川合典子 ブログ

英語教育、英語学習、発音習得、帰国子女の言語習得について書いています。

英会話のレッスン(読者の方からの質問)

読者の方からいただいた質問で、皆様にも参考になることですので、こちらでご紹介したいと思います。

質問を下さったのは30代半ばの女性の方です。
昨年12月に私の本を購入し、中学校一年生の教科書を使って、川合メソッドを実践してこられた方です。 本の説明のとおりに勉強して、お手本と自分の発音との違いも判るようになったそうです。 メールを下さった時点で、発声練習も10ヶ月続けられて鼻腔への通路も開いているようです。 先月、急に寒くなったとき、「鼻腔がひりひりするので、数日発声練習をお休みしています」と書かれた文面から私にもそれが分かりました。

音の違いを理解したり、鼻腔への通路が開いてきたりするのは、丁寧に勉強を続けてこられたからだと、感心しました。

ご質問は次のようなものでした。

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そして、8月からオンラインで英会話レッスンをはじめましたが、
会話が気がつくと日本語の発声やリズムに戻ってしまいます。
以前翻訳をしていたせいかチャンクで区切って考える癖があり、英語を話すとき出てしまいます。
まだ実際の会話は早いのでしょうか?
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と言うものでした。この質問に対する私の回答は次のようなものです。ご質問を下さった方の名前は文中「Aさん」となっています。

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私も、中学生の時に、生徒3人でネイティブの先生と英会話のレッスンをしました。「years old の発音の思い出」 (2012年1月19日) と言うブログにこのことは書きました。 そのころの私は英会話のレッスンを、何かを勉強する場所とは考えていませんでした。発音を独学していましたので、自分で勉強したことを試す場所だと思っていました。 あまり言える文章はありませんでしたけれど、自分が今までに発音練習した文章の中から、言えそうなものをいくつか覚えていって、先生に言ってみました。 それが通じるととてもうれしかったです。

そのときは先生に質問する文章をよく覚えていきました。それなら、自分が言えばいいのですから、使えますね。

Aさんがどのような会話をオンラインでなさっているのか分かりませんが、もしこちらの希望を言えるのであれば、自分が中学一年の教科書、つまり初めて英語を学ぶ人が使うテキストで発音練習しているとお話して、その中の文章を少し先生に読んでお聞かせして、「ここに書いてあるような文章をなるべく使って会話をしたい」とお願いしてみたらいかがでしょうか。

私は、会話のレッスンを全部正しい発音でできなくても良いと思っておりました。 まだ発音は練習中の身でしたから、一つでも二つでも正しい発音で言える文章が増えてくればそれでいいと思っておりました。

それと、会話のレッスンはモティベーション(やる気)を上げることに役立てていました。 自分が、正しい発音で、一つでも文章がしゃべれると、うれしくなり、また発音練習しようと言う気持ちが起こってきました。 先生に自分の英語が通じたと思うと、うれしくて「また勉強しよう」と言う気持ちになりました。 

私は、Aさんが、中学一年の教科書で、発音を勉強されていることが、一番大事なことだと思います。 会話のレッスンは自分で勉強したことを試す場であり、モティベーションを高める場、ぐらいに考えて、そこでの英語はあまり、重きをおく必要はないと思います。私は基本的に発音の練習は自分の耳と口を使って自分で行うものであり、会話のレッスンで発音自体を身につけることは出来ないと考えております。

それよりも、いまやっていらっしゃる、中学校一年の教科書で、しっかり、発音を学んでいかれるといいと思います。この練習をぜひ、やめないで続けてください。そして正しい発音で言える文章の数を増やしてください。2年生の教科書まで終えると、かなりたくさんの文が言えるようになります。(私が教師をしていたころは2年生までで、中学で学ぶ事項の80パーセントを学習するといわれていました。今はどうか分かりませんが。)教科書が飽きるのであれば、会話集のようなものをお使いになってもいいと思います。 正しい発音で言える文章が増えると、その中の単語を入れ替えたりしてある程度の会話が正しい発音でできるようになります。 そこまでまず、もって行かれることを目標にされたらいかがでしょうか?

