川合典子 ブログ

英語教育、英語学習、発音習得、帰国子女の言語習得について書いています。

英語はフィーリングで読まないで。

高校一年生のとき、英語の先生が、「英語はフィーリング読みしないでね。主語に対応する述語はどれか、否定だったら、何を否定しているか、比較だったら何と何を比較しているか、関係代名詞があったら何を修飾しているか、ちゃんとおさえて、読んでください。」と言われました。

私はそれからずっとそうやって、英文を読んできました。スピードを上げてたくさん読む練習をしたころは、もう、いちいち、そういうことを意識してやりませんが、いつもそうしていたので、自然にそういうことをおさえる読み方になっていました。

よく「母国語は文法的なことは気にしないで読んでいるのだから、英語もそういうことは必要ない。」と言う人がいますが、母国語と英語では今まで使ってきた量が全然違います。

私はアメリカにいたころ、自分が中学一年から大学4年まで(10年間)に接した英語の量(英語を勉強した時間ではなく、英語そのものを話したり、聞いたりした時間。)を、ハイスクールに通っていた息子が接する英語の量に換算してみたことがあります。

本当に大雑把に計算したのですが、私の10年は息子の一年と3ヶ月くらいでした。これだけ少ないのですから、とても英語を読むことを、最初から母国語と同じにしようとしても無理ですね。

最初はやはり、文法的にちゃんと、押さえるところは押さえて読んだほうがいいと思います。そのほうが言っていることを正確に把握できます。

同じ英語の先生が、「英語を読んだあと、内容について何かを聞かれて答えるときは、“AはBだとここにかいてあるから。”ときちんと読み取った根拠を持って答えてください。“フィーリングでこうじゃないかとおもうから、”そういう答えかたはしないでください。根拠をきちんと把握して、答えてください。」と言われました。(授業で新しいレッスンに入ると、その内容について、何人かが英語で質問して、指名された人が、英語で答えるということになっていました。)

最初は文の構造を捉えて読んでいくのは大変ですけれど、慣れていくとそれが当たり前になって自然に英文が読めますので、最初は正確に読む癖をつけていった方がいいとおもいます。

文の構造を捉えながら速く読むコツは、語順のとおり文を読みながら、文の構造を取っていくことです。後ろからは戻りません。そうやって頭から英文を読んでいくと、アメリカ人が何から順番に言っていくかと言うことがわかります。

It 〜 that 〜. の構文も 関係代名詞が出てくる構文も文の先頭から読んでいきながら構文を順次把握していくようにすると、英語の言い方に頭がなれていきます。 英文を後ろから戻って意味をとらずに、アメリカ人が考えている順番に単語をたどりますから、速度を上げる練習につなげていけます。

以前、時事英語を読むことをお教えしていた人が、複雑な文章になってくると、なかなか正確に意味が取れないことがありました。全体の流れから、内容を把握していくので、それほど、的外れな訳にはならないのですが、少し変だなと思って、文をどう捕らえたのか聞いてみると、構造を違って捉えていたことがよくありました。

発音をお教えしている生徒さんの中に、大学の先生がいるので聞いてみましたら、「今はそういう学生は多いですよ。」とおっしゃっていました。文の構造を捉えることは、最初のうちは、ちゃんとやった方がいいです。

フィーリング読みで、ある程度読んできてしまいますと、なかなか文の構造をしっかり捉えることは難しいようです。文章をネイティブが考えている順番で、単語をたどれば、そうやって英語を読むことは当たり前になりますので、最初は大変でも、この訓練をしていくことは、大きなメリットになります。 

それに最初からそうして読んでいると、練習を重ねてくると、「この文章は次にas が出てくる」、とか「that が出てくる」ということも感覚的にわかってきます。

基礎的な訓練は、最初から、きちんとやった方が、結局、生徒さん自身にとって楽ですし、そのあと、実力はどこまでも伸ばしていけます。

ネイティブは文法など意識していない、と言う意見もありますが、英語をしゃべることも読むことも、私たちは、日常的にやっているわけではありませんので、(したがって、大量にそれをしているネイティブとは違います。)最初から何もかもネイティブと同じと言うわけには行かないですね。基礎的なことをちゃんと押さえておくと、レベルアップすることも楽ですし、そのあとどこまでも英語力を伸ばしていけます。




