川合典子 ブログ

英語教育、英語学習、発音習得、帰国子女の言語習得について書いています。

まったく本を読まない息子に困りました。(第2回)

7月5日のブログにも書いたように、子供たちはお話にはとても興味を持ったようでした。  自分がいつも遊んでいる友達が実名で登場して、一緒に宇宙に行って友達を救ったり、地球を守ったりしたのですから、いつかきっと自分の日常にも、そういうことが起こるような気がして、面白かったのかもしれません。  

いつも昼寝ばっかりしている友達も、いじめっ子が来ると一目散に家に逃げ帰ってしまう友達も、お話の中では、その「どこでも寝られる特技」や「逃げる才能」でみんなを危機から救ったのですから、面白かったのかもしれません。

「次は本を読んであげる」と約束したので、私は、それから半年の間、子供たちが夜、床につくと本を読んで聞かせました。  「地底旅行」の次は「失われた世界」、「ロビンソンクルーソー」、「十五少年漂流記」など、どれも小学生のころ私が読んで面白かった冒険小説ばかりを選びました。

読むときは部屋の明かりを消して真っ暗にし、手元だけスタンドで明るくして読みました。  夜の暗闇は、一種独特の雰囲気を作り出します。  そこで、本当に起こったことみたいに、「そうっと草の陰からのぞいてみると、そこには、恐竜の群れがいたのです。」などと読んでいると、今にも暗闇の向こうに、恐竜の群れが、見えてくるようでした。

映像はない言葉だけの世界ですので、子供たちが話を聞きながら、自分で、その光景を一生懸命想像しているのが、目を見るとわかりました。  次は何が起きるのだろうと、じっと聞いていました。

今、あのときのことを思うと、毎晩、子供たちと、ファンタジーの世界に旅をしていたような気になります。  部屋の明かりを消して、本を開くと、昼間の世界とはまた違う、わくわくする世界が始まります。

そのころは、子供たちの寝る時刻が遅くなっていたので、9時までには、寝てほしいと思っていました。注意したところで、聞かないだろうと思っていましたから「お布団に入ってから、9時まで本を読んであげる。」と言っておきました。

そうしたら、だんだん早く床につくようになって、あるときなど、夕食の後片付けをしていたら、お風呂に入って、パジャマに着替えた息子が来て、僕たちもう寝るから。 ママは9時まで本を読んでくれるって言ったよね?」と言うのです。  「そうよ。」と言って、時計を見たら、7時半でした。  約束ですので、1時間半読みました。

たいてい寝る前30分くらい読みましたが、一番長いときで、2時間読みました。  9時までという約束だったので、しょうがないです。  私も小学生のころを思い出して、一緒に楽しみました。

このころは、楽しく読み聞かせで良かったのですが、息子が5年生になったとき、もうそろそろ、一人で本を読ませてもいいころだと思いました。

それで、市立図書館に行って、面白そうな本を借りてきました。  内容は、一通り、読んでおきました。(あとから、これがとても役にたちました。)

学校から帰ってきた息子に、「もう一人で本を読めるでしょうから、遊びに行く前に20分、この本を読んでから、今日はあそびにいきなさい。」と、言いました。  「先に遊びに行きたい。」「だめ。読んでから行きなさい。」と言って、私は、本を息子に渡して、部屋に押し込んで、扉を閉めました。

20分たって、部屋から出てきた息子は、「終わったから、遊びに行ってくる。」と言うので、「どんなおはなしだったか言ってごらん。」と私は言いました。  まさかそこまで聞かれるとは思わなかったのか息子は一瞬たじろいだ後、でたらめなお話を言いました。

「違う、そんなことは書いてないの。もう一回ちゃんと読みなさい。」と言って私は息子を再び部屋に押し込んで、扉を閉めました。  今度はいやいや読んでいました。  途中で水を飲みに出てくるは、トイレに出てくるは、5分もじっとしていられないようでした。  「ああ、こんなことで、本当に一人で読むようになるのだろうか。。。。」と、私自身も、前途多難だと思いました。

20分たって、出てきたので、あらすじを聞くと今度は、ちゃんといえたので、遊びに行かせました。  もし、読書指導の専門家が見たら、「それでは本が嫌いになってしまう、なんと言うひどいやり方だ、」というでしょうが、4年生で、本を読めるようにしてやれなかったら、もう大人まで、この子は自分で本など読まないとわかっていましたから、私も必死でした。  小さい時に親の都合で、日本にいなかったから、日本語の本の楽しさもわからなかったということになってしまったら、どうしようと思いました。  だから、まさに力ずくで、本を読ませました。  経験不足で未熟な親は、こんなことしか出来なかったんですね。