私の生徒さんですと、大体2年くらい発音練習を続けると、そういう状態になってきます。

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以上が私の回答でした。ネイティブと会話のレッスンをすることはネイティブの口の動きが見られたり、音の共鳴が聞けたり、ネイティブと話すことに慣れるというようないろいろな利点はありますが、基本的に正しい発音でしゃべることは自分の耳、口、脳を使って練習していかなければ身につけることはできないと私は考えています。

続きは、今週中に書きます。




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高校入試で子供たちが親の収入によって差別されない為に以下のお知らせを書かせていただきます。

高校入試のスピーキングテストについて(大学入試のスピーキングテストについても同様です)

高校入試のスピーキングテストは本来文部科学省が学校教育で正しい発音を生徒に教えてから行うべきものです。  しかし、文部科学省が教科書にCDもつけず、正しい発音の仕方も学校で教えないまま、高校入試でスピーキングテストを実施する動きが都立高校などで始まっています。 (大学入試でもスピーキングテストが行われようとしています)  これは、スピーキングスキルの習得を塾や予備校、会話学校に丸投げするものです。  学校で教えていないスキルを入試でテストすることはあり得ません。

これでは経済的に余裕のない、塾や会話学校にいけない家庭の子供は誰にも正しい発音を教えてもらえず、練習するCD(音声モデル)も与えられないまま、高校入試でスピーキングテストをされることになり、明らかに親の収入による進路の差別が始まります。(詳しくは2018年3月8日のブログ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」をお読みください。)

皆さんの身近に教育関係者がいらっしゃいましたら、ぜひ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」であることをお伝えください。  (大学入試のスピーキングテストについても同じことです)  
15歳で親の収入のために進路を差別されるのでは子供たちがあまりにもかわいそうです。

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英語教育については、下のブログも併せてご参照ください。  日付をクリックすると移動できます。
2017年10月12日
文部科学省 新中学校学習指導要領 英語 「4技能」は全く効果がない(子供たちが通じる発音でスラスラ話せるようになる学習指導要領の見本付き)




高校英語教育を文部科学省の誤解に基づいた方針から守るため、以下のご案内を書かせていただきます。

現在文部科学省が「グローバル化に対応した英語教育改革」の目玉として掲げているCAN-DO方式は、ヨーロッパの人々にはできますが、日本語を母国語とする人にはできない方式です。

文部科学省は「CAN-DO方式が日本人には不可能な方式である」と気づいておりません。  導入されれば教育現場は大変迷惑します。  中止する必要があります。  なぜCAN-DO方式が不可能なのかはこちらのブログをお読みください。

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何度もお願いをしているのですが、アマゾンのページで私の本のランキングを下げて妨害をしている人がやめてくれないので、(詳細はこちらです)しばらく以下の文章を掲載させていただくことにしました。

「本を出版する人は、他の著者の妨害をしない。  他の著者を妨害する人は自分の本も出版できない。」
出版社におかれましては、このことを出版の際、著者に理解していただいてください。

私のランキングを妨害している人は、たぶん、現実を受け入れられないのでしょう。
アマゾンの順位を1ペ―ジ目から2ページ目に下げられ、数日でまた2ページ目から3ページ目に下げられて、私は、この方の激しい妨害に驚いています。 

「学習者に正しい発音を習得してほしい」というのが自分の目標でしたら、他人を妨害する必要はありませんね。  他人を妨害してまで、何を手に入れたいのでしょうか。  ベストセラーの著者という名声ですか。  それなら、もうアマゾンで、ご自身の本はベストセラーに認定されているのですから、それで十分でしょう。  この上何が欲しくて私を妨害するのでしょうか?  もう英語教育とは関係ないことですか。 私は、とても困っています。  

私は、こちらに書いてある3つのことをするのが、目的です。  日本人が子音の日本語化を知っているか、いないかで、通じる英語で話せるか話せないかが、決まります。  ですから、このことを読者の皆さんに理解していただくのは、とても大事なことなのです。  私の仕事の妨害をしないでください。 

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クマさん、ウサギさん、ブタさん、それぞれが持っている旗に書かれたことの理由は、2017年7月30日のブログをご覧になるとわかります。