川合典子 ブログ

英語教育、英語学習、発音習得、帰国子女の言語習得について書いています。

英文読書能力養成プログラムに「オリジナルセブン」と名前を付けた時のこと 

夫は旅行が好きで、学生時代から一人でよく旅行をしていたそうです。  特に日本人の行ったことのないところに行くのが好きで、行った先の国のホテルのロビーにひとりでいたら、「日本人を見たことのない人々ばかりで、遠巻きにしてみんなが見ていた」とか、サハラ砂漠の小さなオアシスに行ったら、帰りのバスの自分の席に誰かが居座ってどいてくれないので、(おいて行かれたら、夜間の気温も下がるし、大変だと)次のバスの席を必死に確保した、とかいろんな話を聞きました。

さすがに結婚してからは、そういうところには行きませんが、3連休とかちょっとした休みにも、シカゴにいた時は、家族で小さな旅行をしました。 

けれどもニュージャージーに赴任した時は、私はもう子供の学校のことで、疲れてしまって、学校がない時くらい(つまり、子供の勉強のことで、先生から電話がかかって来ない時くらい)、安心して休みたかったのです。  それで、夫から「今度の連休OOへ行かない?」とか言われても「そうねえ。。」などと言って、積極的な返事をしませんでした。

それが続いたら、「お母さんが行く気がないからだめだなあ。。」と夫がつまらなそうに言いました。  すると娘が「由紀子が一緒に行ってあげる」と言ってくれました。  私は助かりました。  それからは夫と娘、二人でよく旅行に出かけました。

ある年のクリスマス休暇にコロラドに行くことになりました。  出発の日、ニューヨークは良い天気だったのですが、中西部が猛吹雪で、飛行機がほとんど飛べない状態でした。  中西部からニューヨークに飛んでくる飛行機がないと、ニューヨークから出発する飛行機がないので、晴天なのに、ニューヨークの空港は欠航便がたくさん出て、混乱している、とニュースで見ました。

まだ出発時間までには時間があったのですが、夫と娘はすぐに空港に向かいました。

案の定、予約していた飛行機が欠航になりました。  けれどもほかのコロラド行の便に何とかのせてもらえないかと、多くの人が待機していました。  航空会社は、ニューヨークのほかの空港から、飛行機が出るかも知れないから、ということで、バスを用意して、そこにいた乗客を乗せてほかの空港に連れて行きました。

そこで、何時間も待ったのですが、結局飛行機は飛ばず、また元の空港にもどってきました。  あきらめて、多くの人が帰ったようですが、夫と娘の他に朝から飛行機を待っていた人が6人、ずっと待機していました。

すると、その中の一人のおじさんが、娘のところに来て、「君のことを忘れているわけではないんだよ。  君は子供だから、お父さんと一緒に一人として数えるからね」と言ってから、航空会社のスタッフのところに行って、「私たちはオリジナルセブンだ。  7人一緒にコロラド行の飛行機に乗せてもらいたい」と直談判を始めたそうです。

夫は自分たちはアメリカ人ではないけれど、一緒の仲間として、そうやって言ってくれたことがとてもうれしかった、と言っていました。  髪の毛が黒いアジア系アメリカ人もいますから外見だけでは、外国人だとわかりませんが、夫と娘が話す時は日本語ですから、アメリカで生まれ育った人ではない、ということはわかります。

結局、その後、長く待った末に、7人一緒に、コロラドに行く便に乗せてもらい、夜にはコロラドに着きました。

帰ってきた夫からこの話を聞いて、「よかったな」と思いました。  娘のためにも、よかったと思いました。

夫が調べるとオリジナルセブンというのは、初代有人宇宙飛行のために選ばれた宇宙飛行士7人を人々がそう呼んでいるということがわかりました。  おじさんは「朝から待っていた最初からいた7人」ということをオリジナルセブンという言葉で強調したのでしょう。

私は最後7冊まで絞った本を目の前にして、Sevenという数字から、この話を思い出しました。  宇宙へ飛んでいくロケットのイメージが広がりました。  私も、Magic Tree House からスタインベックまで、一直線にレベルを上げることにして9冊から7冊まで絞ったばかりでした。

空より高く飛んでいくロケットと宇宙飛行士のイメージは、このプログラムを行う人々の英語力がロケットのように高く上がることを願っている私には、ぴったりのように思えました。  「このプログラムの名前はオリジナルセブンにしよう」と思いました。  文字通りに解釈しても「最初の7冊」ですから、ぴったりだと思いました。

