川合典子 ブログ

英語教育、英語学習、発音習得、帰国子女の言語習得について書いています。

脳による認識(Rの発音ーその2)

昨日も書きましたように(11月1日のブログはこちらです。http://d.hatena.ne.jp/creato-k/20121101)、Rの発音はそれだけで発音練習したり、単語で発音練習していても、相手に聞こえるように言うことはできません。文章の中で、相手に聞こえるように言う練習をしてください。

長くて、強い、単語のはじめの子音を聞きなれているネイティブは、日本語のようにちょっと触れるだけの子音では、認識できません。 したがって、日本人の「言っているつもり」という発音の仕方では不十分です。 

日本語は単語の合間でちょこちょこ息継ぎをしながら文章を話し、単語の最初の子音でほとんど息を送りません。英語の子音を聞こえるように話すには、息を持続して出しながら単語の最初の子音を言っていく練習を文章の形でしなければなりません。


「自分で音は聞けない」とおっしゃる方が多いのですが、「文中の一つの音だけ、しかもRの長さだけを比べる」ことなら誰でもできると思います。 自分の発音だけ聞いていると分かりませんが、比べる対象があると長さの違いは分かります。ぜひ自分の発音を録音してモデルと比べて聞いてみてください。

音を比べることは耳の仕事のように見えますが、皆さんが音を比べて「英語のRの音が日本語の子音より長い」と分かったとき、「英語と日本語の子音の違いを認識した」ことになります。 そして、皆さんもご存知のとおり、「認識する」というのは、もはや耳の領域ではなく、脳の意識活動の領域に入ります。 Rの長さの違いを認識した脳は、今度は皆さんが発音するとき、語頭のRを長く発音するよう、口に指令を出します。だからこそ発音が正しくなっていくのです。 

「モデルと自分の発音を比べて直す」という一連の練習は、耳、口、ばかりでなく、脳の活動を含み、有機的につながる各部の機能を一体として訓練し、発音能力を高めて行く方法です。この点を理解していただけば、川合メソッドの「モデルと自分の発音を比べて自分で直す方法」でなぜ正しい発音習得ができるのか、ご理解いただけると思います。

「ただ真似をするだけ」では身につけられなかった正しい発音の習得が、「脳によって、違いを認識する訓練」を入れることにより、可能になったのです。




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高校入試で子供たちが親の収入によって差別されない為に以下のお知らせを書かせていただきます。

高校入試のスピーキングテストについて(大学入試のスピーキングテストについても同様です)

高校入試のスピーキングテストは本来文部科学省が学校教育で正しい発音を生徒に教えてから行うべきものです。  しかし、文部科学省が教科書にCDもつけず、正しい発音の仕方も学校で教えないまま、高校入試でスピーキングテストを実施する動きが都立高校などで始まっています。 (大学入試でもスピーキングテストが行われようとしています)  これは、スピーキングスキルの習得を塾や予備校、会話学校に丸投げするものです。  学校で教えていないスキルを入試でテストすることはあり得ません。

これでは経済的に余裕のない、塾や会話学校にいけない家庭の子供は誰にも正しい発音を教えてもらえず、練習するCD(音声モデル)も与えられないまま、高校入試でスピーキングテストをされることになり、明らかに親の収入による進路の差別が始まります。(詳しくは2018年3月8日のブログ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」をお読みください。)

皆さんの身近に教育関係者がいらっしゃいましたら、ぜひ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」であることをお伝えください。  (大学入試のスピーキングテストについても同じことです)  
15歳で親の収入のために進路を差別されるのでは子供たちがあまりにもかわいそうです。

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英語教育については、下のブログも併せてご参照ください。  日付をクリックすると移動できます。
2017年10月12日
文部科学省 新中学校学習指導要領 英語 「4技能」は全く効果がない(子供たちが通じる発音でスラスラ話せるようになる学習指導要領の見本付き)




高校英語教育を文部科学省の誤解に基づいた方針から守るため、以下のご案内を書かせていただきます。

現在文部科学省が「グローバル化に対応した英語教育改革」の目玉として掲げているCAN-DO方式は、ヨーロッパの人々にはできますが、日本語を母国語とする人にはできない方式です。

文部科学省は「CAN-DO方式が日本人には不可能な方式である」と気づいておりません。  導入されれば教育現場は大変迷惑します。  中止する必要があります。  なぜCAN-DO方式が不可能なのかはこちらのブログをお読みください。

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何度もお願いをしているのですが、アマゾンのページで私の本のランキングを下げて妨害をしている人がやめてくれないので、(詳細はこちらです)しばらく以下の文章を掲載させていただくことにしました。

「本を出版する人は、他の著者の妨害をしない。  他の著者を妨害する人は自分の本も出版できない。」
出版社におかれましては、このことを出版の際、著者に理解していただいてください。

私のランキングを妨害している人は、たぶん、現実を受け入れられないのでしょう。
アマゾンの順位を1ペ―ジ目から2ページ目に下げられ、数日でまた2ページ目から3ページ目に下げられて、私は、この方の激しい妨害に驚いています。 

「学習者に正しい発音を習得してほしい」というのが自分の目標でしたら、他人を妨害する必要はありませんね。  他人を妨害してまで、何を手に入れたいのでしょうか。  ベストセラーの著者という名声ですか。  それなら、もうアマゾンで、ご自身の本はベストセラーに認定されているのですから、それで十分でしょう。  この上何が欲しくて私を妨害するのでしょうか?  もう英語教育とは関係ないことですか。 私は、とても困っています。  

私は、こちらに書いてある3つのことをするのが、目的です。  日本人が子音の日本語化を知っているか、いないかで、通じる英語で話せるか話せないかが、決まります。  ですから、このことを読者の皆さんに理解していただくのは、とても大事なことなのです。  私の仕事の妨害をしないでください。 

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クマさん、ウサギさん、ブタさん、それぞれが持っている旗に書かれたことの理由は、2017年7月30日のブログをご覧になるとわかります。