午前中、お使いの途中で、図書館に寄り、本を選んで、息子が帰るまでには、どんな話なのか、ざっと読んでおきました。  それを続けるのは、こちらもちょっと大変でした。

あるとき、どうしても用があって、午前中図書館にいけませんでした。  きのうで、渡した本が読み終わっていますので、今日は新しい本を渡さなければいけない日でした。  どうしようか困って、ふと目をやると、ミヒャエル・エンデの「モモ」が、夫の机の上においてありました。

子供向けの本ですが、そのころ新聞などで、大人の間でも話題になっていましたから、夫が買ってきたのでしょう。  カバーを見ると小学校6年生用と書いてありましたので、それを借りることにしました。  私は中身を読む時間はありませんでした。  今日もまた、20分、息子を見張って本を読ませるのか、と思っていましたが、事態は思わぬ方向へ進んでいきました。  「モモ」を渡された息子は、トイレにも水を飲みにも、出てきませんでした。

この続きはまた来週書きます。

「まったく本を読まない息子に困りました。(完結編)」はこちらです。http://d.hatena.ne.jp/creato-k/20110720




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高校入試で子供たちが親の収入によって差別されない為に以下のお知らせを書かせていただきます。

高校入試のスピーキングテストについて(大学入試のスピーキングテストについても同様です)

高校入試のスピーキングテストは本来文部科学省が学校教育で正しい発音を生徒に教えてから行うべきものです。  しかし、文部科学省が教科書にCDもつけず、正しい発音の仕方も学校で教えないまま、高校入試でスピーキングテストを実施する動きが都立高校などで始まっています。 (大学入試でもスピーキングテストが行われようとしています)  これは、スピーキングスキルの習得を塾や予備校、会話学校に丸投げするものです。  学校で教えていないスキルを入試でテストすることはあり得ません。

これでは経済的に余裕のない、塾や会話学校にいけない家庭の子供は誰にも正しい発音を教えてもらえず、練習するCD(音声モデル)も与えられないまま、高校入試でスピーキングテストをされることになり、明らかに親の収入による進路の差別が始まります。(詳しくは2018年3月8日のブログ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」をお読みください。)

皆さんの身近に教育関係者がいらっしゃいましたら、ぜひ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」であることをお伝えください。  (大学入試のスピーキングテストについても同じことです)  
15歳で親の収入のために進路を差別されるのでは子供たちがあまりにもかわいそうです。

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英語教育については、下のブログも併せてご参照ください。  日付をクリックすると移動できます。
2017年10月12日
文部科学省 新中学校学習指導要領 英語 「4技能」は全く効果がない(子供たちが通じる発音でスラスラ話せるようになる学習指導要領の見本付き)






高校英語教育を文部科学省の誤解に基づいた方針から守るため、以下のご案内を書かせていただきます。

現在文部科学省が「グローバル化に対応した英語教育改革」の目玉として掲げているCAN-DO方式は、ヨーロッパの人々にはできますが、日本語を母国語とする人にはできない方式です。

文部科学省は「CAN-DO方式が日本人には不可能な方式である」と気づいておりません。  導入されれば教育現場は大変迷惑します。  中止する必要があります。  なぜCAN-DO方式が不可能なのかはこちらのブログをお読みください。

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何度もお願いをしているのですが、アマゾンのページで私の本のランキングを下げて妨害をしている人がやめてくれないので、(詳細はこちらです)しばらく以下の文章を掲載させていただくことにしました。

「本を出版する人は、他の著者の妨害をしない。  他の著者を妨害する人は自分の本も出版できない。」
出版社におかれましては、このことを出版の際、著者に理解していただいてください。

私のランキングを妨害している人は、たぶん、現実を受け入れられないのでしょう。
アマゾンの順位を1ペ―ジ目から2ページ目に下げられ、数日でまた2ページ目から3ページ目に下げられて、私は、この方の激しい妨害に驚いています。 

「学習者に正しい発音を習得してほしい」というのが自分の目標でしたら、他人を妨害する必要はありませんね。  他人を妨害してまで、何を手に入れたいのでしょうか。  ベストセラーの著者という名声ですか。  それなら、もうアマゾンで、ご自身の本はベストセラーに認定されているのですから、それで十分でしょう。  この上何が欲しくて私を妨害するのでしょうか?  もう英語教育とは関係ないことですか。 私は、とても困っています。  

私は、こちらに書いてある3つのことをするのが、目的です。  日本人が子音の日本語化を知っているか、いないかで、通じる英語で話せるか話せないかが、決まります。  ですから、このことを読者の皆さんに理解していただくのは、とても大事なことなのです。  私の仕事の妨害をしないでください。 

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クマさん、ウサギさん、ブタさん、それぞれが持っている旗に書かれたことの理由は、2017年7月30日のブログをご覧になるとわかります。