川合典子 ブログ

英語教育、英語学習、発音習得、帰国子女の言語習得について書いています。

私の音読練習

2001年から、ほぼ毎日音読の練習をしています。ライス国務長官公聴会の例を除いて(2011年9月2日のブログ「上級の音読練習」http://d.hatena.ne.jp/creato-k/20110902 に書いてあります。)、練習内容はふつうは一年前後で、変えています。

現在はこのように練習しています。

音読練習はパート1とパート2に分かれます。パート1はプレゼンテイションにも使えるようなきちんとした発音で行います。パート2は映画の発音を教材に使います。映画の教材は、自分がしゃべるという目的よりも聞き取りのために行っています。

パート1の音読練習 

5400語くらいの会話の英文をネイティブがしゃべった音声を聞きながら、同時音読します。速さは大体、毎分180語前後です。大変そうに見えますが、教材を3ヶ月変えませんので、大変なのは最初だけです。だんだん楽になってきます。それに最初の2週間は読まずにひたすら聞きますので、それでずいぶん読み方がわかります。

一度に5400語を同時音読するのは大変なので、5分くらいずつに区切っています。ヘッドフォンが壊れてしまったので、アイポッドのイヤフォンを使って聞きながら同時音読し、その間、ずっと、ICレコーダーでじぶんの音読を録音しておきます。終わったら、自分の発音をチェックします。全部聞くと倍の時間がかかりますので、2分経過後、と4分経過後の2箇所を15秒くらい聞き、チェックします。

そこで気づいたことに気をつけながら、次の5分の同時音読にすすみます。このプロセスを5回繰り返します。(その後の5分は、初めての教材を聞くのみの練習になります。)教材は6分の1ずつ2週間ごとに新しい教材に変えて行きます。

パート2の音読練習 (約15分)

DVDで映画を見ながら行います。映画を選ぶときの基準は
1. 普通の人が使う英語であること。(汚い言葉が入らないこと。)
2. 自分が好きになれる映画であること。
3. せりふが多いこと。(絵を見ているだけでは時間が無駄なので。)
4. スクリプトが入手可能なこと。

映画を決めたら、その中から、練習に使う15分の場面を選びます。なるべくせりふの多い場面を選びます。

一ヶ月、文字は見ないで、DVDを見ながら聞きます。(両方の耳につけるイヤフォンで長さが5メートルくらいあるものを使っています。以前はヘッドフォンを使っていましたが、壊れてしまったので、これにしました)次の月はスクリプトを見てDVDと一緒に同時音読します。その次の月は何も見ないで、映画と一緒にせりふを言います。これを交互に繰り返します。

何ヶ月繰り返すかは、そのつど自分で決めます。映画の音読は録音しません。私は映画の発音のように話したいと思ったことがないのです。映画の発音を美しいと感じたことがありません。早口で音がたくさん変形または落ちる英語を話したいとは思わないので録音はしません。聞き取りの力を向上させる目的で行っています。

以前は、映画全体を聞いて、せりふを書き取って、それを見ながら同時音読したこともありましたが、今は、映画全体を通して、勉強する時間がないので、15分ずつ、こうして行っています。

パート3 声楽の練習

発声練習、オペラのアリアの練習、英語の歌の練習 

(アリアと英語の歌は、一曲歌うたびに自分の歌の録音を聞いて、発声、音程、発音、構成のしかた、感情表現などをチェックします。最終的には萩原先生が指導されます。)

以上が私の毎日の練習です。英語圏で暮らしているわけではありませんので、毎日、口の筋肉トレーニングをしないと、正しい発音でしゃべれなくなります。それでは、生徒さんを教えられませんので、こうして毎日練習しています。


私の練習内容は初級の方には余り参考にはならなかったかもしれませんが、私がなぜこれを書いたかというと、私が今でも川合メソッドの一番大事な部分をずっと続けていることを知っていただきたかったからです。

1. 実際に話された英語の音を使って発音練習をしていること
    (頭の中で作った音で音読しているのではありません。思い込んだ音で練習していると、リズムやイントネーションがかなり違ってきても気づかなくなります。)
2. 自分の発音をいつも録音していること。
3. モデルと比べて自分で発音をチェックしていること。


この中の何かひとつがかけても、発音は似て非なるものへと変わっていきます。特に、じぶんの耳で実際の音を聞くことは、一番大事なことです。自分の耳でよく聞いた音しか自分の口で、再生出来ませんので、必ず実際の発音を自分の耳で聞いてください。

自分で発音を直していくのは時間がかかると思っている人がいるかもしれませんが、どんな方法をとっても発音が身につくのには、6ヶ月から8ヶ月くらいはかかります。

川合メソッドもそのくらいで、ナチュラルスピードよりは少し遅いスピードですが、正しい発音でしゃべれるようになります。ですから、特に時間がかかるメソッドということはありません。ぜひ、一度、じぶんの発音を録音して、聞いてみてください。「今までの音読練習はなんだったんだろう」と思うと思います。そのくらい、じぶんの発音を聞くのは新しい発見があります。




