川合典子 ブログ

英語教育、英語学習、発音習得、帰国子女の言語習得について書いています。

英語で考える(2)

書いているうちに今まで考えてきたことをいろいろ思い出しましたので、続けて書くことにしました。



いわゆる「英語脳」「英語で考える」と言う話が出ると、たとえばdogと言う単語を聞いたら「犬」と日本語で思わないで犬のイメージを思い浮かべればいい。とよく言われていました。

けれども私が、子供たちの英語習得過程を見ていて思ったのは、いわゆる「英語脳」や「英語で考える」と言うことは、イメージの世界で処理できるレベルのことではない、と言うことでした。 複雑で、思考の奥深く入る活動を英語でやっていくことでした。

学生時代、私は英語や英語学習に関する本をたくさん読みました。その中には、「英語を英語で考える」と言うことも書かれていました。 けれどもそのとき私は、「これは今の私には無理だ。できない。」と思いました。 なぜだかわかりませんけれども、私はそう思いました。

それから25年たって、二人の子供が英語で考えるようになる過程を横で、つぶさに観察した私は、学生時代「これは今の私には無理だ。できない。」と感じた理由を知ることになりました。

いわゆる「英語脳」や「英語で考える」と言うことは、英語をイメージで捉えることなどではとてもできない、複雑で、深い思考と結びついた頭の中の活動だと、子供たちを見ながら知ったからでした。思考と言うのは言葉を使ってやっていますね。 その言葉が日本語でなく英語になることが英語で考えることで、それは、イメージの世界のことではありませんでした。

多言語の中で成長過程を過ごした方の思考の実態はわかりません。そういう特殊な例を一般化することは意味がありません。 私のように日本で生まれ育った人間は思考も日本語でしています。普通の日本人はそうだと思います。

Dog と聞いて犬のイメージを浮かべることも無駄ではないでしょうけれど、それがいわゆる「英語脳」だと思っていると、英語で考えることにはたどり着けないと思います。

英語をものにするには、どこかで、大量の英語を処理する経験が必要だと思います。 「それを日本語に訳していいんですか、いけないんんですか。」と聞く余裕もないくらい大量の英語を処理する経験が必要だと思います。私の場合は読むことと聞くことをやってみました。けれどもただ聞く「だけ」では英語で考えるようにはなりませんでした。 やはり、受身の練習だけでは無理だということでしょう。




* * *


====================================


高校入試で子供たちが親の収入によって差別されない為に以下のお知らせを書かせていただきます。

高校入試のスピーキングテストについて(大学入試のスピーキングテストについても同様です)

高校入試のスピーキングテストは本来文部科学省が学校教育で正しい発音を生徒に教えてから行うべきものです。  しかし、文部科学省が教科書にCDもつけず、正しい発音の仕方も学校で教えないまま、高校入試でスピーキングテストを実施する動きが都立高校などで始まっています。 (大学入試でもスピーキングテストが行われようとしています)  これは、スピーキングスキルの習得を塾や予備校、会話学校に丸投げするものです。  学校で教えていないスキルを入試でテストすることはあり得ません。

これでは経済的に余裕のない、塾や会話学校にいけない家庭の子供は誰にも正しい発音を教えてもらえず、練習するCD(音声モデル)も与えられないまま、高校入試でスピーキングテストをされることになり、明らかに親の収入による進路の差別が始まります。(詳しくは2018年3月8日のブログ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」をお読みください。)

皆さんの身近に教育関係者がいらっしゃいましたら、ぜひ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」であることをお伝えください。  (大学入試のスピーキングテストについても同じことです)  
15歳で親の収入のために進路を差別されるのでは子供たちがあまりにもかわいそうです。

====================================

英語教育については、下のブログも併せてご参照ください。  日付をクリックすると移動できます。
2017年10月12日
文部科学省 新中学校学習指導要領 英語 「4技能」は全く効果がない(子供たちが通じる発音でスラスラ話せるようになる学習指導要領の見本付き)





高校英語教育を文部科学省の誤解に基づいた方針から守るため、以下のご案内を書かせていただきます。

現在文部科学省が「グローバル化に対応した英語教育改革」の目玉として掲げているCAN-DO方式は、ヨーロッパの人々にはできますが、日本語を母国語とする人にはできない方式です。

文部科学省は「CAN-DO方式が日本人には不可能な方式である」と気づいておりません。  導入されれば教育現場は大変迷惑します。  中止する必要があります。  なぜCAN-DO方式が不可能なのかはこちらのブログをお読みください。

* * *

何度もお願いをしているのですが、アマゾンのページで私の本のランキングを下げて妨害をしている人がやめてくれないので、(詳細はこちらです)しばらく以下の文章を掲載させていただくことにしました。

「本を出版する人は、他の著者の妨害をしない。  他の著者を妨害する人は自分の本も出版できない。」
出版社におかれましては、このことを出版の際、著者に理解していただいてください。

私のランキングを妨害している人は、たぶん、現実を受け入れられないのでしょう。
アマゾンの順位を1ペ―ジ目から2ページ目に下げられ、数日でまた2ページ目から3ページ目に下げられて、私は、この方の激しい妨害に驚いています。 

「学習者に正しい発音を習得してほしい」というのが自分の目標でしたら、他人を妨害する必要はありませんね。  他人を妨害してまで、何を手に入れたいのでしょうか。  ベストセラーの著者という名声ですか。  それなら、もうアマゾンで、ご自身の本はベストセラーに認定されているのですから、それで十分でしょう。  この上何が欲しくて私を妨害するのでしょうか?  もう英語教育とは関係ないことですか。 私は、とても困っています。  

私は、こちらに書いてある3つのことをするのが、目的です。  日本人が子音の日本語化を知っているか、いないかで、通じる英語で話せるか話せないかが、決まります。  ですから、このことを読者の皆さんに理解していただくのは、とても大事なことなのです。  私の仕事の妨害をしないでください。 

* * *

* * * 


クマさん、ウサギさん、ブタさん、それぞれが持っている旗に書かれたことの理由は、2017年7月30日のブログをご覧になるとわかります。