川合典子 ブログ

英語教育、英語学習、発音習得、帰国子女の言語習得について書いています。

発音練習はスピーキングを上達させる形でおこないましょう。

今回ご質問を下さったA子さんは、子ども英会話講師の面接試験で、担当の試験官から、「張りのある声で、すごく流暢に話されますね。」と言われましたと書いていらっしゃいました。

A子さんが、流暢に英語を話せるのは、文章で発音練習をしているからです。 私の2冊目の本をお持ちの方は141ページをご覧下さい。 will run と will show と言う2つの例を出して、will を言った後、舌の動きがどう違うかを説明しています。 will run の場合は、Lの後、舌は丸めやすいように動き will showのLの後は、舌は平らになりやすいように動きます。

下の図で言えば、単語と単語を言う間に舌がどういう動きをするか、つまり、単語を―――で表すと、〜〜の部分の口の動きまで、文章で発音練習する人は、練習していることになります。 


       単語     単語  
文章    ―――〜〜―――〜〜―――〜〜―――〜〜―――

だから流暢に、滑らかに英語がしゃべれるのです。 文の最初から最後まで、連続して口を動かす力が身についているからです。 

単語だけで発音練習している人は、文を言うにも、単語を言って並べるだけですので、図に描くと下のようになります。


文章    ――― ――― ――― ――― ――― ―――

単語同士を滑らかにつなぐ〜〜の部分の練習はしていませんので(ゆえに、上の図では空欄になっています)、流暢にしゃべっているという印象は与えません。

いつも ――― これしか口を動かしていない人に 
―――〜〜―――〜〜―――〜〜―――〜〜――― この長さまで連続して口を動かしてください、と言ってもできません。


スピーキングの能力というのはphysicalには口の動きを滑らかに数秒間、持続させる能力です。  唇の力を途中で抜くことなく、いくつもの単語をつなげて言う口の運び方を練習するのが、スピーキングの練習です。  

一生懸命、発音練習しているのに、スピーキングがちっともうまくならないと悩んでいる方は、発音練習のやり方が間違っているのだとご理解ください。 単語一つで発音練習している限りスピーキングの能力は上がりません。

初心者の場合は特に

発音練習=スピーキングの練習

と言う要素が強いです。 この「=」を成立させるためには、単語は2,3回練習したら文章の中で練習していくようにするとスピーキングの練習になります。 最初は2語でも結構です。 私の娘も最初はStop it! でした。 (休み時間に自分の嫌がることをしつこくしてくる男の子に「スタペド!」とものすごく大きな声で怒鳴りました。 たまたま学校に行って教室でそれを見た私は、「まだ、英語もよく話せないのに、よくあそこまで大きな声で言い返している」とびっくりしました。 友達をまねしてしゃべっていたそうです。 嫌がることをされたら「スタペド!」と大声でどなればいい、と学習したのでしょう。) 2語でもいいですから発音練習とスピーキングの練習を合体させてください。 

最初は2語でも、練習して、この線をだんだん延ばして行ってください。 スピーキングが上達します。

単語     単語
―――〜〜―――
―――〜〜―――〜〜――― 
―――〜〜―――〜〜―――〜〜―――    

文は長くてできないと思われるのでしたら、練習はDoes she とか go to とか文の中の2語ずつをつなげるように気をつける練習でも結構です。 私は今でも毎朝5400語音読するとき、「今度は文の中の2つの単語を滑らかにつなげられるよう特に注意してみよう」とか、いろいろな練習をして、文を滑らかに言う練習を工夫しています。 たった2語を意識してつなげて言う練習もばかには出来ないのです。 やってみると、学べることがたくさんあります。 そしてその時学んだ2語つなげる滑らかな口の動きは文中どこでも応用できるのです。 