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高校入試で子供たちが親の収入によって差別されない為に以下のお知らせを書かせていただきます。

高校入試のスピーキングテストについて(大学入試のスピーキングテストについても同様です)

高校入試のスピーキングテストは本来文部科学省が学校教育で正しい発音を生徒に教えてから行うべきものです。  しかし、文部科学省が教科書にCDもつけず、正しい発音の仕方も学校で教えないまま、高校入試でスピーキングテストを実施する動きが都立高校などで始まっています。 (大学入試でもスピーキングテストが行われようとしています)  これは、スピーキングスキルの習得を塾や予備校、会話学校に丸投げするものです。  学校で教えていないスキルを入試でテストすることはあり得ません。

これでは経済的に余裕のない、塾や会話学校にいけない家庭の子供は誰にも正しい発音を教えてもらえず、練習するCD(音声モデル)も与えられないまま、高校入試でスピーキングテストをされることになり、明らかに親の収入による進路の差別が始まります。(詳しくは2018年3月8日のブログ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」をお読みください。)

皆さんの身近に教育関係者がいらっしゃいましたら、ぜひ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」であることをお伝えください。  (大学入試のスピーキングテストについても同じことです)  
15歳で親の収入のために進路を差別されるのでは子供たちがあまりにもかわいそうです。

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英語教育については、下のブログも併せてご参照ください。  日付をクリックすると移動できます。
2017年10月12日
文部科学省 新中学校学習指導要領 英語 「4技能」は全く効果がない(子供たちが通じる発音でスラスラ話せるようになる学習指導要領の見本付き)






高校英語教育を文部科学省の誤解に基づいた方針から守るため、以下のご案内を書かせていただきます。

現在文部科学省が「グローバル化に対応した英語教育改革」の目玉として掲げているCAN-DO方式は、ヨーロッパの人々にはできますが、日本語を母国語とする人にはできない方式です。

文部科学省は「CAN-DO方式が日本人には不可能な方式である」と気づいておりません。  導入されれば教育現場は大変迷惑します。  中止する必要があります。  なぜCAN-DO方式が不可能なのかはこちらのブログをお読みください。

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何度もお願いをしているのですが、アマゾンのページで私の本のランキングを下げて妨害をしている人がやめてくれないので、(詳細はこちらです)しばらく以下の文章を掲載させていただくことにしました。

「本を出版する人は、他の著者の妨害をしない。  他の著者を妨害する人は自分の本も出版できない。」
出版社におかれましては、このことを出版の際、著者に理解していただいてください。

私のランキングを妨害している人は、たぶん、現実を受け入れられないのでしょう。
アマゾンの順位を1ペ―ジ目から2ページ目に下げられ、数日でまた2ページ目から3ページ目に下げられて、私は、この方の激しい妨害に驚いています。 

「学習者に正しい発音を習得してほしい」というのが自分の目標でしたら、他人を妨害する必要はありませんね。  他人を妨害してまで、何を手に入れたいのでしょうか。  ベストセラーの著者という名声ですか。  それなら、もうアマゾンで、ご自身の本はベストセラーに認定されているのですから、それで十分でしょう。  この上何が欲しくて私を妨害するのでしょうか?  もう英語教育とは関係ないことですか。 私は、とても困っています。  

私は、こちらに書いてある3つのことをするのが、目的です。  日本人が子音の日本語化を知っているか、いないかで、通じる英語で話せるか話せないかが、決まります。  ですから、このことを読者の皆さんに理解していただくのは、とても大事なことなのです。  私の仕事の妨害をしないでください。 

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クマさん、ウサギさん、ブタさん、それぞれが持っている旗に書かれたことの理由は、2017年7月30日のブログをご覧になるとわかります。