川合典子 ブログ

英語教育、英語学習、発音習得、帰国子女の言語習得について書いています。

いつでも正しい発音でしゃべれるようにする練習

発音を学習している人の共通する悩みの一つに、「発音練習しているときは正しい発音でいえるのに、実際にネイティブと会話したとき、日本語っぽい発音になる」と言うことがあります。これからしゃべることを考えたり、相手の話を聞き取ったりしているので、発音を気にしていられなくなるのですね。

私もこういう問題に直面しました。 これをどうやって解決したかと言いますと、「長い時間、継続して正しい発音で話せるようにする」という練習をして、解決しました。 

川合メソッドの練習を始めて2年たって、正しい発音で会話の文章が使えるようになった生徒さんに、私はまず、1分間、続けて、最初から最後まで正しい発音でしゃべれるように練習してもらいます。 長い文章を練習する方法は2011年11月6日のブログhttp://d.hatena.ne.jp/creato-k/20111106で説明していますのでそちらを参考にしてください。 このときは文章の長文の練習の仕方を例に取っていますが、もちろん、長く続いている会話の文章を使っても結構です。 要は最初から最後まで話すと、1分くらいかかる教材を使ってください、と言うことです。ただし、しゃべり方が違いますので、演説は不可です。

生徒さんが実際に1分8秒、ずっと正しい発音で音読したときの感想が手元にあります。下のように書いてありました。

「センテンスをずっと続けて完全に発音するのはすごい集中がいる。録音を切り貼りしたいくらいだった。前半がうまくいくと後半でうまくできなかったり、気になっていたところができたと思ったら違うところで、うまく発音できなかったり。 本当に録音を切り貼りしたいようだった。」

と書いてありました。でも、録音を切り貼りしないで、ずっと正しい発音でしゃべれるように練習したから、「やっと、口と舌の筋肉が英語をしゃべる動きになってきたような気がする。」とも書いてありました。

この練習をすると、今までより、発音だけに集中していなくても、正しい発音でしゃべれるようになります。

なぜ長い時間続けて正しい発音で話す練習をすると、発音をそんなに気にしなくても正しい発音でしゃべれるようになるのかと言いますと、次から次へ正しい発音で口を動かす練習をすると、途中で発音を考える暇がなくなります。つまり、無意識に発音しても、口が正しい動きをするように練習せざるを得なくなるのですね。これが、正しい発音で、安定して話せるようになる力をつけてくれるのです。

私は3つくらい題材を変えて、1分間正しい発音で話せるように生徒さんに、練習してもらいました。一つの題材に、何ヶ月かかっても、かまいません。自分のペースでやってもらいます。 時には練習に飽きて、また会話文の練習に戻って、思い出したように1分間の教材の練習を始める人もいます。それでもまったくかまいません。要は、「発音練習を継続していること」、大事なのはそれなのです。 会話文の練習に戻ってもう少し練習した方が、1分間の教材も楽にできるようになるかもしれませんし、その辺は各自のやりたいようにやってもらいます。練習を継続している限り、問題はありません。

それが終わったら、次は3分間正しい発音でしゃべり続ける練習をしてもらいます。そして最後に、「15分正しい発音でずっと続けてしゃべれるようにすることを目標にしてください。」と言います。 そうすると正しい発音で安定してしゃべれるようになります。


私はこのブログを書くに当たって、もう一度、この1分8秒続けてしゃべる練習をする前の生徒さんの発音としたあとの生徒さんの発音を比べてみました。英語の滑らかさがまったく違いました。長い時間正しい発音でしゃべれるように練習した後は、非常に滑らかに筋肉が動くようになっていました。しかも、動きが自然になりました。 

ただしこの練習は必ず、2年間(進度が早い方の場合でも、一年半)は、川合メソッドの方法で練習したあとに行ってください。 そこまで行わないのに、無理して長い時間しゃべれるように練習しても、まだ正しくできるようになっていない口の動きを無理して、長時間することになり、適切な練習とは言えません。

筋肉の動きは練習したあと、休んで筋肉になじませ、また、練習をして強化し、休んで筋肉になじませ、を繰り返して、定着していくものです。 それが初めての動きで、正確に行おうとすればするほど、丁寧に体に覚えこませていく必要があります。一日5時間発音を練習したら、翌日は正確にしゃべれるというわけではありませんね。習得するまでの時間がかかります。 そのあと、長い時間、発音できるようにして定着させてください。

練習を始めて丸3年たったころ、3分間の教材を正しい発音で最初から最後までいえるようになります。 それから15分間正しい発音でしゃべれることを目標にしてもらいます。

もっと徹底したかったら、30分、正しい発音でしゃべり続ける練習を一年間続けてください。 私もその練習をしたあとから、どこでしゃべっても正しい発音で安定してしゃべれるようになりました。