発音練習は何のためにするのか?  上手にしゃべるためにしているのですよね。でしたら

発音練習=スピーキングの練習

これが効果的です。 発音練習の効果がスピーキングに表れます。 A子さんの様に、「すごく流暢に話されますね」といわれるような英語が話せるようになります。

なお、このとき使う文章は必ず、会話の文章を使ってください。 英語のリズムが一番よくわかります。 



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高校入試で子供たちが親の収入によって差別されない為に以下のお知らせを書かせていただきます。

高校入試のスピーキングテストについて(大学入試のスピーキングテストについても同様です)

高校入試のスピーキングテストは本来文部科学省が学校教育で正しい発音を生徒に教えてから行うべきものです。  しかし、文部科学省が教科書にCDもつけず、正しい発音の仕方も学校で教えないまま、高校入試でスピーキングテストを実施する動きが都立高校などで始まっています。 (大学入試でもスピーキングテストが行われようとしています)  これは、スピーキングスキルの習得を塾や予備校、会話学校に丸投げするものです。  学校で教えていないスキルを入試でテストすることはあり得ません。

これでは経済的に余裕のない、塾や会話学校にいけない家庭の子供は誰にも正しい発音を教えてもらえず、練習するCD(音声モデル)も与えられないまま、高校入試でスピーキングテストをされることになり、明らかに親の収入による進路の差別が始まります。(詳しくは2018年3月8日のブログ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」をお読みください。)

皆さんの身近に教育関係者がいらっしゃいましたら、ぜひ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」であることをお伝えください。  (大学入試のスピーキングテストについても同じことです)  
15歳で親の収入のために進路を差別されるのでは子供たちがあまりにもかわいそうです。

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英語教育については、下のブログも併せてご参照ください。  日付をクリックすると移動できます。
2017年10月12日
文部科学省 新中学校学習指導要領 英語 「4技能」は全く効果がない(子供たちが通じる発音でスラスラ話せるようになる学習指導要領の見本付き)




高校英語教育を文部科学省の誤解に基づいた方針から守るため、以下のご案内を書かせていただきます。

現在文部科学省が「グローバル化に対応した英語教育改革」の目玉として掲げているCAN-DO方式は、ヨーロッパの人々にはできますが、日本語を母国語とする人にはできない方式です。

文部科学省は「CAN-DO方式が日本人には不可能な方式である」と気づいておりません。  導入されれば教育現場は大変迷惑します。  中止する必要があります。  なぜCAN-DO方式が不可能なのかはこちらのブログをお読みください。

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何度もお願いをしているのですが、アマゾンのページで私の本のランキングを下げて妨害をしている人がやめてくれないので、(詳細はこちらです)しばらく以下の文章を掲載させていただくことにしました。

「本を出版する人は、他の著者の妨害をしない。  他の著者を妨害する人は自分の本も出版できない。」
出版社におかれましては、このことを出版の際、著者に理解していただいてください。

私のランキングを妨害している人は、たぶん、現実を受け入れられないのでしょう。
アマゾンの順位を1ペ―ジ目から2ページ目に下げられ、数日でまた2ページ目から3ページ目に下げられて、私は、この方の激しい妨害に驚いています。 

「学習者に正しい発音を習得してほしい」というのが自分の目標でしたら、他人を妨害する必要はありませんね。  他人を妨害してまで、何を手に入れたいのでしょうか。  ベストセラーの著者という名声ですか。  それなら、もうアマゾンで、ご自身の本はベストセラーに認定されているのですから、それで十分でしょう。  この上何が欲しくて私を妨害するのでしょうか?  もう英語教育とは関係ないことですか。  私はとても困っています。  

私は、こちらに書いてある3つのことをするのが、目的です。  日本人が子音の日本語化を知っているか、いないかで、通じる英語で話せるか話せないかが、決まります。  ですから、このことを読者の皆さんに理解していただくのは、とても大事なことなのです。  私の仕事の妨害をしないでください。 

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クマさん、ウサギさん、ブタさん、それぞれが持っている旗に書かれたことの理由は、2017年7月30日のブログをご覧になるとわかります。