                         続く

来週は7月5日で、子音を長く言う「川合メソッド2」の練習を初めて一か月になりますので、その説明のため、この話の続きは、その次の週に書きます。

来週、7月5日、皆さんは今までの日本人が聞き取れなかった音が聞き取れるようになりますね。  練習を継続してこられた方は、日本語の音の世界から出て、初めて母国語とは違う音を耳が聞き取ります。

その音は日本語にはない音で、しかも非常に小さな音です。  小さな小さな音です。  だから日本人にはずっと認識されずに来ました。  聞こえても関係ない音として、耳からはじき出されてきました。

でもその音を言うと言わないでは、発音の通じやすさが全然違います。  相田さんが私のLを「舌が歯茎にからまるようなL」と言ったのは、私が、その小さな音をいつも発音しているからです。  

その小さな音を発音しないとどうなるか、というと2015年2月1日のブログ「続・英語発音、日本人でもここまでできます。付属CDトラック6、生徒さんのWの発音は川合典子にはどう聞こえたか。」に書きました、生徒さんの発音と同じになります。  

実際、こんなに小さな音が日本人の英語を長い間、通じにくくさせていたということに、改めて驚きます。  母国語にない音は耳からはじきだされてきたのですね。  でも、自分でこの音が聞ければもう大丈夫です。  自分もその音を入れて発音できるようになりますから。  そうすると、相手に通じやすい発音になります。  

皆さんが、この音を聞けるようになって、
聞いた通りに発音できるようになって
英語が通じやすくなる、

私は、それを願って、この練習を作りました。

====子音を長く言う「川合メソッド2」===========
6月26日から7月9日までの練習内容
練習(1)普通のL 5回
練習(2)長いL  5回
簡略腹式呼吸(水道管呼吸法)  3秒 × 5回
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「川合メソッド2」を営利目的で使用するのはご遠慮ください。
(例) 出版、発音セミナー、発音レッスン、発音トレーニング 等々。

皆様にこのようなお願いをする理由は、こちらでご覧いただけます。




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高校入試で子供たちが親の収入によって差別されない為に以下のお知らせを書かせていただきます。

高校入試のスピーキングテストについて(大学入試のスピーキングテストについても同様です)

高校入試のスピーキングテストは本来文部科学省が学校教育で正しい発音を生徒に教えてから行うべきものです。  しかし、文部科学省が教科書にCDもつけず、正しい発音の仕方も学校で教えないまま、高校入試でスピーキングテストを実施する動きが都立高校などで始まっています。 (大学入試でもスピーキングテストが行われようとしています)  これは、スピーキングスキルの習得を塾や予備校、会話学校に丸投げするものです。  学校で教えていないスキルを入試でテストすることはあり得ません。

これでは経済的に余裕のない、塾や会話学校にいけない家庭の子供は誰にも正しい発音を教えてもらえず、練習するCD(音声モデル)も与えられないまま、高校入試でスピーキングテストをされることになり、明らかに親の収入による進路の差別が始まります。(詳しくは2018年3月8日のブログ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」をお読みください。)

皆さんの身近に教育関係者がいらっしゃいましたら、ぜひ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」であることをお伝えください。  (大学入試のスピーキングテストについても同じことです)  
15歳で親の収入のために進路を差別されるのでは子供たちがあまりにもかわいそうです。

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英語教育については、下のブログも併せてご参照ください。  日付をクリックすると移動できます。
2017年10月12日
文部科学省 新中学校学習指導要領 英語 「4技能」は全く効果がない(子供たちが通じる発音でスラスラ話せるようになる学習指導要領の見本付き)


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高校英語教育を文部科学省の誤解に基づいた方針から守るため、以下のご案内を書かせていただきます。

現在文部科学省が「グローバル化に対応した英語教育改革」の目玉として掲げているCAN-DO方式は、ヨーロッパの人々にはできますが、日本語を母国語とする人にはできない方式です。

文部科学省は「CAN-DO方式が日本人には不可能な方式である」と気づいておりません。  導入されれば教育現場は大変迷惑します。  中止する必要があります。  なぜCAN-DO方式が不可能なのかはこちらのブログをお読みください。

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クマさん、ウサギさん、ブタさん、それぞれが持っている旗に書かれたことの理由は、2017年7月30日のブログをご覧になるとわかります。