* * * 発音練習のヒント * * *
発音練習は何ヶ月か腰を落ち着けて行いましょう。2012年1月4日のホームページ発音のヒントの「I’m Ann Green.」と言う文の私と生徒さんの発音を比べてください。レッスン第一回目の発音と長く練習をしてきた私の発音の比較です。単語3つの簡単な文章でも、長く筋肉の動きを練習してきた人とこれから練習する人の違いは、こんなにはっきり出るのです。

筋肉は2,3日の練習で、滑らかに動くようにはなりません。なったとしてもそれは英会話ではとても使えません。自分の注意を全部発音に集中してしゃべっているようでは、会話には使えません。 会話は相手の言っていることを聞き、自分の言いたいことを考えながらしゃべります。発音を気にしなくても、正しい発音でしゃべれる状態にしていかなければなりません。発音練習は一定期間腰を落ち着けて行ってください。 努力した分は必ず、自分の話す英語の滑らかさとなって表れます。



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高校入試で子供たちが親の収入によって差別されない為に以下のお知らせを書かせていただきます。

高校入試のスピーキングテストについて(大学入試のスピーキングテストについても同様です)

高校入試のスピーキングテストは本来文部科学省が学校教育で正しい発音を生徒に教えてから行うべきものです。  しかし、文部科学省が教科書にCDもつけず、正しい発音の仕方も学校で教えないまま、高校入試でスピーキングテストを実施する動きが都立高校などで始まっています。 (大学入試でもスピーキングテストが行われようとしています)  これは、スピーキングスキルの習得を塾や予備校、会話学校に丸投げするものです。  学校で教えていないスキルを入試でテストすることはあり得ません。

これでは経済的に余裕のない、塾や会話学校にいけない家庭の子供は誰にも正しい発音を教えてもらえず、練習するCD(音声モデル)も与えられないまま、高校入試でスピーキングテストをされることになり、明らかに親の収入による進路の差別が始まります。(詳しくは2018年3月8日のブログ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」をお読みください。)

皆さんの身近に教育関係者がいらっしゃいましたら、ぜひ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」であることをお伝えください。  (大学入試のスピーキングテストについても同じことです)  
15歳で親の収入のために進路を差別されるのでは子供たちがあまりにもかわいそうです。

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英語教育については、下のブログも併せてご参照ください。  日付をクリックすると移動できます。
2017年10月12日
文部科学省 新中学校学習指導要領 英語 「4技能」は全く効果がない(子供たちが通じる発音でスラスラ話せるようになる学習指導要領の見本付き)




高校英語教育を文部科学省の誤解に基づいた方針から守るため、以下のご案内を書かせていただきます。

現在文部科学省が「グローバル化に対応した英語教育改革」の目玉として掲げているCAN-DO方式は、ヨーロッパの人々にはできますが、日本語を母国語とする人にはできない方式です。

文部科学省は「CAN-DO方式が日本人には不可能な方式である」と気づいておりません。  導入されれば教育現場は大変迷惑します。  中止する必要があります。  なぜCAN-DO方式が不可能なのかはこちらのブログをお読みください。

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何度もお願いをしているのですが、アマゾンのページで私の本のランキングを下げて妨害をしている人がやめてくれないので、(詳細はこちらです)しばらく以下の文章を掲載させていただくことにしました。

「本を出版する人は、他の著者の妨害をしない。  他の著者を妨害する人は自分の本も出版できない。」
出版社におかれましては、このことを出版の際、著者に理解していただいてください。

私のランキングを妨害している人は、たぶん、現実を受け入れられないのでしょう。
アマゾンの順位を1ペ―ジ目から2ページ目に下げられ、数日でまた2ページ目から3ページ目に下げられて、私は、この方の激しい妨害に驚いています。 

「学習者に正しい発音を習得してほしい」というのが自分の目標でしたら、他人を妨害する必要はありませんね。  他人を妨害してまで、何を手に入れたいのでしょうか。  ベストセラーの著者という名声ですか。  それなら、もうアマゾンで、ご自身の本はベストセラーに認定されているのですから、それで十分でしょう。  この上何が欲しくて私を妨害するのでしょうか?  もう英語教育とは関係ないことですか。 私は、とても困っています。  

私は、こちらに書いてある3つのことをするのが、目的です。  日本人が子音の日本語化を知っているか、いないかで、通じる英語で話せるか話せないかが、決まります。  ですから、このことを読者の皆さんに理解していただくのは、とても大事なことなのです。  私の仕事の妨害をしないでください。 

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クマさん、ウサギさん、ブタさん、それぞれが持っている旗に書かれたことの理由は、2017年7月30日のブログをご覧になるとわかります。