっていないから通じないのです。

そういうと皆さんの中には、「自分は正しい発音の仕方を本で勉強しました」「DVDで学びました」中には、「発音の先生について習いました」とおっしゃる方がたくさんいると思います。

おっしゃる通り、正しい発音の仕方を日本人は一生懸命学んでいます。  書店に行けば発音の仕方を解説した本やDVDはたくさん置いてあります。  ところが、そのせっかく学んだ発音の仕方で実際にしゃべり始めると、子音の言い方が英語ではなく、日本語の言い方に変わってしまうのです。

それが、子音の日本語化です。  なぜそうなるのか、詳しい説明は、著書「帰国子女に見る世界に通用する英語力の作り方」に書きましたが、端的に言えば、日本語では、「子音と母音が一体になって一つの音として話される」ため、子音はほんの少し音を出すと、その後すぐに、口の形を母音に移行させながら言われる発音の仕方に変わってしまう為です。  日本語の「和(ワ)」という言葉を言ってみるとよくわかります。  

一瞬、音を出した後、すぐに口の形を母音に移行しながら言われるので、子音として聞こえる部分はとても短くなってしまうのです。  けれども、日本人にとってはこの短い子音の言い方が当たり前の子音の言い方です。  今まで日本語しか知りませんので、「短い」と思ったこともありません。  「短い」というのは比較の対象があって、初めてわかることだからです。

私たちは、日本語の子音の言い方は、「世界の他の言語の子音の言い方と何も変わらない」と思っていますので、何の違和感もなくその言い方を英語に持ち込みます。  

すると長い子音を聞きなれているネイティブには、とても短くて聞きにくい子音になってしまうのです。  ネイティブだけでなく、英語をコミュニケーションの手段としている人々にとっても、非常に短い子音は聞きにくくなります。

子音の日本語化(子音の長さが短い)を直すには、自分でその違いを聞いて理解しなければ直せません。  ところが、日本語を長く聞いてきた私たちは、せっかく長い子音の音が聞こえて来ても、その部分は「関係ない音」として、耳からはじいてしまいます。  私もそのことを経験しました。(2013年8月10日のブログをお読みください。)  そして、日本語と同じ短い部分だけを聞き取るような聞き方になってしまうのです。

このようにお話ししてきますと、「それでは子音の日本語化は聞くことができないのか」ということになってしまいますが、聞けるようになる方法があります。  

私の発音の生徒さんの体験から、まず、自分が日本語化しない子音で話すことを始めると、この子音の長さが聞こえるようになる、ということです。

例えば、「L」の発音なら、まず、自分が日本語化しない「L」で話すようにしてみてください。  やり方はこちらの出版社のページで「本の中身が読めます」というところの72ページ73ページに書いてあります。

そういう長さを持った「L」を常に発音しながら、ピンポイントで「L」の発音だけをネイティブと日本人の発音で聞くようにしてください。  そうすると、長さの違い(子音の日本語化)が分かるようになります。 

実際にしゃべっている日本人の発音がとらえにくい場合は、ネット上にある日本人の発音を聞いてみると、やりやすいと思います。  繰り返し聞けますので、よくわかります。  私は日本人のLeadership とか アメリカ人のLittleという単語を聞いたときによくわかりました。  

子音の日本語化は、自分で違いが聞き取れない限り直せません。  練習している一つの文章で、先生に「もっと子音を強く」とか「子音が聞こえるように」とか言われて直しても、自分が違いを分かっていない限り、新しい文章を練習すると、また元の日本語の子音の言い方にもどってしまいます。  ですから、どうぞ自分で音を聞いてください。

日本人が戦後、英語を話すようになって何十年とたつのに、いまだに通じるようにしゃべれない、というのは、この子音の長さの違いが聞けないからだと思います。  聞けないのは「努力の問題」というよりは、「関係ない音は聞こえて来ても、耳が聞かない」という耳が本来持っている生物学的な機能がここで現れるから、日本人には、子音の違いが聞き取れなかったのだと思います。  そういう意味では仕方のないことだったのかもしれません。