ここからは、本の内容についての補足ですが、

本の56ページに自分がニュース英語を聞き取れるようになったときの練習方法を書きました。毎分180語で、1000語から1100語くらいの文章を10回音読することでした。

いま私がやっている音読のように3ヶ月教材を変えないなら、この練習もそんなに大変ではないのですが、「毎日教材を変えて」毎分180語で音読するのはとても大変でした。皆さんの中にも、この練習は大変だと感じる方がいると思います。そういう時は毎分180語で読まなくても結構です。

今の自分の音読のスピードより毎分+10語、あるいは+20語くらいの速さを目標にして、おこなってみてください。(1000語の分量が大変でしたら、じぶんの無理のない分量からはじめてください。)それでも続けていくうちに音読のスピードはだんだん速くなりますので、ちゃんと効果は出てきます。音読のスピードを上げる方法は、「お金はなくても英語学習は出来る。」という8月4日のブログに書いてありますので、そちらをお読みください。




* * *


====================================


高校入試で子供たちが親の収入によって差別されない為に以下のお知らせを書かせていただきます。

高校入試のスピーキングテストについて(大学入試のスピーキングテストについても同様です)

高校入試のスピーキングテストは本来文部科学省が学校教育で正しい発音を生徒に教えてから行うべきものです。  しかし、文部科学省が教科書にCDもつけず、正しい発音の仕方も学校で教えないまま、高校入試でスピーキングテストを実施する動きが都立高校などで始まっています。 (大学入試でもスピーキングテストが行われようとしています)  これは、スピーキングスキルの習得を塾や予備校、会話学校に丸投げするものです。  学校で教えていないスキルを入試でテストすることはあり得ません。

これでは経済的に余裕のない、塾や会話学校にいけない家庭の子供は誰にも正しい発音を教えてもらえず、練習するCD(音声モデル)も与えられないまま、高校入試でスピーキングテストをされることになり、明らかに親の収入による進路の差別が始まります。(詳しくは2018年3月8日のブログ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」をお読みください。)

皆さんの身近に教育関係者がいらっしゃいましたら、ぜひ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」であることをお伝えください。  (大学入試のスピーキングテストについても同じことです)  
15歳で親の収入のために進路を差別されるのでは子供たちがあまりにもかわいそうです。

====================================

英語教育については、下のブログも併せてご参照ください。  日付をクリックすると移動できます。
2017年10月12日
文部科学省 新中学校学習指導要領 英語 「4技能」は全く効果がない(子供たちが通じる発音でスラスラ話せるようになる学習指導要領の見本付き)





高校英語教育を文部科学省の誤解に基づいた方針から守るため、以下のご案内を書かせていただきます。

現在文部科学省が「グローバル化に対応した英語教育改革」の目玉として掲げているCAN-DO方式は、ヨーロッパの人々にはできますが、日本語を母国語とする人にはできない方式です。

文部科学省は「CAN-DO方式が日本人には不可能な方式である」と気づいておりません。  導入されれば教育現場は大変迷惑します。  中止する必要があります。  なぜCAN-DO方式が不可能なのかはこちらのブログをお読みください。

* * *

何度もお願いをしているのですが、アマゾンのページで私の本のランキングを下げて妨害をしている人がやめてくれないので、(詳細はこちらです)しばらく以下の文章を掲載させていただくことにしました。

「本を出版する人は、他の著者の妨害をしない。  他の著者を妨害する人は自分の本も出版できない。」
出版社におかれましては、このことを出版の際、著者に理解していただいてください。

私のランキングを妨害している人は、たぶん、現実を受け入れられないのでしょう。
アマゾンの順位を1ペ―ジ目から2ページ目に下げられ、数日でまた2ページ目から3ページ目に下げられて、私は、この方の激しい妨害に驚いています。 

「学習者に正しい発音を習得してほしい」というのが自分の目標でしたら、他人を妨害する必要はありませんね。  他人を妨害してまで、何を手に入れたいのでしょうか。  ベストセラーの著者という名声ですか。  それなら、もうアマゾンで、ご自身の本はベストセラーに認定されているのですから、それで十分でしょう。  この上何が欲しくて私を妨害するのでしょうか?  もう英語教育とは関係ないことですか。 私は、とても困っています。  

私は、こちらに書いてある3つのことをするのが、目的です。  日本人が子音の日本語化を知っているか、いないかで、通じる英語で話せるか話せないかが、決まります。  ですから、このことを読者の皆さんに理解していただくのは、とても大事なことなのです。  私の仕事の妨害をしないでください。 

* * *

* * * 


クマさん、ウサギさん、ブタさん、それぞれが持っている旗に書かれたことの理由は、2017年7月30日のブログをご覧になるとわかります。