川合典子 ブログ

英語教育、英語学習、発音習得、帰国子女の言語習得について書いています。

ベルヌーイの定理

中学3年生の時の担任の先生は理科の先生でしたが、「僕は大学に行って、学問というものに触れたような気がした。  それがとても嬉しかった。  学問とは何か、ということが少しだけどわかった気がして、嬉しかった。」とおっしゃったことがありました。

この先生は授業の時、月齢を数える数式を教えてくださって、私はその日から、毎日月齢を計算して、今日のお月様はこんな形、と確認するのが、日課になりました。  

でも、先生はその数式の中の定数は年によって変わるとおっしゃったので、新しい年が明けた時、もうこの式では月齢はわからないんだなあと思って、計算することをやめてしまったので、毎日、月の形を月齢で確認することもなくなりました。

今思うと、この理科の先生は担任の先生だったのですから、式の中の定数くらい質問に行って、教えてもらえばよかったのに、と思います。

質問といえば、ある時理科で、多分圧力の事だったと思いますが、何かわからないことがあって、先生に質問に行きました。  先生が説明してくださっても私は理解出来ませんでした。

そうしたら、先生は職員室のなかにある、先生方が、お茶のお茶碗を洗う流しのところに私を連れて行きました。  そして、水道の蛇口をひねって水を出し、そこにあった、コーヒ―用のスプーンの柄を持って口に入れる丸い部分を下に垂らして、水流に近づけて行きました。  

先生は「川合、このまま、こうやってスプーンを水流に近づけて行ったら、スプーンはどうなると思うか?」と、聞きました。  水流はすごく勢い良く流れていたので、垂れ下がっているスプーンの口に入れる丸い部分は水の流れにぶつかって、外側に跳ねるような気がしたので、私はそう言いました。

そうしたら、先生は「見ていてご覧」と言いながらスプーンをもっと水流に近づけました。

そうしたらスプーンはさっと水流の中に吸い込まれました。  先生はもう一度やって見せてくれました。  私は不思議なものでも見るようにその様子をじっと見ていました。

先生はなぜそうなるのか、私にもわかるような易しい説明をしてくれました。  いろんなことを説明してくださった中に「ベルヌーイの定理」というような言葉もありました。  それがなんだかよくわかりませんでしたけれど、教室に戻って、理科の教科書の今日先生に質問したページに「ベルヌーイの定理」と紙に書いて挟んでおきました。

「学問に触れたような気がした」とおっしゃった先生が、きっと大学で学ばれたことなんだろうなと思ったので、そうしたのだと思います。  それ以来、時々、流しでスプーン洗うとき、その言葉を思い出しました。  きっと中学生の私も、大人になって「ベルヌーイの定理」がわかるようになったら、学問が何か、わかるようになると思ったのでしょうね。  子供ながらに、その日が来るまで、その言葉を覚えていようと思ったのだと思います。  

それから中学を卒業し、私は高校、大学と進学して、今まで知らなかったことを授業でたくさん知ることが出来ました。 けれども残念なことに、私は文科系に進みましたので、ついに「ベルヌーイの定理」を学ぶことはありませんでした。   (大学時代の授業の思い出は、こちらのブログに書いてあります。  6月9日「順を追って学ぶことの重要性」http://d.hatena.ne.jp/creato-k/20130609、 6月28日「教育原理の授業」http://d.hatena.ne.jp/creato-k/20130628、 4月28日「高校時代の思い出」http://d.hatena.ne.jp/creato-k/20130428、 3月12日「教育心理の授業」http://d.hatena.ne.jp/creato-k/20130312、 5月13日「Lの発音」http://d.hatena.ne.jp/creato-k/201305132011年8月22日「英語教育法の授業」。




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高校入試で子供たちが親の収入によって差別されない為に以下のお知らせを書かせていただきます。

高校入試のスピーキングテストについて(大学入試のスピーキングテストについても同様です)

高校入試のスピーキングテストは本来文部科学省が学校教育で正しい発音を生徒に教えてから行うべきものです。  しかし、文部科学省が教科書にCDもつけず、正しい発音の仕方も学校で教えないまま、高校入試でスピーキングテストを実施する動きが都立高校などで始まっています。 (大学入試でもスピーキングテストが行われようとしています)  これは、スピーキングスキルの習得を塾や予備校、会話学校に丸投げするものです。  学校で教えていないスキルを入試でテストすることはあり得ません。

これでは経済的に余裕のない、塾や会話学校にいけない家庭の子供は誰にも正しい発音を教えてもらえず、練習するCD(音声モデル)も与えられないまま、高校入試でスピーキングテストをされることになり、明らかに親の収入による進路の差別が始まります。(詳しくは2018年3月8日のブログ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」をお読みください。)

皆さんの身近に教育関係者がいらっしゃいましたら、ぜひ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」であることをお伝えください。  (大学入試のスピーキングテストについても同じことです)  
15歳で親の収入のために進路を差別されるのでは子供たちがあまりにもかわいそうです。

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英語教育については、下のブログも併せてご参照ください。  日付をクリックすると移動できます。
2017年10月12日
文部科学省 新中学校学習指導要領 英語 「4技能」は全く効果がない(子供たちが通じる発音でスラスラ話せるようになる学習指導要領の見本付き)




高校英語教育を文部科学省の誤解に基づいた方針から守るため、以下のご案内を書かせていただきます。

現在文部科学省が「グローバル化に対応した英語教育改革」の目玉として掲げているCAN-DO方式は、ヨーロッパの人々にはできますが、日本語を母国語とする人にはできない方式です。

文部科学省は「CAN-DO方式が日本人には不可能な方式である」と気づいておりません。  導入されれば教育現場は大変迷惑します。  中止する必要があります。  なぜCAN-DO方式が不可能なのかはこちらのブログをお読みください。


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何度もお願いをしているのですが、アマゾンのページで私の本のランキングを下げて妨害をしている人がやめてくれないので、(詳細はこちらです)しばらく以下の文章を掲載させていただくことにしました。

「本を出版する人は、他の著者の妨害をしない。  他の著者を妨害する人は自分の本も出版できない。」
出版社におかれましては、このことを出版の際、著者に理解していただいてください。

私のランキングを妨害している人は、たぶん、現実を受け入れられないのでしょう。
アマゾンの順位を1ペ―ジ目から2ページ目に下げられ、数日でまた2ページ目から3ページ目に下げられて、私は、この方の激しい妨害に驚いています。 

「学習者に正しい発音を習得してほしい」というのが自分の目標でしたら、他人を妨害する必要はありませんね。  他人を妨害してまで、何を手に入れたいのでしょうか。  ベストセラーの著者という名声ですか。  それなら、もうアマゾンで、ご自身の本はベストセラーに認定されているのですから、それで十分でしょう。  この上何が欲しくて私を妨害するのでしょうか?  もう英語教育とは関係ないことですか。  私はとても困っています。  

私は、こちらに書いてある3つのことをするのが、目的です。  日本人が子音の日本語化を知っているか、いないかで、通じる英語で話せるか話せないかが、決まります。  ですから、このことを読者の皆さんに理解していただくのは、とても大事なことなのです。  私の仕事の妨害をしないでください。 

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クマさん、ウサギさん、ブタさん、それぞれが持っている旗に書かれたことの理由は、2017年7月30日のブログをご覧になるとわかります。