けれども、生徒さんの体験から、自分が英語本来の子音の長さで話すようにしていると、子音の長さが聞こえるようになりますので、どうぞ、皆さんもやってみてください。

そして、英語本来の子音の長さで話せるようになると、今までより、ずっと相手によく聞こえる子音で英語が話せるようになります。  例え、子音の長さの違いが聞き取れるまでに、時間がかかっても、自分が英語本来の長さを持った子音で今から話し始めれば、今までより、ずっと相手に理解してもらえる英語が話せるようになるということです。  これが一番大事なことですね。  是非、やってみてください。

なお、「L」の発音については2015年5月6日のブログ「東京の地下鉄のアナウンス」も参考になさってください。

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高校入試で子供たちが親の収入によって差別されない為に以下のお知らせを書かせていただきます。

高校入試のスピーキングテストについて(大学入試のスピーキングテストについても同様です)

高校入試のスピーキングテストは本来文部科学省が学校教育で正しい発音を生徒に教えてから行うべきものです。  しかし、文部科学省が教科書にCDもつけず、正しい発音の仕方も学校で教えないまま、高校入試でスピーキングテストを実施する動きが都立高校などで始まっています。 (大学入試でもスピーキングテストが行われようとしています)  これは、スピーキングスキルの習得を塾や予備校、会話学校に丸投げするものです。  学校で教えていないスキルを入試でテストすることはあり得ません。

これでは経済的に余裕のない、塾や会話学校にいけない家庭の子供は誰にも正しい発音を教えてもらえず、練習するCD(音声モデル)も与えられないまま、高校入試でスピーキングテストをされることになり、明らかに親の収入による進路の差別が始まります。(詳しくは2018年3月8日のブログ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」をお読みください。)

皆さんの身近に教育関係者がいらっしゃいましたら、ぜひ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」であることをお伝えください。  (大学入試のスピーキングテストについても同じことです)  
15歳で親の収入のために進路を差別されるのでは子供たちがあまりにもかわいそうです。

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英語教育については、下のブログも併せてご参照ください。  日付をクリックすると移動できます。
2017年10月12日
文部科学省 新中学校学習指導要領 英語 「4技能」は全く効果がない(子供たちが通じる発音でスラスラ話せるようになる学習指導要領の見本付き)




高校英語教育を文部科学省の誤解に基づいた方針から守るため、以下のご案内を書かせていただきます。

現在文部科学省が「グローバル化に対応した英語教育改革」の目玉として掲げているCAN-DO方式は、ヨーロッパの人々にはできますが、日本語を母国語とする人にはできない方式です。

文部科学省は「CAN-DO方式が日本人には不可能な方式である」と気づいておりません。  導入されれば教育現場は大変迷惑します。  中止する必要があります。  なぜCAN-DO方式が不可能なのかはこちらのブログをお読みください。

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何度もお願いをしているのですが、アマゾンのページで私の本のランキングを下げて妨害をしている人がやめてくれないので、(詳細はこちらです)しばらく以下の文章を掲載させていただくことにしました。

「本を出版する人は、他の著者の妨害をしない。  他の著者を妨害する人は自分の本も出版できない。」
出版社におかれましては、このことを出版の際、著者に理解していただいてください。

私のランキングを妨害している人は、たぶん、現実を受け入れられないのでしょう。
アマゾンの順位を1ペ―ジ目から2ページ目に下げられ、数日でまた2ページ目から3ページ目に下げられて、私は、この方の激しい妨害に驚いています。 

「学習者に正しい発音を習得してほしい」というのが自分の目標でしたら、他人を妨害する必要はありませんね。  他人を妨害してまで、何を手に入れたいのでしょうか。  ベストセラーの著者という名声ですか。  それなら、もうアマゾンで、ご自身の本はベストセラーに認定されているのですから、それで十分でしょう。  この上何が欲しくて私を妨害するのでしょうか?  もう英語教育とは関係ないことですか。  

私は、こちらに書いてある3つのことをするのが、目的です。  日本人が子音の日本語化を知っているか、いないかで、通じる英語で話せるか話せないかが、決まります。  ですから、このことを読者の皆さんに理解していただくのは、とても大事なことなのです。  私の仕事の妨害をしないでください。 

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クマさん、ウサギさん、ブタさん、それぞれが持っている旗に書かれたことの理由は、2017年7月30日のブログをご覧になるとわかります。